アジのフライフィッシング

2023/11/20アジ,アジング,ソルトフライ,フライフィッシング

和名:アジ、マアジ
英名:Japanese Jack Mackerel
学名:Trachurus japonicus

日本の広い地域に生息し、群れで浅瀬へ回遊してからの居着きも良く、渓流や管理釣り場で使う3番や4番といったウルトラライトタックルでも狙えるのでソルトフライの入門魚としては最適の魚です。

アジの特長

餌となる魚の稚魚や稚エビといった小さいネクトンや動物性プランクトンを探して群れで行動します。昼間は餌が沈んでいるために底に沈んでいますが、暗い時間帯や天気が悪い日はレンジが浅くなるのでフライフィッシングで狙いやすくなります。特に夜の場合はポイントとなる漁港や防波堤に設置された外灯が照らす水面にプランクトンやマイクロ・ネクトンが集まりやすいので、それを囲むようにアジの群れ(地域によってはメバルが同じポジション)が入ることが多く、動くものへの反応が非常に良く、カタクチイワシからプランクトンまで食性も広いので、これら餌となる生物の居場所や時間、レンジに合わせて釣りを組み立てることになります。

また一直線に「ピッピッ」と泳ぐ細長いものを捕食することが多い魚なので、フライパターンもそのような動きをする細長い形への反応が非常に良い魚です。トラウトの引っ張りの釣りをやったことがある方ならば、違和感なく取り組むことができる魚です。

四万十川河口側の漁港の常夜灯でライズしていたマアジ

ナイトゲーム

夜はアジの餌となる小魚やプランクトンが漁港や堤防の照明に引き寄せられて浮上するため、最も狙いやすい時間となります。釣り歩く場合はシングルハンド4-6番にフローティングラインで手返し良く探っていくのがオススメですが、場所を決めて回遊する群れを狙ったりシーバスと一緒に狙う場合は水面下1.5mくらいまでを手返し良く探れるインターミディエイトラインが使いやすいです。

水中をライトで照らしてその場にいるベイトに合わせてフライを選ぶのが基本となりますが、灯りの明暗に合わせて、目立たせたい時はピンク、濁りが入っている時はチャートリュースやイエローが効きます。

デイゲーム

昼夜を問わず捕食するアジはデイゲームでも狙えます。ただし夜と比べて居着くレンジと捕食する対象がシビアになりますので、少なくともインターミディエイト、できればタイプ4まで揃えて探る必要があります。狙うポイントとしてはアジにとって安定した量の餌がある漁港や河口近くの護岸・堤防などがオススメです。

フライ選択はホワイトやライトグレーなど明るい色が基本ですが、水の色(底や空の状態で変わる)に合わせるので、トラウトの釣りと同じようなカラー・ローテーションが有効です。

フライタックル

シングルハンド 4-6番:釣り歩き&スローシンキング

水深がわかりづらい場所や小さな漁港などで水面直下や水面下1.5m程度を探る場合のタックルです。

  • フライロッド:シングルハンド4番、シーバスや他の魚が混じるフィールドではシングルハンド6番
  • フライリール:ディスクドラグのもの、ドラグ値は1kg程度あると不意なシーバスやヒラスズキに対応できる、バッキングライン50m程度
  • フライライン :フローティングまたはインタミフルライン
  • リーダーシステム:9フィート2Xテーパードリーダーの先端1.5フィートをカットしてフロロカーボン1.5号を3-4フィートほど結ぶ、デイゲームで魚の警戒心が強い場合はティペットは0.8号まで落とすと効果的

シングルハンド 6-8番:スロー/ファーストシンキング用

大きな客船が発着するような水深があるポイントではファーストシンキングが必須となります。風が抜けやすいポイントが多いこと、不意なシーバスやヒラスズキに対応できるように番手を上げます。

  • フライロッド:タイプ2程度ならばシングルハンド6番、タイプ4以上は8番がラインの打ち直しがやりやすい
  • フライリール:ディスクドラグのもの、ドラグ値は1kg程度あると不意なシーバスやヒラスズキに対応できる、バッキングライン50m程度
  • フライライン :浅場ではタイプ2または防波堤などではタイプ4のフルライン
  • リーダーシステム:9フィート03X/04Xテーパードリーダーの先端1.5フィートをカットしてフロロカーボン8-12lbを3-4フィートほど結ぶ

スピニングタックルの場合

フライを自作することでジグヘッド+ワームと比較してコストを抑えることも魅力ですが、表層・中層・ボトムまでのレンジにおいて異なるベイトには既製品ではカバーできないことも多く、特に甲殻類やプランクトンの塊に対抗するパターンには小さく作れるフライがとても有効です。

ジグ単体

ジグフックとタングステン・スロットビーズを使って自作する0.5gほどのジグ単体フライの場合はEXULタックルを使います。

  • スピニングロッド:アジングのジグ単体で使うEXULロッド、5-6フィート
  • スピニングリール:ノーマルギアの1000-2000番
  • メインライン: PE0.2 号
  • リーダー: フロロカーボン0.6-1号、ロッド全長の2-3倍、シーバスが混ざるポイントでは1.5号を用意する

マイクロフロートのリグ

EXULタックルがない場合は、5g以下のマイクロ・フロート(飛ばしウキ)を投げやすく感度が高いタックルがベストな選択となります。

  • スピニングロッド:アジングのジグ単体で使うULロッド、5-6フィート
  • スピニングリール:ノーマルギアの1000-2000番
  • メインライン: PE0.3-0.5 号
  • リーダー: フロロカーボン1号、シーバスが混ざるポイントでは1.5号を用意する
  • フロート: アルカジック シャローフリーク プチ・・・ケミホタル装着可能

フライパターン

フライ・アジングに実績の高いオススメのパターンはこちら!

どうしてもデイゲームで釣りたいあなた、もしくは漁港でのサイトフィッシングをやってみたい方へ。

甲殻類、特に岸壁や岩場に沿って小さなエビが出ている時に効くのはこのパターン。フォーリングでもリトリーブでも使いやすいフライです。

シンキングラインで大型を狙う時に効果の高いフライです。地元ルアーフィッシャーに呼ばれた名前は「ザ・ワーム」。。。

ジグフライにおすすめのフックとビーズ

縦スロットのタングステンビーズをジグフックにセットしたものにフライを巻くのが最も自由度が高くオススメです。

3.8mmのビーズを使うことで0.4g相当のジグヘッドとなります。細身のフライを巻くときはこれで大丈夫。

甲殻類やプランクトンの塊を表現する「ブロブ」などボリュームのあるフライを巻く時は、フックのゲイプを最大限に広くできるオフセットのタングステンビーズがおすすめです。

次のステップアップ:夏のアジとパワフル・アジ

南国や夏でアジが居ない場合は、同じ狙い方でメアジやギンガメアジも狙えます。

南国限定となりますが、この釣り方のボーナスとしては、意外と小さいものを捕食しているGTやオニヒラアジの中型魚も狙うことができます。リールのドラグがジージー鳴るファイトを楽しみたい方にはおすすめです。

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