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これから始めるフライフィッシング:失敗しない初心者ガイド 【釣り入門】

2026/02/08

心が安らぐ水辺の音色に聴き入りながら、美しい自然の中に溶け込み、魚たちと釣りを通じた知恵比べを楽しむ。
フライフィッシングは自然と触れ合う遊びであると同時に、毛鉤を使って魚を釣る面白さを堪能できるアウトドアスポーツです。

難しいことは後回し!森や川と一体化して魚たちとつながることで、エネルギー充填できます!

毛鉤とは漁の歴史と一緒に発展してきた疑似餌の一種で元々は伝統的な釣り方でしたが、中世の頃から野外レクリエーションとしてヨーロッパを中心に、その後はアウトドアスポーツとして文化と一緒に完成されてきました。現在では魚が棲む豊かな大自然そのものを楽しむネイチャーツアーの一面もあり世界中で子供たちからお年寄りまで、川・湖・海と幅広く楽しまれています。

フライフィッシングを始めたいけど、ちょっと不安・・・

さあ、フライフィッシングを始めよう!と思っても、必要な知識を集めたり釣り方を学んだりすると同時に、タックル=道具を組んだり、キャストを覚えたり、「こんなスタイルで楽しみたい!」という想いを叶えてくれる行き先選びもあって、満足いくデビューはなかなか大変なもの。さらにフライは「餌の代用」として自然に食べさせるものから「ルアー」と同じように魚を誘うものまで幅広くあるので、初めはどれを使えば良いのかも悩むと思います。そんな奥が深く幅が広いフライフィッシングでは、一つの分野でベテランでも、新しい分野へ挑めばみんな初級者へ逆戻り!

TFFCCでは全くの初心者の方のデビューをサポートしたり、経験を積んだメンバーの新しい分野への挑戦にお付き合いしたり、プロガイドやインストラクターがいたり、フライフィッシング=毛鉤釣り、という基本に忠実にメンバー同士がお互いに支えあっていろんなスタイルのフライフィッシングを楽しんでいます。

そんな視点からフライフィッシングを始める方のために、この記事をまとめてみました。

簡単かつシンプルに釣れるフライフィッシング

フライを使った釣りの場合、「プレッシャーのかかっていない魚」を相手にして、「釣れるフライ」さえ持っていれば、「フォール」(空中から水面へフライを落とす、水中でフライを沈ませる)・「ドリフト」(水流に乗せてフライを流す)・「スイング」(水流を利用してフライを泳がせる)のどれかが誘いとなって、魚はフライをパクッと食ってくれます。

ルアーみたいにシビアなロッド角度やリールアクションを覚えたり、餌釣りのように餌が外れてしまったり、餌が取られる度に交換する必要もありません。釣りの中でも比較的シンプルな部類かつ簡単に釣れるものになっています。

6歳と4歳の兄弟が「丸物」と呼ばれるフライのフォールで管理釣り場のニジマスを連続キャッチ!

釣りは10物、フライフィッシングは7物あれば始められる!

釣りを始める時によく言われるのが「釣りは10物」。10種類のアイテムを駆使して釣りをする、ということですが、フライフィッシングはさらにシンプルにできていて、必要なアイテムは「7物」だけです。

  1. フライ・・・色々な種類のフライ、生きた餌を触ったり手が汚れる必要がありません。初めは市販品や簡単に巻けるもので大丈夫!ルアーほど単価も高くありません。
  2. ティペット・・・フライを自然に見せるための細い糸(ハリス)です。太さや長さを使い分けます。
  3. リーダー・・・フライラインの動きをティペットへ伝える糸(力糸)。テーパーが付いているものが使いやすいです。
  4. フライライン・・・フライロッドを曲げてキャストするために重さのついた投げ糸
  5. フライロッド・・・フライラインをキャストしたり、コントロールしたり、魚とのファイトに使う釣り竿です
  6. フライリール・・・ラインを巻き取り収納しておくだけでなく、強い魚とのファイトでブレーキをかけるためにも使います
  7. バッキングライン・・・ラインの操作には使わない、フライラインとフライリールを接続するための下糸です。普段はフライリールに収納されていますが、不意に現れる強い魚とファイトする時に必須です

