源流アドベンチャー 「新たなる旅立ち」

2025/01/17

TFFCCはその名の通り「東京」を中心に活動する部活ですが、「フライフィッシング&カントリー」であって、「釣り」だけでなく、「毛鉤」というハンドクラフトも重要なのですが、さらには移動手段ともなる車やRV、バックパッキング旅、登山・トレッキングやカヤック・カヌー、そしてじっくりと大自然や雄大な景色を満喫できるキャンプやカントリー滞在、アウトドア・フォトグラフィーなど「カントリー」部分も超・重要です。

やっぱり自然の中でじっくりと時間を過ごしたい、一体感溢れる冒険心を満たしたい・・・。

昔、「デルタシューティング」というシングルハンドロッドを使うスペイキャストを啓蒙してきて、日本人離れしたキャラクターでエド吉田にも少なからない影響を与えたパイセンでもあり、フライロッド担いで原野や奥山を遊んできた「ケバQ」ことTFFCCフレンズ戸澤さんと何か面白いことやろうとなりました。

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源流=ヘッドウォーターへの新たなアプローチ手法

山岳部的な体力作り・大自然ツアー・フライフィッシング全てを満たせるのが魅力の源流ワールド。

とはいえ、危険生物や自然災害などの対策として、単独は避けてペアやパーティーを組み源流へ入渓していくわけですが、通常は林道をひたすら踏破してから川へ入渓する方法か、キャンプ・ビバーク装備で登山路と川原を交互に渡渉していく方法を使います。しかし、足場が悪い場所を歩く中で、持っていける装備には自ずと限界があります。

対して過去にアメリカや国内の北海道や沖縄でやってきたカヤックやカヌーを使った「水上移動スタイル」では、浮力さえ確保できれば多めの荷物を積んでいって、上陸地点にデポしておいてからキャンプするなり、岸釣りや川釣りを楽しむことができます。

5月:タンデム人力艇でGO!

TFFCCでカヤック漕ぐメンバーは、カルロス・グチ・ツネキチ・エドが居ますが、潰しが効くインフレータブルカヤックを使うことが多いので、応用力を高めるためにも、まずは人力でやってみよう!ということで、戸澤さんが入手したタンデム艇で試してみることになりました。

しかし!

実際に出艇場所で荷物を乗せてみると、想定積載量を超えていないにも関わらず、大人2人と釣具・キャンプ用具を積むにつれてカヤックがどんどんと沈んでいき、最後は浸水・・・。泣く泣く、荷物を減らして行動食とビバーク装備だけにして出発!

山地の中の湖なので不安でしたが、タイムボカン・シリーズの悪役のように「エッホ、エッホ」とタンデム状態でカヤックを漕げばハードワークに頭の中は空っぽ。

水辺からアプローチできるので、いろんなインレットへ入っていけるのですが、僻地は僻地。上陸地点に思いっきりクマの足跡や💩が落ちていたり、まだ大量に残っている雪渓が崩れて鉄砲水になった場合、逃げ場の無いV字谷の源流では一発で天国送りになるので、アドベンチャーフィッシングであることには変わりありません。

でも荷物を持っていけるのは非常に便利! 上陸地点を「ベースキャンプ」にして荷物をデポしておけるので、思うままの装備を持っていけます。流石にスペイタックルの出番こそありませんでしたが、早い時間帯はユーロニンフ、日が高くなってきてからドライフライで十分に楽しめました。

5月の回は二人とも真面目に源流イワナをポンポン釣りましたが、そっちは本来サイドメニュー!キャンプできないと楽しさ半減なのでリターンすることに。

9月:動力艇x2でGO!

タンデム艇には大人1人と1名分のキャンプ装備、新艇も同じくですが、なんと「サイドフロート」を取り付けた凝り性のデルタ隊長!おかげで浮力UPしてキャンプ用品はもちろん酒宴用品も積んで行けました。

しかもどちらも動力付きに改造済み・・・恐るべしアドベンチャー魂です!

パドリングも楽しいのですが、「移動手段」になってしまうとやっぱり推進力が飛躍的にUPする動力は大いなる味方。
タンデム艇には2馬力エンジン、ソロ艇はエレキ搭載です。上陸地点までの所要時間も、1/2以下に大幅短縮・・・すごい・・・。

ベースキャンプも充実

グランピングする訳では無いものの、サバイバリストほど切り詰めたくもない、「源流遊び人」。一応、個人のテントは持ってきていますが、寝具とタープだけで焚き火を囲む「カウボーイスタイル」を実践することに!

カヤックによる貨物力UPの大きな利点として、着替えのポロシャツを着るだけでも文明度UPです!

手返し重視の源流フライフィッシング

さて、フライフィッシングを楽しむのも目的なのですが、今回試したかったのは、テンポを上げるためにWFラインを使い、ターンオーバーが気持ちいマキシマのテーパーリーダー、さらに水面の光に干渉しづらいマキシマ・カメレオンをティペットに使う釣り上がり。

いつクマが出てきてもおかしくない僻地の源流というサバイバル環境では、いかに制限時間内で釣り上がって、安全な時間帯にベースキャンプや乗り物に戻るかが課題です。この考え方は北海道ランガン遠征でも生きるのでした。

一方通行で釣り進み、ポイントごとの1スポットあたりほぼ1回しかプレゼンテーションしないのでWFのナローループで狭い場所へフライを入れていく狙いはかなり有効!酷暑で最悪なコンディションだった源流も、スピード・サーチ。

サイズこそ出ませんでしたが、インレットから上がってきた夏色のヤマメ。

大岩の抉れた「穴」の中のさらに奥に隠れていたイワナなど楽しみました。

使用フライ

タックル情報

シングルハンド3番ユーロニンフタックル

  • ティペット: シーガー グランドマックス FX 0.5号
  • リーダー: マキシマ カメレオン 2X (2号)
  • フライライン: ドヒーク レベルレーシングライン
  • フライリール: ハーディー ウルトラライト UDLA5000
  • フライロッド: エコー Shadow X 11'' 3番

シングルハンド3番ドライフライタックル

  • ティペット: マキシマ カメレオン 5X
  • リーダー: マキシマ ノットレステーパーリーダー 7.5ft 5X
  • フライライン: モニック プレシジョンドライ ステルス WF3F
  • フライリール: ハーディー ウルトラクリック 3000
  • フライロッド: エコー Trout X 7'6'' 3番

でもメインイベントは「宴」

源流がいいのは、川の石がいくらでも拾えることと、山から落ちてきた流木が大量に手に入ること。焚き火愛好家にとっては最高の環境です。川から拾ってきた大きめの石で「かまど」を作ったら、熾火を作って「囲炉裏」へ進化。

そうそう、カヤックのおかげで飲みたいお酒も自由に持って来れます。

縄文時代から暦面と続くDNAが覚醒し、焚き火を囲んでフィッシング談義をすると、いくらでもお酒が進むのでした。

まとめと続き

今回は車に積んでいける場所でトライアルとなりました。インフレータブルカヤックやパックラフトでも重量を切り詰めれば、遠征先でも同じようなアプローチができるので、動力をどうするかなど研究しながら2025年シーズンもアドベンチャーに行ってこようと思います。

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