今日のギルバーグ:東京のど真ん中ギルバーグとスカジットでカバー撃ち
TFFCCメンバー夏の釣行レポートです。
過去に英語版で書いておいた「大都会ニューヨークをシンプルフライフィッシングで釣る」記事の日本語補足版を書きながら、都会生活している人でも地下鉄でパッとフライフィッシングできる環境を思い返し、「同じことって東京だとどうなるんだろう?」という疑問が浮かんだこと、曲がりなりにも「東京」の看板を背負っているのだから、東京を離れたフィールドばかりでなく、自分のローカルゾーンの渋谷区を中心にした場合の可能性の再発見をしようということになりました。
ギルバーグとは?
これと並行して、本州に住む人間が最も気負いせず空いた時間にパッとフライで楽しめる対象魚はなんだろう?という話をデルタフォース隊長(デルタシューティングヘッドを愛用していた仲間たちのこと)戸澤求さんと話していたら、「ブルーギルしかおらんやろ」ということになり、さらにカジュアルなファッションで楽しめる時間をなんて呼ぼうかと思い、鉄腕DASHが見たくなったので思い浮かんだのは、「楽しい仲間が集まれば僻地の源流や離島だろうが、街中だろうがコンビニ駐車場だろうが、そこが村だよな」という考え。
そこでブルーギルを釣る仲間の村=ブルーギルの村=ギルバーグとなりました。
ちなみにブルーギルを含むパンフィッシュの仲間たちはアメリカではNo.2の人気スポーツフィッシング対象魚です。ルアーで狙って釣るのは大変だし、わざわざギルのために餌を買うまでもないので、フライなら餌を取られないし経済的だしいいことづくめなのです。
東京ギルバーグ第一弾は赤坂見附
日本全国のギルバーグを釣る前に、まずは自分の地元からということで、第一弾として日本国の首都・東京の中でも天皇陛下がお住まいになられる皇居から最も近いフィールドということで、港区紀尾井町にある江戸城の堀がそのままエリアとなっている「弁慶橋フィッシングクラブ」へ行くことにしました。
お金を払ってレンタルボートしないと釣れないフィールドなので、ちょっと贅沢なギルバーグになりますが、ここはバスフィッシングをしながらギルバーグもできるので、シングルハンド・スカジット6番とテンカラロッドの装備を電車に乗っても恥ずかしくない程度のコンパクトさにまとめて出発します。
レンタル電動スクーター「LUUP」で渋谷→赤坂を走ってみる
コンパクトな装備にした理由の2つ目は、都内どこでも借りることができる電動スクーターや電動自転車を移動手段に使ってみたかったから。そこで用事を片付けてから、渋谷区の自宅近くからLUUPの電動スクーターをレンタルしてきました。
最高時速20km/hは、歩行者のそばや車がゆっくり走る渋谷の中心部では速く感じますが、246号の一部である青山通りを走る際はどんどん追い抜かれるため、めちゃくちゃ遅く感じます。
さらに東宮御所がコース上にあるため、警備の警察官も多いエリアですから、間違えて交通法規違反でもしたらどうしよう・・・。そんな心配をよそに、電動スクーターは快適で30分ほどで赤坂見附へ到着しました。
片道料金の方もバス・電車乗り継ぎよりはちょっと高いですが、タクシーへ乗ったり、車で行って駐車することを考えたら破格の650円!もし自前の電動自転車を所有していたら、もっと安く行けてしまうので、要検討です。
2時間制限でギルバーグ&バスフィッシング
ラグジュアリー感が漂う紀尾井町の一角にLUUPを返却して弁慶橋へ戻り、超・久々に受付開始。
じっくり時間をかけてフライフィッシングをするならば、何も大都会のど真ん中でやらないでもいいので、2時間だけやっていくことにします。ここを管理されている方達はとても優しく、ボートを出す準備ができるまで待ってからカウント開始してくれます。
熱中症にならないよう炭酸水をガブ飲みしてから、バスフィッシング用のシングルハンドスカジット6番とドライフライもジグニンフも使えるテンカラロッド3.6mを組んで出船です。
今日のギルバーグはテンカラタックル x ユーロニンフ
大都会の中のギルバーグを楽しむ場合に障害となるのが、「釣りOKだけどリール釣り禁止」の場所が多いこと。でもフライフィッシングの場合は安心してください。テンカラタックルで十分楽しめます。弁慶橋はフライフィッシングOKなのでテンカラロッドである必要はないのですが、これから公園の池を釣る前哨戦として使います。
ただし私の場合はドライフライやソフトハックルだけでなく、ジグニンフも多用するので、ショートライン・ニンフィングでも距離が稼げる3.6mのテンカラロッドにしました。
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ユーロニンフで駆けつけ3匹
2時間しか無い中で効率よくフライフィッシングを進めていくため、まずは先にギルバーグしてブルーギルを騒がせることでカバーに隠れるバスのやる気スイッチを入れさせてからカバー撃ちへ移行する作戦。
そして記念すべき東京ギルバーグの1匹目は・・・。
カバーの脇に浮いていた見えギル。ジグニンフをフォールさせたら寄ってきて警戒し、仕方ないのでわざと2回外してから近くまでスッと泳がせて誘ったらパクッとききたこちらの黄色っぽいギルちゃん。首都高速をバックに撮ればゴジラくらいの大きさに見えるかと思いましたが、どう撮っても小さいのは残念。でもテンカラロッドだとビンビンと手元にファイトを感じるので面白いです。
