Echo Gecko エコーゲッコー 子供&初心者向けスイッチロッド

フライフィッシング,初心者

(2012年4月の英語版記事を翻訳・補足したものです)

漢字検定に合格したご褒美に長男に彼専用のフライロッド をプレゼントすることになりました。今までもいろんなフライタックルに挑戦してきたのですが、なかなかぴったりのモノがなく、長すぎるロッドだと重たすぎて疲れてしまうし、かといって繊細すぎるロッドだとキャストした時のフィードバックが足りないので集中力が保てませんでした。そこで彼にぴったりのフライロッドを探すことになりました。

ジョアン・ウルフの教えを ティム・レイジェフが実現

本来フライフィッシングの「フィッシング」の部分はとてもシンプルだと思います。一番初めに「イージーフライ」というテンカラ竿を使わせてみたらば、直感的にどうフライを魚へ送り込めばいいのか理解して3投目には釣っていました。しかしフライロッドを使った「キャスティング」の部分はそうは行きません。「釣竿」というよりも「ロッド型ツール」としてのフライロッドをどう操作してツールとしての仕事をさせるかを理解しなければならないからです。どちらかというと楽器に近いのかもしれません。

ツール選びにとても大事なことは、その人に合っているかどうか。重すぎても軽すぎてもダメ。そして続いて大事なのはどうやって疲れてしまう前に集中力を維持するかです。

色々とアメリカのウェブサイトを検索したらば、ジョアン・ウルフ先生が書かれた「子供のためのフライキャスティング」というマニュアルがあって、腕力の弱い子供にはツーハンド持ちがベストで水面キャストが一番わかりやすいと書かれていて、まさに何年も前に私がペンシルバニアのメル・クリーガー先生のスクールへ行った時におっしゃっていたことと同じことです。

このコンセプトに忠実にEchoの創業者でありトップキャスターでもあるティム・レイジェフ(スティーブ・レイジェフさんの弟)さんが3ピースロッドに製品化したのがEcho Gekko エコー ゲッコーです。

エコー ゲッコーの特長

エコーゲッコーは3ピースのフライロッドで継いで完成すると7フィート9インチの長さになります。ロッドの長さは短すぎず反発力を生み出すのに十分で、長すぎないので子供でも重たく感じずに取り回せます。フライラインは4番か5番指定になっていますが、子供の腕力にはちょうど良い強さのフィードバックを感じられるので、キャストするときの「ロッド・ストップ」を感じやすいし本人にもインストラクター役の大人からも見やすいイエローのブランクスなのでロッドの動きが分かりやすく、これも目で見たフィードバックが分かりやすくできています。

グリップはEVAフォームの1.75cm厚でできていて、私の標準的な3番ロッドのグリップが2.5cm厚であることと比べると子供の小さな手でも握りやすくなっています。エンドグリップがついているので、スイッチロッドとなります。

シングルハンドでもツーハンドでも投げられるということはゲッコーの大きな利点で、腕力が弱い子供でもツーハンドで操作することで十分なラインスピードで狙ったところへキャストできるし、大きな魚がかかってしまっても余裕でファイト&ランディングすることができます。EVAフォームの良いところは、子供がロッドを地面にパッと落としてもショックを吸収してくれます。

リールシートは強化プラスチックでできており、シングルスクリューナットでフライリールを固定できるようになっています。

なんでゲッコーにしたの?

ちなみに子供向けフライロッド には、レディントンのミノーやロスのジャーニーがありますが、なぜゲッコーを選んだというと:

  • 6歳の息子の身長は3フィート11インチで、7フィート3インチ3番、9フィート5番、7フィート11インチ6番を試してみた
  • 3番ロッドは十分なフィードバックが感じられず、集中力が途切れてグリップとリストが甘くなってフライラインのテンションが保てなかった
  • 9フィートや6番はトルクが強すぎてフィードバックには十分だったが、すぐに疲れてしまった
  • そもそも何の指示も与えない状態で10分フライロッドを使うと、自分から楽なツーハンド持ちに変えていた

長さ、番手、スイッチハンド、全ての条件を備えていたのがゲッコーだったというわけです。彼よりも条件が良い方が選ぶとしたらば選択肢はもっと広いと思います。

フライライン

私がアメリカ時代から使ってきた古いカベラスのプラスチックリール567にWF5番フライライン(多分Cortland)がセットしたままなのでそれをそのまま使っていましたが、白くて見辛いようだったので、オレンジ色のScientific Anglersのジャパンオリジナル「エリアブースター」のWF4/5にチェンジしました。

エリアブースターはヘッドが短め・重ためにできているのでフィードバックが感じやすく、楽に距離も投げられるし、何と言っても色が見やすいのでオススメです。

フライリール

カベラス567をセットした理由はその軽さ。20ポンドのバッキングラインとフライラインを巻いた状態でわずか4.3オンス(123グラム)です。その前は間違えてEcho Solo 4/5を買ってしまったのですが、これは本体重量だけで5オンスもあるのでお役御免となりました。

ロッドとのバランスもありますが、「超軽量」であることはものすごく重要だと思います。下記のフライリールを候補に考えています:

  • Redington Drift 3/4  (3.7 oz) or  5/6 (3.9 oz).
  • Nautilus FW 3+ (4 oz).
  • Waterworks LamsonVelocity 1.5 (4 oz), Lightspeed 1.5 (3.5 oz), and ULA Force 2SL (2.9 oz).
  • Hardy Ultralite CC 3000 #3 (3.7 oz), Featherweight (3.5 oz)

長男と次男が使ってみた&その後・・・

長男はおっとりタイプなので、ツーハンド持ちで使って釣ることに慣れた次は・・・なんと「座り釣り」を主張。彼の個性はナチュラル系(受け身)のプレゼンテーションを好む方へ向かいました。

その後何年も経って中学生になってから東北旅行中に一緒に岩手でフライする機会がありましたが、イマージャーへのライズ(なんと近くの川からやってきたカゲロウのライズがあるポンド)を待ってからドライフライを打つか、ウェットの「ほっとけフォーリング」で魚に仕事をさせて釣ってました。三つ子の魂なんとやら。

次男は短気で攻めるタイプなので、ツーハンドで楽に投げられることに味をしめた途端に狩猟モード全開。とにかく投げたところにいる魚が反応しないと飽きるので、「はい、あそこ!」とか教えるとキャストを決めて釣っていきます。少し大きくなると教えてないのに、冗談で「パパはヤマメ食べたいから釣っておいて」と言ってテントを調整して戻ってきたら本当に釣ってきました・・・。まめにフライを少しずつ動かして誘って釣ります。

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その後大きくなって中学生になって加賀FAへ釣りに行きましたが、ライズする魚をガンガン攻めて一通りキャッチ&リリースしたら、スイッチロッドを放置したまま姿を消して車内でニンテンドーSWITCHでシューティング対戦ゲーム三昧・・・。そっちの「スイッチ」がいいんかい・・・?どうやらFFだけでは彼のアグレシッブさを満たせないらしいです。

まとめと続き

自分の息子たちをベンチマークにタックルを模索してみましたが、いかがだったでしょうか?お子様にフライフィッシングを初めさせたいご両親には強くオススメできるフライロッドです。ただし、どういう性格のアングラーになるかまではフライロッドではどうにもなりませんので、その子の性格にあった釣りをさせてあげてください。

また何か発見があれば更新します。

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