ちなみにフライフィッシングで使うラインシステムはこのように接続されています。「スターターセット」「初心者セット」と呼ばれるものには、初めからリーダーまでがセットされた状態で売られています。

「本当にこれだけで魚が釣れるの?」と思われるかもしれませんが、フライフィッシングの場合はあらゆる実験を通じて「すごく釣れるフライ」がありますので、それを魚の目の前にさえ運べばパクッと咥えてくれるようにできています。

さらに「エリア」と呼ばれる人工の貯水池や川を区切って魚を釣らせてくれる管理釣り場へ行けば、シーズンを問わずたくさんの魚たちが放流されていて楽しむことができます。

初めてに便利!レンタルタックル vs スターターセット

管理釣り場によっては、フライロッド、フライリール、フライライン、リーダーまでついた状態で、一日借りても1,500円程度でレンタルされています。ただし貸出されてしまっている場合や、保証金(返却時に返還)に500円程度必要になったり、受付が混んでいるときは待たされたりもします。

自分専用のスターターセットは3万円前後でもちゃんとしたブランドのものが手に入ります。これを持っておけば、受付で待たされる事もなく、レンタルが無い釣り場や自然の釣り場、また自宅近くでもキャスティングの練習などをしたい時にも使えるのでオススメです。

8フィート(2.4m)のロッドはリバー型エリアや渓流など狭い場所でも使いやすく、9フィート(2.7m)のロッドは長さの分パワーも増せば飛距離も出せるのでレイク型エリアや湖で使いやすくなります。

あると便利:ランディングネット

魚を掬ってキャッチするためのネット。管理釣り場で貸し出してくれますが、軽量で疲れづらいアルミフレームのものなどもあります。

交換が必要な消耗品・・・初めに買うもの

交換が必要なフライやティペットは管理釣り場の売店でも売っていますが、初めの頃は草木に引っ掛けて切れて無くしたり、魚に切られることも多く、また釣れない時に試行錯誤することも多いアイテムになっています。

さらにリーダーも障害物に引っ掛けて傷んだりする場合は交換が必要になるので、フライ、ティペット、リーダーはあらかじめ必要な分をショップや通販で買っておいた方が安心です。

おすすめのフライ

管理釣り場にはたくさんのトラウトがストック(放流)されていますが、状況に合わせて水面・水面直下・水中の3つのレンジを釣り分ける必要があります。大体の釣り場では下記のフライが揃っていれば大丈夫です。

ドライフライ・・・12ー16番
ウェットフライ・・・12-16番
ニンフ・・・12-16番

管理釣り場のルールでは、人の怪我と魚のダメージをどちらも最小限にするために、フックに「バーブ」と呼ばれるトゲがついていない「バーブレス」のフックを使う必要があるので、持ってくるフライは必ずバーブを潰して「バーブレス」にしておいてください。

その時・その釣り場で効き目が強いフライというのが必ずありますので、同行者の方や釣り場に聞いておいて用意しておくとさらに安心です。また「アトラクター」という種類のフライにはカラフルで見やすいものが多いので、魚へのアピールも強く持っておくと練習しやすいです。

あると便利:フライボックス

その日に使うフライだけを入れておけるフライボックスが一つあると、フライを無くさずしまって置けるので便利です。ランヤードにフライボックスがセットされたものは、ごちゃごちゃしがちな他のアクセサリーもまとめれるので大助かり!

