ユーロニンフの基本とタックル選び
2025.4.18 - ロッド選びの条件を改定
2025.4.12 - 「レーシング」の定義を追加
2025.3.11 - ショートラインおよびロングラインのバーグマン・ダイアグラムを追加
2025.3.7 - ラインシステムを修正
フライフィッシングにおけるアプローチを大きく分けると、川で行われる「リバーフィッシング」、湖岸や海岸で行われる「バンクフィッシング」、湖や海でボートから行われる「ボートフィッシング」の3つに分かれます。
リバーフィッシングの中で、フランス・スペイン国境地帯の渓流で50年以上前から行われていたナイロンラインだけ使ったニンフィングがあり、さらに競技団体 FIPS-Moucheが主催するフライフィッシング世界選手権大会( WFFC)の競技テクニックとして、1980年代にポーランドやチェコなど東欧の選手が使い始めたヘビーなニンフが加わり、ヨーロッパの強豪国の中で競われて発展してきたのがユーロニンフです。

WFFCの歴代強豪国の多くがポーランド、チェコ、フランスなどヨーロッパ大陸の国であることもあって、英語圏から見て「ヨーロッパのニンフィング」略して「ユーロニンフ」と総括して呼ばれるようになりました。
5日間を戦い抜くWFFCの大会選手たちは決して川におけるニンフの釣りだけをしているわけではなく、湖の岸釣りやボート釣りも含めて、ドライフライやウェットフライ・ストリーマーも使う総合的なフライフィッシングの中で「ユーロニンフ」とは呼ばず、ただ「ニンフィング」や「レーシング」と呼んでいます。
- 1. 従来型ニンフとは違い底から狙えるジグニンフ
- 2. ユーロニンフのタックル&システム
- 3. コンタクト・ニンフィングとも呼ばれる、ダイレクト感が魅力のフライフィッシング
- 4. ショートライン・ニンフィング
- 5. ロングライン・ニンフィング
- 6. ステップ1:フィールドに合わせてロッドの長さを選ぶ
- 7. ステップ2: ロッド番手について
- 8. ステップ3:感度とフライのキャストしやすさ、性能と予算からロッドを選ぶ
- 9. ステップ4: フライリールを選ぶ
- 10. ステップ5: フライラインを選ぶ
- 11. ステップ6:リーダー&ティペットを選ぶ
- 12. ステップ7:ポイントフライ単体にするかドロッパーを組むか
- 13. ステップ8:フライ選び
- 14. 世界最強のユーロニンフ・・・フランスのフレンチニンフ・スパニッシュニンフ
- 15. 止水でもできるユーロニンフィング
- 16. まとめと続き
- 17. FIPS-Mouche関連
- 18. この記事の関連メンバー
- 19. TFFCC 公式YouTube | Our YouTube Channel
- 20. この記事のディスカッションに参加する | Join the Discussion
従来型ニンフとは違い底から狙えるジグニンフ
従来のドライフライを起点としたニンフィングでは、水面で起きている変化を捉えながら必要に応じてレンジを下げていく流れでニンフの釣りを組み立てますが、実際の水中では8割の魚がボトムへ定位している中で限られた数の個体しかコンタクトすることができません。

ユーロニンフでは、最初からボトムありきでニンフにジグヘッドの要素を融合させたジグフライを多用して、初めからコンタクトできるレンジを狙います。もちろんニンフが得意な自然な食わせ方もできれば、水流の中をアクションさせたり、ボトムに近い水中のピンポイントを狙う釣り方もでき、ジグフライならではの常にフックポイントが上を向いた形状でトラウトの舌に違和感を与えず根掛かりしづらく、リアルバーブレスならではの刺さりの良さ、刺されば上顎なのでファイト中もバレづらく、さらには深く飲まれづらくリリースしやすいといった総合的な利便性があります。

フライ自体にショットと同等かそれ以上の重量があるので水流の中でフライをコントロールしたりアクションさせることも得意です。これをフライ単体だけで使ったり、必要に応じて上のレンジの魚を狙うために、ポイントフライ(リードフライ)としてドロッパーと一緒にリグを組んで釣るために特化されたのがユーロニンフのシステムです。

