2024年 フライフィッシング対象魚・人気ランキング BEST 16

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2024年が終わり、満を持してランキング発表の時期がやってまいりました!

本ランキングでは2024年中、日本からトリニダード・トバゴまで世界152ヵ国からアクセスのあった本サイトをGoogle アナリティクスのアクセス集計データに基づいて、どのフライフィッシング対象魚の情報が一番長く多くの人たちから閲覧されていたかを「興味指数」としてランク付けに使っています。

フライフィッシングでどんな魚が釣れるの?あなたの愛する魚は大丈夫?それではランキングを見てみましょう!

BEST 16 - ニューフェイス大健闘!

BEST 8 未満はスコアが近いため勝敗が大きく入れ替わるのですが、今回はあらゆる階層で激しく入れ替えが起きました!フライフィッシングが新しい時代に突入した兆し?

#16: スモールマウスバス / Smallmouth Bass (14->16)

イワイミノーをガップリと咥えたスモールマウスバス

都市郊外リバーのヒーロー、川バスことスモールマウスがベスト16に残りました。流れの中やストラクチャーから勇猛にフライにアタックしてくるエキサイティングさ。フックセットされた後の突っ込みパワーなど、シーバスに通じる面白さを持つフィッシュ。ウェット&ストリーマーのあらゆる技が通用するので、スイングフィッシングが好きな人間には超おすすめです。

TFFCCエドにとってはアメリカ時代にフライフィッシングで初めて釣った思い入れのある魚種です。

#15: ラージマウスバス / Largemouth Bass (17->15)

フライフィッシング ラージマウスバス ブラックバス ヌードル
スローフォールのスキンマテリアルの長物フライをがっぷり

事あるごとにギャング扱いされてきたが、実際は子育てに邁進する家族思いのプレデター、ラージマウスバス。再びベスト16に帰ってきました。

全米のフィッシング人気度では常にNo.1の地位に君臨するラージマウスバス。2位のパンフィッシュ(ブルーギルなど)や、3位以下のトラウトやキャットフィッシュなどの追随を許さない王者となっています。

ご注意

スモールマウスバス・ラージマウスバス共に都内の公園はリール釣りが禁止されているので、テンカラ竿で狙う必要があります。特定外来魚につき、リリースについては東京都は規定なし、それ以外は各道府県のルールに従ってください。

#14: ブリ/Japanese Amberjack (32->14)

神奈川県西湘海岸のナブラ撃ちでキャッチしたイナダサイズ

今や北海道まで生息域を広げた、沿岸回遊するアジ科ブリ属の代表的な魚。ベスト16入りしました。

野生のブリは35cmまでをワカシ、35-60cmをイナダ、60-80cmをワラサ、80cm以上をブリと呼びます。秋になると餌を探して湾の内部まで回遊してきますので、ボートで遭遇した際や接岸したタイミングで狙うことができます。

#13: ウグイ/Japanese Dace (圏外->13)

山村の里川にて美麗な夏ウグイ

サケ科の魚が生息するような冷水の川から、アユが泳ぐ清流、湖や大河川の下流にまで広く生息するウグイも圏外から大健闘!

オイカワ、カワムツと並び毛鉤に良く反応する魚として、日本の古来からの浮き流し釣りや按摩釣りといった毛鉤釣りのターゲットとされています。本流や湖の30cm以上となるとハードファイターとなり、ドライフライタックル、スペイタックルでも十分に楽しめる魚です。

#12: コロソマ /Pacu (22->12)

フライフィッシングとコロソマ fly fishing pacu
浜名湖フィッシングリゾート夏の名物

南米だけでなく、アジアや日本のエリアフィッシングにおいて、1cmあたりのパワーは最大と言われるコロソマ。その強烈なファイトはフライロッドが折られる事故が多発するほど!?

TFFCCカルロスいわく、「60オーバーをシングルハンド10番で釣るのが王道」なパワーファイター。ぜひチャレンジしてみてください。

#11: レイクトラウト /Lake Trout (12->11)

ボトムをしっかり取ったストリーマーへ襲いかかってきた昼下がりのレイクトラウト

TFFCC手塚さんの愛するレイクトラウトがまた一つランクアップ!

