凍りそうな湖 – 芦ノ湖、神奈川県
まずはこの1枚の写真から始めましょう・・・。
雲はどんより、気温は0度と氷点下の間を行ったり来たりで雪が混じり、冷たい風も時々強く吹くというボートが出せるか出せないかのギリギリの天候・・・。車の中で、「今日は止めようかなー」なんて弱気になりながら湖面を見ると、ほとんどボートが出ていません。せっかく来たし、こういう日は魚の警戒心も無くなるし、不景気なボート屋さんに断りを入れるのも気が引けます。こっちは釣りだけやっているわけじゃなくて冬季キャンプだって行っている男だ、「よっしゃー!」車の中で気合を入れて、イマイチな防寒対策を暖かい食べ物や飲み物でカバーしようと、頼みのジェットボイル<Jet Boil>を積み込んで出船です。
湖面に出ると・・・いや気を抜くと強い風でボートが押し戻されます。タダでさえ気温が0度くらいしかないのに、湖面は顔が痛いほどの寒さ・・・。ジェットボイルで作るお湯が無ければ心が折れる世界です。気がつくと他のボートは撤収。よし、この湖は俺の貸切だ!
そう思ってポイントを周りながらキャストし続けること2時間。なーんの生命反応もありません。ボート屋からも携帯に連絡が入り、釣りの心配をしてくれてんのかと思いきや「寒いから適当にやって帰ってきてください、今日は釣れないかもよー」と余計なアドバイスです。でも確かに寒い!
仕方ないので風裏になるように岸すれすれをゆっくり流しながら戻りつつ釣る作戦に変更。これが功を奏して、とあるガレ場の岬で小魚らしきざわめきが起きています。ワカサギじゃないけど、なんか黒い小さい生き物・・・。ふとひらめいて、ニューヨーク時代に使っていたスカルピン(ヨシノボリ)パターンに似せてディアヘッドをつけたマラブーストリーマーを結びガレ場の上流へ落としてカウントダウンしながらスイングさせます。フライが岩をかすめた瞬間・・・ガツン!でもそのあと、なんかやる気のない手応えになりました。
うーん、流木でも引っ掛けたかと思ったら、急に息を吹き返して底へ突っ込みます。岩にラインを巻かれないようにボートを後退させて上がってきたのは・・・。
ぴったり35cmのお腹がパンパンに膨れたニジマス。釣り上げた途端にまだ生きた6mmほどの真っ黒なヨシノボリを口から吐き出してホラー映画状態でした。でもよく見るとなかなか美味しそうなルックス。ナイフに手を伸ばしましたが、寒さと風とボート操作でヘトヘトだった私はさっさと上がって熱い風呂に入る方を優先してリリース。ボート屋へ帰ってきたら、「記録とるから次からキープしてください!」と数時間前とは違ってテンション高めです。
でも今改めて写真を見ると、ジェットボイルで料理して食っておけばよかったと後悔したのでした。
結果
ニジマス:35cm x 1
タックルデータ
フライロッド:Sage Launch 590-4
フライリール:ダイワ ロッホモアLA 7/8
シューティングライン:Scientific Anglers
シューティングヘッド:Scientific Anglers ST6 タイプ2
リーダー:Tiemco テーパーリーダー9フィート
ティペット:3X x 3フィート
フライ: スカルピン・マラブー
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