また、フライラインを置く水面のスペースに悩まないことやインジケーターやショットによる動きの制約がないため、驚くほど手前側や狭い場所にフライを打てたり、ドライフライやウェットフライでは狙えない複雑な流れの中や、障害物に囲まれた水中の「点」さえも立体的に狙えるため、従来型のフライフィッシングでは考えられないほどの正確さと手数を釣ることが可能です。

ユーロニンフのタックル&システム
国際大会ルールでは最大3つまで規定を満たしたフライをセットすることができるので、先端のポイントフライ(リードフライ)やドロッパーは、ニンフでもウェットフライでもドライフライでも構いませんが、川に限定すると全体を重たくしたほうが遠くまでキャストしやすいこと。ボトムありきで重点的に攻めるほうが制限時間内での最大の釣果が出るのでジグニンフとビーズヘッドニンフだけで構成することが一般的です。ヨーロッパも国や地域によっては最大2つまでしかフライを使ってはいけない場所もあったり、シングルフライ限定の場所もあります。

また普段のレクリエーションの釣りではあえてドロッパーを組む必要がないことも多く、日本国内の河川ではシングルフライの使用がルールとなっている(枝針禁止やサビキ禁止)ことが多いこともあり、これを不便と思わず、むしろ交換しやすく微妙な変化が分かりやすいシングルフライならではのゲーム性の高さが楽しまれています。

コンタクト・ニンフィングとも呼ばれる、ダイレクト感が魅力のフライフィッシング
ユーロニンフィングでは低番手のティップ感度の良いロッドを使い、水流に対する抵抗を減らすために工夫されたラインシステムを通じて魚のレンジを直撃=コンタクトする中で、コントロールや感度の邪魔となり、魚がフライだけに集中するための障害ともなり得るインジケーターやショットを一切使いません。そのためロングティペット、サイターリーダー、専用フライラインがスムースにロッドティップを出入りするラインシステムになっており、かつ魚からのストライクを伝えるアンカーポイントが水中のフライのみにあるため、テンションを維持しやすくアタリを拾いやすく、「コンタクト・ニンフィング」や「タイトライン・ニンフィング」とも呼ばれます。
ドライフライのようにドラグを回避するためにわざとスラックを作ったり、ウェットフライのようにラインシステムごと沈めていく必要がないため、素早くフライをレンジへ沈めてプレゼンテーションを開始できて、魚の前アタリから本アタリ、フッキングからファイト中の全てをダイレクトに手元に感じながらやり取りができるため、スピーディーかつエキサイティングな釣りが楽しめるのが最大の魅力です。
ショートライン・ニンフィング
狙う場所の真横に立って、45度より少し上流へジグニンフを円を描く動作のタックキャスト(フリップキャスト)で振り込んでから、レンジを決めてロッドティップからロッド1本分程度の距離の水中を流して行く釣り方です。強めのテンションを保ったまま底へ沈めたジグニンフをロッドティップ先行で斜めの角度を保ちながらリードしていくコントロールドリフトが基本ですが、レンジをキープしながら川底の変化へ対応するために、ラインハンド(またはリール操作)を使ってラインを送ったり・張ったり、ロッドハンドを使ってロッドティップ位置を平行にずらして流れと異なる速度へ加速・減速させて流し方をコントロールします。この時サイターリーダーを見ながら流し方を調整しやすくするためにロッドハンドを水面より高く掲げることから「ハイ・スティック」とも呼ばれます。

テンションの維持とフライのコントロールが重要なので、余計なラインをフライリールやロッドティップから一切出さず(=ショートライン)、リーダーまでをティップから出した状態で手前のレーンから奥のレーンまで手返し良く正確にプレゼンテーションしていきます。

また、ポイントフライはポイントや状況に応じて異なる大きさ(=重さ)のビーズヘッドを使ったジグニンフを使い分けます。ピンポイントに狙えるので障害物の下へ隠れた魚を誘い出したり、透き通った浅瀬で見えている魚をサイト・ニンフィングすることも得意なプレゼンテーションです。比較的浅いポイントで多用しますが、レンジの深さに応じてサイターまで水中に入れてしまったり、初めから深い場所を釣る場合、ラインシステム上のサイターを複数箇所につけたりもします。
水中目視とサイターへの変化、脈アタリ全てを使い、意識を集中させて魚の状態に応じて「掛け&載せ」を使い分けてフックセットします。
サイターからリールの部分までのラインシステムを調節しながらコントロールドリフトしていくので、使うフライラインの直径が太すぎると「サグ」と呼ばれる、ラインの重みでリーダーが手前へ寄ってきてしまう現象が起きやすいため、テーパーのついていないレベルラインの細いニンフィング用フライラインを使うことが一般的です。
トーナメントや釣り上がりのように、制限時間内に手返し良く正確にポイントを狙いながら釣り進める場合はショートラインが釣果を伸ばしやすくなります。

