クイルゴードン
ニューヨーク州西部のドライフライの聖地「キャッツキル」。そこで生まれたフライパターンの代表選手は何かと聞かれたら、迷わずみんなが答えるのはこの「クイルゴードン」がNo.1となっています。アメリカン・ウッドダックのフェザーをV字型に展開してウイングとして取り付け、テールを取り付けた後はピーコック・クイルの細かい産毛を取り除いたものをぴっちりと巻いていってカゲロウらしいボディを表現します。
アメリカンのフライフィッシングの歴史を作ったNYキャッツキル・スクールの代表、セオドア・ゴードン。当時イギリスのフレデリック M. ハルフォードが出版した「乾式毛鉤の作り方」が巻き起こしていたドライフライ・ムーブメントの影響を強く受けたゴードンは、イギリス発のドライフライをキャッツキルのビーバーキル川とネバーシンク川におけるカゲロウのハッチに合わせてアレンジしていく中で、もっとリアルにしようと工夫した結果、英国式のダビングボディではなく、ピーコック・クイルをボディに使うことを考案します。1890年代のことだと言われていますが、当時からほとんどスタイルを変えずに現役で使われてきたロングランのドライフライです。
彼の時代のネバーシンク川は貯水ダム湖、ネバーシンク湖の底に沈んでしまいましたが、ダムから下流のネバーシンク川では私もマッチザハッチで12番と16番は自分で巻いていましたが、ミッジサイズは当時通っていたフライショップのタイヤーの方のものを買っていました。夕方から始まるイブニングハッチの釣りの中で、ブルックトラウトが勢いよく空中へ飛び出して着水する前のクイルゴードンに食いついたのに驚いたことが記憶に残っています。
ステップ解説
※更新します。
テール、クイルボディ、ソラックス
本来のクラシックスタイル
歴史的なキャッツキルスタイルに巻こうとする場合は、フックアイの後ろにタールノットを結ぶためのスペースを1-1.5mmほど空ける必要があります。当時のティペット素材ではタールノットを使わないと強度が出せずフライを頻繁に交換するマッチザハッチの釣りに適合した形でした。
アレンジ
今回はお蔵出しのレモンウッドダックが手に入ったことがありオリジナル通りに巻けました。
ウッドダック(アメリカ・オシドリ)が入手できない場合、ハルフォードから影響を受けた当時のゴードンが初期のころ巻いていたオリジナルはイギリスで使われていたマンダリン・ダック(オシドリ)だったと言われているので、ハルフォードのドライフライが大西洋を渡りアメリカ大陸で大きな花を咲かせた頃をイメージして巻いてみるのもいかがでしょうか。
マテリアル
フック:ドヒークHDD301
スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド22/0 ブラック
ウイング:レモンウッドダックの先端にハサミを入れたもの
テール:コックネックまたはマラード:ブラウンまたはグレイ
ボディ:ストリップド・ピーコックハールのナチュラル
ハックル:コックネックハックル、18番以下の小型を巻く際はマイクロバーブのコック・サドルハックル、ブラウンもしくはダン
使い方
あまり高く浮くフライではないので釣り上がりには使うよりも、ライズを見つけて丁寧に釣る使い方がメインとなります。
トラウトがライズしている1m以内に「フワッ」と着水させ、ナチュラルドリフトさせて誘います。
戦績
- ブルックトラウト
- ブラウントラウト
- ニジマス
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