北海道のフライフィッシング

広大な島である北海道。そのスケールを本州に例えると、関東地方全域に中部と東北の一部がすっぽりと入ってしまう広大な面積の中で、本州の気候区分とは異なる空気の中、それぞれの想いを込めたフライフィッシングが楽しめる懐の広さが魅力です。本HPのアクセス、東京に続いて二番目にアクセスが多いのは実は北海道!

TFFCCメンバーも北海道出身者が一定数いることもあり「地域の特性」「これはやらなきゃ!厳選おすすめゲーム」「TFFCC的遊び方」「知らないと困る安全確保やルール」を取り上げます。

フライフィッシング 北海道 関東
更新ノート
  • 2025.6.14・・・初回アップ開始(都度加筆&画像追加)

バラエティ溢れるゲーム性

本流トラウトハンター

緯度が高いため、本州のように山岳地に行かずとも平野部や丘陵部を流れる本流に潜むニジマスやブラウントラウト。ドライフライ、ウェットフライ、ニンフ、ストリーマー・・・、思い思いのタクティクスで本物の野生のパワーを感じてしまえば、忘れることなどできないでしょう。

本流遡上魚ハンター

海から遡上してくるアメマスやイトウを狙って、ウェット&ストリーマーで探り続けるとドン!川でのサーモンフィッシングができない日本で許される本物の遡上魚パワーを全身で感じたいならば、北海道のアメマスとイトウは無視することができないターゲットです。

トラウト天国の渓流

もちろん、山地を流れる美しい川でも、野生動物に注意しながら渓流沿いに森林浴しながらヤマメやイワナを釣る中で日常を忘れることができます。本州とは違う趣のヤマメやエゾイワナとの出会いが待っています。

湖のビッグ&レアトラウト

湖で育った「プラチナレインボー」

雄大な景色の中でビッグトラウトたちやレアなトラウトたちとボートや岸釣で楽しめる湖。また北海道の河川でサクラマスは永年禁漁となっているため、陸封・湖沼型サクラマス(やまべと同じルールで管理)であれば狙うことができます。

源流の宝石オショロコマ

国内では北海道にしか生息しない美しい斑点を持つオショロコマ。僻地へ行けば波打ち際から10cmでオショロコマが釣れる即・源流もあれば、ヒグマが生息するワイルドな山中をトレッキングする中で出会う美しい源流にもオショロコマが住んでいます。

湿原アドベンチャー

国内最大の湿地帯があるのも特長。その中で釣りをすれば、頭の中は原始時代に逆戻り!野生の魂が叫び、モヤモヤなど空っぽになります。

ソルトフライや「海鱒」

北海道は本島と大小の島々で成り立っていますが、本島の海岸線だけで3,066km!日本海、太平洋、オホーツク海、内湾、汽水湖、漁港とバラエティに富んでおり、雄大な大海原には大型のワシが舞い、クジラ・イルカ類も珍しくありません。海のサーモンフィッシングではサクラマス・カラフトマス・シロザケ、シートラウトの釣りの日本版である海アメマス、さらに海と川を行き来しているイトウもターゲットです。

ロックフィッシュ(ソイなど)やフラットフィッシュ(カレイなど)のストック量も素晴らしく、鹿に見守られながら、シャローフラットが楽しめます。

ヒグマに注意!

十勝川本流某所: 歩きたいところを歩き、我が道をいくヒグマ、フンが落ちているのは珍しくない

北海道では全域にヒグマが生息・活動しており、その移動距離は1日20kmなんて当たり前。いつどこで遭遇しても大丈夫なように安全対策が必要となります。

7つの地方に分かれている北海道フィールドの概要

「シマウマ用語集」より参照

まず大前提として北海道を一つの「県」として捉えると、全部で13区分されている地方別にそれぞれの特色がありますが、天気予報の7区分がフィールド特性を表しているので個別に紹介します。

道北

大陸からの気候とオホーツク海の気候にリンクしつつも、天塩山地と北見山地が南北を貫く渓流から海まで楽しめるエリアです。

宗谷地方

起点:稚内空港・礼文空港・利尻空港

ユーラシア大陸のアムール川からオホーツク海へ流れ出した流氷が流れ着く最北端エリア。樺太やロシア・サハリン州と海を隔てて近く同じ魚種が狙えます。主に猿払川のイトウ(=サハリンタイメン)を狙うのがメインとなりますが、他にもアメマス、オショロコマがターゲット。海ではカラフトマスやサクラマスを狙います。