ティペットとリーダー

フライフィッシング用のティペットやリーダーは、「5X」のように数字で規格が表示されていますが、数字が大きくなるほど直径が細くなり、小さくなるほど太くなっていきます。リーダーの先端にはあらかじめティペット部分が付いているので(使っているうちに切れて短くなっていきます)、ここの直径で規格が決まります。

初めは5Xのティペットとリーダーがあれば大丈夫です。

あると便利:ラインクリッパー

ティペットやリーダーを切る作業で必要なハサミ。専用に作られているラインクリッパーは、細くて滑りやすいものが切りやすく作られているので一つ持っておくと便利です。

あると便利:リーダーストレーナー

リーダは丸まった状態で販売されているので、展開した後に癖を取った方が使いやすくなります。素手で行うこともできますが、肌を痛めたり、リーダーに傷つけないためにはリーダーストレーナーを使うと便利です。

服装:安全と快適さ

釣り場では自分や他人のフライやルアーが飛んでくることが普通にあるため、頭の保護に帽子、目の保護と魚を見やすくするために偏光サングラスが必要です。

水辺には森や林が隣接していることも多いので天候の変化や虫刺され対策が必須です。できれば夏でも肌が露出しない速乾性の長袖・長ズボンの服装にしてください。

シューズは濡れても滑りづらいソールで、水や泥がついても汚れが残りづらいものがベストです。

バッグ:収納力と行動しやすさ、引っかかりづらさ

一番初めは使うアイテムが限られていることや、くるぶし程度の浅瀬しか水の中へ入らないため、使いやすくて動きやすく、着脱が速いウエストバッグやスリングバッグがおすすめです。

選び方は重要で、余計な突起物が無い方がラインが引っかかりづらく、繊維の目の大きさも細かすぎるとフックが抜けなくなりますし、薮に引っかかった時に破けてしまうので強度も必要です。キャンプ場や旅行の時に使っても便利!

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あると便利:フライベストやチェストパック

スニーカー程度で釣れる浅い場所ではウェーダーは必要ありませんが、人里が近い川などは滑りやすいので助かるのが、両手をフリーな状態でもフライボックスや小物、着替えなどをしまっておけるフライベストやチェストパックです。

初めてのエリア/フィールド=練習場

初めての練習場ですが、できればレンタルタックルがあったり、インストラクターや初心者にアドバイスをくれるアングラーがいたり、足場も安全でトイレや食事も完備のエリア=管理釣り場がオススメです。

北海道や東北のようにトラウトがたくさん泳いでいるフィールドへアクセスしやすい場合や、本州・四国・九州でもバス、コイ科の魚がたくさん泳いでいるフィールドにアクセスしやすい場合は、そのフィールドで練習することも即実践で学びが多くオススメです。

また、エリアと言ってもフライフィッシング担当は常駐していないことも多いので、エリアもフィールドも、インストラクターの方、またはフライショップに相談して同行してもらうのがベストです。

レンタルタックルのあるエリアの例:

すでにタックルを持っている場合は、こちらから探してみてください。

フライフィッシング7つのステップ

どんなスポーツもスコアするための段取りがありますが、フライフィッシングでは1匹を手にする=スコア。そのためには、管理釣り場でも渓流でも湖や海でも7つのステップを重ねています。

7つのステップを上達させていくことで、フライフィッシングのスキルが成長します

ステップ1:リーディング&アプローチ

フライフィッシングに限らず、あらゆる釣りで最も重要なパート。それがリーディング&アプローチです。

リーディングとは、その時間、その場所、その状況で水辺を読み解き、魚がどう行動するか知ること。そしてどんなフライやプレゼンテーションをするべきなのか判断します。魚の動きが目視できる状態でリーディングしながら釣りを行うことを「サイトフィッシング」と呼び、魚がいるであろうポイントを想定して探る釣りを「サーチフィッシング」と呼びます。

また、リーディングしながら行うことが多いですが、魚を驚かさないように気をつけながら、キャストが届く距離まで接近すること・釣りやすい位置へ移動することをアプローチと言います。