本州の冷水性のトラウトでは最大サイズとなるレイクトラウトは中禅寺湖で大人気ターゲットとなっています。ほぼフィッシュイーターですが、イワナ属の魚らしく回遊しながら口に入るものは何でも貪欲に捕食するのでニンフやソフトハックルでも釣られているビッグトラウトです。

#10: イワナ・アメマス群 / White-spotted Char (8->10)

ドライフライにバフっと出てきたアメマス

ベスト8落ちしつつもベスト16は外さない、安定の日本のイワナ属の王様、イワナ・アメマス群!

北海道の川や東北の湖ではアメマスとして80cmサイズにもなるポテンシャルを秘めつつ、山岳国の日本にマッチした渓流魚としてのイワナたちは、イワナ=岩魚=岩に潜む魚、の名前の通り、元祖「ロックフィッシュ」として同じような性格の魚たちの練習としても貴重な経験を積ませてくれる魚です。

#9: シイラ/Dolphin Fish (20->9)

タイプ6のテンションを緩めず黒潮分流の激流の中へ沈め、船尾から大スイングさせてヒットしたメーターオーバーのオス・シイラ

久々にベスト16圏外から回遊してきたスピードスターのシイラ。ストリーマーを水面へ強く着水させただけでもヒットする時もあれば、フライ先行でしっかりとプレゼンテーションしないと見向きもしないこともある、オフショアの好敵手です。

ファイト直後から一気にバッキングラインまで引き出すスピードとトルク、シングルハンド10番以上で狙ってください。

BEST 8 - 南国の王者がベスト8入り!

#8: ロウニンアジ (GT) (16->8) - Giant Trevally

ギンガメアジの群れの中に潜みHDJシュリンプのフォールに反応したロウニンアジ

TFFCCデイヴィッドに愛される「小さくてもジャイアント・トレバリー」ことロウニンアジがついにベスト8へランクイン!

きちんと狙うと神経質なところを見せるくせに、ギンガメアジやカスミアジを相手にしていて油断していると、突然現れてフライをひったくってティペットを引きちぎり、アングラーを絶望の淵へ叩き落す荒武者。それがロウニンアジ。フィッシュイーターをフライで狙う「プレデターフィッシング」愛好家の中ではトップに君臨する皇帝です。

#7:ヤマメ・サクラマス(ビワマス・サツキマスその他亜種含む)/Cherry Salmon (2->7)

回遊を狙いスイミングニンフで仕留められたホンマス(ビワマス同一種)

2011年から始まったランキングで首位を8年間守り通した女王陛下がランキング山の頂上から滑落した2019年、2020年はベスト4落ち、昨年は海外勢からのアクセスでなんとか今年もBest 8に踏みとどまりましたが、2023年に2位に返り咲いたのも束の間、再びベスト4落ち・・・。

サイズこそ小型のサーモンかつ釣る場所と時期を選びますが、アトランティックサーモンやスティールヘッドのように川で過ごす時間が長い国内随一のチェリーサーモン!「桜」「皐月」の名の通り、日本文化を体現する彼女たち。小型のサーモンフライやウェットフライを駆使して日本独自のライト・サーモンフィッシングを楽しむのも趣です。

#6: マゴイ/Common Carp (7->6)

ザリガニ・イミテーションを使ったサイトフィッシングで仕留めたマゴイ

TFFCCマーティンの愛する都市河川のビッグフィッシュ・コイ。2022年に2位まで躍進したマゴイは昨年に続きベスト8に残留。

物音に非常に敏感で、立つ位置からフライの着水まで気を遣うサイトフィッシングで狙う「フライカーピング」は緊張感MAXで、クロダイやボーンフィッシュを狙うスキルも磨けるフライフィッシング好敵手です。

#5: ニジマス/Rainbow Trout (3->5)