ロングライン・ニンフィング
狙う場所が流れの中央より反対側の離れた場所だったり、強い流れの中で十分に沈めるために45度よりもさらに上流へフライを入れる必要がある時、あらかじめリーダー全てとフライラインの一部を引き出しておいて、大きく円を描くロブキャスト(ベルジャンキャストの応用)を使って継続的にロッドに負荷をかけて反発力を作り、そのまま円運動から狙った方向へシュートして釣ります。
慣れた人間はサイドキャスト気味に構えて、フライ自重とフライライン全ての荷重を利用してダブルホールを使ってラインスピードを上げつつ、バックキャストで作った反発力を最大限利用して前方へ最大飛距離でシュートします。最低でもロッド2本分から、15m程度の距離までをキャストします。

着水してからはフライラインまでロッドティップから長く出す(=ロングライン)状態で、サイターリーダーの位置を調節するためにメンディングを加えつつ、ラインハンドで調節しながらコントロールドリフトしていきます。飛距離を優先する大きな川や止水の場合は初めからWFラインを使うこともあります。

セットしたティペットよりも深い場所を探る時はサイター部分も水中へ入れて、テンションを確認しながらショートラインと同じく川底や水流の変化を捉えるようにプレゼンテーションしていきます。また、必要に応じてウェットフライと同様に横方向の動きも使って対岸から手前へ誘いをかけたり、ジグフライを大きく底から浮き上がらせるスイング&ターンのような動きも使って魚を狙っていきます。

WFFC大会選手たちはメインを0.55mmレベルラインにすることが多いですが、予備タックルまたは予備スプールにカスタムライン(競技用WFなど)をセットしておいてロングラインやドライフライ・ウェットフライの釣りに備えています
ステップ1:フィールドに合わせてロッドの長さを選ぶ
公式ルールでは全長12フィート以下のフライロッドを使うこと、と定められています。
渓流を釣る場合は正確性と流れに対する素早い追従が最も重要なので、狭い空間でショートラインがやり易い10フィートのロッドが基本となります。WFFC選手や北米でレクリエーションのニンフィングを行うアングラーたちはショートラインで探る距離を少しでも伸ばすために10フィート6インチ〜11フィートを選ぶことが多くなっています。これらは渓流の広い場所で対岸をしっかりと狙ったり、本流・止水を釣る場合においても10フィートと比較してロッドのトルクも大きくなるので、複数のニンフを使う場合や、ロングラインでもキャストしやすくなります。

ステップ2: ロッド番手について
8割の時間はショートラインで釣りを行うユーロニンフの場合、ロッドの番手はあまり重要でないと言えるかもしれません。しかしロングラインを求められる広いフィールドへ行く場合や、同じタックル&システムでドライフライやウェットフライも併用したい場合などはロッド番手にあった指定のフライラインを選ぶ必要があります。
またメーカーやターゲットユーザーによってロッドの設計が大きく異なりますが、ロッドのパワー自体は長さも関わりますので、10フィートの4番と11フィートの2番では11フィートの方がパワーがあります。WFFC参加選手が使う競技用ロッドに関して言えば、11フィート2番ロッドの方が10フィート4番ロッドよりもパワーが強くなります。
ステップ3:感度とフライのキャストしやすさ、性能と予算からロッドを選ぶ
プレゼンテーション中に底と魚のストライクの違いを明確に察知したい場合、ヤマメのように素早くストライクする小型トラウトや、ボトムに定位して微弱なストライクしか出さない慎重な大きな魚を察知する場合、18番以下のサイズのニンフも楽にキャストできる繊細なティップのロッドを使う方が有利であり、また、大型の個体がストックされている管理釣り場や北海道、トラウト以外の魚種などを釣る場合にも安心なものはWFFC強豪国チームが開発に関わり、競技用タックルを展開しているJMC(フランス)、Hanak(チェコ)、Hardy(イングランド)、Sage(アメリカ)などの競技者向けモデルがベストな選択になります。
これらはユーロニンフ用のロッドに求められる、「ティップセクションの感度の良さ」「先端1/3の柔らかさ」「ミドルセクションのキャスト性能」「バットセクションのファイト性能」に対する要求を全て満たすものが揃っています。公式ルールで許される最大直径4mmのタングステンビーズを使った、一個当たり0.5グラム以上のジグフライ3個使ったドロッパー・システムを組んでも楽にキャストできるように設計されているので、最大限に手返し良く釣り進めたい場合や、本流や深場も釣りたい場合も快適に進めることができます。また、ビギナーが使っても使い易くなっています。

