利根川本流2022 春の陣:中流エリア
TFFCCメンバーが4月の解禁から5月末日までの春期に行ってきた利根川本流・中流部の釣果レポートです。
「関東道」の最大河川である利根川は、日本3大河川の一つに数えられ、群馬県北部の三国山脈から流れ出て、千葉県と茨城県の境目にかかる最下流の銚子大橋で太平洋に注ぐ、総延長322km、流域面積は日本最大となっています。
利根川中流とは
坂東大橋がかかる群馬県伊勢崎市八斗島から、江戸川へ分水する関宿がある茨城県五霞町までが利根川中流とされていています。この中流エリアは利根川本流の「利根マス」、渡良瀬川から落ちてくる「渡瀬マス」、さらには分流の荒川へ落ちていった「荒マス」、江戸川へ落ちていった「江戸マス」たちが群れとなった後、遡上する時には最も冷たい水が流れる利根川本流を好んでやってくることが多いので、これらの群れの「ラン」をどう読んでゲームを成立させるかが狙い目のフィールドとなっています。
群馬県伊勢崎市の五料橋から埼玉県加須市の埼玉大橋までは東毛漁協が管理しています。
利根大堰下流エリア
北海道の大河川・十勝川の遡上魚が千代田堰堤で一旦溜まるのと同じ状況で、「関東道」の大河川・利根川のマスたちが一旦貯まる場所として有名なエリアです。
利根大堰の水量によって動きが左右されるのですが、水深が浅いので狙い目が短いのも特長。今回は「まだ残っているかな〜」くらいでTFFCCも参加。当たれば大きい魚が釣れるとは聞いて知っているのですが、全般的に浅い流れが多い場所なので、ドライフライとウェットフライを丁寧に使うためにマイクロスイッチでアタリを探していきます。
しかし鱒のライズは超・散発的にしか起こらず、ドライを丹念にドリフトしても、細かくスイングを刻んでもアタリは全くなしで時間だけ過ぎていきます。こればかりは魚が決めることなので「遡上、通り過ぎてしまったかも・・・」という予感がよぎります。それでも頑張って釣り続けてついにイブニング・・・。
唯一チャンスらしきものがあったのは、日が落ちてヤマメの小さな群れがライズしながら上流へ遡上していく一回だけ。フライに見向きもせず、終了してしまいました。
利根川中流・東毛漁協エリア
魚たちが中流エリアの上半分に移動していることを踏まえて、鱒夢店長の飯島さんとメンバーが前回と同じ方法でドライ&ウェットで狙いに行きました。
瀬の中にいる魚は散発的に餌を探している様子なのですが、ライズにまで至りません。そうこうしているとチャンピオン北林さん(コードネーム:「ヌシ」)が合流してきたので、2人でヒゲナガのイブニング・ハッチに合わせてスイングの釣りをしに行きます。
久々に使う6番に巻いたピーコッククイーンをティペットに通しながら、なんか違和感があったのですがそのまま続行。マイクロスイッチの得意技で細かく区切って流して、待望のストライク!
問答無用でリールからラインを引き出すパワーですが、最後に同じタックルを北海道のスイングの釣りで使った時は30-35cmサイズのニジマスだったので安心してファイトに入った途端、
プチっ・・・、え!?
そう、このタックルでドライフライの釣りをしていたままのティペットなので0.8号・・・。そんなに大きな魚じゃないだろうからと決めつけていたこともあって・・・。北林さんから「なーにやってんの、勿体無い!」とお叱りの言葉をいただいてしまいました。
朝セッション:カゲロウウェットを流し込むが・・・
別の日の早朝、脳裏に前回の惨劇が記憶されていたからでしょう、シーバス&アカメ用に新調したハイパワーのシューティングライン「Monic GSPシューティングライン」をツーハンド8/9番タックルに使ってみたかったこともあって、オーバータックルではありますが、ウェットフライをリード&ドロッパーにセットして大きな横スイング。
この時間はカディスはハッチしていないし、タックルが大き過ぎて狙いづらいので、とりあえず自分の下流にあるチャラ瀬もどきの方へ縦に送り込んでいきます。同じ要領で攻めていって、ランの最後でかすかなショートバイトが出ました。フライをサイズダウンして送り込んでいくと、ヒット!
