ニジマスしばいたろか? – Fish Up 秋川湖、東京都あきる野市

2021/11/14

10月も進み、いよいよ「冬季釣り場」(実際は秋から早春までだけど)というキーワードが脳裏をよぎる中で、「秋川湖が解禁!」というニュースが目に止まり、八王子に商用があることもあり、久しぶりにカンツリータイムを楽しむために、Fish Up秋川湖へ行くことにしました。「よっしゃ、ニジマスしばいたろか!」

秋川湖の楽しみ方

Fish Up 秋川湖は久しぶりですが、ここへ期待するのは実際のフィールドと同じく、「群れで回遊する」「大きい魚ほど深いレンジ」「プレッシャーがかかっている」という、そこそこテクニックが求められる条件を備えていることと、シーズンが進むとユスリカだけでなく近くの秋川からやってくる水棲昆虫が住み着くので、時折ハッチが発生するとイマージャー狙いの釣りができる点になります。オフシーズンの練習はもちろん実戦フィールドで試してみたいフライ&プレゼンテーションのテストになるので、何かと便利なエリアです。

2017年シーズンは、なんとカディスどころかモンカゲまでハッチしていたので中禅寺湖をドライフライで釣り上がるためのフライの完成に助かりました。

さらにツーハンドタックルとスペイキャストが禁止されていない上に、決して空いていないエリアなのでバックスペースを使わない釣りの練習にもぴったりです。

今回はオープン初日という好条件なので、目標は「10匹釣ったら打ち止め」「良いサイズを1匹は釣る」「プロトタイプのフライまたはリグをテストする」でやることに。コスト節約のために深夜ETC割引タイムに八王子へ移動、朝一スタートで午前中だけ釣ったら、新しくできたスタバで軽食&コーヒーを楽しんでから仕事に向かうプランです。

マイクロスカジットでスローな釣り

気温は12℃で小雨が降る肌寒い中でスタート。初めはトップで釣ってから沈んでいく魚に合わせてインタミの釣りをする組み立てで行きます。まずはバラギ湖で使って大活躍したスイッチハンド4番をスカジット+フロートティップにセットしたものをそのまんま投入。

フライも最初はノンウェイトのソフトハックルで始めて様子を見ながら、周囲のルアーアクションに対してアピールで負けるようであれば沈降速度が速い目立つフライにチェンジ、プレッシャーに負けて大人しくなるようであればニンフに近い地味な食わせフライへチェンジという組み立てで釣り始めました。

連発こそしませんが、電話会議のために車へ戻らないとならない9時半前で40cmサイズ揃いを4匹。スイッチハンド4番だと少しスリルのあるファイトになりますが、ランディングした後のグロッキーぶりがちょっと心配でした。

4匹釣ったうちの2匹はちゃんと蘇生させないと泳いで行かないレベルまで酸欠・・・。恐らくオープンに合わせて入れられた魚たちは餌抜き&水慣れしていないので体力が落ちているのでしょう・・・。雨が降る中ですが、水中に腕を突っ込んで回復するまで待ってからリリースです。

ランチ休憩&スカリグで大物狙い

そんな事をやっていたので体が完全に冷えてしまい、電話会議もあるので車へ戻り休憩タイム。この時点でも気温は上がらないので、体を乾かしがてら車内暖房を全開!居心地が良くなってしまい、エリアへ戻るのが面倒くさくなってしまいましたが、一桁釣果で帰るわけにはいかないので再開します。

戻ると少し魚たちが沈み気味になっています。そこでバラギ湖のハコスチで良い思いをした、トレーラー禁止レギュレーションがあるフィールド対策の「スカリグ」を投入。

ビーズヘッドのリードフライの代わりに同じ重量のヨリモドシを結び、そのあとへティペットと食わせフライを結ぶ仕掛けです。ヨリモドシが着水&沈降して魚の興味を誘つつ、小さく地味なフライを食べさせる - 好奇心と警戒心という相反する条件を兼ね備えた大物に効果的なリグなのですが、末端のフライからヨリモドシまでをきちんとターンオーバーさせようとすると、なかなか空気抵抗や表面張力で難しいのですが、これこそスカジットにはうってつけ!

