北海道ツアー14日目:根室 – 知床半島羅臼・人間界最後の川のオショロコマ

2023/06/16オショロコマ,キャンピングカー,クマ,ヒグマ,フライフィッシング,ユーロバン,北海道,,渓流,知床

朝早く起きて、まずは美味しい湧水を羅臼神社まで汲みに行きます。今日は半日リモートワークがあるので、あまりにもワイルドだった昨日の心を鎮めつつ、旅の疲れを癒したくもあるので、温泉もあり一日のんびりしながらチョイ釣りもできる場所をということで前からのんびり過ごしてみたかった羅臼の北の果て、知床半島の相泊へそのまま移動します。

朝6時ごろに到着しましたが、すでに元気に番屋の周りを巡回している地元漁師のMさんに久しぶりにお会いして、以前知床のオショロコマの川を教えていただいたお礼を言ってから、相泊橋を超えた一般人最後の駐車場の端っこに駐車させていただきます。ここから先は番屋の方達専用道路。

相泊の漁村

ここは羅臼昆布やウニ漁、サケマス定置網を行っている漁村ですが、サケマスは向こうへ見える国後島へはたくさん遡上するけど、もう10年くらい調子が良くないそうです。それでも立派な漁港にはこれから解禁される昆布漁の準備の船が入ってきていて、番屋の準備も着々と進められているのです。

ドローンで地形確認をしつつ、漁港の先端で釣りをされている方とお話したら、カレイの調子もいまいちで、小さい掌サイズのガヤ(クロソイ)がちらほらと釣れる程度だそうです。海で魚のハネも見られません。

ちなみに一般車両進入禁止の先はこんな感じ。漁の準備で動きがあるシーズンはいいですが、番屋を使っていないシーズンではヒグマ優先ゾーンなのでここから先は自己責任の世界です。

この浜の曲がり角の向こう側にはカモイウンベ川とクズレハマ川もある

世界遺産のここではヒグマが普通に山から降りてきます。半島の反対側のルシャほどではないですが、Mさんの昆布船をシーソー代わりに遊んでいたり、磯で気持ちよさそうに泳いでいたり、ここでは当たり前の光景なのだそうです。この日は浜の整備で重機なども入っていて、クマが近づく気配はありませんでしたが、必ずその辺に1匹はいるそうです。

シーサイド温泉

何はともあれまずは朝風呂。お風呂セットを抱えて海岸沿いの道をテクテク歩き、前から入ってみたかった相泊温泉へ。昆布漁師さんたちが濡れた体を温めるための温泉で、ブルーシートを被せた骨組みで男湯と女湯が仕切られています。

常に湧き出しているので、水道のホースから冷水を出して調整します。ちょうどいい湯加減になるまで、誰もいない海岸なのでワイルドに外で体を洗いますが、霧雨が降っているのでさすがに寒い!体を洗い終わり次第、貸し切りの湯船に全身でドボン!

湯加減は?言葉では言い表せませんので表情でどうぞ!

羅臼昆布

まだ8:00前で風呂上りの湯冷ましに海岸を散歩していると空気全体に昆布の美味しい香りが漂ってきます。条件反射で口の中にヒラメの昆布締めなど昆布出汁が効いている料理が浮かび上がります。販売所のおばさんがいらっしゃったので、去年仕込んだ羅臼昆布を買ってきて後で楽しむことにします。

えりもでいただいた日高昆布を炙って切っておいた袋に、羅臼昆布を炙って切ったものを加えて、ちょっと高級な「おやつ昆布」。香ばしくて硬いものをコーヒーと合わせるとなかなか刺激になって仕事が捗ります。天気が良くないので集中できるのも事実。

あっという間に午後2時で半日リモート終了。夜遅くから海外とのリモート会議が入ったので、長丁場に合わせて予定を変更します。

ちょうどMさんも仕事が終わっていて、海の様子を見ていたのでおやつタイムに誘いましたが、お酒は飲めなくなってしまって、昆布は「食べ飽きた」そうなので私一人でいただきます。

Mさんは国後生まれの国後育ち。当時から現在にいたるいろいろな話を、上手なスケッチと一緒に聞かせていただきました。漁師の方は休場は他の仕事をしないとならないので、東京だけでなく色々な所でお仕事をされていて、知床にいるとアドベンチャー気質の人間も来るし、それが刺激になっていつまでも気持ちが若いそうです。いろんな武勇伝をすると少年のような表情に戻られるので、一枚写真を撮らせていただいたら、「大したことないなーこれ、やっぱり俺の絵の方がいいなー」だって、笑。

私の「移動式番屋」を見ていたら、これくらいの大きさの車が欲しいそうで、色々と情報交換をしてから、羅臼へ帰っていかれました。

私の方は釣り雑誌を読みつつチョイ釣りプランを立てます。ソルトが期待できないので、オショロコマだけ釣って、数の中から「尺オショロコマ」を狙うことにします。

相泊川のオショロコマ

知床半島の羅臼側で「人間界」と「自然界」の境界となるのがこの相泊川ですが、川幅は2mもない沢と呼んでいい規模の川にも関わらず、8-10月にはカラフトマスが戻ってきて、浜にはアングラーたちが並ぶそうです。集落からすぐの場所には2基の砂防ダムが作られていますが、両サイドの山肌が露出してしまっていつ崩壊しないかドキドキする地形になっています。

面白いことにオショロコマは波打ち際から釣れるのですが、水温が合っていないためか海へ降る魚は見かけないそうです。事実、海でいくら引っ張っても何のアタリもありませんが川にキャストした途端に1匹釣れます。

海から一つ目のランやプールは広い場所でロッドが振れるだけでなく、ストーキングの効果もはっきりと分かるので、毛鉤の釣り初心者でも簡単に釣れるのでオススメです。海から10mも進まないで20匹は簡単に釣れますが、反面こんなサイズばかりになります。

ある程度大きい魚は落ち込みに潜んでいるので、キリがいい所で橋の向こう側へ入って一つ目のダムまで釣り上がります。

22cmサイズのオショロコマが最大でした。この川は他の要素から隔離されているので、ここにいる魚は特に口が下つきで、恐らくヨコエビや川底の微生物などを食べていると思います。

ずっと釣るとキリが無いので、笹藪の斜面から巻いて2つ目のダムまでの区間へ。

ここでははっきりと小さい魚の反応が減りましたが、釣れてくるのはウナギのように細長い魚ばかり。最大サイズは25cmのとてもスリムなオショロコマでした。

あくまでもチョイ釣りなのでここで終了。ドローンで見てみると、V字谷がずっと上の方まで伸びているので、実際に入る場合はシャワークライムを覚悟しないとならないでしょう。何匹釣ったかは置いておいて尺は出ず。ヒグマが怖いので、あまり上流まで行きませんでした。

プロト巻きしたら睡魔が・・・

すでに夕方のいい時間になっていたので、車へ戻ったあとオショロコマのカラーパターンを覚えておくために、スイングリーチのオショロコマ・カラーを一本巻いておきます。底に隠れていて浮上しながら流される様子はスイングリーチにぴったりマッチします。

マッサージパッドをONにしてシートに深く座ったら一気に睡魔に襲われて、目が覚めたらすでに6時過ぎでした。

会議の準備のために再び羅臼の道の駅へ。外部モニターを使う時間が長かったので、かなりポータブルバッテリーを消費してしまいましたが、明日も曇り空でソーラーシステムへの充電が厳しそうなので、どこへ移動するかを考えつつ早めに寝床へつきました。

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