バラギ湖でキャンプ&マイクロスカジットdeハコスチ・・・群馬県吾妻郡嬬恋村

2023/05/19スペイ,バラギ湖,フライフィッシング,嬬恋

緊急事態宣言が解除された東京でしたが、豪雨災害が各地で続く中、子供たちの期末試験期間中と言う大事なタイミングで次男の中学がコロナ感染のために1週間休み&期末期間延長となってしまいました。一回抜けた緊張感のままで自宅にいるとゲームばかりしてしまうので、仕事を休むことにして勉強道具と着替えをパッキングして「よし!久しぶりにお外教室だ!」と決まりましたが、豪雨災害のこともあり、妻からは「絶対に水が出る危ないところはダメだからね!」と太い釘・・・。

夫婦共にアメリカ帰りで個人主義国家である我が家は、かろうじて全員が合意できる「水遊び・温泉・グルメ」の3大要素と「スマホつながる・すぐに東京へ帰れる・電車で別行動できる」が揃った伊豆や小田原へ行くことが多いのですが、豪雨災害の直撃を受けた現地へ行けるはずもなく、その他の候補としては「白馬」「御前崎」「日光」などがあがりましたが、どれも反応イマイチでふと脳裏をよぎったのは「群馬ならいろいろあるじゃん」と言うこと。そこで以前から行ってみたかった、無印良品のキャンプ場がある嬬恋村の「無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場」を目指すことにしました。天気が悪かったら早めに撤収、良ければチェックインして釣りやカヤック、フィールド遊びという行き当たりばったりプランです。

前夜サービスエリア泊

全行程が3時間半ほどなので、関越道・上信越道の旅で休憩地にしている碓氷峠にある横川SAで前泊して、ETC深夜割引の時間内ギリギリの4時前に碓氷軽井沢ICを降りて行くことにします。

ところが湿気がものすごく、久しぶりに次男との旅なので仲良く1F(屋根がポップトップで2Fになります)のベッドで会話を楽しんでから寝ていると車内の湿度も上昇しまくり・・・。途中で汗びっしょりで目覚めてしまい、まだ2時過ぎでしたが、十分に休めたので早めに出発します。

この選択は微妙で、碓氷峠、軽井沢、鬼押出、嬬恋とずーっと濃霧の中の運転となり、途中でシカの群と遭遇したこともあり、深夜のノロノロ運転という一番疲れるパターン。反面、交通量は最低限なので安全速度で真っ暗闇のバラギ湖の湖畔に着いたのは午前4時前。スマホでキャンプ場の営業時間やバラギ湖の地形、天気予報などチェックしてもまだまだ時間が余るので、「カタカタ仕事でもやろうかな〜♩」なんて思ってたら夜が明けました。

スマホの写真では伝えきれない雄大な景色が目の前に広がり、テンションが上がります。湖面にはポツポツとライズが広がり、時々大きい魚のライズもあります。ハコスチでしょうか?キャンプ場に連絡できるのは8:00AMから、仕事のリモート会議が10:00AMから、管理釣り場になっているバラギ湖は7:00AMからなので、次男の朝食だけ作っておいてから朝イチに半セッション(2時間)やってみることにします。

とりあえず朝イチ釣ってみる

管理事務所となっているボートハウスへ向かってみると、いきなりクマ除けフェンスと注意看板が目に飛び込んできました!去年の道東で磨かれた警戒モードが発動します。クマ対策セットは置いてきてしまったのですが、管理人の方が朝の準備の一環で爆竹を鳴らして、音を出すためのラジオをあちこちへ置いていらっしゃいましたので一安心。

桟橋でイマージャー狙い

手続きを済ませて最初は安心・安全の手前のルアー&フライ専用桟橋。ここならベストやウェーダーなしでやれるので、ランガンボックスに一式放り込んでおいてから、スイッチハンド2番(OPSTマイクロスカジット4番)をスカンジFでドライフライ、スイッチハンド4番(Tiemco J-Switch N+ 4番)をスカンジF/Hでインタミ的なウェットフライにセットして向かいます。

湖面には黒いミッジサイズの虫が大量に浮いており、小さい木端ライズと20cmくらいのニジマスらしきライズに混ざって時折「ガボン!」と大きな水音を立てて吸い込むライズが起こります。イマージャーの釣りが大好きな私はテンションMAX!

