北海道ツアー3日目パート2:日高 – 日高幌別川 ->えりも町

2020/11/25アメマス,キャンピングカー,ニジマス,フライフィッシング,ユーロバン,北海道,日高

静内川を後にしてサーフ&河口をチェックするために海岸線をさらに東へ進んでいくと、いくつか河川を通り過ぎますがどれも規模感がイマイチ・・・。そんな中で河口の規模が大きい日高幌別川までやってきました。

橋のアンダーパスは私の車には低すぎるので、まずはドローンを飛ばして近辺を偵察します。潮が入ってくる河口部は小さな湖状態になっていて、そこから1-2km上流も十分に川幅が広く深さもあります。

水鳥が着く位置も観察しましたが川の方には一羽もいないのに、河口の湖とサーフには鳥が群れで待機しています。そちらを狙うことにしました。

静内川でS1/2のスカンジをセットしたままの状態のツーハンド8/9番タックル一本だけの決め打ちで、日没までじっくりやるために座ることができるランガンボックスに各種フライボックスや軽食やら入れて河口に陣取ります。

海岸へ出て見ると看板が立ててあってこの海岸は河口から海側の1km半径全てサケマス禁漁となっていました。念のためにネットで調べてみると、この日高幌別川はサケマス育成のために、西舎橋から上流の本流およびメナシュンベツ川・シマン川を覗く支流は全て保護区域で釣りができません。日高山脈に住む野生動物の餌を減らさない意図もあるのだろうな、と理解してサーフの釣りは諦めてコンビニで買ってきたおにぎりを頬張りながら河口を見張ります。

常連のルアーアングラーからのヒント

少しすると軽トラでやってきたルアーアングラーが河口の一番奥へ入ってきたので、場所を譲ってどういう釣りをするのか観察しました。川の流れがぶつかって方向を変えるポイントを中心に遠くへ投げてただ巻きして流れをゆっくりと横切らせています。あぁ、これはシーバスの釣りと同じで弱って流されてくるベイトフィッシュを演出しているのだと気付き、使っているルアーのサイズが7-9cmはあるので話を伺ってみると、ウグイを狙って回遊してくる居残りのアメマスや本流を行き来しながら大きくなるニジマスを狙っているとのこと。そのサイズ実績はどちらも80cmオーバー!もちろん本当かどうかを確かめたわけでは無いのですが、海の状況とは関係なく足を運んで釣られているそうなので、本流を回遊しながら大きくなる魚を追っている大物釣り師がチェックするポイントに入ったことは間違いないと確信しました。

ストリーマーはスイングリーチのナチュラルカラーの5cm程度のものを選んで、いつでもキャストできるようにセットしてランガンボックスに座りながら変化を待ちます。

「河口湖」の真ん中のアメマス

そうこうしていると河口にできた湖、「河口湖」の真ん中がザワザワして黒っぽい頭の魚たちのライズが始まりました。ルアーアングラーの方がそちらは狙わないで帰り支度しているので理由を聞いてみると、「アメマスの中くらいのだよあれは」とのこと。虫を食っている魚は「小さい」そうで、ベイトフィッシュを食べる魚は表層には出てこないそうです。これも良いヒントになり、多摩川ではライズする20-30cmくらいのマルタウグイの真下に大きなシーバスが着くことがあります。

とはいえライズは湖の中心に集中していて足場が高くて距離が稼げるブロック護岸からの射程距離の遥か遠方です・・・。どう攻略するか考えていると、たまに群れから外れた魚が岸から30mくらいの場所まで泳いできて散発的にボイルします。ひょっとするとライズしている魚に触発されてベイトフィッシュを追っているのかもしれない・・・。そう考えるとサーフと湖の間にある砂州からオーバーヘッドキャストすれば、上潮の時に海から吹く風を使って30-40m圏内を安定して投げられるし、川の流れと上げてくる潮の混ざるところへ長くフライを泳がせられると思い、急いでそちらへ向かいました。

ライズしている魚を見ると心が揺れますが、決めたことなのでひたすらオーバーヘッドで遠投します。
まだおろしたてのレーザーラインがランニングラインなので、気持ち良くスルスルとラインが飛んでいきます。完全にソルトと湖の釣りの中間点なので、ストリーマーがターンオーバーするように気をつけて着水させてから、カウントダウンしてリトリーブします。

日高の杭となることしばし・・・。そんなに深い場所では無さそうなのでカウント30で攻め続けますが無反応。
何度も投げていると風が渦を巻くのでランニングラインが乱れます。何度かレーザーラインが捻れた後でスプールとフレームの隙間に巻きこんでしまっていました。

仕方なく直すためにラインテンションを抜いて一旦全部回収するためにリトリーブします。疲れている時のライントラブルは頭にきます!ところが、これが功を奏して、放置している間にカウント30よりもはるか深めにフリーフォールさせていたラインを頭にきて強めにリトリーブした瞬間に「ググン!」とアタリが出ました。しかしフックには乗らず・・・。

