西表島どうでしょう!2022:ブラボーなシャローフラット

2023/05/20

この日は深夜に時間調整して、宿の部屋のテレビで大事なワールドカップ2次予選日本・スペイン戦!近所迷惑にならないようにしたくとも、ヒートアップした対戦に心が熱くなり、12人目のプレイヤー「ウイニング12」として大歓声を上げてしまいます!

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試合結果は2-1で日本がスペイン無敵艦隊を逆転撃破・・・みんなブラボー・・・ブラボー!

ブラボーーーーー!!!!

「旅巻き」で餌フライ量産

と深夜からうっるさく盛り上がってビールも進みましたが、我々はフライフィッシング&カントリーライフの部活でサッカークラブではありません。天候の方も9時過ぎから回復するようだし、いよいよカヤックを使わないとアプローチできない未開のフラットでフライフィッシングするために、観戦しながらもコツコツと餌フライ入りした「HDJジグシュリンプ」を増産して、朝寝! Zzzzzz

「旅巻き」グッズが役に立ちます

カヤックを使ったフラットへのアプローチ

さて本クラブではカヤックを使った冒険のためのリサーチを何年か越しでやっている最中なのですが、前から気になっている探検計画を実行に移す前に、装備を積んだカヤックの操縦やリスク査定などしながら、第一歩となる大きなフラットにいるであろうフライフィッシングに全くスレていない魚たちと遊びたい・・・。

と言うことで、シャローフラットの段取りは到着初日に実践してみて、かなり有効であることを再確認。

リスク査定は前日の下見の時にやってあります。

出航

ビールも抜けた8時過ぎに目が覚めたので、島の商店で菓子パンを買って頬張りつつ、前日に下見しておいた場所に到着。小雨が降ったり止んだりするくらいで、爆風はおさまっていました。

北海道の時からかなり汚れてきたマイカヤックをエアポンプでスコスコと膨らませること10分少し。ロッドホルダーや魚探トランスデューサーアーム、アンカーなどを取り付けてから、ボートバッグ代わりのランガンボックスをセットしていざ出艇!釧路や厚岸、浜名湖で使っていく中で、だいぶ手際よくなってきました。

ちなみにメイホウのランガンボックス「VS-7080N」にロッドスタンドを取り付けてあるので、そこへランディングネットやロッド、必要な時は撮影のための一脚やフラッグロッドなどを挿して置けます。普段はエリアフィッシングや湾奥シーバス、中禅寺湖の国道側で椅子として使ってきて便利ですが、ここでも活躍。

移動しながらバランスチェック

今回はギリギリまで装備を積んだ状態かつ魚探をテストしながらカヤック操縦。久しぶりのパドリングなので動きを忘れていることもあって、気を抜くとしばらく直進した後にどちらか片方に回転してしまいます・・・。ランガンボックスは前から積んでいて影響が無かったのですが、艤装などちょっとしたバランスのズレで重心が狂うみたい。

使っているシートもカヤックについてきたエアで膨らませるものですが、これも座高が高くなるだけで体に風を受けやすくイマイチ使いづらい・・・。

GPS魚探をかけながらマップ作りを練習してみようとしましたが、トランスデューサーアームだけが出っ張ると重心が微妙に偏ってカヤックが回転するので、反対側に取り付けてあるロッドホルダーからネットの柄を張り出させて、やじろべえのようにバランスを取ってみたら回転しなくなりました。

天候も安定しておらず、いつ雨になってもおかしくない状態。今回はカヤックを使うことで水深がある間にフラットに入ってしまって、下げ潮の始まりからさっさと釣ってしまうプランにしました。

ウェーディングどうでしょう

今回もウェットウェーディングです。詳細はこちら。

タックルどうでしょう

時々強い風が抜けていくこともあって、風に強く丁寧にフライラインのコントロールができるタックルを選択しました。

シングルハンド8番フローティング

  • ティペット:シーガーエース3号3フィート
  • リーダー: バリバス テーパードリーダー レコードマスター SW IGFA Class FHT 12lb
  • フライライン:モニック アドバンスド クリアプラス WF8F透明フライライン
  • フライリール: Hardy MTX-S 7000
  • フライロッド: Echo Prime 8810-4

