バック&ベア ストリーマー(キャッツキル・バックテール改造)

2022/08/10センパーフライ,ナノシルク,フライパターン、18/0スレッド、キャッツキル

アメリカ時代に湖や大きめの川のブラウントラウトの釣りで使っていたヘアストリーマー、「キャッツキル・バックテールストリーマー」というフライがありました。キャッツキルの宿で先輩フライフィッシャーから教えてもらった、バックテールとピーコックハールだけを使ったシンプルなパターンで巻きやすくて絶好調だったのですが、日本へ帰国してから芦ノ湖や中禅寺湖で使っても全く釣れず・・・管理釣り場でさえも反応がイマイチで一旦はフライボックスから整理ポストへと消えてしまいました。

その後、渓流でのウェットフライのスキルや、ソルトでのストリーマー、止水でツーハンドタックルを使うスキルが身についていく中で、マラブーでもシンセティックヘアでも反応が悪いことがあって、試しにバックテール・ストリーマーに巻いてみたらトラウトもアジも速引きでよく釣れることが続いたので再びフライボックスへ復活。その後、手持ちのマテリアルを色々と改良したり、アクセントカラーの学びなどを反映した現行のヘアーストリーマーになります。バック(牡鹿)とポーラーベアーを使うのでバック&ベアです。

元々のキャッツキル・バックテールはベリー(腹)をホワイトのバックテール、バック(背中)をブラウンやオリーブのバックテールで表現して、アレンジとしてピーコックハールを背中へ載せていましたが、これをベースにもっと動きの良いマテリアルや無駄な太さをなくしたアレンジパターンとなります。

私がバックテール系のストリーマーを学んだ時に教わったのは、使うマテリアルがスカスカであればあるほど良いのだけど、少なすぎてもアピールが減るので、「フックのゲイプ幅以内にマテリアルの量を抑えること」というものでした。実際はヘアが3本しか残っていない「磯野波平」状態でも釣れていたので、できる限り細身を意識して巻きます。ミニマリストであることが吉と出るフライの究極の形だと思います。

ワンポイント

綺麗かつ手早くシャンク上に下巻とティンセルを巻きたいのでロータリーバイスは必須。ティンセルを巻く前に滑り止めとボディ直径を調整するためにフロスを巻くのですが、フロスもティンセルもボビンにセットしておくと作業が楽なのでおすすめです。

スレッドの要領でフロスをシャンクへ巻きつけたらば、シャンクの長さに合わせて余りをカットします。こうすることで均一な太さに仕上がります。

ロータリーバイスをぐるぐる回しながら、フロスをシャンク後端まで進めたら、折り返してヘッドの部分まで往復巻きしてウィップフィニッシュしてカット。

続けて同じことをフラットティンセルで行います。スレッド的に使える太さの「センパーフライ 0.8mmフラットティンセル」がオススメです。

フラットティンセルの捻れに気をつけながら、ロータリーバイスをくるくる回しながら往復させて同じくヘッドまで戻したらば、保険のために瞬間接着剤を一滴たらしてティンセルをくっつけてからウィップフィニッシュでカットします。

この後の一手間でシザーズの横のフラットな部分などでティンセルをシャンクへ押し付けると目が揃って光沢が綺麗に出ます。

シャンク下側へポーラベアー・ホワイトのベリー、ポーラーベアー・ピンクのスロートを順に取り付けたらば、

ダビングを少量折り返して取り付けて、バックテールを取り付けます。続けてアクセントとなるティンセルを折り返して取り付けます。

ダビングとティンセルのトリミングを行ってから、ヘッドをスレッドで成形してから、ウィップフィニッシュした後にUVレジンまたはバーニッシュで固めておしまい。

仕上げに指でウイングを撫でつけながら余剰なヘアは抜いてしまってください。できる限りスカスカの方が魚に警戒されずに釣れます。

マテリアル

フック:がまかつS11-4L #6、ソルト用はTMC9394 #6
スレッド:センパーフライ ナノシルク 18/0 GSPスレッド
シャンク下巻:センパーフライ フロス ホワイト
シャンクボディ:センパーフライ フラットティンセル0.8mm ミラージュ
ベリー:ポーラーベアー ナチュラルホワイト
スロート:ポーラーベアー ピンク
アンダーウイング:センパーフライ プレミアム アイスダビング ルートビール
ウイング:バックテールブラウンまたはオリーブ
トッピング:テックストリーム グリッタースレッド ダークグリーン(ピーコック系)

使い方

止水や流れの緩い場所で使う場合。シンキングラインを使い、カウントダウンして沈めてタナを探りながらストリッピングして誘います。素直にアクションするフライなので、その時のヒットパターンを見つける必要があります。一般的に暗い時間はショートピッチで「スッスッスッス」と速引き、明るい時間はロングピッチで変化をつけて「スートン、スースー」のように小魚やエビを演出します。

流れのある場所で使う場合。魚が着いている場所の奥へ入れてメンディングをしながら沈めて、スイングさせます。必要に応じてストリッピングを加えてフライを動かし続けてください。

戦績

  • ニジマス、ホンマス・サクラマス・ヤマメ、コーホーサーモン
  • ブラウントラウト
  • マアジ、メアジ、ギンガメアジ

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