この後もしばらく杭になりましたが、潮が満ちてきて砂州が波をかぶるようになったので護岸まで戻って横になったら2時間ほど仮眠してしまいました。目が覚めてから、途中面白い奇岩などをドローンで撮影したりしながら、停泊地であるえりも町を目指します。

えりも港でソルトフライ

夕飯まではまだ時間があったので、えりも港の様子を見に行ってみました。何の魚か分からないのですが、一定周期で短く水面でボイルしては潜っていきます。ヘトヘトになったついでなので、ツーハンド8/9番でスイングリーチを大遠投してはいろんなリトリーブを試しますが、ちっともフライを食ってきません。ひょっとするとエビや稚魚を食べている根魚かもしれないので、アイスマラブーチャーリー10番のオレンジをカウントダウン30してからゆっくり引っ張ってみると一回だけ「ブルルン」と軽いミーバイのようなエソのような食い上げアタリが出ましたが、正体が分からないまま空腹に勝てずメインストリートにある、美味しそうな店構えのお寿司屋さんへ急ぎます。

旬のつぶ貝をいただく

本州の人間が北海道で釣りをすると大いに有り難いと思うのは、入漁料が設定されていない釣り場ばかりの楽園なので、ほとんどお金を使わないで済むということ。とはいえ環境整備は北海道の大切な税金から行われているはずなので、その分を北海道の経済活動へ還元すれば良い、と考えています。

さらに今回の旅は移動式ロッジですから、宿泊の手間やコストもかからない分、さらに食べ物へ投資することができます!車を動かす必然があるとアルコールは寝る前しか飲めないので、外食の場合はお酒抜きの料理オンリーとなります。しかも輸送費や流通コストがかからない分、原産地に近い場所ほど材料費は下がります。これらセーブされたコストは東京で食べたらいくらするか怖くて頼めない味覚への強気の再投資となるのです!

というわけで「銀寿し」さんにて、地場の名産「つぶ貝」のお造りとシーズンギリギリの近海マグロの鉄火丼を頼みました。旬のアワビに勝るとも劣らない鮮烈なつぶ貝を一口食べるごとに「ハアー・・・」、口の中でとろける鉄火丼を飲み込むたびに「あ〜〜美味しい・・・」が連発してしまうので、私のような釣りバカを見慣れているマスターも面白がって、秘蔵の付け合わせも出してくれます。この夜は甘辛く仕上げた日高昆布の佃煮が絶品・・・。

もちろん東京者の宿命として新型コロナウイルスの話題が中心となりましたが、ちょうどNHK特集がやっていたので、マスターと2人でしっかりと勉強しました。最後はどこに停泊するといいかのアドバイスもいただいて、お勘定。あり得ないくらいリーズナブルでした!2皿でお腹がいっぱいになってしまって握り寿司は食べられなかったので、明日のランチも戻ってくると約束したのでした。

夜釣りしようと思ったが・・・

美味しいもの食べて幸せ気分で車をスマイルタウン灯台公園に隣接する駐車場へ移動して停泊モードにセットしていたら、第六感が気になるコーナーを発見。オレンジ色の街灯が水面を照らすのですが、くっきりとシェードができています。橋の欄干からそっと覗き込むと!

クロソイとアイナメが嘘のような数でひしめき合っているじゃないですか!さあ釣ってやる・・・となるのがいつものパターンなのですが、この日は疲労がたまった体に幸せエキスが満たされたために、狩猟本能が眠ってしまいました。セットアップに手間がかかるフライフィッシングの道具しか持ってきていないこともあります。ベイトフィネス・タックルを持ってくることができていたら躊躇せず釣っていたでしょう!

「ま、逃げるわけじゃないし、一杯飲んで考えよう」なんてやってたら、そのままリクライニングさせたシートで朝まで爆睡してしまいました・・・。

今回のタックル

ソルトと大河のシチュエーションで飛距離&ターンオーバー力を優先してツーハンド8/9番だけを使いました。

ツーハンド8/9番タックル

  • フライ:スイングリーチ、アイスマラブーチャーリー10番
  • ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン2号
  • ポリリーダー:Airflo サーモンポリリーダー 14フィート スローシンキング
  • スカンジヘッド:Scientific Anglers アトランティックサーモン S1/2
  • ランニングライン:OPST レーザーライン 40lb※
  • フライリール: Tibor Riptide
  • フライロッド:Beulah G2 Platinum Spey 13'8'' 8/9番

※レーザーラインは川でのスイングで使うランニングラインなので、少しストレッチ性があります。アタリはちゃんと分かるのですが、止水の場合は距離が遠くなるほどフックセットしづらくなるのと、ラインにスラックがある場合は手元のストロークがしっかりとフライまで伝わっていないので、伸びの無いブレイデッドコアやコネクトコアのランニングラインをセットしておくべきでした。(去年のアカメのスイングの釣りでスカジット向けにセットしておいたリールがそのままでした)

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