2020年 ゲームフィッシュ人気ランキング BEST 16

2021/01/05fish in japan,Fly fishing,GT,top 10 most wanted fish,クロダイ,ゲームフィッシュ,コイ,トラウト,バス,フライフィッシング,ランキング,人気の魚,対象魚,日本

新年明けましておめでとうございます。
いよいよ今年も待望のランキング発表の時期がやってまいりました!

本ランキングでは日本からウズベキスタンまで世界106ヵ国(2020年度)からアクセスのあった本サイトをGoogle アナリティクスのアクセス集計データに基づいて、どの魚の情報が一番長く多くの人たちから閲覧されていたかを「興味指数」としてランク付けに使っています。

新型コロナウイルスによるステイホームの影響が大きいのか、日本からのアクセスが大きく伸び(+57%!)、アメリカとイギリスも2桁成長(+20%以上!)と驚異的な成長があった反面、オーストラリアやシンガポールなど日本出張が定番のアジア大洋州勢力が新型コロナの影響で減少しています。「新しい生活」はフライフィッシャーの行動にも大きな変化を与え、ランクにも想定外の影響が起こっていますので今年も必見です!

あなたの愛する魚は大丈夫?それではランキングを見てみましょう!
(それぞれの魚について名前をクリックすると詳細情報を見れます)

BEST 16 - ランク外から大回遊!

BEST 8 未満はスコアが近いため勝敗が大きく入れ替わるのですが、今年も尋常じゃない入れ替わりとなりました。ランク圏外へ追いやった猛者どもはどの魚?

#16: ライギョ / Northern Snakehead (13->16)

安定した人気を誇るヌシのライギョ。かろうじてTOP16に残りました。

経験を積んだTFFCCメンバーも翻弄される神魚。関東近辺では釣れる場所がどんどん限られていますが、四国と九州はポイントだらけです。最近はライギョの仲間をマレーシアで狙うフライフィッシャーも増えました。熱きライギャーたちから「ライトタックルでもリリースは丁寧に!」とお声がかかっておりますので、丁寧にリリースできるようリリーサーなどを完全装備で臨みましょう!

#15: ナンヨウチヌ / Pacific Seabream (11->15)

オーストラリアで人気のゲームフィッシュ「太平洋=Pacific」の名前を冠につけたナンヨウチヌ。日本では先島諸島にしかいませんが、東南アジアからオーストラリアにかけての環太平洋諸国ではチヌといえばこの魚。国際人を自負するそこのフライフィッシャーのあなたにぴったり!西表島のマングローブ帯で待っている彼らをぜひ狙ってみてください。

#14. シイラ / Dolphinfish (17->14)

真夏のオフショアの代表的スポーツフィッシュ、シイラがついにTOP16へランクイン!

黄金とコバルトブルーに輝く美麗なシイラたち。沖縄から東京近郊では相模湾で楽しまれています。ストリーマーを追いかけて深いブルーの海中に煌く黄金のイナズマ。ヒットしたらひたすら走る強烈なファイトをぜひ体験してください。

#13: マアジ/Japanese Jack Mackerel (8->13)

2019年にいきなりBEST 8入りした日本の食卓には欠かせないマアジ。フライ・アジングは西日本を中心に安定した人気ですが、残念ながらBEST8落ちしてしまいました。

ナイトゲームで外灯下を狙うと言うわかりやすいゲーム展開と手持ちのトラウト用タックルで始められるだけでなく、フライフックもトラウトサイズで大丈夫。狙える時期も通年、タナやポイントを外すと食ってこない明確さでソルトフライの練習魚として最適な魚です。

#12. カツオ / Skipjack Tuna (27->12)

カツオ フライフィッシング

オフショアのスピードスター、カツオが再びランク外から回遊してきました!

瞬時にフライを見破る眼力、スピード、引きの強さ、どれをとっても最高のターゲットです。特定の音か波動に強く反応する習性があるので、同じサイズや見た目のフライの中から着水音と波動があっているものだけに連続ヒットするため、フライタイングの腕前も要求されます。ヒットしたら問答無用でバッキングラインまで持っていく恐怖のカツオ、釣ってよし食べてよし、機会があればぜひお試しを!

#11. ブリ / Japanese Amberjack (18->11)

P1020485

日本の沿岸を代表するブルーランナー、ブリがついにTOP16にランクイン!

幅広い餌を求めて湾内深くまで回遊してくる活動域の広さ、ヒットした後の力強いファイト、意外に小さいものでないと反応しない神経質なところなどフライフィッシャーの好敵手です。フライを着水させると同時にストリッピングを開始しないと見切られることが多いですが、沈んだものが水面へ浮いてくるアクションに非常に良く反応するのでジグアクションをするフライで狙ってください。

#10: ブラウントラウト / Brown Trout (25->10)

ヨーロッパのフライフィッシングの歴史と共に歩んできた元祖トラウトですが、関東・中部・北海道へ生息地を広げたブラウントラウトが岩陰から浮上してついにランキング入りしました!