しつこくスイングさせたウェットフライに観念した北海道のワイルドレインボー

TFFCCグチ・イマニー・ヒロミキ・エドがこよなく愛するキング・オブ・トラウトのニジマスが初めて3位入賞のも束の間、しかしベスト8には踏みとどまりました。

北米で垂涎の的であるスティールヘッドを筆頭に、北海道のワイルドレインボー、そして品種改良されたハコスチ(箱島種xスティールヘッド種)など、それぞれが亜種と呼んでも良いほどバラエティに飛んだゲームフィッシュ。国内養殖トップの静岡県では、湧水河川でアングラーたちを唸らせる好敵手となっています。

BEST 4 - 異変発生!!

#4: ボーンフィッシュ/Bonefish (6->4)

HIT FILMS 岡野さんがシャローで狙い通りにキャッチした日本のボーンフィッシュ:ソトイワシ

安定した人気を見せるグレーゴーストことボーンフィッシュがついにベスト4入り!

周囲の色彩を写し込む銀色の魚体は景色へ溶け込み、慣れた目でも探すのに苦労するという、まさにゴーストの名に相応しいゲームフィッシュです。日本でも東京都から沖縄まで珊瑚礁に生息していますが、シャローでのフライフィッシングが成立しました!ただし、フラットでのサイトフィッシングが成立していないので、誰が達成するのか注視するところです。

今回のベスト4はフライフィッシングが新しい時代へ入ったことを実感させる納得の結果になりました。

#3: シーバス・スズキ/Japanese Seabass (5->3)

イワイミノーに水面炸裂が面白いシーバス

間違いなくニッポンを代表するゲームフィッシュであるジャパニーズ・シーバスことスズキ。TFFCCメンバーズのモンスターハンターたちの愛する東京湾がベスト3に復帰。

ストライプドバスやヨーロピアンシーバスを釣ってきたアングラーたちも納得する見事な魚体とサイズ。陸っぱり、ウェーディング、ボートなど狙い方も豊富でタックル選択肢も多くゲーム性の高さが認められてきた中で、ベスト4復帰が望まれます。

#2: マアジ/Japanese Jack Mackerel (4->2)

2022年に首位を取った日本の食卓には欠かせないマアジが再度2位にランクイン。数釣るゲーム性が管理釣り場のトラウトと似ていることもあり、サイズではなく形の美しさを楽しむところは渓流魚へ通ずるところもあり、食べて美味しい・持って帰って喜ばれる部分が人気の秘訣です。

フライ/フェザー/マイクロルアーのアジングも今や全国区となり、ナイトゲームで外灯下を狙うと言うわかりやすいゲーム展開と手持ちのトラウト用タックルで始められるだけでなく、フライフックもトラウトサイズで大丈夫。スピニングタックルでもキャロリグを使ってフライをキャストすることが珍しくありません。マルチタックルの「毛鉤釣り」を体現する代表的なターゲット確立です。

そして今年の優勝は・・・?

#1: クロダイ/Blackhead Seabream (1->1)

真夏の浜名湖の人気ターゲット、クロダイ

2019-2021シーズン三冠王のクロダイが2023年に続き2年連続で首位獲得!特に今年は当たり年でもあり、ドライフライ的な段取りとウェットフライ的な感覚の両方の良いところどりの魅力は広く伝わることとなり、大人気のゲームフィッシュとなりました。

古代から現代へ続く日本人の釣り物代表選手の一つであるクロダイ。西日本では盛り上がっていた「チニング」は中日本へ伝播して浜名湖界隈を熱くさせてきましたが、ついに首都・東京さえも飛び越え東北区まで広がり完全に全国規模の人気フィッシュとなりました。

キャスティングのスキルやフライ選択だけでなく、読み、アプローチ、キャスト、コール、プレゼンテーション、聞きアタリ、フッキングと続く天国と地獄を分ける分岐点の多さと要求される段取りの面倒くささにあなたの神経は耐えられるか!?フライフィッシングに求められるあらゆる要素を駆使するクロダイの釣りをマスターすることで、広い世界が待っています。