まずはスイッチハンド4番にユスリカソフトハックルを結んでライズを狙いますが、どうも無反応・・・。まだチューニング出来ていないセッティングなので正確に狙った所へフライが入りづらいこともあり、ライズではなく回遊コースを予測して少し沈めてスローな引っ張りをやることに変更。

かくしてカウントダウンの引っ張りが苦手な私でも辛くない、スロー引っ張りでアタリがやっと出ますが乗りません・・・。ショートピッチでは無反応で、沈めてから長いストローク&放置でやっと出るアタリ・・・。意外にスレているようで、管理人の方へ放流情報を聞いておくべきでしたが、すでに1日券を買ってしまったので手遅れ!やり切るしかありません。

段々と集中力が切れてきて、手前まで引っ張り切るのもアホらしくなり、沈めたらロッドを高く持ち上げて大きくイマージングさせる「シャクリ戦法」にしてみたら、突然、前回の野反湖を思い出させる、「ガゴーン!」という強烈ヘビーなヒット!

噂のジャンプこそしませんでしたが、明らかにハコスチのファイト!ファイト中に口から外れたフライが体に刺さってしまったようで、さらにファイトは強くなり、最後はフックアウト・・・。ウロコだけが針に刺さって残っていました。

インレット近くの桟橋へ移動してライズ狙い

ハコスチがいる事は確認できましたが、この後は全くノーアクション。水温を測ると18℃あります。どうも活性が悪いようなので、マップを確認するとフライフィッシング専用桟橋の近くに小さな流れ込み=インレットがあります。そこなら水温も低く保たれていていそうなので、ささっと移動。

ここでもスイッチハンド4番の引っ張りから始めますが、全くノーアクション・・・。たまに散発ライズがあるので、スイッチハンド2番にソフトハックルでイマージャーの釣りをすること小一時間・・・やっとヒットしたのは塩焼きサイズのニジマスでした。

キャベツの村のキャンプ場へ

10時からのリモート会議のために車へ戻ってくると、なんと次男はまだ爆睡中・・・。冷めてしまったホットドッグを温め直して、スープと一緒に出しておいて、会議のために4G回線がちゃんと出るところまで移動します。そのまま嬬恋村まで食糧の買い出しへ。天気男の次男を連れてきた甲斐があり、見事な晴天!!

見渡す限りのキャベツ畑が陽光降り注ぐ高原に広がっています。スーパーで買い出しを済ませてから、無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場にチェックイン。タープを広げようかと思いましたが、2人だけなのでオーニングで十分。

虫が苦手な都会っ子の次男のためにサイドパネルを取り付けて設営完了。キャンプ場のあちこちに点在する東屋で水を汲んできて、昼ごはんは信州そばを食べました。

ご飯の後は二人で思う存分フリスビーを楽しみ、眺めの良い場所を探してキャンプ場内の草原へやってきました。ペットファミリー向けの区画サイトが4つあって、ドッグランもあります!次男も広い草原に大興奮!次回は愛犬も連れてきたいそうなので、楽しみです。

インレットでウェーディング&スカジットで止水を釣るシステムのテスト

午後は二人で期末対策の英語の青空教室。午後3時におやつタイムしてから、次男はポータブル電源頼みのPCゲーム、私は夕飯の献立だけ決めてから、ウェーダーを履いてスイッチハンド4番タックルをスカジットへラインチェンジしてインレットへ。夕飯前の2時間だけ夕マズメ狙いでやってみます。先輩のTFFCC国見さんから、ハコスチの生態についてヒントを頂いたので、それを自分なりの解釈でアプローチします。アウェーゲームの出たとこ勝負が多い私ですが、敵を知ることは大いなるアドバンテージです。