河口のシャローフラット:リーディング&アプローチ

目的地のフラットまで行くには距離があり、往復の間に天候悪化が心配だったので、途中で引き返して手前のフラットへ戻ってきました。水深は既に股下まで下がっていてサイトフィッシングで重要である魚たちからのサインがいつ始まってもおかしくないので、速やかに上陸ポイントとルートを決めます。

このフラットは川筋にあるので、魚たちは岸側の浅いマングローブの方からではなく、深場である川側のカケアガリからフラットへ入ってきて捕食してから、引き潮に乗って海へ落ちていきます。

ルートプランとしては、フラットの川筋から最も離れた場所にエントリー、海側のエッジにポジションを取って、既にシャローで捕食していて警戒心が低い群れを待ち伏せてから、川筋に沿って入ってくるフレッシュランを迎え撃つ作戦です。完全に初めてのフラットでは干潮時=「下げいっぱい」までの持ち時間は予測しづらいので、手返しよく釣って釣って釣りまくるしかありません。

サイトフィッシング開始

カヤックをアンカリングしている最中に岸よりの浅い場所でナーバスウォーターが見え始めました。急いでフライロッドを掴み、「またコトヒキかな?」と思って、フライに気づかせるために荒っぽい着水をさせると沈黙します。岸そばに再びナーバスウォーターが出るので、移動方向の2mくらい先へループをワイドにして丁寧にフライを入れます。

ジグフライに作ったシュリンプフライはここでも使いやすく、スッと水面を割って沈んでくれるのでダンベルアイを使ったものとは比べ物にならない手返しで着底させられます。

一回だけショートストリップしてストップしておきます。コツン・・・、コツコツ・・・。アタリは小さいですがフライに気づいて突き始めました、一発で持っていかないので恐らくチヌ・・・。あまり時間をかけたくないのでテンションを張ってストリップセットしたらフッキングが決まりました。

でも・・・ガクンガクンというチヌ特有のファイトですが、弱い・・・。連続狙いしたいので群から離して抜き上げようとしたら飛んできたのでネットでキャッチ。

群れの先頭のチビちゃん

ちっさ・・・。15cmやっと超えたくらい・・・。でもナンヨウチヌです。チヌゲーは超久しぶりなので感覚を取り戻すために、同じ群れを狙い、ワンキャストワンフィッシュ状態!あっという間に12チェック達成できてしまったので、水深が落ちていくのに合わせて川側へ並行に移動して次のナーバスウォーターを待ちます。

チヌ祭り!サイトフィッシングに生きるユーロニンフの効能

上のルート図で言うところの①〜④まで同じことの繰り返し。ほとんどサイズUPはしませんが、1時間半でなんと4つの群れから31チェック!今までサイトフィッシングやってきて、いやチヌゲーやってきてこんなに数釣りできたことはありません!これはチヌ祭りです!

群れの中の・・・やっぱりチビちゃん

サイズUP狙いで川筋を攻める

普段1匹1匹を狙ってつるチヌがあり得ないくらい爆釣してしまったのですが、そんなことをやっている間にかなり潮が下がってきたので、急いでサイズUPのために深みが急に落ちない⑤の場所の川筋よりを狙います。

ところが、川筋からフラットへ入ってくるチヌは静かにボトムに置いてあるフライをことごとく無視!!捕食が始まっていない相手だと全く違います・・・。そこでこの集団はやり過ごそうと思いましたが、カケアガリになっていてフラットから緩い流れが川へ払い出している場所でスローダウン。テイリング開始!!

ラッキー!