高価格帯にも関わらず最軽量で人気のSage ESNシリーズから、WFFC競合のフランスチームが使うJMC、同じくチェコチームの使うHanak、TFFCCメンバーと縁のあるScottやEcho、PrimalやR.L. Winston。あまり聞かないブランドまで、さまざまなメーカーからユーロニンフ専用ロッドが作られています。
反面、エントリーモデルは性能こそ比較できませんが、感度を補完するために、3.3mmビーズを使うところを3.8mmビーズにサイズアップする、より細めのラインシステムを組む、フライリールを軽量化してロッドティップの感度を最大化するなど、アタリを出しやすく工夫することで十分にユーロニンフを楽しむことができます。
| フライロッド | 長さと番手 | 重量 |
| Sage ESN (第二世代) 各国選手 | 2100-4: 10フィート2番 3100-4: 10フィート3番 3106-4: 10フィート6インチ3番 4100-4: 10フィート4番 | 70-80gクラス |
| JMC PURE NGX フランスチーム | 11フィート2番 10フィート9インチ4番 10フィート6インチ3番 | 70-80gクラス |
| JMC Performer Inifinity フランスチーム | 10 フィート6インチ3/4番 | 70-90g クラス |
| Hanak Nymph X チェコチーム | 10フィート6インチ3番および4番 10フィート3番および4番 | 90-100gクラス (カウンターウェイト込み) |
| Hardy Ultralite LL イングランドチーム | 11フィート2インチ2番 10フィート8インチ0/2番および3番 10フィート2インチ2番 | 90-100gクラス (カウンターウェイト込み) |
| Echo Shadow X アメリカチーム | 10フィート2番 10フィート3番 10フィート6インチ4番 | 70-90gクラス |
| Sage Sense | 3100-4: 10フィート3番 3106-4: 10フィート6インチ3番 4100-4: 10フィート4番 | 80-90gクラス |
| Redington Strike Euro Nymph | 3100-4: 10フィート3番 3106-4: 10フィート6インチ3番 4100-4: 10フィート4番 3110-4: 11フィート3番 4110-4: 11フィート4番 | 90-100g クラス |
| Echo Carbon XL Euro Nymph | 10フィート3番 10フィート4番 | 90-100gクラス |
| G. Loomis IMX-PROe Euro | 10フィート2番 10フィート3番 | カタログ表示なし |
| Scott Centric (Radian 後継) | C1004/4: 10フィート4番 C1005/4: 10フィート5番 C1006/4: 10フィート6番 | 70-80g クラス |
| R.L. Winston Boron III Super 10 | 10フィート3番 10フィート4番 10フィート5番 | カタログ表示なし |
| Thomas & Thomas Contact II | 10フィート2番 10フィート9インチ2番 10フィート3番 10フィート9インチ3番 11フィート2インチ3番 10フィート9インチ4番 10フィート8インチ6番 | 80-90g クラス |
| Primal Zone | 10フィート2番 10フィート6インチ3番 10フィート4番 | カタログ表示なし |
| Primal Contact | 10フィート3番 10フィート4番 | カタログ表示なし |
| River Peak | 10フィート2/3番 10フィート3/4番 | 80-90g クラス |
ステップ4: フライリールを選ぶ
一般的にグリップ位置でフライロッドとフライリールがバランスを取れるようにするのが、ロッドティップから伝わるダイレクトな感触を殺さずベストバランスとなります。
ユーロニンフでは細いラインシステムを使いますので、アウトスプール仕様のフライリールの場合、スプールとボディの隙間にラインが入り込んでしまうトラブルが多発します。インスプール仕様のフライリール一択となります。