ショートバイトが連発する中で、思うところあって、一旦リグが沈み切るまで待ってから、ロッドを高くあげるイマージングアクションを仕掛けたら、狙い通りに「ガツン!」と強いストライク!

狙い通りに深いレンジにいる大きなトラウトが来たので慌ててて体勢を整えます。スイッチハンド4番は弓形に曲がりリールファイトしながらキャッチできたのはジャスト50cm!とりあえず目標の一つは達成ですが、やはりこの魚もグロッキー気味で蘇生までに2回リリースをやり直しました・・・。あまり弱い竿を使って取り込みに手間をかけると魚へのダメージが多くなるので反省です・・・。

ファイト時間を短縮するためにツーハンド6番にフローティング/ホバーのスカンジをセットしたタックルで続きを狙いますが、ゆっくりとリトリーブすると強烈なアタリ!・・・しかしすぐにバレてしまいました。

なんと普段はすっぽ抜けたことがないオルブライトノットで接続したリーダーがポリリーダーとの境目で抜けてしまってました・・・。プレッシャー対策&アンカー強化のために6フィートくらい長さをとっていたので、口から長いティペットをぶら下げたままのトラウトを作ってしまいました・・・。またも反省。

予期せず「ゴールデンタイム」到来!

それにしても今回はやたらと金色のニジマスが多く目に入ります。フライに釣れてこないのですが、手前のカケアガリに群れで泳いでいます。寒いのでコーヒー休憩に行きつつ、やっぱり気になるので映るかどうか怪しかったですが水中の白っぽい影は全てアルビノです。

コーヒー休憩から戻ると手前にいた金色ニジマスの群れはいなくなっていて、代わりに水車が流れを作っているセクションに散発的にライズする魚が見え始めました。ルアーの人たちの邪魔にならない程度に遠投して流れを緩くスイングさせるとこれがアタリ!ウェットフライでは人生初のアルビノ・ニジマスです!サイズは30cm弱と小さいですが元気にフライに出るので楽しい魚です。

この後も水面に気配があるところへすかさずキャストすることを続けると、釣れてくるのはどれもアルビノばかり!流れを狙うとアルビノ!手前を休めるために遠くのライズを狙うとアルビノ!せこく手前の流れ込みにフライを漂わせてもアルビノ!

黄金のアルビノだけが連発する「ゴールデンタイム」に夢中になっていたら、なんと全てがアルビノ5連発まで行って2桁達成!どうやら大量にアルビノを入れたようですね。「ゴールドラッシュ」と呼んでも良いのではないでしょうか。

「環境コスト」を意識した節度を超える・・・

ぴったり10匹釣ったし、乱獲せずに次の予定へ向かおうと思いましたが、ツーハンドの方からタックルを片付けていたら突然始まるライズ・・・。6時間券だから時間いっぱい釣らないと勿体ないとも思い、商用の相手の方に連絡を入れたらば「2時過ぎで良いです」とのお言葉・・・。ああ、これはもうちょっと釣れという天の意思なのだと言い訳して続行。

今度は35cm弱の魚たちが元気に遊んでくれました。ファイトもいいし、元気なままリリースしやすかったので、これくらいの魚がベストですね。2匹追加したらタイムアップだったので納竿。

商用の前にスタバに寄ってから車内へ戻ると気温は11℃に・・・。翌日は北関東へ移動するのですが、今年はエルニーニョ現象で寒さが厳しいとうニュースが気になりました。暖房器具もグレードアップせねば!

