江戸クランクベイト Mk.2
ハードルアーをしっかりやった人は分かると思いますが、ルアーの効果というのは「プレゼンテーション・アクション・波動」の3つの要素で成立します。ルアーが泳ぐコースをセットしたりアクションさせやすくテンション&角度調整するのがプレゼンテーション、ルアー独自にダイブしたり首を振るのがアクション、水流の中のルアーが復元しようとして振動を起こすことで発生するのが波動です。
質量が少ないフライの先端にリップだけつけて「泳いでるー」とかやっても、狙ってレンジまでダイブするわけでも、ボディの復元で波動が生まれているわけでも無いので、プレゼンテーションだけで十分に釣れていた魚が多少前のめりに反応しただけで、ニッチな個体を釣り切ったら後は続きません。
フライ版ペンシルである「イワイミノー」を魔改造してスタートした先代の「江戸クランクベイト Mk.1」は、ダイビングアクションと首振りアクションをするだけでなく、計算されたカウンターバランスをセットすることで、フライのボディがアクションから復元する時にテールを振って波動を出してくれる、クランクベイトの基本的は全て表現できる上で、バスやシーバスのように口が大きいプレデターを相手に楽しく遊べるフライが完成しました。もちろんハードルアーほどの大きなアクションや波動は出せないので、フライを強めに着水させて初動で気づきやすくしたり、シンクティップを使うことで沈んだラインの波動とセットで効果を大きくした結果でした。
しかしこれをそのままエリアやC&Rのトラウトに対してテストしてみて、フックサイズが大きすぎてフッキングミスが連発するという痛恨の設計限界がありました。ルアー的なフライとしては、食い上げバイトやショートバイトも拾う必要があるので、固定フックがストライクを弾くことを低減したい・・・。そのためにシャンクフライに改造するプランだったのですが、なかなか強度と軽量さを兼ね備えるシャンクが見つからず、ストンフォから中空構造の「チューブラーシャンク」が発売されたことで実現可能となりました。
ヘッド側には「ミニルアーリップ」、フック側にはスプリットリングを介してバランスの合った質量のバーブレスフックを装着することで、よりフッキングも取れるだけでなくカウンターバランスの役割も兼ねてくれるMk.2が完成!
特長と構成
マイラーチューブとフォーム材で作るイワイミノーのボディ構造とMk.1と同じテクニックのままで巻くことができます。
ボディ全長とシャンクの長さを使い分けることでフックの位置をセンターフックとしてセットできるように決めます。
詳細はMk.1と同じなので参考にしてください。
サイズチャートとバランス計算の例
ここではポーズした時に浮いた状態を保てるセッティングでタイングしています。サスペンドやシンキングをタイングする場合はキャスト可能な範囲でカウンターウェイトとなるフックを大きく=重たくします。
※表は準備中
| サイズ・マイラーチューブ | ボディ直径 | ボディ長 | チューブラーシャンク | ミニルアーリップ | スプリットリング | フック | 基礎浮力 | 浮力残 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ML | 6mm | 35mm | 20mm | S | #1 | #10/12 | ||
| L | 8mm | 55mm | 30mm | M | #1/#2 | #6/8 | ||
| XL | 10mm | 70mm | 40mm | L | #2 | #2/4 |
ステップ解説
基本的なボディシャーシはイワイミノーと同じものを使います。
エクステンドボディは先に作って用意しておきます。バイスにエクステンドボディ・ツールをセットします。

フォームよりも両端を1cm長くとったマイラーチューブをツールに被せます。

片側を片結びで束ねておいたアントロンヤーンの結びコブの方をチューブの中へ差し込みます。

袋縛りにしてしっかりと固定したら、ウィップフィニッシュ。

引き抜いたら瞬間接着剤を塗ってから、テールを丁寧に引き伸ばしてコブが引っ掛かるようにして固定します。

オーバーボディーの中にチューブフォームをセットする方法についてはこちらを参照してください。
バイスにチューブラーシャンクをセット。

シャンクに瞬間接着剤を塗ってからGSPスレッド下巻きしてチューブラーシャンクのゲートを閉じてヘッドまでスレッドを勧めておきます。

完成サイズに適合したミニルアーリップをアイを潜らせて位置を決めてから、スレッドでリップの軸を被せるシャンク部分を下巻してフラットにしておいてから、瞬間接着剤を塗ります。