さらにセミオート式のフライリールはロッドを持つロッドハンドのみでリール操作も完結できるため、足場の悪い川での立ち回りや移動のスピード向上、釣るときの手返しも素早くなるので、競技選手たちには愛用されています。
ドラグ性能は大きな魚とのやり取りや、Wヒットしてしまった時などにトラブル回避のために重要ですので、ドラグ機構を搭載したリールがおすすめです。
| フライリール | 大きさ・重さ | 説明 |
| Sage ESN | 直径98mm、140グラム | インスプール、ウェイト調整機能あり(1/2、1, 1 1/2オンス) |
| Redington TILT | 101mm、160グラム | インスプール、ウェイト調整機能あり(1オンスx3) |
| JMC YOTO Nymph | 68mm、146グラム | セミオートリール、ラインガード付き |
| JMC YOTO XPR 30 | 68mm、130グラム | セミオートリール、ラインローラー付き |
| Bauer RVR Euro Nymph | 95mm、139グラム | インスプール |
| Hardy Ultradisc UDLA | 4000: 94mm、113グラム 5000: 99mm、120グラム | インスプール |
| Waterworks-Lamson Speedster HD -7+ | 101mm、140グラム | インスプール |
| Galvan Euro Nymph 3.5 | 140グラム | インスプール |
ステップ5: フライラインを選ぶ
公式ルールでは、「最低22mの長さ」かつ「一番細い部分の直径が0.55mm以上」と決められています。ショートラインの場合はフライラインの重さを使ったキャストではなく、ロッド操作で振り込むのであまり意識しませんが、ロングラインの時はフライラインの負荷も使ってロッドを曲げるベルジャンキャストを行いますので、許される限り細いラインがシュートの時に抵抗にならず有利となります。
また、流れをまたぐプレゼンテーションを行うことになるので、テーパーが付いていない「ニンフィング用」とされているレベル・フライラインの方がダイレクト感を維持できるので主流になっています。
| フライライン | 説明 | FIPS対応 |
| RIO FIPS Euro Nymph | 2-5番ロッドにフィット、全長24m、両端にループ。FIPS-Mouche公認のニンフィング・ライン。 | 公式 |
| Airflo Nymph | 2-4番ロッドにフィット、全長25m、両端にループ。先端1.2mが蛍光オレンジカラーで低ストレッチコアとモノコアのクリアーラインの2種類。FIPS-Mouche認定のニンフィング・ライン。 | 認定 |
| JMC VisioLight | 2-4番ロッドにフィット、0.55mm既定に一番直径を追い込んだレベルライン。リーダーとの滑りの良さを優先するためループは付けずネイルノットで結束する。FIPS-Mouche認定のニンフィングライン。 | 認定 |
| Dohiku Level Racing Line | 2-4番ロッドにフィット、全長24mのうち先端2mが見やすい蛍光カラーで両端にループあり。FIPS-Mouche 会長認定の本格的なロングライン・ニンフィング・ライン。ブレイデッドコアのローストレッチで感度抜群。 | 認定 |
| Scientific Anglers Competition Nymph | 2-5番ロッドにフィット、全長24m、両端にループなし。モノコア。FIPS-Mouche準拠のニンフィング・ライン。 | 準拠 |
| RIO Technical Euro Nymph | 2-5番ロッドにフィット、全長24mのモノコアラインに14フィートのレベルリーダーがシームレスに合体したライン。 | 準拠 |
| RIO Technical Euro Nymph Shorty | 2-5番ロッドにフィット、全長6mのモノコアラインに14フィートのレベルリーダーがシームレスに合体したライン。競技用ではなく通常のフライラインがセットされたタックルにアタッチメントとして接続して楽しむためのライン。 | × |
| RIO Euro Nymph Shorty | 2-5番ロッドにフィット、全長6m、両端にループ。競技用ではなく通常のフライラインがセットされたタックルにアタッチメントとして接続して楽しむためのライン。 | × |