まとめと反省

「しばいたろか!」目標は全て達成した上に、ゴールデンタイムのボーナスまでついてきましたが、自分で決めた節度の「10匹まで」を2匹もオーバー・・・。これがビジネスであれば、自分のエゴでコスト目標を20%もオーバーしてしまったので始末書ものです。

私が考える釣りにおける「環境コスト」とは、どんな釣りであっても魚が元気でいてくれることや魚という資源のサイクルを支える環境の保全や生産するためのエネルギーコストも大事ですが、仲間である釣り人や運営する人たちへの配慮も大事。今回20%コストオーバーしてしまっただけでなく、弱い竿で暴れさせた魚、グロッキーになってしまった魚、ティペットすっぽ抜けでバラした魚もいたわけですから、これはフィールドにいる魚たちを無用に疲弊させただけでなく、他のアングラーのチャンスも減らす行為だし、魚の再投入サイクルを早めれば運営コストにも影響することだったと思います。

「対価を払ったんだから好きなことをしても良いじゃないか」という意見もあるとは思います。しかし、それは資本主義的に考えても大きな間違い!一人一人の払う小さな金額でフィールドが運営できるわけではないので、保険と同じくみんなが払う料金の積み重ねでサービスが成立してフィールドが維持されているわけです。たとえ連日たくさんの人がやってくる人工的なフィールドだとしても、そこにいるのは命ある魚であり、やってくる仲間や運営スタッフたちがいるおかげで継続的に楽しめるわけです。

1匹の魚を釣るために必要な環境コストをエネルギーで見ると、電気代・餌代・人件費・設備投資・運搬費用・保険料などなど、いろんなコストや人手がかかって生産された活魚たちは、化石燃料を燃やしながらトラックで運ばれてくるわけです。それを釣りに行く私たちも化石燃料を燃やしながら行くわけで、1匹1匹の価値を理解した上で、普段の釣りは決めた数で上がることを心がけようと思います。

もちろん「目的のある数釣り」や「トーナメント」は別!でもそれは徹底したバーブレスフック(ペンチで潰すなんちゃってバーブレスじゃなくてハンカチに刺して引っかからない世界大会レベル)を使い、リリース技術も講習を受けているレベルの話であって、日本の一般的なフライフックはTiemcoもがまかつもバーブついているのばかりだし、シリコンラバーのネットを使う人やリリースツールを活用する人も一握りです。

でも「10」ではいくらなんでもデータとしても少ないので、せめて1ダースということで「12」にセットしようと思います。
しばき過ぎたらあかん!

フライ&タックルデータ

ちなみにヒットフライはこちら。フローティングラインとのセットで使うことで、放っておけばフォーリング、大きくピックアップさせればイマージング、ただ引きすればジグアクションがつく狙いで試しているフライです。キールタイプなので根がかりしづらく、トラウトだけでなくバス用にもウィードガードをつければ良いように考えてあります。

本当は中禅寺湖で使おうと思って巻いておいたプロトタイプですが出番がなかったのでここで投入。完成したら紹介します。

スイッチハンド4番

  • 総重量:295g
  • ロッド:Tiemco J-Switch N+ 11フィート4番 (135g)
  • リール:Waterwork-Lamson Remix 5+ (127g, 最大ドラグ1.5kg)
  • ランニングライン:Tiemco エアロシューター 24lb クリアオリーブ
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short 6/7 F/H(ホバー)
  • スカジットヘッド:OPST コマンドヘッド 225GR
  • スカジットティップ:自作フロートティップ 10ft
  • リーダー:シーガーエース2号
  • ティペット:シーガーエース1号

ツーハンド6番

  • 総重量:410g
  • ロッド:Beulah Platinum Spey 12’6″ 6番 (225g)
  • リール:Ross Evolution LTX (190g, 最大ドラグ2kg)
  • ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short 6/7 F/H(ホバー)
  • リーダー:AirFlo ポリリーダー Salmon 10ft インターミディエイト
  • ティペット:シーガーエース 2号

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