アプローチにはいろいろな方法がありますが、陸から濡れずにアプローチすることを「オカッパリ」と呼び、専門のウェアを着用して水中へ立ち込んでアプローチすることを「ウェーディング」と呼びます。自らの体でアプローチするだけでなく、ボートやカヤックを利用してアプローチすることもあります。アプローチの時に魚を警戒させてしまうと不利な釣りとなってしまいますので、魚を驚かさないようにアプローチすることを「ストーキング」と呼びます。

ステップ2:フライ選び

狙う魚の状況に合わせて、どんなフライを使うのかを決めます。あらかじめ決めたフライをセットしておくことが多いですが、アプローチができてからフライ交換することも頻繁にあります。

水中で使うウェットフライやニンフと水面で使うドライフライがありますが、大きく分けると人から見やすく魚からも見つけやすい「アトラクター」と呼ばれるフライと、魚が自然に捕食している餌へ似せる「イミテーション」と呼ばれるフライに分かれます。最初はアトラクターが見やすく釣りやすいのでおすすめです。

リーダーとティペットを結ぶ

リーダーの先端にティペットを結ぶことでフライが自然に動かせるようになります。「ダブルエイトノット」(ダブルサージャンスノットとも)と呼ばれる結び方で結びます。

ティペットとフライを結ぶ

フライの先端には「アイ」と呼ばれる輪っかが付いていますので、そこへティペットを通して結びます。

はじめに簡単なのはルアーでも使える「ユニノット」です。大きいフライも小さいフライも結びやすい利点があります。

ステップ3:キャスティング

フライフィッシングではロッドを魔法の杖のように使い、緩みなく張っている状態のフライラインの先端10m程度の一番太い「ヘッド部」の重みを使ってロッドを加速させた状態から急ストップさせることでロッドに負荷をかけて曲げ、その反発が作り出すパワーを使って今度は反対側の前方へフライラインを弾き飛ばしておいて、ライン〜フライまでが展開(ターンオーバーと呼ぶ)して伸び切った先端のフライを着水させます。

着水させることを「レイダウン」と呼び、着水しているフライを引き抜くことを「ピックアップ」と呼びます。

ロッドハンドとラインハンド

ロッドに対してフライラインが緩んだ状態ではキャストすることができませんので、ロッドハンドでロッドを操作しながら、ラインハンドではラインが弛まないようにしっかりと保ったり必要な長さの繰り出しを行います。またはロッドハンドでラインごと掴んでしまうことで、余分な緩みが出ないようにします。

ターンオーバー

どんなキャストでも最後には前方へ放たれたループ状のフライラインへテンションをかけて、リーダーからフライの部分をクルッと展開=ターンオーバーさせて着水させます。魚から見える場所へフライだけを自然に落とすことで魚を驚かせずに次の釣りの行動に入ることができます。

はじめに覚えるキャスト

そしてフライフィッシングでは必ずしも遠くまでキャストする必要はありません。始めた頃のほとんどのシチュエーションでは手前から5〜10mで釣りが成立します。

ショートライン・・・距離:0-5m

難易度・・・★☆☆☆☆

一番最初に覚えるキャストがショートライン。日本の釣り用語では「振り込み」と呼びます。

フライロッドの先からフライラインを少しだけ出した状態で、フライリールからも余分なラインが出ないようにしておきます。

フライロッド1本〜1.5本くらいの全長となっているフライライン・リーダー・ティペット・フライの部分を円を描くようにロッドを操作して振り出してフライをターンオーバーさせます。意外にもトラウトは足元のかけあがり(浅いところと深いところの境目の斜面)にいることが多いので、これで釣りが完結できることも少なくありません。

ピックアップ&レイダウン・・・距離5-10m

難易度・・・★★☆☆☆

フライロッドの先端からフライラインをロッドと同じ長さ〜2倍程度出しておき、ロッドハンドでフライラインを掴んで固定しておいてテンションがかかった状態にしておきます。一度前方の水面へフライからフライラインまでを垂らしておいてから、フライロッドを後方へ加速してフライを引き抜き(ピックアップ)急停止してフライラインを後方へ伸ばします。ロッドが曲がったら、今度はロッドの反発力を利用して前方へフライラインを弾き出してターンオーバーさせながら着水(レイダウン)させます。

