シイラのフライフィッシング

2020/11/25オフショア,シイラ,シイラ科,フライフィッシング,ボート,対象魚

和名:シイラ
英名:Common Dolphin Fish (aka Dorado)
学名:Coryphaena hippurus

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相相模湾・城ヶ島沖の黒潮分流の中で釣れた105cmのオスのシイラ

黒潮に乗って太平洋を大回遊しているシイラ。夏には日本の太平洋岸のオフショア・フライフィッシングのメインターゲットとなります。オスはオデコが大きくなり、優しい顔をしたメスと簡単に区別がつきます。水温が高く餌が豊富な海域では最大で2mにも成長するシイラですが、関東地域へ回遊してくる魚は60-100cmサイズが大部分となります。

頭が丸く顔つきが優しいメスのシイラ

沖合を泳ぐ魚に共通しますが、海水の塩分濃度に非常に敏感なシイラは雨が降ると沈み、晴れが続くと浮いてきます。ほとんどのシイラ狙いの仕立て遊漁船では浮いた群れを探してから釣らせるだけでなく、魚を浮かすためのシャワーを装備していたり、群れの動きを船に惹きつけておくための撒餌として活イワシを使いますので、ある程度は担保されます。

キャスティング専門の場合はそのような装備がないので、船長とのパートナーシップのもと、必ずルアーによるティーザーが舳先に立つことが必要となりますので気を付けてください。

フライタックル:ボートゲーム

シイラは全身が筋肉でできていて、泳ぐ力もスピードも速く、危険を感じると海面から飛び跳ねる習性があります。口が大きく硬いので一度フッキングすると滅多に外れませんが、シイラのスピードとパワーに対応するために、バットのしっかりしたソルトウォーター仕様のシングルハンド10-12番ロッドがメインとなります。また、初速でティペットに負担をかけないように、滑り出しが良くてドラグの効きが良いフライリールも必要です。

塩分濃度が高い沖合では浮力が増すこと、シイラは深いほど自然に餌を捕食することを踏まえ、エキストラ・ファーストシンキングライン(タイプ6以上)のシンクティップラインやフルラインを使うのがオススメです。リーダーはフロロカーボン60lbテストを3フィート、30lbテストを4-6フィートのコントロールテーパーで組みます。

活性が高い群れにイワシの撒餌を使うと狂ったようにフライへ反応しますが、仲間のアングラーへ危険が無いようにできる限りロールキャストでフライを落として釣ることになります。

年を経た大きな魚やある程度シーズンが進んだスレた群れには効き目が弱いので、リアルなパターンを使い、しっかりとロングキャストしてからラインを沈めて、大きくスイングするようにフライをアピールして食わせる必要があります。この際は周囲に十分に注意を払い、仲間に一声かけてからキャストすることが安全のためにオススメです。

フライタックル:キャスティングゲーム

シイラ
湾内のブイに居着いていた小型のシイラをクリースフライをロングキャストして誘い出して釣ったところ。

シイラは漂流物に居着く習性があるため、天気の良いハイシーズンではブイや流れ藻などの漂流物を見つけてキャスティングゲームが成立します。船を近づけすぎると魚にプレッシャーがかかるので、30mくらいの距離から狙う必要があること。さらに使うフライもクリースフライやシルエットのはっきりしたストリーマーなど、シイラの反応を引き出すものを使う必要があるので、空気抵抗が強いフライでも比較的楽に遠投できるスイッチロッドやツーハンドロッドがオススメです。手返しを優先しつつ、大きなアクションを加えてもフライが飛び出さないように先端だけスローシンキングのシンクティップを使います。

また、黒潮の本流や分流に近い海岸の場合、魚の通り道となる漁港や磯からも狙うことができます。

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