ペルディゴン・ニンフ

2023/08/24アウトリガー,ニンフ,フライパターン,ユーロニンフ

「World Fly Fishing Championship | 世界フライフィッシングチャンピオンシップ」という大会を聞いたことが無い方もいらしゃるかもしれませんが、公式ルールに基づき各国の代表選手たちがフライフィッシングの釣りの腕を競う世界大会です。この中で川での競技では制限時間でいかに手返しよくたくさんのトラウトを釣るかにかかっていますので、フライのデザイン、ラインシステムおよびフライロッド も「ユーロニンフ」と呼ばれる独自のスタイルに進化しています

この大会の強豪スペインチームが使っていてまるで「ペレット」のように魚が釣れることから、ペレットのスペイン語 Perdigon =ペルディゴンと名付けられた実績の高いニンフです。スペインにちなんでスパニッシュ・ニンフとも呼ばれます。

日常のフィールドでは、魚の反応が落ちてきた日中に落ち込みの中を直撃したり、一回フライを触ってしまった魚へ再度プレゼンテーションする時に使います。

ペルディゴンの基本構成

本来は競技用のニンフですが、私たちの実釣にも活かせる様々な工夫があります。

ジグフックとタングステン・スロットビーズ

競技の限られた時間の中で手返し良く狙ったレンジへ素早く馴染ませるために大きめで重めのスロット入りビーズをバーブレスのジグフックへセットします。

大会ルールでは化学研磨されている本物のバーブレスフックである必要があるので、専用ジグフックを使います。多少レンジを外してもフッキングが良くなるようワイドゲイプ、バラしにくいように針先が長いフックを選びます。

大会で許可されている最大ビーズの最大直径が4mm(実際は安全策で3.8mmを使います)。その大きさで最も比重が高いのがタングステンなので、ビーズのタングステン含有量は選手がこだわるポイントです。ペルディゴンの場合はビーズのインパクトが大切なので、通常の適合サイズよりも1サイズ上のビーズをセットするのが主流です。

例えば#18が2.3mm適合の時に、あえて2.8mm以上を使います。

ビーズの後ろにテールとボディを巻きとめる

とにかく素早く沈めるのが狙いです。ボディを可能な限りミニマルに作る必要がありますので厚みが出ないようにマテリアルは全てビーズのすぐ後ろに巻き留めます。

テールはスペインだけにコック・デ・レオンを使うのが正統派ですが、普段使っているニンフのテールに使っている羽根で構いません。コック、ヘン、フェザント、マラードなんでもありですが、シャンクと同じ長さに付けます。

ボディはスレッドで下巻きしてならしておいた状態をパールカラー(光が不規則に変化するので目立つけどスレづらい)が入ったティンセルを巻き被せて作ります。ボディなので縞々になるものを選んでください。

ソラックスにUVアクセント

ビーズ直後のソラックスの部分にUVアクセントとなるUVティンセルを巻き付けてウィップフィニッシュします。

UVレジンでコーティング

水との摩擦抵抗を極力減らすためにソラックスからボディの部分をスムースにするためにUVレジンでコーティングします。

スロットビーズのスロットの穴も忘れずに埋めます。

マテリアル

フック:ドヒーク HDJ #16, #18, #20、#22
ビーズ:スロット付きタングステンビーズ 3.3mm, 2.8mm
スレッド:テックストリーム 25D
テール:コック・デ・レオン
ボディ:テックストリーム グリッタースレッド
ソラックス:テックストリーム ボディフライUV

ツール

セラミックボビン

ティンセルの滑りも良く、ワイヤーに使っても切れづらいセラミック加工されたボビンです。

使い方

ドロッパーリグに組んでユーロニンフの釣りで使いますが、単独のフライとしても非常に効果的です。

流れのあるポイントではテンションを保ったまま底波を流していってアタリを待ちます。
サイトフィッシングできる釣り場の場合は、ショートロッドで同じくテンションを保ったまま流れに同調させてアウトリガーの釣りで使います。

岩へ隠れているような魚を狙うときは沈めて送り込んで底すれすれを流します。

戦績

  • ヤマメ
  • ニジマス
  • ニッコウイワナ、オショロコマ、ブルックトラウト
  • ウグイ

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