これが遠くまで飛ばすことができる、空中を使った「オーバーヘッドキャスト」の基礎となります。

ロールキャスト・・・距離:5-10m

難易度・・・★★☆☆☆

水面キャストの一つ「ジャンプロールキャスト」

オーバーヘッドキャストよりもすぐに習得できて手返しもいいのが水面を使ったロールキャストです。水面へ降り出されたフライラインからフライまでの部分が水面へ張り付く摩擦力を利用してロッドを弓のように引き絞って反発力を作り出して、ロッドの反発力を使い自分の後ろに「D」の形になったループでロッドを曲げて、反発力を使って前方へ弾き飛ばします。

コンパクトな動きなので、自分の後ろに障害物があったり通行人が歩くようなスペースの余裕が無い場所でもキャストすることができます。また、これが遠くまで飛ばすことができる、水面を使った「スペイキャスト」の基礎となります。

より遠くを狙いたい時に覚えるキャスト

オーバーヘッドキャスト

水面を使わずに空中でフライラインを操作して行うキャストです。テンションがかかった状態のフライラインを後方へ加速して急停止、竿先からループを弾き飛ばしたらば、

テンションを維持したまま、ループが後方へ伸びていくのを待ってから、今度はロッドの先端を前方へ加速してそのループを平行線上の前方へ弾き飛ばしていきます。近く〜遠くを釣る目的に合わせて必要な長さのループを飛ばす必要がありますので、ループを前後に平行運動させながら必要な長さのフライラインを出していきます。

最後は狙った方向へ前方ループを飛ばしていきます。ドライフライを濡らさないようにしたり、水面へプレッシャーをかけないように釣りをしたい時には必須のキャストとなりますが、後方に安全かつ十分なスペースが必要となります。

ショートキャスト・・・距離: 5-10m

難易度・・・★★★☆☆

水面・オーバーヘッドに関わらず、フライロッドの先端からフライラインが出ている状態をそのまま水面へ着水させるキャストで、ピックアップ&レイダウンとほとんど同じです。コントロールが良いので狭い川や魚の密度が高いフィールドではショートキャストを多用します。

ミドルキャスト・・・距離:10-20m

難易度・・・★★★☆☆

フライラインがロッド先端から滑り出す勢いを使い、さらに遠くへフライラインを送り出します。川の流れの向こう側や対岸、湖や海岸で浅瀬へ入ってくる魚を狙うときに使います。

ロングキャスト・・・距離:20-30m

難易度・・・★★★★☆

ミドルキャストをさらにパワフルかつラインスピードを上げることで、前方へシュートします。本流の対岸を遠らうと時や湖や海で多用します。またボートの釣りでは魚がボートに気づく前にフライに反応させる必要があるので多用します。

ディスタンスキャスト・・・距離:30m以上

難易度・・・★★★★★

テクニックやパワーを駆使して、できる限り遠くへシュートします。本流の対岸や沖合にいる魚、長い間フライを引っ張り続ける必要がある時に使います。

ステップ4:プレゼンテーション

フライのキャスト&ターンオーバーが終わって着水したら、そのまま「プレゼンテーション」と呼ばれる、魚へフライをアピールして口を使わせるための行動へ移ります。ここからが本当の釣りとなり、魚の種類や行動に合わせて様々なプレゼンテーションがありますが、最初は「フォール」「ドリフト」「スイング」の3つの基本を覚えてください。

基本形①:フォール

ほとんどの魚は上から落ちてくる餌に誘われます。自然に落下・沈下させることをフォールと呼んで、もっとも手返しがいいプレゼンテーションになります。

重みのあるアトラクターフライを使う「フォール」のプレゼンテーション

沈めて使うニンフやウェットフライのように魚に気づかせてから自然に咥えさせるフライの場合は水中を沈めて誘います。ドライフライのように水面へ落ちる・漂う虫をイミテーションして釣る場合、魚の視界の内側にポトっと落とすこと自体が誘いになります。