ステップ6:リーダー&ティペットを選ぶ
公式ルールでは、リーダーの末端からポイントフライに結ばれたティペットの先端までの全長はロッド2本分まで、末端から先端までの太さは均一もしくは先端へ行くほど細くなってなければならない、と定められています。フライを結ぶティペットは沈みやすいようにフロロカーボンを使いティペット部分は全長を川の深さの1.5倍にする、というのが定番になっています。
ドロッパーを結ぶ場合もティペットよりも太いティペットは禁止、というよりも同じ太さにしておいた方がシンプルかつシステムを組むのが素早くなるので理にかなっています。
また、水面で目印の役割を果たすリーダーの部分は目印となるカラーラインを使うことが許されていて、かつ、ストライクを弾かないようにストレッチ性のあるナイロンであるのが良いとされています。ユーロニンフ専用のものは明るい場所でも暗い場所でも見やすいカラーに開発されているので非常に使いやすいです。
強豪国フランスの選手が広めた有名なシステム「フレンチニンフ・スパニッシュニンフ」(リーダー部分のテーパーの有無で呼び分ける)では、2色配色のサイターリーダーを使います。日本ではシングルフライしか許可されていないフィールドが多いので、ダブルエイトノットまたはエイトノットで結ぶのが素早くできておすすめです。
リーダー同士やリーダーとティペットの結び目はわざとカラーリーダー側を長く余らせることで、インジケーターとして機能させます。
ただしハイプレッシャー河川ではリーダーの色が影響することもありますので、その場合はリーダー部分全てを魚から警戒されないものを使い、サイターを結ばずリーダーグリスを塗ることで(ルール上セーフ)インジケーター機能を持たせます。
ステップ7:ポイントフライ単体にするかドロッパーを組むか
初めからポイントフライ単体で釣ると決めた場合、レギュレーションでフライ一つまでしか使えない場合は、余計なものがついていないのでティペットを直結します。
ドロッパーを組む場合は、国際大会ルールではティペットリングを最大3つまで使えますので、リードフライ(最も末端のフライ)やドロッパーを結ぶ前の部分にティペットリングをつけることでフライ交換を迅速に行うことができます。国内ではレギュレーションに応じて2つまでと決めあれているケースが多いので、それに従います。
ただしヤマメのように目がいいトラウトはティペットリングに食いついてしまうことが多いので、手返しを最大化するためには直接ティペットを結束する方が良い結果が出せます。
ミニマリストで出来るおすすめのやり方は、ティペットリングを使わず、あらかじめフライを結んであるドロッパーのティペットをダブルエイトノットでメインラインへ結束する方法です。
ステップ8:フライ選び
システムを決めたら、いよいよフライ選びです!一般的にはポイントフライを最も重たいフライにして、ドロッパーは小さめのサイズを選ぶことが多いと言われていますが、シングルフライ規定が多い日本の場合は、好きなフライをどんどん試していくのが楽しいところです。
その時の魚の食性に寄せたマッチ・ザ・ハッチを意識してもいいですが、「これが釣れるのだ」という自分本位のフライを交換せずにプレゼンテーションのテクニックで釣っていくこともできます。手返しの良さに影響がなく、底を取る必要も無ければ、必ずしもジグフライである必要もありません。
また場面に応じてソフトハックルやウェットフライで表層を釣ったり、ポイントフライをアトラクタードライで浮かせておいてドロッパーにマイクロニンフを結んだり、ストリーマーを下流45°へキャストしてスイングさせたりもできます。
大会ルールに準じる場合は、使うフライフックは製造された時点で100%のバーブレスである必要があります。化学研磨されたバーブレスフック、とも呼ばれますがバーブを潰したとしても審査のための絹のハンカチにフックを刺して引っ掛かると釣果が無効とされるため、普段からリアルバーブレスに慣れておく方がいいでしょう。また、リアルバーブレスで製造されたフライフックの方がポイントの鋭利さや長さに制約が少ないのでパフォーマンスの高いものを選ぶことができます。
フライを一つだけ使う場合は、フライに許される最大の長さや幅は、その大会が定めるルールに従います。