また、離島である礼文島・利尻島はヒグマが生息していないので、源流まで釣りやすいというメリットもあります。

上川・留萌地方

起点:旭川空港

天塩川という本流イトウ釣りの聖地がメイン。テクニックに自信を持つアングラーたちが訪れるエリア。上川北部の朱鞠内湖は再生放流されたイトウを狙うことができます。

道東

オホーツク地方(網走・北見・紋別地方)

起点:女満別空港・紋別空港

遡上魚とトラウトの両方が楽しめるのが魅力のオホーツク地方。海ではシロザケやカラフトマスを狙います。

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十勝・釧路・根室地方

起点:帯広空港・釧路空港・中標津空港・女満別空港

北海道の中でも最もフライフィッシング人気のゾーン。海から源流、湖から湿原河川、ありとあらゆるフィールドと地形を抱える最強フィッシング王国が待っています。

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道央

石狩・空知・後志地方

起点:丘珠空港・新千歳空港・旭川空港

胆振・日高地方

起点:新千歳空港、苫小牧港

苫小牧港に上陸するフェリー組に人気の地方。シートラウト(降海型ブラウントラウト)の生息数が多いことが特徴で、山間から流れ出す本流でトラウトフィッシングを楽しむことができます。

道南

渡島・檜山地方

起点:函館空港、函館港

さけます規制

密漁者が後を絶たないため、北海道警察はかなり厳しく処罰を実施しています。

採捕禁止のさけます  規制対象 規制対象外

サクラマス、カラフトマス 、シロザケ(アキアジ)

*ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ(キングサーモン)

全ての内水面(河川湖沼) 湖沼で陸封されたサクラマスおよびベニザケ(ヒメマス)- 洞爺湖、支笏湖など
さけ有効利用調査を実施している河川 - 浜益川と忠類川
河口規制のある海岸 規制されていない海岸および

ヤマメ(ヤマベ)の禁漁期間

サクラマスが海へ降った後も河川内に残るヤマメや湖沼型サクラマスを総じて「やまべ」と呼びます。それらは下記の期間は禁漁となっています。

期間 振興局
4月~5月 石狩、空知、後志、渡島、檜山、胆振、上川
5月~6月 日高、十勝、釧路、根室、オホーツク、宗谷、留萌

フィッシングルール

年々厳しさを増しているフィッシングルール。本来の内水面調整規則では不明瞭だった部分をクリアーにしてくれているので必読です。

知床岬でサーモン

安全かつ手軽に海岸サーモンを楽しみたい場合は、いざとなったら緊急回収してくれる渡船を利用するのが安心です。

おすすめガイドサービス

要・更新

まとめと続き

ニューヨークの郊外や田舎でフライフィッシングを覚えて帰国した私が最初に困ったのはズバリ「釣り場」でした。バス>トラウトの優先順位の釣りだった私でさえ、とにかく釣り場環境が厳しい・・・。箱根芦ノ湖のバスや奥日光中禅寺湖のトラウトでさえ、最初の頃は「遊覧船の横で釣るのか・・・」と気後れし、護岸や堰堤が「ドヤ!」と存在感をアピールしてくる里川や渓流に圧倒され、東京近郊で景色の良さを求めて山へ入ると源流となってしまい、とにかく狭い・・・。

一つの州で同じライセンスが使えるシステムなどなく(今は全県共通釣り券登場)、人間の生活圏と自然が隔離された空間もあまりなく、そんな中でも奥日光や長野北部、会津はじめ東北がアメリカと比較しても遜色の無い最低ラインでしたが、車で片道2時間は当たり前・・・。

ある日ふと思いついたのは「北海道なら羽田から飛行機で飛んで着いたらレンタカーに飛び乗ってすぐトラウトフィッシングできるじゃん!」という事実。しかも大部分の河川には漁協が存在せず、ダムが存在しない川さえ存在する!はじめはルアー弾丸ツアーでしたが、あまりにも釣れすぎるのでフライフィッシングに置き換わってしまいました。挙げ句の果てにはRVに乗って2週間以上も遠征まで・・・。

TFFCCメンバーも北海道出身者が一定数いることもあり、飛行機で飛んだりRVでフェリーへ乗り込んだり様々です。今後この記事を更新していきます。

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