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スカジットヘッドを様々なシチュエーション別に使う – RIO、OPST、AirFlo

2024/02/02commando head,OPST,コマンドヘッド,シングルハンド スカジットライン,シングルハンドスペイ,スカジット,フライフィッシング,フライライン,マイクロスカジット,本流,止水

TFFCCメンバー向けの備忘録を兼ねて、ここまで試したスカジットヘッドのシステムで行った釣りの実績を目的・カテゴリー別に一覧にまとめました。

スカジットヘッドの設計上、完全にナーバスな状態のマッチザハッチや超・浅瀬のサイトフィッシングにこそ使えませんが、待ち伏せ型のマッチザハッチや釣り上がり、止水も本流スイング、湖・ソルトも使い方次第です。

  • カテゴリーA: マイクロスカジット・シングルハンド低番手
  • カテゴリーB: ショートスペイ、シングルハンド中番手
  • カテゴリーC: スペイ、シングルハンド中番手
  • カテゴリーD: スペイ、シングルハンド高番手

2023年の釣りの内容を反映して更新しました

A. マイクロスカジット・マイクロスペイ・シングルハンド低番手

対象魚サイズ:20-40cmクラス
ロッド:シングルハンド8-9フィートおよびスイッチハンド9-10フィート台
スカジットヘッド番手: 180GR以下

10フィート4番(スペイ換算1-2番)マイクロスカジットでバックスペースの無い場所でライズ攻略 – 中禅寺湖

普通のシングルハンドロッドまたは低番手のシングルハンドやシングルハンドと同じ番手で指定されているスイッチハンド(True Switch)ロッドを使う、最もフィネスな釣りができるカテゴリーです。オーバーヘッドキャストとスペイキャストの割合が50:50の状況で使い分けができるので、ドライフライやニンフの釣り、ウェットフライの釣りまで対応できますが、フローティングラインとインタミ向けのセットアップとなりますのでストリーマーは限定的となります。

番手・ロッド長スカジットヘッドティップ使用シーン使用フライ
マイクロスカジット4番(スイッチハンド2番相当)10フィートOPST
Commando Head
175GR
F
ポリリーダー: フロート、ホバー、インタミ本流・渓流:ヤマメ、エゾイワナ、サクラマス、ニジマス、オショロコマ

湖:ニジマス、ブルックトラウト、ホンマス、ブラウントラウト

本流:スモールマウスバス
池:ラージマウスバス、ブルーギル

釣り上がりドライフライ
ミッジ、ソフトハックル

ガーグラー、フォーム・グラスホッパーなどの不沈バス・テレストリアルフライ
OPST
Commando Head
150GR
F
ポリリーダー:フロート、ホバー、インタミ本流・渓流:ニジマス、ヤマメ、エゾイワナ、シートラウト、オショロコマ、ニッコウイワナニンフ、ドロッパーウェット

釣り上がりドライフライ、ソフトハックル
マイクロスカジット4番(スイッチハンド2番相当)9フィートOPST
Commando Head
175GR
F
フロートティップ

スカリグ
本流:ニジマス水面下で完結するイマージャー
ニンフ
AirFlo Skaigt Scout 175GR Fポリリーダー本流:ニジマス、イワナ、ヤマメ
池:ブルーギル
ソフトハックル、アトラクターニンフ
シングルハンド3/4番8フィート9インチOPST
Commando Head
150GR
F
ポリリーダー湖:ニジマス、サクラマス、ホンマス、アマゴ、ブルックトラウト、ブラウントラウト

湖や川のラージマウスバス、スモールマウスバス、ブルーギル
大型〜小型までドライフライ全般

ソフトハックル、ウェットフライ全般

インジケーター・ニンフ

B. トラウトスペイ(ショートスペイ)とシングルハンド中番手

対象魚:30-70cmクラス
ロッド: シングルハンド 9-10フィート台、ツーハンド 11フィート台
スカジットヘッド番手: 175-250GR

11フィート台3番のショートスペイならばスレた里川本流でも丁寧なゲームができる – 黄瀬川冬季C&R

最も汎用性が広いカテゴリーで、本流のニジマスから湖水・ソルトのライトゲームまで使えます。ツーハンドの場合は水面を叩くラインのインパクトを減らせるのと、スペイよりも繊細なプレゼンテーションが行えるので、ドリフト・ターン・スイングの釣りの割合で言えば、主にドリフトとターンの釣りが多いフィールドで出番が多いタックルとなります。