リップの軸を押し当てて仮留めしたら、上下反転させてシャンクとリップの位置を確認しやすい状態にしてから、再度瞬間接着剤を塗ってからスレッドでゆっくりと軸がずれないように注意しながら固定します。

準備しておいたマイラーチューブのオーバーボディーを開口部分からフック側のシャンクを突っ込み、中央で抜き出してバイスに固定します。

オーバーボディー先端をリップ後ろで巻き留めたらスレッドでヘッドを形成して余分なマイラーチューブの切れ端をクリーンアップして整えます。

ウィップフィニッシュしたら瞬間接着剤をヘッドに塗ってから、左右に3Dアイを仮付けします。

リップ用のバラストボールをバラストホールに瞬間接着剤を垂らしておいてから乗せて仮付けします。

ハードタイプのUVレジンで3Dアイの隙間のヘッド部分を上から先に成形して、続いて下を成形してから、リップ角度を決めてリップを支える軸になるように厚めに乗せて固めます。

バラストボールの接合部分と全体にもUVレジンをハケで塗ってから固めて抜けてしまわないようにします。

UVレジンの作業が終わったらネイキッド・フライが完成。

再度バイスに固定してからコピックマーカーで好みのカラーリングを終わらせます。

適合サイズのフックに合わせたスプリットリング(#6以下のフックには#1のスプリットリング、#4以上には#2のスプリットリング)を取り付けておきます。

トラウト用のMLサイズには#8/10番、バス用Lサイズには#6/8番が適合サイズです。

プレデター向け補強作業・・・Mk.2.1
プレデター相手の場合は、XLサイズを使うこととなり、キャスティングもプレゼンテーションもトラウトとは比較にならないほどハードになります。リップの補強はトラウト・バス向けでも耐久性を上げるので行ってください。
リップ固定のためのハードタイプのUVレジンはリップ裏にしっかりと厚みを持たせて盛り付けて成形します。

シャンク部分に沿うようにしてフックアイの根本まで一本の筋となるようUVレジンで補強しておきます。バラストボール周辺も厚塗りします。

カウンターバランスの取り付け方
適合したフックを取り付けた場合はそれがカウンターバランスとして機能しますが、ボディを延長する、浮力を減らしたい場合は、カウターバランスを取り付けます。
フェルノメル専用ピンに適切な重さのタングステンビーズを通したら、
ボディ後部に突き刺して瞬間接着剤で仮止めしてからガミータイプノUVレジンで固定します。

カラーリング
ヤマメ/アマゴの例:
- 背中: BG96ブッシュとYG93グレイッシュイエローのグラデーション
- パーマーク: YG93グレイッシュイエロー
- 朱点: R05サーモンピンク、アマゴの場合はYR09チャイニーズオレンジ
- 黒点: BG96ブッシュまたはE89ピーカン
プレデター向けナイトゲーム用のチャートまたはピンクの例:
- 背中: Y15カドミウムイエロー/RV23ピュアピンク
Y15とRV23の2色は「イワイミノータイングキット」に付属してきます。
マテリアル
- シャンク: ストンフォ チューブラーシャンク 20mm (ML), 30mm (L), 40mm (XL)
- スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド8/0 ホワイト
- アンダーボディ:イワイフォーム ML/L、ミナフォーム10mm
- オーバーボディ:イワイチューブ ML/L、キャップス マイラーチューブ XL
- テール:テックストリーム アントロンヤーン
- リップ&バラスト:ストンフォ ミニルアーリップ M/L
- アイ:3Dアイ
- スプリットリング: デコイ スプリットリングライト #2 (30lb)/#1 (20lb)
- トラウト向けフック: デコイ エリアフック タイプIII AH-3 #10/#12
- バス向けフック: カルティバ SBL-75 #8/#6
- プレデター向けフック: カルティバ SBL-75 #4/#2
- カウンターウェイト:フェルメノン専用ピンとタングステンビーズ3.8mm/3.3mm
ツール
ミノーのエクステンドボディを巻くのに便利なツール。
スプリットリングの作業の便利
使い方
スカジットでシステムを組んでティップを使い分けると便利です。
- 水面直下・・・フローティングティップまたはフルラインのフローティング
- 水面下50cmまで・・・クリアーインターティップまたはフルラインのクリアーインター
- 水面下50cm-1m・・・S3などのファーストシンキング
- 水面下1m以上・・・T-14などのエクストラファーストシンキング
戦績
- ブラウントラウト
- レインボートラウト(チェイスする個体がいる場合)
- ラージマウスバス
- スズキ
- イトウ
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