そして今回の私なりの引き出しは「リグ」と「ソフトハックル」。

以前、渋い時間帯の中禅寺湖をシングルハンド・スカジットで釣っていた時のシステム「スカリグ(仮)」をここでも活用できないかと思っていたので、スカジットヘッドにフロートティップ10'をセットしてから、フロロ2号を5フィート取ります。バラギ湖はレギュレーションでドロッパーやトレーラーが禁止されているので、いつも使うリードフライの代わりにフライのウェイトと同じ0.2グラムの重さの黒いスイベルを結んで、そこへフロロ1号をティペットとして5フィート結んでからウェットフライを結びます。

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エヌティースイベル(N.T.SWIVEL)

戦術としては、重たいリード「スイベル」を着水アトラクターおよびオモリとして使い、食わせフライはその場のハッチに近いものを使う、というものです。イギリスの湖でよく使われる「ロックスタイル」と呼ばれるドロッパー仕掛けを使った釣りがベースにありますが、ボートの代わりに岸からロングキャストして釣る、というコンセプトになります。

果たして狙い通りいくでしょうか・・・。OPSTコマンドヘッドのパワフルなテーパーのおかげで、フロートティップ+スカリグは問題なく20m圏内へ手返しよくターンオーバーさせられました。ツーハンド6番と違って、スイッチハンド4番は明らかにフライラインの着水も静かで、スイベルとフライだけが目立つようにできます。

スイッチハンド4番 vs ハコスチ!

そして午後4時を過ぎて「モコっ」という怪しいライズが桟橋の先端で始まったので、スカリグをキャストして水面を刺激します。タイミングが合わず反応が得られない中、色々とアクションを試してみると・・・ガゴン!!

強烈なストライクの直後から始まる、ジャンプ!ハコスチです!

あまりジャンプが続くとバラすので、ロッドを寝かせて重みを載せますが、ハコスチはそんな抵抗なんのその。弓形になったスイッチハンド4番からラインを引き出し続けてリールが逆回転します!思わず「ウッヒョー!」という声を出してしまいます。ソルトフライで大型魚相手のファイトは経験済みの私ですが、これはたまらない魚です。まるで元気なシーバスやヒラスズキとやりとりするようなハコスチのファイトを楽しみつつ、元気にリリースするため、弱らせないように酸素が多いインレットの流れ込みへ誘導します。

ネットインして上がってきたのは50cmに届くか届かないくらいのハコスチ!噂は本当でした!

この後も同じ要領でタイミングを計りスカリグをアクションさせてハコスチ連発。

全部で6匹キャッチ&リリースした中で、最大は50cmジャストのこの個体でした。

最後にキャチした個体は、反応が悪くなってきた中で少し沈めてリトリーブしてヒット。ジャンプは一切せず、底へ突っ込みリールを逆転させるので、60cmサイズが来たかと思いきや、上がってきたのは40cm少しのハコスチ。しかもネットインから逃れたと思ったら、なんとインレットの小川を遡上開始!なんちゅう魚じゃ!?恐るべし箱島スチールヘッドです!

この後は反応も鈍くなり、ショートバイトが取れない状態から沈黙。夕飯の支度のために次男へ電話してから、かけあがりの小さなライズを狙ったら・・・。稚魚ニジマスでした。ひょっとしたらハコスチが繁殖できる???もちろん養魚場から来た発育が遅いだけのニジマスかも知れませんが、夢は広がります。

群馬グルメで夕食

マスのムニエルが大好きな次男からは、釣ったニジマスを全部リリースしてしまったことに対するブーイングが・・・。ハコスチを1匹くらいキープして食べてもいいかなと思ったのですが、今夜の食材は地元の名産を既に買ってあったので納得してもらいます。

緊急事態宣言の間、自宅でBBQを楽しむことが続いたのですが、炭火グリルとガス火グリルで息子たちの反応を見たら、ほとんど差がないので、今回も手早く調理できるガスグリルで、上州産のエリンギ、ポークソーセージ、トウモロコシ、そしてステーキの夕飯を2人で楽しみました。

この日は七夕なので、夕食後は焚火はせずに片付けしながら星を見に行こうと決めていたのですが、雲が出てきてしまい完全に見えない状態なのでキャンプサイトでケータイタイム・・・。焚き火や夜空以外にも夜のアクティビティを何か充実させないといけないなぁーと思いました。モバイルプロジェクターで上映会?このキャンプ場ではルールで音を出せませんので、車内のディスプレイで上映会?それは狭いので何かいいアイデアがあれば教えてください!

