ウルトラゾンカー
ゾンカーテープの動きを最大化にしつつ、フッキング率は維持したい・・・。海岸のサーモン、ワカサギシーズンのトラウトやバチ抜けシーズンのシーバスの釣りで長年そんな課題を持っていましたが、ゾンカーテープの皮の部分の処理や濡れた時の重たさが問題で、なかなか実現しませんでした。
そして2019年の四国ツアーでオリジナル・マテリアル「クラフトゾンカー」をテストしていて、「これならシャンクフライに巻けるじゃないか?」と気づき、オカッパリ・ヒラスズキのストリッピングの釣りにプロトタイプをテストしてみたところ、ショートバイトで悩むヒラスズキの吸い込みストライクにもしっかり対応!乾いた後も皮が無いのでガビガビにならないので、安定して使い続けることができる「シャンクゾンカー」として楽しい釣りが出来ました。これ自体はスカジット・フライの「バニーリーチ」と同じことで、ソルト用に改良かつ無用なマテリアルを間引きされただけの「ソルトリーチ」です。
ここで更なる課題が出てきました。トレーラーワイヤーは海水で使うと錆びてしまい、毎回水洗いしても耐久性が落ちてしまいます。実際、ツアーの後半で使ったソルトリーチはいいサイズのヒラスズキに引きちぎられるという悲惨な結果に・・・。また、欲しい破断強度のワイヤーは太くなるので、好きなフライフックや管付フックがセットできません・・・。
ウルトラリグの応用
もっといい方法がないだろうか・・・。そんなことが頭の片隅にあった状態で、スカジット・マスターのジェリー・フレンチが「ウルトラリグ」なるメソッドを使っていることを知りました。ワイヤーではなくシリコンチューブの中を通したPEラインを使ってトレーラーフックを固定します。
このメソッドを応用することで、トレーラーフックのアイに通る限り、自由な強度のPEラインを選んでトレーラーフックをセットできるようになったので、さらに東京でも湾奥シーバスの陸っぱりに試したり、犀川トラウトへ試したり、ボートシーバスでは爆釣できたりと結果が出たので、普通のゾンカーではアピールが足りない時に使うフライパターンとして成立しました。
ジェリー・フレンチは、エド・ワードやデック・ホーガンと並ぶスカジット三傑のひとりで、スカジットキャストとそれに適したヘッドやロッド、イントルーダーやスイングリーチを開発したスティールヘッダーです。
ワンポイント
ウルトラリグを準備します。まずは折り返したPEラインを使ってフックをループトゥループで結びます。PEラインは号数x10kgの破断強度がありますので、必要な強度を持つ中でできる限り細いものを使うことができます。
PEラインをシリコンチューブの中を通し抜いたら、シリコンチューブの末端をフックアイに被せて固定します。
もう片方の末端をシャンク後部へ刺してから、PEラインの末端をシャンクアイへ通してから折り返して巻き留めて余分をカットします。(ループアイではなくシングルアイの場合はシャンク上でPEラインを折り返してスレッドでしっかりと固定)
セットするクラフトゾンカーですが一番最後にテール側をトレーラーフックにハーフヒッチで止めます。テール側を最後にしないとウルトラリグとゾンカーテープの張り具合の調整が出来なくなるので必ず最後にしてください。余分をカットしてフィニッシュです。
フック交換可能アレンジのポイント
フック交換をしたい場合はジャンクションチューブを可動させてフック側に抜く必要がありますので、以下のことに気をつけてください。
- シリコンチューブをシャンク側に固定しないこと
- フック側にずらして抜くことができる直径のチューブを使うこと
バリエーション
大きく分けると3つのバリエーションに分かれます。
ウルトラゾンカー:バニー
一番ミニマルなパターンで、バチ抜けやカタクチイワシに対応させるために全長5-7cm前後に仕上げます。ウイングだけでなくソラックスもクラフトゾンカーを巻き付けてバニーへ仕上げます。また、テールからのショートバイトを取るためにストリッピングの速度と沈み具合のために、ヘビーワイヤーからスタンダードワイヤーまでフックを使い分けます。後ろから吸い込むようなシャイなシチュエーションほど細軸で軽いフックを使います。
ウルトラゾンカー:ミノー
カタクチイワシなどのベイトフィッシュのサイズに合わせて7-9cmに巻くタイプ。横から見たプロフィールを良くするために毛足の長いダビングでベリーを成形します。ヘッドイーターを狙う時は、頭から丸ごと吸い込む時のために、できる限り大きいゲイプのトレーラーフックを使います。テールイーターを狙う時はテールへのショートバイト対策として魚の口のサイズに合わせた、吸い込みやすさ又は刺さり重視のフックを使います。
ウルトラゾンカー: ディープミノー
ウルトラゾンカー:ミノーをキールにするためにボールチェーンアイを使い姿勢を調整したものです。直近ではシーバスのシェードの釣りで使いましたが、このバージョンへレッグやウィードガードをつけることでスカルピンやボトム用フライとしてもアレンジ可能ですので、今後試していく予定です。
ガーグラー・プロトタイプ
バニーへEVAフォームを載せて浮力をつけたバージョン。刺さり重視でフォグショットをフックに使っています。去年ガーグラーとして使ってバスには効きましたが、ライギョにはイマイチ・・・。サスペンドさせたミノーとしてトラウトへ効くかどうかは今シーズンの課題となります。
マテリアル
ヘッドイーター向けフック:ドヒーク HDS #2/4、ささめ針 カン付丸セイゴ#18/20(シーバス用アップアイフック)、ささめ針 カン付メバル10号
テールイーター向けフック:RYUGI フォグショット TC 、Decoy AH-9 フロリア(バーブレスなのでエリアOK)
ウルトラリグ:PEライン4-8号、シリコンチューブ2mm(内径1mm)
シャンク:アクアフライ ジグシャンク 25mm、OPST イントルーダーシャンク20mm、35mm
スレッド:テックストリーム GSP パワースレッド 16/0 または 8/0
テール&ウイング:フライキャンパーズ クラフトゾンカー
ボディ:ドヒーク スペクトラダブ
使い方
通常のゾンカーやバニーリーチ、クラウザーディープミノーと同じ使い方です。
フックが絡むと意味がなくなるので、キャストする時には確認するようにしてください。
戦績
- シーバス、ヒラスズキ
- ラージマウスバス、スモールマウスバス
- ストライプドバス
- ニジマス、ブラウントラウト
- ゴマフエフキ
タイヤー
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