続けてちょっと遠くのカバーの隙間へジグニンフを落として一発で食ったこちらのギル子。
警戒心が強いギルの方がフライを咥えてからカバーへ戻ろうとハードファイトするので面白いです。
そんな感じでとりあえず駆けつけ3匹をジグニンフで達成。
ユスリカパターンでリミット12
このままだと北関東でやっているユーロニンフのギルフィッシングと変わらないので、トラウト用に巻いておいたユスリカパターンのソフトハックルにチェンジ。
こちらはキャスト練習も兼ねて、できる限り遠くのカバー穴へキャストしますが、面白いように釣れます!写真を撮ることも忘れてとりあえずリミット12達成!ギルを暴れさせていたらカバーからバスも顔を覗かせました。
慌てて1匹だけ写真を撮りましたが、この子が今日の最大サイズ。やはり小さい・・・。
シングルハンド・キャロジットでカバー撃ち
早々にギルバーグのリミットメイクして速やかにバスフィッシングへ切り替えます。試すのはスカジットのラインシステムだから安定して投げることができるキャロライナリグ、略してキャロジット。
色々と試してシングルハンド6番でも安全・手軽にできるようにするには、誘導式よりも固定式の方が使い勝手が良いことがわかったので、0.8gのタングステンドロップショットを使い、カバー撃ちに対応したプロトタイプのフライを使います。
シェードとカバーどちらを先にやるか考えて、あまりのウィードの多さにスカジットヘッドを置く場所に困ったので、カバー撃ちからスタート。ピッチングでショット先行でフライを、さっきギルバーグ中に顔を覗かせたバスが居るカバーの穴へ沈めていきます。
流石にこんな方法で反応なんか出ないだろうと思いきや、なんと3投目でフォール中に違和感を感じたと思ったら、そのままラインをググッと引き込むヒット!
フライを咥えた感触もはっきり伝わったので、バスフィッシングのためにギリギリまでライトなセッティングにしたのは大正解ですが、困ったのはフッキング。ほぼ反射的にロッドを大きく動かしたのですが、ショット・システムの重さでロッドが曲がってしまうだけでパワーがフライまで伝わらずフッキングせず。
それでもまだフライを離さないバス!続けてフライラインを強く引っ張ってラインセットを狙いますが、これでもフッキングせず外れてしまいました・・・。
シングルハンド・キャロジットでシェード撃ち
とりあえずカバー撃ちは有効にできることが確認できたので、キャロジットの練習を兼ねて岸際にできているシェードを狙います。ところが生い茂る枝の存在はフライラインを通せる隙間を大きく減らし、水面から枝までの隙間に回転するループだけでなくキャロライナ部分も入れないとなりません。
カバー撃ち用フライなので葉っぱや枝に全く引っかからないのはいいですが、狙った場所へ入らないので、あきらめて隙間が大きい場所に移動してポイントまで15m以内の位置を狙います。
すでに先行しているアングラーたちに打たれまくっているので反応が薄かったですが、ボトムストラクチャーをシンカーが探知しながら探ることでバスの居場所の目処をつけているので面白いです。
唯一モワッとしたショートバイトが出たのはストラクチャーと絡むこんな場所。
キャロジットの場合、ボトムに着底しているシンカーがあっても完全にスラックを取り除けないので、フッキングへ持ち込めるのはラインを持っていく強いストライクのみ。残念ながらここで制限時間オーバーとなりました。
ボートを戻してから軽く雑談してから再びLUUPをレンタルして渋谷へ戻ります。
まとめと続き
わずか2時間にギルバーグもキャロジットも詰め込みすぎましたが、公共交通機関でさっと行ける大都会の中にもギルバーグは成立することが確かめられたし、いきなりカバー撃ちでバスフィッシングができる世界が見えてきたのは大収穫!
ただしニューヨークや北関東と比較してしまうと魚のサイズが小さいことは、今後のポイント開拓でなんとかなるかを確かめないといけないと思います。次のギルバーグはニューヨークと同じ条件ということで都内の公園の池にしようと思います。
キャロジットについては、カバー撃ちの場合は横の動きは最小限で、むしろピンポイントで縦にスッと落とせる方がリアクションバイトが引き出せることが分かりました。そうなるとキャロライナリグよりも直リグのような縦の釣りの方が有利なので、プロトタイプのフライやシステムの改善は引き続き行います。
タックル情報
テンカラ・ユーロニンフタックル
- フライ: フレンチニンフ、ユスリカソフトハックル
- ティペット: シーガーエース 1.5号
- キャスティングライン: シーガーエース 3号
- ハンドロッド: Prox グランテンカラ 3.6m
シングルハンド6番キャロジットタックル
- フライ: カバー撃ち用プロトタイプいくつか
- ティペット: シーガー グランマックスFX 3号にタングステン ドロップショットでキャロライナリグ
- コントロールリーダー:自作ファールドリーダー
- シンクティップ:RIO T-14 3フィート自作ティップ
- スカジットヘッド: OPST Commando Head 225GR
- シューティングライン:Daiwa Max Gamma 10号
- フライリール: Hardy Ultradisc 7000
- フライロッド: R.L. Winston Boron II-MX