リモートワーク、出張、そして哀愁のバスギル – 群馬県南部
商品の提案と納品のための出張に便乗して、新しいマテリアルと噂のマテリアルのテストを兼ねて、少年時代に行っていた群馬県南部のバスギル釣りをやってみることになりました。山奥のトラウトと違って携帯電波が届きやすい場所のバスギルであればITプロジェクトのためのビデオ会議も可能なので、猛暑の中で敬遠していた久々の移動式リモートワークです!
とはいえ、ここのところ猛暑に加えて気持ちを重くするのが走行コスト。移動式オフィス兼ロッジのVWユーロバンの燃費の厳しさもさることながら、東京ではパラリンピックが始まり、日中の首都高は上乗せ1,000円!ところが救いもあって0:00-4:00の時間帯は普通の高速がETC割引30%のところ、なんと50%OFF! ちなみにゲートを通過する時間がこの時間帯である必要があるので、0:00に首都高に入ったら、続けて移動距離=料金が高い高速へ入らないとなりません。
さて夜0:00過ぎに首都高に乗って割引タイム中に一気に関越道まで入ったのは良いですが、あまりに眠くて高坂PAで一泊。猛烈な蒸し暑さに辟易しながら、仕事のための資料作りだけ終えてから藤岡ICを目指します。
3代続けて東京に住む江戸っ子の私ですが、実は1/4群馬人です。祖母が下仁田というこんにゃくで有名な村の出身なので、そのあたりの人たちにとっての「都会」である藤岡や近辺が故郷になっていて、子供の頃は泊まりに行くと親戚のお兄さんたちにこのエリアのバス釣りや川釣りに連れて行ってもらっていました。
そんな思い出にふけていたら藤岡ICで降り損ね・・・慌てて次の吉井ICで降りようと思ったらば、高速沿いからも良さそうな野池が見えてきます。そんなこんなで、何やら秘境っぽい所へ出たのでそこを釣ってみることにしました。
フライシェイキング!
さすがバスフィッシングの盛んな地域だけあって、ポイントの雰囲気は抜群・・・。今回はとあるマテリアルを実験したかったので、投げて落とすドライフライの釣りや引っ張りの釣りは封印しておいて、まずはフォーリング&シェイクで「縦のフライフィッシング 」を試します。タックルはスカジット+フロートティップに組みっぱなしにしておいたスイッチハンド4番。ロングロッドなのでピッチングがやりやすいのでチョイス。
使用するフライは・・・。
え?ワッキー??そう、マイクロワッキーです!センパーフライの「ワームシェニール」という新作マテリアルが洗面所で実験したらものすごく水中での動きが良かったのですが、テール的な縦にくねるアピールよりもレッグ的な横にうねるアクションの方が強い印象だったのでワッキーメソッドで魚へ試してみたかったのでした。ウィードガードもつけてあるので「ジャングル・マイクロワッキー」になります。
狙うのはこんな石や枝が積もったポイント。チョロチョロ流れ込みがあって隠れる場所が多いので小魚やエビ、ヤゴやおたまじゃくしがよりやすく、バスかギルが付きやすいスポットです。朝一なので反応が鈍いですが、茂みの中にジャングル・マイクロワッキーを突っ込んでやると、フォーリングが一瞬止まります。軽く咥えてすぐに離してしまったのでギルっぽいですが、フライをピックアップする寸前に「じーっ」とバスが浮いてきたので一旦ポイントを休ませてからフライを落とす場所を考えます。
手前の方が根がかりしづらいですが、奥には木の枝が重なって沈んでいるのでバスがつくとすればそっちです。ギルかバスかの二択なら迷わずバス!岸ギリギリにワッキーを落としてすぐにラインを張ってテンションフォールさせます。フォールが終わってからは軽くシェイク。無反応なので、ロッドを立てて底に置いたワッキーをズル引きします。ストラクチャーを乗り越えたらフォール。着底したらシェイク。ズル引きの繰り返しです。
ズルズルー・・・シェイク。ズルズルー・・・シェイク。突然ワッキーが強く引き込まれました!ロッドの先端が引き込まれて魚の重みが乗ります。激しくファイトさせてポイントを荒らすと続かないのでバスを沖側へ誘導してから、念のためにフッキングを決めなおします。掛け声はもちろん「フィーッシュ!」
ファイトを制して上がってきたのは・・・?ジャジャーン!
なーんちゃって・・・。ワッキーに出たバスはウィードガードがたたってフッキングが甘くてエラ洗い一発でバラしてしまいました。こっちはホームリバーの多摩川で釣ったバスです。このバスも横のアクションでは一切反応せず、ワビットシェイカーをストラクチャーぎりぎりに底まで沈めてシェイクで釣ったのでした。
キャッチこそ失敗しましたが、やはり縦の動きとシェイク、そしてズル引きは偉大です!
スペイバギング
とりあえずバスの顔は拝めたので、次はどこを狙うか物色していたらオーバーハングの下でモジリ中。高い確率でギルだと思いますが、ワッキーが着水したと同時にやはりギルがアタック!活性が上がってきたのでトップウォーターの釣りに変更。
先日の源流でバラシ連発したためにお蔵入りになりかかったフォームフライを再投入です!