ドライフライからストリーマーまで幅広い釣り方で狙えるマルチイーターのブラウントラウト。有志による放流に対して反発も強い魚種でしたが、根強い人気が少しずつきいてきたのではないでしょうか。北海道では銀化してシートラウト化している個体群も多く見られるので、環境保護の視点からは引き続き注意が必要な魚ではあります。

#9: スモールマウスバス/Smallmouth Bass (4->9)

アメリカからやってきたブラックバスの「口が小さい」弟分、スモールマウスバス。去年ベスト4入りの大健闘のまま残るかと思われましたがベスト8落ちしてしまいました。

誰が移入してどこへ広めたのかは、決して聞いてはいけない暗黙のルールに守られ、今や「川バス」や「虎バス」と呼ばれる身近なスモーリーくん。シーバスが遡上しなくなった川の生態系のニッチを担当しています。低番手ツーハンドでも楽しめるゲームフィッシュです。

BEST 8 - 想定外の入れ替わり!

#8: ロウニンアジ (GT) (5->8) - Giant Trevally

「小さくてもジャイアント・トレバリー」ことロウニンアジはかろうじてベスト8に残りました!

きちんと狙うと神経質なところを見せるくせに、4番ロッドでギンガメアジ、6番ロッドでカスミアジを相手にしていて油断していると、突然現れてフライをひったくってティペットを引きちぎり、アングラーを絶望の淵へ叩き落す荒武者。それがロウニンアジです。我が物顔で泳ぎ獰猛な動作を見せるかと思えば、小魚の群れに見つからないように浅いリーフや岸際ではなんと平たい体を横に寝せて接近する頭脳プレイを見せたり、図体だけではない好ターゲットです。引きの強い肉食魚ばかりフライで狙う「ストリーマーフィッシング」愛好家の中ではトップに君臨する皇帝です。

#7: イワナ・アメマス (その他亜種含む)/ White-spotted Char (12->7)

ランキング上位の常連だったイワナが復活!

どんな浅い場所でも生き抜くたくましさと岩の下に隠れていて突然現れる意外性はまさに忍者。あぁ食べたい・・・でも釣られたくない・・・そんなためらいを感じさせながら大きいフライにガバッと出てしまう性格と季節や地域によって見せる多様な体色で釣り人を飽きさせないイワナ属の親分です

#6: マルタウグイ/Far Eastern Dace (6->6)

マルタウグイは今年もベスト8をキープ。

なぜだ?そんな声が聞こえてくるかもしれませんが、東京&神奈川という巨大フライフィッシャー人口圏では春になると産卵のために婚姻色を身にまとって遡上してくるので、春の風物詩として愛されているマルタウグイ。実際は通年汽水域で狙える魚で、上の写真の多摩川のマルタも上げ潮の時間にウェットフライのスイングで釣れています。

#5:ヤマメ・サクラマス(サツキマスその他亜種含む)/Cherry Salmon (3->5)

2011年から始まったランキングで首位を8年間守り通した女王陛下がランキング山の頂上から滑落した2019年、今年はなんとベスト4落ち!

本州のアングラーと北海道のアングラーで大きく評価の別れるヤマメ・サクラマス。「桜」「皐月」の名の通り、日本文化を体現する彼女たち。世界のアングラー達も認める見事なプロポーションと宝石のような体の模様。令和の時代も健在な東洋の女王陛下の復権はいつになるのか!?

BEST 4 - 驚くべき結果!

今回のベスト4はフライフィッシングの既成概念の変化の成熟を感じさせる結果になりました。

#4: ボーンフィッシュ/Bonefish (New)

初登場でいきなりトップ4入りを果たしたグレーゴーストことボーンフィッシュ!

日本でも東京都から沖縄まで珊瑚礁に生息していますが、いまだにフラットでのフライフィッシングが成立していません。今もハワイやインドネシア、モルジブやセイシェルなど海外旅行で狙うのが通例となりますが、きっといつか条件が揃って誰かが釣り上げることでしょう。

#3: マゴイ/Common Carp (7->3)

安定した人気のコイ、川の王者が復活!

もしあなたが家の近所でフライリールが悲鳴を上げて逆回転する恐怖を味わいたかったら、この魚を無視することはできないでしょう!ボーンフィッシュなどのボトムフィーダーの練習にも最適なコイ。パンなんか撒かずにコイの食性を理解してサイトフィシングで仕留めてみてください!

#2: シーバス・スズキ/Japanese Seabass (2->2)

間違いなくニッポンを代表するゲームフィッシュであるジャパニーズ・シーバスことスズキ。我らが東京湾のキングは他の海水魚を寄せ付けず堂々と2位をキープ。

ストライプドバスやヨーロピアンシーバスを釣ってきたアングラーたちも納得する見事な魚体。陸っぱり、ウェーディング、ボートなど狙い方も豊富でタックル選択肢も多くゲーム性の高さが認められてきた中で、いつか1位の座を手にするのは間違い無いでしょう。

そして今年の優勝は・・・?