少し歩いて位置を取り直して、フライが直撃しないように川を利用して必要な量のラインをターンオーバーさせてから、上流へフライラインをメンディングしつつ引っ張ってフライだけカケアガリに入るように置きに行きます。そんなに慎重にやらんでも食うとは思いますが、「初の50達成」という野望が頭に浮かんだので1匹ずつ群れから抜いてやろうと根性が入ります。

狙い通りにヒット!ロッドを川側に寝かせて群れから魚を引き離します。さっきの群れとは違うパワフルなツッコミ・・・。今回8番ロッドにしておいて良かった・・・

狙い通りサイズアップ成功!と言ってもジャスト25cmで、以前釣ったチヌの記録に届かず・・・。この後は同じサイズ以上は出ず、20cm前半サイズが連発します。⑤に続いて⑥で別の群れで同じことを繰り返しましたが、小さいチヌと違って仲間が釣られたことに気付くのが早く、8チェック追加してそろそろ潮の流れが止まってきました・・・。

ダメ押しでなんとか・・・

なんとか39チェックまで頑張って見ましたが、すでにフラットは引き潮いっぱいで払い出しも止まってしまいました。川筋の生命感も無くなって、終了ムード・・・。しかし、ハッと気づいてフラットだけじゃなくて、まだマングローブ狙いすれば良いことを思い出し、フラットの最上流部へ移動。

フラットのエッジは全くダメでしたが、15mくらいの場所にマングローブと岩が混在しています。カナディアンカヌーの時の要領で、ギリギリにジグフライを落としてフォール。何度か試してショートバイト。一旦休ませてなんとか食わせて40チェック目がキャッチできました!

キャッチ&リリースの繰り返しで指がふにゃふにゃで変色しています。

続けてあと10チェックで50達成ですが、ここへステイして上げ潮を待ち伏せするか、待たずにこのマングローブ河川をカヤックで遡上してストラクチャー撃ちをやってみるか・・・。とりあえずカヤックをアンカリングしたところまでチャプチャプと戻ります。

完全に水が落ちてみると貸切グラウンドです!それともチヌ惑星?

タックルを積み込み出発しようと思った矢先に突然天候が崩れ、バケツをひっくり返したような雨が降ってきました・・・。風も強まってきたので安全第一で撤収、岸際の浅場を漕いで接岸しやすい漁港のスロープに着岸、雨をやり過ごしてから空気を抜いて片付けます。これにてこの日は終了です。

まとめと続き

下見しておいたこともあって、天候がすぐれない中の下げ潮セッションで良い釣りが楽しめました。
フルラウンド釣って50チェックを達成する前に終わってしまいましたが、一つのフラットで39チェックは祭りと言っても良い状態!

大前提として浜名湖のクロダイなどとは比較にならない素直さが西表島のナンヨウチヌ相手のチヌゲーの楽しさなのですが、これは世界遺産の一部となった西表島全体が野生の魚たちが自由に泳げる、サンクチュアリ=自然保護区であることが非常に大きいです。元気な魚たちがいっぱいいる、魚影が濃い環境です。

ゲームコンディションの観点では、水深が十分な状態のフラットであること。すでに捕食中の警戒心の無い群れが相手であること。フライパターンが完全にマッチしていること。これらも要因として大きいのですが、ジグニンフであるということも大きな要因だと思います。

以前から静かにソルトフライを落とす時はワイドループを心がけてましたが、川と止水のユーロニンフでスコアを競う中で、ワイドループどころか円形ロブキャストまで使って手前から15mくらいまでに丁寧かつ正確にジグニンフを落とすことをひたすらやってきたこと、ジグニンフの形状がヘッドにウェイトをセットしたソルトフライの中でも群を抜いて着水が静かかつ、スッと着底することが大きいです。ダンベルアイやボールチェーンアイと比較して、感覚値で3−4倍はスプークしません。

さらに透明フライラインを使っているので余計な影を落とす事がなく、ステルス性を担保しつつ、#8という小さいサイズが無用に漂わず着底することで、群れの後続の魚からフライを見られていないことが大きいと思います。

これだけの釣果があると学べるフィードバックが多いので、ここでの学びとアドバンテージをリーフでのフライフィッシングや次の浜名湖クロダイシーズンにどれだけ生かせるかが楽しみです。

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