2022年 フライフィッシング対象魚・人気ランキング BEST 16

2023/01/05fish in japan,Fly fishing,GT,top 10 most wanted fish,クロダイ,ゲームフィッシュ,コイ,トラウト,バス,フライフィッシング,ランキング,人気の魚,対象魚,日本

2022年が終わり、満を持してランキング発表の時期がやってまいりました!

本ランキングでは日本からジンバブエまで世界155ヵ国(2022年度)からアクセスのあった本サイトをGoogle アナリティクスのアクセス集計データに基づいて、どのフライフィッシング対象魚の情報が一番長く多くの人たちから閲覧されていたかを「興味指数」としてランク付けに使っています。

今年は昨対比+24%アクセスが伸びた中で、日本からは+28%、アジア+26%、南北アメリカ+30%、アフリカはなんと+80%!! 反面ヨーロッパは-15%、オセアニアは-13%と落ち込んでいるため、英語コンテンツの更新が止まっていることが大きく響いているようです。

また、同じ理由で日本語コンテンツのユーザーが8割以上となっているため、日本人ユーザーが閲覧した対象魚が大きくスコアへ影響を与えました。

あなたの愛する魚は大丈夫?それではランキングを見てみましょう!
(それぞれの魚について名前をクリックすると詳細情報を見れます)

BEST 16 - ニューフェイス大健闘!

BEST 8 未満はスコアが近いため勝敗が大きく入れ替わるのですが、今回は大きく顔ぶれが一新することとなりました!

#16: ヒラスズキ /Blackfin Seabass (14->16)

ベスト16へ留まったヒラスズキ 。今や浜名湖でも定番となり、東京湾でも珍しく無くなった中で、生息地を北へ大きく広げています。

瞬時にフライを見破る眼力、スピード、引きの強さ、どれをとっても最高のターゲットです。シーバスが東の横綱ならばヒラスズキは西の横綱!

#15: イケカツオ /Double-spotted Queenfish (New!)

ランキング外から回遊してきたイケカツオがベスト16へランクイン!

ストリーマーを高速で追い回すスピードスター。ヒットした後はジャンプを繰り返しながら疾走感あふれるファイトが待っています。

#14: コロソマ(パクー)/Colossoma (New!)

去年ページ追加されて早速のベスト16イン入りしたのは、南米が誇るターゲット:コロソマ。下手をすると40cmクラスが6番フライロッドを粉砕し、50cmオーバーが20lbティペットをぶち切る脅威的パワー。日本では浜名湖フィッシングリゾートで夏季シーズンに狙えますので挑戦してみてはいかが?

#13: レイクトラウト /Lake Trout (18->13)

本州の冷水性のトラウトでは最大サイズとなるレイクトラウトがついにベスト16にランクイン!中禅寺湖へ放流されたものと、「スプレイク」と呼ばれるブルックトラウトとの掛け合わせが知られていますが、昨年末は闇移植されて本栖湖に生息しているものが公式確認される事態に・・・。

TFFCCでは手塚さんが中禅寺湖にて78cmをキャッチ&リリースする快挙でした。

#12: チャネルキャットフィッシュ /Channel Catfish (New!)

こちらも去年ページ追加して一気にランクイン。日本のナマズと違い、日中も捕食を続けるため発育が良いチャネルキャットフィッシュ。関東では霞ヶ浦水系、関西では奈良を中心に野生化していますが、特定外来魚なのでリリースについては要注意。手軽に狙うならば宮城アングラーズヴィレッジがオススメです。TFFCC小松澤さんの大好きなターゲットです。

#11. ブルーギル/Bluegill (New!)

長らくランク外にいてベスト16上位に入り込んだブルーギル。ブラックバスの餌としてセットで放流されてきたため、また親魚が稚魚を守る性質のため、本州では生息を大きく広げてしまっています。伊豆半島の一碧湖は日本で初めて移植された湖でもあり、ラージマウスとセットで生息しているので「聖地」となっています(紹介記事は後ほど)。

#10. ラージマウスバス / Largemouth Bass (New!)

驚くことに特定外来魚の代表選手のラージマウスバスがブルーギルとセットで初ベスト16入り!

原産地のアメリカではトラウトがいない都市近郊部でフライフィッシングの練習相手として定番のラージマウス。「微妙」な立場であることさえ気にしなければ、ドライ、ニンフ、ウェット、ストリーマーと幅広いフライを試せる好敵手なので狙ってみてください。

ご注意

ブルーギル・ラージマウスバス共に都内の公園はリール釣りが禁止されているので、テンカラ竿で狙う必要があります。特定外来魚につき、リリースについては各都道府県のルールに従ってください。

#9: ニジマス/Rainbow Trout (8->9)

1887年にアメリカから輸入されてから現在に至るまで、人気外来魚として不動の人気のキング・オブ・トラウトのニジマスですが、残念ながらベスト8から落ちてしまいました。TFFCCグチとイマニーがこよなく愛するフィッシュ。

北米で垂涎の的であるスティールヘッドを筆頭に、北海道のワイルドレインボー、そして品種改良されたハコスチ(箱島種xスティールヘッド種)など、それぞれが亜種と呼んでも良いほどバラエティに飛んだゲームフィッシュ。国内養殖トップの静岡県では、湧水河川でアングラーたちを唸らせる好敵手となっています。

BEST 8 - 新旧激突!