ベスト32

今回はBEST 16入りを逃した魚たちの顔ぶれも一新。

#17: マルタウグイ/Far Eastern Dace
#18: ギンガメアジ/Big-eye Trevally
#19: ブルーギル/Bluegill
#20: メバル/Rockfish
#21: ヒラスズキ/Blackfin Seabass
#22: ストライプドバス/Striped Bass
#23: チヌークサーモン/Chinook Salmon
#24: コーホーサーモン/Coho Salmon
#25: イケカツオ/Queenfish
#26: オイカワ/Pale Chub
#27: ナイルティラピア/Nile Tilapia
#28: ブラウントラウト/Brown Trout
#29: シロザケ/Keta Salmon
#30: バショウカジキ/Sailfish
#31: ベニザケ/Sockeye Salmon
#32: カンパチ/Amberjack

まとめ・・・「ソルトフライ黄金期の到来」「多様化と好みの追求」

ついにベスト4すべてが「ソルトフライ対象魚」となっただけでなく、ベスト16全体で見れば7種がソルトという結果になりました。
ソルトフライはライセンス料が発生しないだけでなく、ライトゲームからビッグゲームまであらゆる対象魚の宝庫ですので、北海道から沖縄まで全国区でフライフィッシングが注目されるための重要なプラットフォームとして期待大です。

さらにバスやカープも根強くなり、トラウトフィッシングは御三家の「ニジマス・サクラマス・アメマス」へ人気が集中。日本も「ソルトウォーター」「コールドウォーター」「ウォームウォーター」の3つのフライフィッシングが完全に立ち上がった状態に入りました。

フライフィッシングといえば「手のひらサイズの渓流魚」だった時代は終わり、「プレデター」と呼ばれる40cm以上の肉食魚たちや「モンスター」と呼ばれる75cm以上の魚たちがフライフィッシングで狙えるという認知も広まったこと、アングラー垂涎のボーンフィッシュが目指すべきトロフィーとして確定したことで、日本のフライフィッシング最大の弱点だった「サーモンフィッシングの不在」も埋まっていくことで、野生魚を狙うスポーツフィッシングとしてのフライフィッシングへの挑戦が増えていく良い流れが出来てきました。

10年位ずっと減少し続けてきた「フライフィッシング」というキーワードの検索数がコロナ期を挟み、再び減少に入った今年。「フライ」の位置付けや世代交代もさらに進み、さらに幅広い価値観と奥深い価値観の両方が存在するのが、日本のフライフィッシングの実像です。これを発展させていくためには、業界の方も、旧態のままの「平均的にたくさんの人に訴求する、マスマーケティング」ではなく、「これがやりたいんだ!」という欲求に寄り添う「ニッチマーケティング」が求められています。

今後も日本ならではの対象魚や狙い方の豊富さで1年を通じて飽きずに釣り物や楽しむゲームを広めていくことが、フライフィッシング振興のためには欠かせないポイントだと思います。そして、フライ=毛鉤を自由に作り出せるフライフィッシングには広い世界が待っています。一部では垣根を超えて「ケバリング」という概念も誕生!

2020年代も折り返し点までやってきました。ここからがフライフィッシングにとって飛躍の土台となることを願って、TFFCCはこれからもいろいろな情報を発信していきます。

2011-2024年の結果

年度ゴールドシルバーブロンズ
2024クロダイマアジシーバス
2023クロダイヤマメ・サクラマスニジマス
2022マアジマゴイクロダイ
2021クロダイマアジスズキ
2020クロダイスズキマゴイ
2019クロダイスズキヤマメ・サクラマス
2018ヤマメ・サクラマススズキマゴイ
2017ヤマメ・サクラマススズキイトウ
2016ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2015ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2014ヤマメ・サクラマスイワナ・アメマススズキ
2013ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2012ヤマメ・サクラマスイワナ・アメマススズキ
2011ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス

2019
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/best-16-most-wanted-fish-in-japan-2019-ja

2018
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2018-ja/

2017
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2017-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2017-ja/

2016
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2015
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2014
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2013
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2012
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2011
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

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