夜半から降り始めた雨は翌日もずっと続きましたが、またもやホットドッグの朝食だけ済ませてから・・・

霧雨の中でフリスビー&散策を再開!
最近、トレッキングに興味を持ち始めた次男がツキノワグマ出没のことを気にしていたので、どれだけの茂みがあれば姿を隠せるのか、などびしょびしょになりながら楽學しました:)

二人とも雨と汗でびしょびしょになってしまった後は、チェックアウトしてから近くの温泉「湖畔の湯」でさっぱり。

戻りは浅間山の雄大な景色だけ少し楽しんでから、次男が「味噌ラーメンの美味しいところ見つけた」との提案で、軽井沢アウトレットの一軒しか無い「ラーメン福栄」へ!信州産の小麦を自家製麺した信州味噌ラーメンは、期待以上の美味しさで餃子も最高でした!

まとめ

バラギ湖は湿原を人造湖にしたフィールドで、管理釣り場の魚たちではありますが、ウエーディングしながらスカジットキャストしてファイトまでできてしまう実践的なフィールドであり、その景観の素晴らしさとハコスチのたくましさには魅了されてしまいました。私がまだフライフィッシング初心者だった頃からバラギ湖の名前は耳にしていましたが、やっと行けた嬉しさと、軽井沢・嬬恋エリアの魅力を再発見できた収穫の多い旅でした。

軽井沢・嬬恋エリアは、アウトドア慣れしていない人でもあらゆるレベルで十分に楽しめるカントリーであり、ショッピングやダイニングも充実しています。ご家族やご友人と一緒に楽しめるレジャーカントリーは健在です。

スイッチハンド4番タックルも今回やっと入魂できましたが、アトランショートF/Hとの相性も良く、OPSTスカジットのシステムとの相性も抜群で、ツーハンド6番よりも丁寧な釣りを行いたいニーズにぴったりとハマるタックルであることが確認できました。

特にスカリグのような空気抵抗が大きいものを11フィートロッドならではのループサイズで充分な距離までトラブルなしにキャストできることは、今後の止水の釣りにおいてスローな局面で頼りになること間違いなしです。Tiemco J-Switch N+ 1104とのバランスと機能性で選んだWaterwork-Lamson Remix 5+もスムースかつ充分に強力なドラグ性能を発揮したので、中禅寺湖のレイクトラウトや本流・北海道のトラウトへ投入しても問題なさそうです。

名前だけ見ても、日本の「+」とアメリカの「+」の合わさった「ダブルプラス」。OPSTのエド・ワードも日系アメリカ人だし、これはフライフィッシングにおける日米同盟と言っても過言ではありますまい!

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Scientific Anglers/Mastery (サイエンティフィックアングラーズ/マスタリー)

フライ&タックルデータ

ちなみにヒットフライはこちら。

マイクロスカジット4番(他社マイクロスペイ・トラウトスペイ2番相当)

  • 総重量:290g
  • ロッド:OPST Micro Skagit 10’0" 4番 (125g)
  • リール:Nautilus FW5 (165g、最大ドラグ0.75kg)
  • ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short SH 4/5F
  • リーダー:AirFlo ポリリーダー Trout 10ft フローティング
  • ティペット:シーガーエース 1号

スイッチハンド4番

  • 総重量:295g
  • ロッド:Tiemco J-Switch N+ 11フィート4番 (135g)
  • リール:Waterwork-Lamson Remix 5+ (127g, 最大ドラグ1.5kg)
  • ランニングライン:Tiemco エアロシューター 24lb クリアオリーブ
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short 6/7 F/H(ホバー)
  • スカジットヘッド:OPST コマンドヘッド 225GR
  • スカジットティップ:自作フロートティップ 10ft
  • リーダー:シーガーエース2号
  • ティペット:シーガーエース1号

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