基本形②:ドリフト

魚の視界の外へセットしたフライを流れを使って水面や水中を流してストライクを誘います。

渓流など流れのある場所でドライフライを流して釣る基本的なプレゼンテーション

基本形③:スイング

ウェットフライと呼ばれる水生昆虫やストリーマーと呼ばれる小魚などを真似たフライを使う場合、魚の視界に入ったら流れを利用してフライラインを扇状に引っ張り、水中のフライを泳がせて誘いをかけます。

ステップ5:ストライク&フックセット・・・魚をフックにひっかける

フライを水面で咥えて反転したトラウト

魚がフライを咥えることを「ストライク」と呼び、目で見て確認したり、ラインに異変が出るのを察知したり、「インジケーター」や「サイター」と呼ばれる目印の動きを見たり、ロッドに直接伝わってきた動きで判断します。

ストライクが確認できたらばすかさず魚の口にフライの針を引っ掛けるための「フックセット」を行います。針がかからないと「釣り」にならないので、とても大事なステップです。

フライを咥えてすぐに反転する魚は自ら針がかりしてくれますが、そうではない魚の場合は釣り人が自ら針をセットしないとなりません。反転する魚の場合、ロッドを動かしてラインの緩みをとってフックセットすることを「ロッドセット」もしくは「トラウトセット」と呼びます。そうでない場合は、ロッドを寝かせたまま、緩みのない状態のフライラインを引っ張って「ラインセット」します。

魚がしっかりと毛鉤を食い込んでからロッドに重みを乗せるようにフックセットすることを「乗せる」(遅アワセ)と呼び、自分の感覚を総動員して繊細なアタリをロッド操作で合せてフックセットすることを「掛ける」(速アワセ)と呼びます。魚の食い込み具合はコントロールできないことも多いので、最初は「乗せ」を練習してください。

ステップ6:ファイト&ランディング・・・暴れる魚をコントロールして取り込む

針がかりした魚は引っ張られる方向と逆方向へ逃げようとしたり、フックを口から外そうと口を大きく開けたりジャンプしたりして暴れます。これをロッドやリール、場合によっては自分の足も使い、魚に対して有利に「ファイト」して制して自分に寄せます。

ロッドのパワーに対して弱い魚を相手にする場合は、弾いてしまわないようにロッドの柔らかさを活用して丁寧にファイトして寄せます。

ロッドのパワーに対して強い魚を相手にする場合は、ロッドの弾力を利用して最も魚へ負荷をかけることができる「90度」の角度にロッドを構えて相手のヒットポイントを減らします。

最終的にファイトを制して魚を岸へ引き寄せて取り込むことを「ランディング」と呼びます。釣り人と魚の両方が安全にランディングできるように立ち回ることになります。「ランディングネット」と呼ばれるランディング専用のネットを使うと確実かつ魚にも優しくランディングすることができます。

魚を取り扱う時は魚体を傷つけないよう、シリコンラバーのネットを使うなど配慮して、絶対にアゴの機能やエラを傷つけないように注意を払います。

ステップ7:キャッチ&リリース・・・魚をチェックして元気に解き放つ

ハンドネットにランディングしたホンマスをリリースする前に記録撮影

魚のランディングが成功してちゃんと口の周りにフッキングしていれば「キャッチ」として認められます。

エラで呼吸する魚を水から出す事は、魚の生命を危険に晒すことになるので、ネットごと水中へつけたまま手短かに計測したり写真を撮ったり、魚が何を食べているのかなどの調査を済ましたらば、キープする必要が無ければ速やかに魚を水中へ戻し健康に泳ぎ出せるか確認しながら「リリース」します。丁寧にリリースすると同じ場所にいる他の魚を驚かさないので、釣り続けやすくなります。

