シングルハンド10番タックル最終絶叫計画 -序章
ああ・・・あの頃は若かった・・・。そんな弱気なセリフを呟いてしまう一枚の写真。自分がフライフィッシングで釣り上げた魚の中で今も最大サイズ105cmのオスのシイラ。当時ボーナスで買ったシングルハンド10番タックルで出撃した相模湾のオフショア・ボートフィッシングの一幕です。しかもタイプ4どころかタイプ8を平気な顔でロングキャストして高速ストリッピングとかやってから、ヨシキリザメに追いかけられたシイラを「楽しい〜」とか言いながらフライリールでゴリゴリ巻き取ってました。
今じゃスイッチロッドに頼るモンスター・シーバスも沖バースでロングキャストし続けてこの通り。
確かこの時のセリフが「意外に簡単に上がりますね〜」・・・。
シングルハンド8番と10番の差は「ファーストシンキングが快適かどうか」と言い切ってた当時。キャスティングゲームは10番と決めて、京浜運河の巨ボラだろうが小笠原のイソマグロだろうがイングランドのパイクだろうが、タックル重量なんて考えたこともなくアホみたいに挑みまくっていました。
タックル構成はこの通り。当時は「軽いのに戦闘力すごいじゃん!」と思っていました。足りない部分は全部体力で補う、ただそれだけ。
フライロッド | R.L. Winston Boron II-MX 10 | 140g |
フライリール | Tibor Riptide | 255g |
小計 | 395g | |
バッキングライン | ダクロン30lb 200yd | 20g |
フライライン | フローティング〜S4平均 | 60g |
総計 | 475g |
右肩壊して高番手から低番手へ失落・・・
そして今も忘れぬ2017年に横浜港でのボートシーバス中に突然右肩が言うことを聞かなくなり、気がついたらフライロッドが握れなくなる始末・・・。しばらくはシングルハンド4番がオーバーヘッドキャストできる限界になってしまいました。
それはまさに天界で傲慢、地上で放漫の限りを尽くしていた状態から天罰で地獄に叩き落とされたルシファーの気分・・・。
「塩分濃度が薄いだけの海だから」と肩に負担がかからないスペイタックルとシングルハンド3番を引っ提げて湖へ転戦した後も、まさかモンスター・レイクトラウトの方からワンドに現れて、ライトタックルなんかで投げるフライなんかじゃ見向きもされず、「何やってんの?その肩で出来るもんなら釣ってみな!」とバカにされる始末・・・。
龍馬だったら諦めない!
でもTFFCCの素晴らしい仲間たちのおかげで、トラウトフィッシングの面白さを再発見しつつも、やはり忘れられない過去の栄光。そんな日々の中で、どんなにリハビリしても昔のような右肩には戻らないけど、シングルハンド8番と10番を軽量化するきっかけは2019年の冬に四国ツアーで対戦した「高知アカメ」だったりします。しかも逆襲したい自分にとって往年のヒーロー「龍馬」が船名!
そこまでは勢いでなんとかなりましたが、すぐそこに80オーバーがうじゃうじゃ居てボラ相手にバッコンバッコンやっているにも関わらず、そう簡単に釣れない、どころかフライに見向きさえしない・・・。相手は幾多の玉砕チャレンジャーを生み出してきたモンスターフィッシュ。プレゼンするストリーマーは4/0サイズ以上、いつかストライクが取れたら、60lbバイトティペットから30lbバッキングライン経由の激しいファイトが待っています。使うパワータックルはシングルハンド10番。一応高番手の端くれです。
振り向いてくれるまでやり続けるために、ラインシステムをスカジットまで取り入れて工夫したりしましたが、1時間も経たずに肩が痺れてガクガクになってしまう・・・。両手でロッドを掴んでキャストする「拝み投げ」まで駆使しても結果はボロボロ・・・。
釣れない状態を憐れむキャプテンがシングルハンド8番を使うキャスティングゲームをさせてくれるんですが、この当時の右肩はこれでさえ2時間持たなかった・・・。なんとか食いしばって結果だけは出しましたが、とてもアカメと渡り合うどころじゃありませんでした。
なんでも「スカジット」でしのぐ
その後、シングルハンド3番からシングルハンド8番まで全て、OPST Commando Headというスカジットヘッドを使うシステムに切り替えたおかげで楽しく釣れる道を切り開きました。
TFFCCでは大きいストリーマーをキャストして75cm以上のモンスターサイズを釣る「モンスターチャレンジ」に取り組んでいますが、アカメで痛い目に遭ってからシングルハンド10番の釣りもタックルとシステムを見直し、「プレデタースカジット」という名目で500grヘッドをスカジットキャストでもオーバーヘッドキャストでも投げられるようにしてあります。
これを使ってシーバス自己記録の更新もできたさ・・・。
でもね、これじゃないんだよ、本当にやりたいのは!!
もっとダイレクト感のある、自分の右手からビームのように放たれるループで釣りたいんだよ、本当は!!
シングルハンド8番の軽量化は大成功
そんな魂の叫びはTFFCCメンバーからも相手にされず、孤独に色々と試行錯誤した結果だけいうと、8番に関しては3タックル平均で-65gも軽量化に成功して、平均ドラグパワーは300gも増してます。それって2,3時間ちょろっと釣るだけなら関係ないけど、フィールドを歩いたりカヤックで漕いだりしつつ、魚を探しながらキャストし続けるDIYの釣りでは大きな差なんです。
今じゃ、シーバスやろうが、三日間連続でクロダイ相手に8番振り続けても肩へっちゃら。技術の進歩ってとっても大事だと思います。
今度はシングルハンド10番じゃないのか!?
今度は10番の番、っても出番は限りなく少ないんだよね・・・
オフショアシイラ・カツオ・ゴマサバ
アカメ、リーフGT、ゴマモンガラ、パーミット・・・
リーフシャークにバラクーダ・・・
あれ、意外に多いな・・
どうやって軽量化したものか・・・。続きは「探索編」にて。