ロイヤルコーチマン (ドライフライ)

2024/03/2418/0スレッド,キャッツキル,センパーフライ,ドライフライ,ナノシルク,フライパターン

「アダムス」、「クイルゴードン」と続けてアメリカン・クラシック・ドライフライを続けて紹介してきましたが、キャッツキル派と言われるアメリカ東海岸のドライフライ愛好家たちにはイギリスの影響が非常に大きかったことが分かります。その中でもユニークなフライが「ロイヤルコーチマン」、正確には「ドライフライ版ロイヤルコーチマン」です。

コーチマンの由来

オリジナルは1830年代のイギリスで、歴代国王の王室馬車の御者をしていたトム・ボズワースが考案したと言われる「コーチマン」と呼ばれるウェットフライで、ピーコックボディにハックルを巻いただけの日本のてんから毛鉤とそっくりなシンプルなフライで、これを彼が自分でアレンジしてクイルウイングを取り付けて「リードウイング・コーチマン」へ発展しました。どちらもブラウントラウト・キラーとして人気のフライであったと言われています。

「リードウイング・コーチマン」

「ロイヤル」となったのはアメリカへ渡ってから

コーチマンもリードウイング・コーチマンも大西洋を渡りアメリカ東海岸でよく使われるウェットフライとして人気になっていましたが、Orvis社を創業したチャールズ・オーヴィスと娘のメリー・オーヴィス・マルベリーが北米のフライフィッシャーからアンケートをとって様々なフライを紹介した「人気フライとその歴史」(1892年)にも紹介されています。

その後、ニューヨーク市のフライショップのタイヤー、ジョン・ヘイリーが魚の歯で切れやすかったピーコックハールの強度を高めるために鮮やかな赤いシルクスレッドでピーコックハールのリビングを行うようになります。これに目を止めたメリーがこれまでのコーチマンと区別するために「ロイヤルコーチマン」と名付けたのがウェットフライ ・ロイヤルコーチマンの誕生です。

ドライフライとして生まれ変わる

ほぼ同時期にキャッツキル派の筆頭であるセオドア・ゴードンはアメリカで使われているウェットフライの中からドライフライとしてアレンジできるものを探していましたが、彼の手によってドライフライに作り替えられた時にドライフライ・ロイヤルコーチマンとして生まれ変わりました。ちなみにこの当時にテールとして使われていたのはゴードンが愛用していたウッドダックであり、これがその後のタイヤーたちの手によってアレンジされて、現在のようなゴールデンフェザント・ティペットとなったと言われています。

キャッツキルだけでなく、ニューヨークの他の地域でもブラウントラウトが移植されていましたが、ロイヤルコーチマンは大物のブラウントラウトやブルックトラウトを岩陰や川底から呼び出せるフライとして定番化しました。

今回のアレンジ

ダッククイル・ホワイトの良いものと赤いフロスが入手できなかったので、残っていた古いダッククイルのホワイト(バキバキに硬くなっていて厳しい・・・)とクリスマスなのでフラットティンセルのレッドで代用してみました。

マテリアル

フック:がまかつB11-B #14
スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド22/0 ブラック
ウイング:ダッククイル2枚
テール:ゴールドフェザント・ティペット
ボディ:ピーコックハール2本
タグ:フロス・レッド(今回はフラットティンセル)
ハックル:マイクロバーブのコック・サドルハックル、ブラウン

使い方

釣り上がりで使うドライフライとなります。トラウトが潜んでいるであろう場所へ強めに着水させて誘いをかけたり、流れへナチュラルドリフトさせて誘います。夏場のテレストリアルのイミテーションとしても使えます。

戦績

  • ブルックトラウト
  • ブラウントラウト
  • ニジマス

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