小笠原諸島へ遠征 – 10日目
母島滞在の残り時間も短くなってきました。そろそろ大きい魚との決着もつけないとならないし、下手にあちこちうろうろして怪我をするわけにもいかないので、沖港に場所を絞ってフライフィッシングすることにします。ビッグストリーマーが投げられる１０番のスイッチロッドにはシンクティップをセットして、シングルハンド10番にタイプ4を載せたタックルを脇差として出撃です。
沖港フィッシング
朝一に湾内へ入ってくるカンパチやイソマグロを狙ってスイッチロッドでクリースフライを投げ続けますが、全く無反応。２時間くらいやってから港へ戻ります。
この日の一匹目は常連中の常連と言ってもいいアオヤガラ。小さい時にグアム島で魚肉ソーセージで釣って以来、ハワイ、フィリピン、沖縄・・・南国どこへ行ってもこの魚と出会います。小笠原でももれなくキャッチ。この魚が面白いのは見た目もそうなのですが、普通の魚と違ってバックに泳げるのでフライをくわえるまでのプロセスがテクニカルなところです。ファイトもなかなかなので、ぜひ狙ってみることをお勧めします。
続けてタナを深くしてお約束のメアジ。アジの仲間はトラウトの引っ張りの釣りと非常に良く似ていて、タナを合わせて狙います。キャッチするまでファイトをやめないので魚のサイズの割に楽しめるのも良いところ。
ちなみに沖港でここ数日間キャッチ＆リリースの釣りをやって人たちをジーっと見ているギャラリーがいました。カツオドリのボビー。キャッチした魚を痛めないようにネットを置いておくと、必ず私とネットの間に割り込むように飛んできて、ネットと私を交互に見つめるのです。特にフライフィッシングの私に興味を持ったようで（羽根を使っているから？？？）、ずーっと飽きずに見ています。前に一匹だけメアジをあげましたが、この日は全く興味を示さずただ私を観察してどこかへ飛んでいってしまいました。
肩慣らしも終わったので、ゲンちゃんスポットへGO。ストーキングして隠れながら竿を出すと橋脚の奥へ隠れていた魚たちが出てきます。大きいストリーマーから小さいストリーマーへサイズを落としても、小魚の動きには一切反応しません。そこでマラブーを使った縦の動きのフライにチェンジすると一気に反応が変わります。
そんな時に銀色の魚が素早く出てきてはフライを突くので、マラブーを毟って小さくして再投入したらストライク！シングルハンド10番ロッドを大きく曲げるハードファイトに耐えて引っこ抜いて見たら、なんとシマアジです！
実際はこのランディングはなかなか大変で、シマアジがヒットした瞬間にそこら辺を泳いでいるホワイトチップシャークが大集合してきます。この一匹の前の二匹はファイトの途中にサメに食べられてしまい、この一匹は橋脚に巻かれてしまったシマアジをサメ同士が喧嘩している隙に引っこ抜いたものになります。
口が大きく伸びるシマアジはあまりアグレッシブな魚では無いようで、小魚の動きには反応しないけど小さなマラブーフライがエビのような動きをするのには高反応で、大きく広がる口でフライを吸い込んできました。要領がわかったところでもう一匹追加。
その後完全に湾内のホワイトチップに張り付かれてしまった中で、同じ釣り方でササヨもヒット！なんとサメたちは味がわかるようで、シマアジがヒットすると喧嘩をしてでも奪いに来るのにササヨの時は知らんぷり・・・。食べて美味しい魚と臭い魚の違いが分かるのでしょうか・・・。釣った後のファイトはシマアジよりもササヨの方が１ランク上です。
午後からトレイルウォーク
昼食を食べる頃になると完全に天候が回復し、本来の南国の太陽が出て熱帯気候に。釣りは十分に楽しんだので母島の探検トレッキングに出ます。
この島は太平洋戦争で要塞化されていたので、旧日本軍の装備がそのまま捨てられてあちこちで遺物となっています。この丘に放棄された帝国海軍12cm対空砲もその一つ。
こういうオープンスペースに放棄されたものはいいですが、今でもドアがきちんと動くトーチカともなると中に入るのはなかなか度胸が必要です。ここは司令室に使われていたらしく改装すれば十分に建物として利用できるレベル。
海を眺めながら夕食
トレッキングでいい汗をかいたあとはシャワーでさっぱりしてから夕飯の準備。この日も島で採れたフレッシュな食材でパスタです。
ユースホステルに宿泊していると旅好きの夕飯仲間には事かきません。北海道から来た仲間がシシャモの干物を差し入れてくれただけでなく、ビール好きが多い島なので銘柄も豊富でこの日は沖縄オリオンビール。
東京都最南端で北海道の肴に沖縄ビール。不思議な時間が過ぎていきます。
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