特にシングルハンドの場合は狭い川や頭上が木々で覆われている湖岸など、コンパクトさが必須となる場面や、カヤックやドリフトボートなど余計な動きができない窮屈な空間でも釣りをしやすくしてくれるのが大きなメリットとなります。

番手・ロッド長スカジットヘッドティップ使用シーン使用フライ
シングルハンド6番9フィートOPST
Commando Head
225GR
F
ポリリーダー

フロートティップ

シンクティップ:インター、S2
本流:ニジマス、アメマス、サクラマス
湿原カヤック:イトウ

湖:ブラウントラウト、レイクトラウト

海岸:スズキ、ヒラスズキ、ギンガメアジ、ナンヨウチヌ

川:スモールマウスバス

池:ラージマウスバス、チャネルキャットフィッシュ、ストライプドバス、コロソマ

マングローブ河川:フエフキダイやチヌ
モンカゲ、フローティングワカサギ 、セミなどの大型ドライフライ

ウェットフライ全般、サスペンドワカサギ 、NZリグ

チャーリーやゾンカーなどの小型ストリーマー

イントルーダー

インジケーターを付けた中型クラブフライ

ジグフライ
ツーハンド3番
11フィート11インチ
OPST
Commando Head
175GR
F
ポリリーダー本流:ニジマスクイルウイングのウェットフライ、ソフトハックル
ツーハンド4番11フィートOPST
Commando Head
225GR
F
フロートティップ

シンクティップ:インター
湖と渓流ニジマス(ハコスチ)

池:ブルーギル
フォームビートルなどの中型ドライフライ

トレーラーリグ

C. スペイ(旧ライトスペイ)とシングルハンド中番手

対象魚:40-70cmクラス
ロッド: シングルハンド 9-10フィート台、ツーハンド 12フィート台
番手目安: 300-400GR

日本の本流フィールドではベストマッチの12フィート6番

今時の日本の「スペイ」はこの番手が多くなっています。このあたりの番手から大きめのフライリールを使うことも可能なので、より大きな(ニジマス→小型のサーモン)ターゲットに使うこともできます。大きめの本流や湖を釣る場合はこの番手以上が便利です。

シングルハンドはカテゴリーBの汎用性から、さらに沈めたい場合や大きなフライを使う際にラインウェイトを上げるために使います。

番手・ロッド長スカジットヘッドティップ使用シーン使用フライ
ツーハンド6番12フィート6インチOPST
Commando Head
325GR
F
フロートティップ

インタミティップ

シンクティップ:インター、S2、S3、S4、T-14
本流:ニジマス、サクラマス・ヤマメ、アメマス・エゾイワナ、ブラウントラウト・シートラウト、エゾウグイ

湖:レイクトラウト 、ブラウントラウト、ホンマス、ニジマス

汽水河川:スズキ、マルタウグイ
河口・港:ヒラスズキ
エルクヘアカディスやCDCソラックスダンなどのドライフライ

ソフトハックル、ウェットフライ、ストリーマー

スイングリーチ、ゾンかー
River Peak Skagit Head 300GRキャロジット:S5、ファールドリーダー、キャロライナリグ湖:レイクトラウト、ブラウントラウト、ニジマス、ウグイキールマドラーミノー
シングルハンド8番9フィートOPST
Commando Head
325GR
F
ポリリーダーとロングティペット

フロートティップ

シンクティップ:インター
本流:ニジマス
湿原カヤック:イトウ
湖:ニジマス、レイクトラウト 、ブラウントラウト、ラージマウスバス
モンカゲ、フローティングワカサギ などの大型ドライフライ

フロッグフライやダールバーグダイバーなどの大型ドライフライ

スイングリーチ、イントルーダー

D. フルスペイとスイッチハンド、シングルハンド高番手

対象魚:50-80cmサイズ
ロッド: スイッチハンド 9-10フィート台、ツーハンド 13-15フィート台
番手目安: 450-550GR

重たく大きいコーンヘッド

本来はスティールヘッドやサーモンを狙う番手の中でも軽い方の番手ですが、ファーストシンキングのラインや大型で重たいストリーマーを使っても無理のないカテゴリーです。日本国内ではカテゴリーCで間に合ってしまうことが多いので、初めから大きな魚を相手にするとわかっている釣りの場合か、ヘビーなラインシステムを使う場合に限定しています。

番手・ロッド長スカジットヘッドティップ使用シーン使用フライ
ツーハンド8/9番13フィート8インチOPST
Commando Head
450GR
F
インタミティップ