#8: マルタウグイ/Far Eastern Dace (5->8)

コイ科の銀将ことマルタウグイがベスト8に踏みとどまる健闘!ウグイの価値を認める時代が到来!

なぜだ?そんな声が聞こえてくるかもしれませんが、東京&神奈川という巨大フライフィッシャー人口圏では春になると産卵のために婚姻色を身にまとって遡上してくるので、春の風物詩として愛されているマルタウグイ。実際は通年汽水域で狙える魚で、上の写真の多摩川のマルタも上げ潮の時間にウェットフライのスイングで釣れています。

#7:ヤマメ・サクラマス(サツキマスその他亜種含む)/Cherry Salmon (6->7)

2011年から始まったランキングで首位を8年間守り通した女王陛下がランキング山の頂上から滑落した2019年、2020年はベスト4落ち、昨年に続き海外勢からのアクセスでなんとか今年もBest 8に踏みとどまりました。どうした日本人???

本州のアングラーと北海道のアングラーで大きく評価の別れるヤマメ・サクラマス。「桜」「皐月」の名の通り、日本文化を体現する彼女たち。世界のアングラー達も認める見事なプロポーションと宝石のような体の模様。令和の時代も健在な東洋の女王陛下の復権はいつになるのか!?

#6: ロウニンアジ (GT) (12->6) - Giant Trevally

「小さくてもジャイアント・トレバリー」ことロウニンアジがベスト8に復活!
TFFCCではデイヴィッドにこよなく愛されているビッグゲームです。

きちんと狙うと神経質なところを見せるくせに、ギンガメアジやでカスミアジを相手にしていて油断していると、突然現れてフライをひったくってティペットを引きちぎり、アングラーを絶望の淵へ叩き落す荒武者。それがロウニンアジです。我が物顔で泳ぎ獰猛な動作を見せるかと思えば、小魚の群れに見つからないように浅いリーフや岸際ではなんと平たい体を横に寝せて接近する頭脳プレイを見せたり、図体だけではない好ターゲットです。引きの強い肉食魚ばかりフライで狙う「ストリーマーフィッシング」愛好家の中ではトップに君臨する皇帝です。

#5: ボーンフィッシュ/Bonefish (7->5)

安定した人気を見せるグレーゴーストことボーンフィッシュ!周囲の色彩を写し込む銀色の魚体は景色へ溶け込み、慣れた目でも探すのに苦労するという、まさにゴーストの名に相応しいゲームフィッシュです。

日本でも東京都から沖縄まで珊瑚礁に生息していますが、いまだにフラットでのフライフィッシングが成立していません。日本からはハワイやキリバス、インドネシアやモルジブなど海外旅行で狙うのが通例となりますが、気候変動が進む中で、きっといつか条件が揃って誰かが釣り上げることでしょう。

BEST 4 - 驚くべき結果!

今回のベスト4はフライフィッシングの既成概念の変化の成熟を感じさせる結果になりました。

#4: シーバス・スズキ/Japanese Seabass (3->4)

間違いなくニッポンを代表するゲームフィッシュであるジャパニーズ・シーバスことスズキ。我らが東京湾のキングはなんと4位にランクダウン。

ストライプドバスやヨーロピアンシーバスを釣ってきたアングラーたちも納得する見事な魚体とサイズ。陸っぱり、ウェーディング、ボートなど狙い方も豊富でタックル選択肢も多くゲーム性の高さが認められてきた中で、いつか1位の座を手にするのは間違い無いでしょう。

#3: クロダイ/Blackhead Seabream (1->3)

古代から現代へ続く日本人の釣り物代表選手の一つである「クロダイ」、三冠王を達成しましたが、今年は首位から滑り落ちてしまいました。

西日本では盛り上がっていた「チニング」は中日本へ伝播して浜名湖界隈を熱くさせてきましたが、ついに首都・東京を含む全国区の人気フィッシュとなりました。

キャスティングのスキルやフライ選択だけでなく、読み、アプローチ、キャスト、コール、プレゼンテーション、聞きアタリ、フッキングと続く天国と地獄を分ける分岐点の多さと要求される段取りの面倒くささにあなたの神経は耐えられるか!?フライフィッシングに求められる要素を駆使するクロダイの釣りをマスターすることで、広い世界が待っています。

#2: マゴイ/Common Carp (4->2)

安定した人気の川の王者、コイがついに次点へ浮上!

もしあなたが家の近所でフライリールが悲鳴を上げて逆回転する恐怖を味わいたかったら、この魚を無視することはできないでしょう!ボーンフィッシュなどのボトムフィーダーの練習にも最適なコイ。パンなんか撒かずにコイの食性を理解してサイトフィシングで仕留めてみてください!