半分キャス練でロングキャストしながら、かなり下流へ流し込んだ所でフライにヒットしてしまったので、流れの中へ逃げられると厄介だと思い、ロッドパワーをガッツリとかけて岸側にロッドを倒してファイトしようとした途端!手応えがふっとなくなりました。
回収すると針先に切れたくちびるがぶら下がってました・・・。ヤマメサイズだったようで、無理ファイトをすべきではありませんでした。
夕セッション:ヒゲナガウェットで定速スイングするが・・・
タックルはライト過ぎても、ヘビー過ぎてもいかん!(当たり前だ)
という反省を踏まえてイブニングは12フィート6番でマイクロスイッチ2番で失敗した同じポイントへGO。
マイクロスイッチのスカンジ180グレインと比べるとスカンジ400グレインと太い分、水流を受けたスイングが速すぎる嫌いはありますが、普段はこれでニジマスをスイングで釣っていますので、狙い通りの流し方でヒット!流れを下流へ走るかと思いきや、意外に素直に寄ってきます。でも暗くて足元がおぼつかず、久々のツーハンド本流でランディングネットに入れたくても寄ってきません。
浅瀬に引き込んでやろうとしたのが逆効果。正体はサクラ!ネットイン直前にローリングされてバラシ。
この後、日が落ちて水音だけを頼りにキャストしたら、着水後すぐにヒット!ラインを持ってからて身構えましたが、そのまますっこ抜けてしまいました・・・。
まさかの4連続バラシ・・・。ヤバイ!新たなる惨劇の始まりか!?
シーズンはどんどん進んで行くので、急いで中流エリアをリベンジするか、夏の上流エリアを頑張るか決めないとなりません。
ちなみに北林さんが釣ってきたサクラマス「利根マス」はこちら!さすが師匠はバラシたりしません!
うっすらとヤマメ模様が残る「戻りヤマメ」ですが、関東道が誇るメインターゲットです。
まとめ
と、相変わらずバラシ連発な様子でしたが、利根川本流のイメージはできましたでしょうか?
「関東道」の主要河川にもかかわらず、南関東のアングラーからは意外にスルーされている坂東太郎。思いの他、浅い場所がポイントとなるケースが多いのとフッキングが大事なので、メインはトラウトスペイ(12フィート台の6/7番相当)またはショートスペイ(11フィート台の3-5番相当)にしておいて、ドライフライも使えるマイクロスペイがあると幅広く釣れるのでベストタックルだと思います。
もちろんさらにヘビーな本来のスペイタックルを使うのも飛距離的にはアリだと思いますが、もっと下流でシーバスも視野に入れているなら良いですが、「釣る」という目的で考えるとオーバースペックだと思います。
夏場を迎えると上流エリアがメインとなっていきますが、ぜひ挑戦してみてください!
埼玉・本庄児玉のフライショップ「鱒夢」は利根川中流域フリークの集まる前線基地!情報も集まればベストタックルやフライのおすすめも揃います。まだスペイタックルに慣れていない方にはキャスティングレッスンや道具コンサルティングも実施中!宿泊先やおすすめのグルメなども教えていただけるので、ぜひ足を運んでみてください。
タックルデータ
マイクロスイッチ4番(他社マイクロスペイ・トラウトスペイ2番相当)
- 総重量:290g
- フライ:CDCソラックスダン#14、フェザントテール&パートリッジ#14、ピーコッククイーン#6
- ティペット:シーガーエース 0.8号→気づいて1.5号に・・・
- リーダー:AirFlo ポリリーダー Trout 10ft フローティング
- スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short SH 4/5F
- ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
- リール:Nautilus FW5 (165g、最大ドラグ0.75kg)
- ロッド:OPST Micro Skagit 10’0″ 4番 (125g)
ツーハンド6番
- 総重量:410g
- フライ:ピーコッククイーン#6
- ティペット:シーガーエース 2号
- リーダー:AirFlo ポリリーダー Salmon 10ft インターミディエイト
- スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short 6/7 F/H(ホバー)
- ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
- リール:Ross Evolution LTX (190g, 最大ドラグ2kg)
- ロッド:Beulah Platinum Spey 12’6″ 6番 (225g)
ツーハンド8/9番
- フライ:フェザントテール&パートリッジ#10
- ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン2号
- シンクティップ:自作クリアーインター10’
- スカジットヘッド:Commando Head 450GR
- ランニングライン:OPST レーザーライン 40lb
- フライリール: Hardy Ultralite MTX-S 7000
- フライロッド:Beulah G2 Platinum Spey 13’8″ 8/9番