シンクティップ
ニジマス、ヤマメ、ブラウントラウト、アメマス・エゾイワナ、レイクトラウトソフトハックル、ウェットフライ、ストリーマー

スイングリーチ、イントルーダー
RIO
InTouch Skagit Max Game Changer
F/H/I/S3
シンクティップ※未定※未定
スイッチハンド9/10番 9フィート9インチOPST
Commando Head
450GR
F
シンクティップ本流:シーバスコーンヘッド・ストリーマー
RIO
Skagit Max
550GR
F
ポリリーダー湾内ボート:シーバスビッグ・エンリコミノー、ワビットゾンカー
シングルハンド10番9フィートOPST
Commando Head
450GR
F
ビッグゲームのリーダーシステム湾内ボート:アカメEPバルクヘッドなどの超・大型ストリーマー

Commando Headは30LBコア

FMLへ確認してCommando Headは「30LBコア」で作られていることが確認できていますので、ティップやライン間の結束強度さえ気をつければ、トラウトやバスはもちろん、サーモンやソルトの釣りにも使えます。コアが強いからこそのアグレッシブなヘッドとも言えます。

どうやって様々な釣りへ対応させるか?

このアグレッシブさをどうコントロールするかは、ティップやリーダーの工夫次第です。ギリギリのターンオーバー性能を残してリーダー全長を伸ばして繊細な釣りへ対応させたり、最大限のターンオーバー性能を重たいフライや空気抵抗の強い大型ドライフライやリグに対応させる、と言うのがスカジットの最大のメリットだと思います。バックスペースが限られている場所である程度の釣りを成立させるためには必須なシステムです。

スカジットボディとティップのガイドライン

一般的な目安ですが、フライの重量に対して2-3倍の質量のティップ、ティップ以下の質量に対して2.5-3倍の質量のスカジットボディが必要になります。

まず1本買うならどれ?

最も汎用性が高くて絶対に欲しいのは、カテゴリーCのツーハンド6番とシングルハンド8番で兼用できる300-325GR (300GRも可)です。大きいフライを満足な距離投げたり、シンクティップを投げるのもこのくらいのウェイトがあると非常に楽です。本流や湖のトラウトフィッシングだけでなく、バスフィッシングやソルトの釣りにも便利です。

次にカテゴリーBのシングルハンド6番とショートスペイ・スイッチロッド4番で多用できる200-225GR。淡水海水を問わず、応用力が高い番手なので必然的にスカジットヘッドの出番も増えますが、ラインが軽いのでフルサイズのイントルーダーのような重量が大きいフライやフロッグフライのような空気抵抗が強いフライなどはあまり効果的に使いづらく、エクストラファーストシンキングのティップも苦手なので代わりにポリリーダーを使うことになります。

最後に繊細な釣りにも使えるカテゴリーAの150-175GR。シングルハンド3番または4番ロッドやマイクロスカジットロッドにべストマッチしますが、水面へのラインインパクトがスカジットとしては最小で、実際に湖のホンマスやニジマス、ブルックトラウトのライズの釣りで大活躍して、川でも繊細なライズをウェットはもちろんドライフライやイマージャーでも釣りやすいセットアップです。ソルトで使うウェイト入りのクラブフライもジグフライ程度のサイズのものやチヌ針2番サイズに巻いた小さいものはターンオーバー可能です。ポリリーダーやテーパーリーダーを使うことがメインになりますので、風の影響は覚悟して使う場面を想定してください。

まとめと続き

スイッチハンドやツーハンドにおいてスカジットのシステムは、ドロッパーやトレーラーを使ったり、イントルーダーやソルトストリーマーの釣りには必須だと思います。魚が上ずっている時の引っ張りの釣りやライズ狙いにも使えるので、自分の持っているタックルに合わせて買って損はしない1本だと思います。

個人的にはバックスペースが無かったり、シングルハンドを使った窮屈な場所での釣りには最強のシステムとして使っています。障害物が多いフィールドのトラウトやバスには最適のシステムだと思います。

特にキャスト位置が水面から近いカヤックやカヌーからの釣りで実験してみて、非常に手返し良くトラブルも少なく使えるシステムなので、湿原河川はもちろんマングローブ河川やバスフィッシングでも非常に便利ですが、ラインコントロールの性能はフルラインと比べると落ちるので、使うシーンには考慮が必要です。

また新しい発見があれば加筆しますので今後もよろしくお願い申し上げます。