そして今年の優勝は・・・?

#1: マアジ/Japanese Jack Mackerel (2->1)

日本の食卓には欠かせないマアジがついにトップとなりました!数釣るゲーム性が管理釣り場のトラウトと似ていることもあり、サイズではなく形の美しさを楽しむところは渓流魚へ通ずるフィッシュです。

「アジのフライフィッシング」のアクセス元は、なんと完全に全国区!

トラウトはおろか、クロダイやシーバスを凌駕するほど広範囲に北海道から九州まで生息しているターゲットであること、アジングが初期の頃からすでに極小のマイクロルアーとフライの境界線が曖昧であり、フライタックルでもルアータックルでも使うことができること、さらに日本人に鉄板な「馴染みが深い」「食べて美味しい」「鱗が見えない銀色の体」の魚であること、そして何より特定の時間や場所に群れている魚なのでスポーツフィッシング的に大事な「連続ヒットが楽しめる」ことまでクリアーしていることが大きいと思われます。

フライ/マイクロルアーのアジングも今や全国区となり、ナイトゲームで外灯下を狙うと言うわかりやすいゲーム展開と手持ちのトラウト用タックルで始められるだけでなく、フライフックもトラウトサイズで大丈夫。スピニングタックルでもキャロリグを使ってフライをキャストすることが珍しくありません。

狙える時期も通年、タナやポイントを外すと食ってこない明確さでソルトフライの練習魚として最適な魚なので、今後のフライフィッシングの鍵を握っている魚かも知れません。

ベスト32

今回は僅差でBEST 16入りを逃した魚たちの顔ぶれも一新。

#17: スモールマウスバス/Smallmouth Bass (15->17)
#18: ライギョ / Northern Snakehead (17->18)
#19: イワナ・アメマス (その他亜種含む)/ White-spotted Char (9->19)
#20: チダイ/ Crimson Seabreak (New)
#21: カツオ / Skipjack Tuna (New)
#22: シロザケ/Chum Salmon (28->22)
#23: メバル/Rock Fish (11->23)
#24: オイカワ/Pale Chub (10->24)
#25: カワムツ/Dark Chub (New)
#26: ブラウントラウト / Brown Trout (23->26)
#27: マサバ/Chub Mackerel (New)
#28. シイラ / Dolphinfish (16->28)
#29: バショウカジキ/Sailfish (24->29)
#30: アナハゼ/Sunrise(New)
#31: カンモンハタ/Honeycomb Gropuer (New)
#32: シマアジ/White Trevally (29->32)

まとめ・・・「新しい時代」と「安近短」

10年位ずっと減少し続けてきた「フライフィッシング」というキーワードの検索数がここ数年でついに底を打ち、停滞期に入って久しい今、「フライ」の位置付けや世代交代も大きく影響しているため、やっと築き上がってきたクロダイやコイといった「ボトムフィーダー」のポジションの上に、フライタックルだけではなく、スピニングタックルでもフライが使われることが珍しくない「マアジ」が頂点へ君臨することとなりました。

リピートする楽しさを求めると、アクセスが良いトラウトはもちろん入漁料の無いソルトフライはライトゲームの宝庫ですので、北海道から沖縄まで全国区で人気が高まっていくための重要なプラットフォームとして期待できそうです。

また、「プレデター」と呼ばれる40cm以上が当たり前の肉食魚たちや「モンスター」と呼ばれる80cm以上の肉食魚たちがフライフィッシングで狙えるという認知が広まることや、アングラー垂涎のボーンフィッシュが目指すべきトロフィーとして確定することも、野生魚を狙うスポーツフィッシングとしてのフライフィッシングへの挑戦心を掻き立てる効果が期待できるでしょう。

幅広い価値観と奥深い価値観の両方が存在する日本のフライフィッシング。今後も日本ならではの対象魚や狙い方の豊富さで1年を通じて飽きずに釣り物や楽しむゲームを広めていくことが、フライフィッシング振興のためには欠かせないポイントだと思います。そして、フライ=毛鉤を自由に作り出せるフライフィッシングには広い世界が待っています。

引き続き2020年代がフライフィッシングにとって成熟のための10年になることを願って、TFFCCはこれからもいろいろな情報を発信していきます。

2011-2021年の結果

年度ゴールドシルバーブロンズ
2022マアジマゴイクロダイ
2021クロダイマアジスズキ
2020クロダイスズキマゴイ
2019クロダイスズキヤマメ・サクラマス
2018ヤマメ・サクラマススズキマゴイ
2017ヤマメ・サクラマススズキイトウ
2016ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2015ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2014ヤマメ・サクラマスイワナ・アメマススズキ
2013ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス
2012ヤマメ・サクラマスイワナ・アメマススズキ
2011ヤマメ・サクラマススズキイワナ・アメマス

2019
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/best-16-most-wanted-fish-in-japan-2019-ja

2018
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2018-ja/

2017
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2017-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2017-ja/

2016
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2015
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2014
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2013
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2012
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2011
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

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