ドロッパー・システムに組む場合は、共通ルールが適用されます。それぞれのフライにおいて露出したビーズは一つだけ使えますが、それ以外のウェイトはフックのベンドよりも長さがはみ出してはならず、ウェイト部分の上からマテリアルがドレッシングされている必要があります。ビーズは最大直径4mmまでと決められておりゲージの穴を潜らない場合は使えなくなります。
また、フック全長はそれ自体がウェイトとして機能してしまうために、40mmまでとも規定されていますが、全長20mm以下のフックを使う場合は5mm幅のゲージをフライ全体がくぐり抜けられれば問題なしとなります。全長20mmより長く40mm以内のフックを使う場合は、3mm幅のゲージをフライ全体がくぐり抜けられる必要があります。
またドロッパーを使う場合、フライ同士の間隔は50cm以上空けないとなりません。
世界最強のユーロニンフ・・・フランスのフレンチニンフ・スパニッシュニンフ
2025年7月時点、WFFC (World Fly Fishing Championship = 世界フライフィッシング選手権)2025年大会で勝ち抜いて三連覇した結果をもって、世界ランキング1位を更新したフランスチーム。最多優勝12回で、歴代メダル獲得数はチームが29個、選手個人が26個。そして2025年チェコ大会ではWエースの一人、ジュリアン・ダギヤンヌが出場できない苦戦を強いられる中で、中盤からWエースのもう一人ピエール・クンツが一気に追い上げてチーム&個人W優勝・3連覇達成。2024年フランス大会では「リバーセッション時速18.5匹」という驚異的なスコアを叩き出したのも、フレンチニンフ・スパニッシュニンフです。
この中からリーダー部分のテーパーがあるものをフレンチニンフ、テーパーをなくしてレベルラインにしたものを区別するためにスパニッシュニンフと呼びますが、どちらのシステムもプレゼンテーションは同一となります。
止水でもできるユーロニンフィング
さらに止水でも同様なシステムでニンフィングを行うことができます。川の流れを使うドリフトとは異なり、フォールアクションを使い分けるプレゼンテーションとなりますが、このシステムは国内のエリア大会やバスフィッシング、クロダイ相手のソルトフライでも通用しました。
まとめと続き
これだけ書くと利点だらけのように思えるユーロニンフですが、こちらから「点」を見抜いて攻めていく釣り方なので、魚の着き場所を見つけるスキルが要求されたり、狙う「点」の数に対する魚の数が多くないと手返しは悪くなります。回遊している魚を狙ったり、遠い距離にいる魚を誘うことはとても苦手。魚の生息が貧弱なフィールドではダイレクトなコンタクトが災いしてスレさせてしまうだけのことも!
反面、条件がぴったりのフィールドでは、厳しいコンディションの中から魚を引き出したり、数を釣ることでしか引き出せない最大サイズの個体を誘い出せたり、そのフィールドの中ではどんな着き場所が好まれるのか、など水中環境の手がかりや学びがたくさんインプットできます。条件に対して合わせていくマッチザハッチの釣りとはいい意味で対極にある、こちらからアクティブに仕掛けていくフライフィッシングと言えるでしょう。
また、最先端のロッドは技術が進歩していて、レベルラインでもある程度の距離をキャストできてしまうだけでなく、ダブルホールを駆使することで15m程度をキャストすることも普通に行われます。
同じタックルでニンフだけではなく、ドロッパーを目印となるアトラクタードライフライに変えることで「ドライドロッパー」と呼ばれるシステムとなり、水面へ魚の意識を狂わせることで警戒心を落とさせて口を使わせることもできます。さらにはソフトハックルをキャストして操ればテンカラと同じ釣りができますし、ウェットフライをスイングさせることもドライフライをドリフトさせることもできるので近距離に特化して立体的な釣りができるポテンシャルはかなりのものだと思います。
条件に応じて、ドライフライやインジケーター・ニンフの釣りやウェットフライの釣りを別々に楽しむように、さらにフライフィッシングの幅を広げるニッチとして楽しんでいくのはいかがでしょうか?腕が上がれば、その先には世界選手権??未だフライで釣られていないトロフィーフィッシュ?
FIPS-Mouche関連
最新のルールについては、こちらを参照してください。
この記事の関連メンバー
元チームジャパンで豊富な出場経験を誇る選手
元チームジャパンおよびプロタイヤー
元スコットランドチームのユースで優勝経験をもつプロタイヤー
ユーロニンフ大好きの若手メンバー
面倒臭いことが大嫌いで野生の勘だけを頼りに、チーム・フランス、チーム・イングランド、チーム・スロバキア、チーム・ジャパンと節操なく技とアイテムを取り入れる、チャンポン男。
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