#1: クロダイ/Blackhead Seabream (1->1)

古代から現代へ続く日本人の釣り物代表選手の一つである「クロダイ」、なんと2年連続で首位を守り通しました!

西日本では盛り上がっていた「チニング」は中日本へ伝播して浜名湖界隈を熱くさせてきましたが、ついに首都・東京を含む全国区の人気フィッシュとなりました。

キャスティングのスキルやフライ選択だけでなく、読み、アプローチ、キャスト、コール、プレゼンテーション、聞きアタリ、フッキングと続く天国と地獄を分ける分岐点の多さと要求される段取りの面倒くささにあなたの神経は耐えられるか!?フライフィッシングに求められる要素を駆使するクロダイの釣りをマスターすることで、広い世界が待っています。

1次予選敗退

今回は僅差でBEST 16入りを逃した魚たちの顔ぶれも一新。

#17: イケカツオ/Queenfish (24->17)
#18: レイクトラウト /Lake Trout (29->18)
#19: シマアジ/White Trevally (15->19)
#20: アナハゼ/Sunrise(New)
#21: カサゴ/Marbled Rockfish (21->30)
#22: ウグイ/Japanese Dace(20->22)
#23: ゴマサバ/Blue Mackerel (28->23)
#24: ブルックトラウト/Brook Trout (16->24)
#25: マサバ/Chub Mackerel(23->25)
#26: シロメバル/White Rock Fish (24->26)
#27: ヒラスズキ /Blackfin Seabass (10->27)
#28: ブルーギル/Blue Gill (26->28)
#29: ニジマス/Rainbow Trout (22->29)
#30: ギンガメアジ/Big-eye Trevally (9->30)
#31: オイカワ/Pale Chub (new)
#32: カンモンハタ/Honeycomb Grouper (New)

まとめ・・・「開拓期」から「新しい時代」へ

クロダイやコイ、ボーンフィッシュといった「ボトムフィーダー」が大きく躍進した2020年。ドライフライでもウェットフライでもなく、ストリーマーとも違う新しいフライフィッシングが楽しめることもあって、日本のフライフィッシングの新しい柱として成立してきたと言えるでしょう。沖縄へ行けばモンガラカワハギをはじめ、さらに多くのボトムフィーダーがいますので、フライフィッシングをさらに全国区へ盛り上げる機運が高まるきっかけになるのではないでしょうか?

また、トラウトと同じくらいソルトランナー(ストリーマーで狙う流線型の海水魚)が閲覧されていることで、トラウト&サーモン好みのアングラーたちの「流線型の魚がかっこいい」という価値観に見合った対象魚が日本には多いこともフライフィッシング振興のためには欠かせない着目ポイントだと思います。ルアーフィッシングが全国区へ広まったきっかけもトラウトやバスだけでなく、対象魚や狙い方の豊富さで1年を通じて飽きずに釣り物があることが大きいので、フライ=毛鉤を自由に作り出せるフライフィッシングにはまだまだカバーすべき余地が大きいと言えるでしょう。

今年は日本初の総合的なフライフィッシング教書「毛鉤釣教壇」が発売された1941年から80周年。
2020年代がフライフィッシングにとって成熟のための10年になることを願って、TFFCCはこれからもいろいろな情報を発信していきます。

グラフデータ

Image may contain: text that says "Score クロダイ Blackhead Seabream シーバス Japanese Seabass コイ Common Carp Bonefish ・サクラマス| Cherry Salmon マルタウグイ Far Eastern Dace アメマス White-spotted Char ロウニンアジ Giant Trevally スモールマウスバス| Smallmouth Bass プラウントラウト Brown Trout プリ! Japanese Amberjack カツオ Skipjack Tuna マアジ Japanese Jack Mackerel シイラ Dolphinfish ナンョウチヌ Pacific Seabream ライギョ Northern Snakehead イケカツオ Queenfish レイクトラウト Lake Trout シマアジ」 White Trevally アナハゼ Sunrise カサゴ Marbled Rockfish ウグイ Japanese Dace ゴマサバ Blue Mackerel Brook rout マサパ Chub Mackerel シロメバル| White Rockfish ヒラスズキ」 Blackfin Seabass ブルーギル| Blue ニジマス Rainbow Trout ギンガメアジ Big Trevally オイカワ Palce Chub カンモンハタ Honeycomb Grouper 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000"

2011-2019年の結果

2019
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/best-16-most-wanted-fish-in-japan-2019-ja

2018
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2019-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2018-ja/

2017
https://tokyoflyfishing.com/ja/reports-ja/report-2017-ja/top-10-most-wanted-fish-in-japan-2017-ja/

2016
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2015
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2014
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2013
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2012
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

2011
http://tokyoflyfishing.com/…/top-10-most-wanted-fish-in-ja…/

この記事のディスカッションに参加する | Join the Discussion

東京フライフィッシング&カントリークラブのFacebook グループ「Friends Lobby」ではメンバー以外の方とのディスカッションも行っています。気になる情報や質問などはこちらまで!