この一連の行為を「キャッチ&リリース」と呼び、遊んでくれた魚や自然環境、自分以外の釣り人や野生動物のために魚を減らさないように扱うフライフィッシングのルールです。

しかし!せっかく美味しく育てた素晴らしい魚を食べないのも勿体無い!ニジマスのオリーブオイル香草焼きや、アマゴのお刺身などなど・・・。効率良くキルする方法と捌き方も、そのうち記事を書きますのでしばらくお待ちください。

ステップアップするためのフィールド

フライフィッシングを始める方が全員トラウトが釣れるフィールドに近いわけではありませんので、「無理なく通える」ことがとても大事です。

トラウトカントリーに住んでいる場合

冷水の川や湖がある山岳地帯や北国はトラウトカントリーとなっています。その中には、管理釣り場、C&R区間、漁協管理河川、漁協が存在しない自然河川まで、あらゆるトラウト向けフィールドが待っています。

都市部に住んでいる場合

大都会に住んでいる場合、管理釣り場への移動でさえ1時間は見ておくことになりますが、各種フィールドが揃っている場合もあります。

都市河川にも生息しているコイ科の魚やブラックバス・ブルーギルも練習相手になります。ブルーギルは特にフライへの反応が良く、練習相手としても面白いターゲットです(リリースについてはお住まいの都道府県の規則に従ってください)。

沿岸部に住んでいる場合

トラウトもバスギルやコイ科の魚も身近に居ない場合は、漁港で手軽に狙える海の小物がフライへの反応が非常に良いのでオススメです。特にアジの仲間やメバル・ハタなどのロックフィッシュはトラウト用のタックルがそのまま使えます。

難しいな・・・と感じたら

よく釣れるフライを、プレッシャーがかかっていない魚の前に落として、フォール・ドリフト・スイングどれかすれば食ってくれる。
ただそれだけのフライフィッシングですが、相手は変化し続ける自然の中の生き物。自分の思い通りになる時ばかりではありません。
条件が悪い中では魚が居ない場所を選んでしまって自分のリサーチ不足を悔やんだり、風が強かったりプレッシャーがかかった魚を相手にする時には、あと少しのスキルが足りないことを痛感することもあるでしょう。

また、フライフィッシングの7つのステップは頭で覚えていても、実際のフィールドでやってみなければわからないことが多いと思います。これはフライフィッシングを何年もやってきたベテランでも、全く違う魚を相手にしたり、使ったことのないシステムを使うときには勝手が違ってしまうので、その釣りに関しては初心者であることと同じです。

なので、どんな経験を積んだベテランも、特技に長けたエキスパートも、お客さんをガイドするプロでさえも、「初めて」はみんな初心者! TFFCCメンバーの「初体験❤️」のエピソードを読めば、みんな難しいことに突き当たっても一人で悩まず解決できると気づくと思います。

様々なフライフィッシングのスタイルとフィールド

フライフィッシングは様々なスタイルが楽しめます。釣るだけではなく、山と一体化する源流、1mを超える魚たちとロッドを根本まで曲げて戦うオフショア(沖合)など、面白い世界が待っています。一回覚えてしまえば応用が効きやすいので、一生物です。

まとめと続き

フライフィッシングでは必ずしも一度に全てのステップが上手になる必要はなくて、その場所その時のフライフィッシングが楽しめることが大事です!
初心者の状態から、「あ、この釣り方を気に入ったから続けていきたい」と思って自分専用のフライタックルを買って手にするようになれば、すでに初級者へステップアップ!早い人だと1〜2年程度で一人でも十分に釣れる中級者へ進みます。

この先の道は長く楽しい世界が待っています。「自然環境」を理解することで、より精度の高い「フライタイング」が可能となり。巻いたフライをどんな状況でも「フライキャスティング」できることで、「フライフィッシング」の精度が高まり、より多様・多数の魚との出会いが生まれます。機会があれば、TFFCCのメンバーとフィールドでご一緒しましょう!