オーバーハングに綺麗に入れるために、フワッと畳むくらいのペリーポークでラインを置いてからターンオーバー重視でシュートしていきます。ティムコのエアロシューター24lbですがこのシステムとの相性ぴったりで、スカジットヘッドが仕事するのを邪魔せず、かといってフニャフニャでもなく、付かず離れずという感じで動きに追従してくれます。先日のバラギ湖でも気持ち良いキャストができました。
何回か小さいギルが食い切れずにフックオフしてしまいますが、活性が上がってきて奥から出てきた大きめのギルたちが遊んでくれました。スイッチハンドの柔らかさもあって、ファイトが楽しいスペイバギングです。
フラデラ@リリーパッド
リモート会議の時間になったので、準備のために釣りを中断して、アイスコーヒーの調達も兼ねてコンビニ駐車場へ移動します。ところが朝だというのに車内はうだる暑さ・・・。汗だくで気が遠くなる中でなんとか会議を終えて、カタカタ仕事はコンビニの嬉しいイートイン・コーナーでさくさくと終わらせます。
次のバスポイントへ移動しようと思ったら、めちゃくちゃ雰囲気の良いリリーパッドだらけの野池を発見!これはフロッグの遊び甲斐がありそうなフィールドなので、迷わずフロッグをセットしたシングルハンド4番を持ってGO!
脅かさないようにできる限りスローな動きで池チェック。いるいる・・・。沖のディープカバーでは、呼吸する雷さまがいらっしゃる他は、共食いを恐れた小型スネークヘッドがカバーの際に隠れています。コイやフナもたくさんいるので紛らわしいですが、沖のライギョはこんなタックルじゃ絶対に取れないのでスルー。小型を狙います。
3匹チャンスがある中で、1匹はSTPフロッグを何度も咥えにきましたが、#6のバスバグフックは飲み込めず、無理やりフッキングに行ったところ・・・薄皮一枚でしっかり刺さらずあっけなくバラしてしまいました・・・涙。#10で再トライしようと誓うのでした。
フラデバ@リリーパッド
ライギョが相手してくれないなら、もっかいバスだ!と別の野池へ突撃。
半端なくバスが見えます・・・。あぁ、パラダイスの予感・・・は甘かったようで、STPフロッグを叩きつけて誘い出しても全く食わず、オダの隙間へワッキーを落とし込んでも一切食わず・・・。挙げ句の果てには餌フライであるユスリカ ソフトハックルまで持ち出しましたが食わせ切れません・・・。
あまりのナチュラルバイトの無さに、一体どうやってリアクションバイトを引き出すか悩みますが、結論は「時合い」だろうということで、夕方にリベンジは取っておいて、まずはランチを取りながらリモートワークに戻ります。
鱒夢にて噂のマテリアルと出会う
プロジェクトの方はコロナの影響で進展なし・・・。悲しみを堪えて、納品があるのと、先日ショップで見て気になっていたマテリアルがあったので鱒夢へ立ち寄ります。
噂のマテリアル・・・ありました!
鱒夢オリジナル「ヌードル マテリアル」。絶妙な弾力の皮に加工してあるだけでなく、ちょうど良い長さと細さにカットしてすぐにタイングできます。管理釣り場はもちろん、芦ノ湖・丸沼・湯ノ湖で実績の高い定番マテリアルです。
さらに気になっていたフックも飯島店長からお勧めいただきました。ささめ針から発売されている噂のフッキングの良さで知られる「フォグショットTC」。「これで掛からねば、諦めろ。」・・・まるでゴルゴ13のセリフのようなパッケージですが、群馬・長野・新潟ではド定番となっています。
そんな無敵マテリアルがあるだけでなく、ご好意でタイングバイスの時間をお借りできましたので、店内にあるダビングとパートリッジを買って即興で巻いたのがこちら。
ちなみに鱒夢ではありとあらゆるマテリアルが販売されており、バイスが空いていれば、店内で巻いていくこともできます!
タックルや消耗品、足りないウェアなども調達できるので、各地フィールドへの拠点として機能するホームベースにお勧めです。
プロジェクトが飛んでしまって翌日の予定がパーになった私を見かねて優しい飯島店長が、「バスも良いけど、今夜出発で源流いかがですか?」とのお誘いに、即答で決めた私でした。
イブニング
遠藤さんがショップ勤務が終わるのを待って一緒にイブニング野池。ほんでもって「ハックヌードル」を結んでリアクションバイトを取り直しに行ってみれば・・・。一発で問題解決!その無敵なまでの怪しい横方向へのクネクネダンスは、私の中に眠る下仁田こんにゃくDNAに火をつけてしまいました!
あークネクネ、それ、クネクネ。あっという間に2匹キャッチ&リリースしているうちに活性が上がってきたようで、サイズアップも達成!
しまいには着水同時に食いついたり、ほっとけで沈めていたら食いついてきたりしましたが、30分も無い時合で沈黙。ウォームウォーターFF三昧の1日は終わったのでした。
まとめ
恐るべし鱒夢マテリアル・・・。いくらでも出てくるマテリアルに囲まれつつ、豊富な知識と経験のインプットがもらえる環境なら、どんなフライでも作ることができるでしょう!
しばらく住み込みでフライ開発しながら店番でもしようかと真剣に考えてしまいました・・・。飯島店長の豊富な経験とマテリアル知識、そして完成品フライを半端ない数巻いてきたからこその確実性と探究心に支えられました。
そして恐るべしフッキング力のフォグショットTC・・・。マイクロワッキーもこっちのフックに変更することにします。
タックルデータ
スイッチハンド4番
- ロッド:Tiemco J-Switch N+ 1104
- リール:Waterwork-Lamson Remix
- シューティングライン:Tiemco エアロシューター 24lb クリアオリーブ
- スカジットヘッド:OPST Commando Head 225グレイン
- ティップ:自作フロートティップ 10フィート
- ティペット:シーガーエース2号、1号(ドライフライ)
シングルハンド4/5番
- ロッド:TFO Jim Teeny 904-4
- リール:Bauer Mackenzie Xtreme Perfect (MXP) #2
- フライライン:Scientific Anglers エリアブースター WF4/5F
- リーダー:Tiemco ハイエナジー
- ティペット:シーガーエース2号