中禅寺湖5月の陣

2020/11/25スカンジナビアン,スペイ,ニジマス,フライフィッシング,ブラウントラウト,ホンマス,マイクロスカジット,マッチザハッチ,レイクトラウト,中禅寺湖

5月に入って予定に余裕が生まれたので、一年ぶりの中禅寺湖を釣ってきました。今年はドロップオフ向こうの魚を狙うためのツーハンドロッド6番はそのままで、肩の調子も良くなったことで、シングルハンド3番でやっていたところを歴戦のシングルハンド6番(中禅寺湖は未経験)に置き換えることに。この変更が無意識のティペット強度変更となっていて後で裏目に出ることになるのですが、「投げられる」嬉しさでタックルの繊細さをどうするかについてはあまり考えませんでした。

今回のタックルはこれでスタート:

ツーハンド6番・・・スカンジ・フローティングでライズ取り、スカンジ・タイプ2/3でカウントダウン引っ張り
シングルハンド6番・・・スカジットでワカサギパターンのサイトフィッシング&ボイル打ち、ライズ取り

まずはレイクトラウトをサイトキャスティングで

連日ボートや岸から叩かれてナーバスになっているレイクトラウトたち。それでも岸寄りの浅瀬は餌が豊富なので人の気配が無い朝まずめに寄ってきます。しかし昨年は沖からミッジへのライズやナーバスウォーターを見せながら少しずつ岸へ寄ってきた魚たちが、ブラウントラウトのように波一つ立てず慎重に浅瀬へ入り込んで潜みながらワカサギを捕食している様子を見て勝手が違うと気づいたので、慌ててツーハンドを片付けてシングルハンドの近接戦に切り替えます。

すでに浅瀬に展開している魚を狙って、ワカサギフライを魚道へブラインドキャストしたり、浅瀬のボイル打ちを行います。朝一のブラウンが着水後すぐに出てくれましたが、フッキングにいたらず。別の場所で大らかなレイクが不意に寄ってきてすぐ目の前のところで「パクッ」と食べてくれましたが、少しのヘッドシェイクで抜けてしまいました。その他ブラウンも見に来ますが、見破られてUターン続出です。

カウントダウン&引っ張りレイク

水が少ないためにカケアガリからすぐ浅瀬で釣り人有利だった去年とは違い、じっくり浅瀬を泳いで餌を探せる今年はそう簡単には結果が出せない浅瀬のサイトフィッシング。諦めてツーハンドのカウントダウン&引っ張りに切り替えることに。フライはワカサギのサイズに合わせたダークな色のマラブーストリーマーです。

ここでも去年はカウントダウン60以内で十分に釣れたレイクがショートバイト続発。これはいかんとカウントダウン100-120で出るのは30cmサイズばかり。ポイントを休ませるために場所を変えながら、間を空けてもう一度同じスポットでカウントダウンを取るとサイズダウン。恐らく水中では上の方にいい魚が居て、彼らがスルーしたフライを下にいる魚が食べてくれているのだと思います。記録を取っていなかったのであやふやですが、ティペット1号だったところを2号、0.5号だったところを1号、6フィートのところを4フィートとかにしていたかもしれません。シンキングの釣りの場合は細さ=見えづらさということではなく、フライの自然な動きへ影響します。透明度が高い場所で目が効く魚達はフライとティペットが着水したところから自分のタナに落ちてくるまでしっかりと見ているものです。フライラインに引きずられて不自然な動きをしていると警戒してアタックしてきません。フォーリングのプレゼンテーションも気を使うべきポイントでした。

回遊魚のイマージャー

中禅寺湖で面白いのは、アメリカの大きい川のように、沖から少しずつイマージャーを食べに岸へ寄ってきた回遊魚の鼻先へフライを入れて釣る待ち伏せスタイルのイマージャーゲーム。なかなかライズをしない魚達にしびれを切らす頃、派手にトップで捕食する魚が岸から30mラインの内側に接近します。すかさずツーハンド&フローティングでソフトハックルを魚の進行方向へ打って、そーっとリトリーブすると派手なあたりと激しいファイト。慎重に寄せるとジャスト50cmの銀ピカ・成魚放流レインボーでした。尾びれはしっかりしていますが、胸ビレや腹ビレが体の大きさに対して小さいので見分けがつきます。18番フックは無残にもグニャグニャで危ない危ない・・・。

釣られてリリースされた個体で、口を怪我をしていました。最近、山側でも国道側でも口を怪我した魚をよく見かけます。ひどい時には口が裂けてしまっている魚まで・・・。中禅寺湖では自主ルールで「シングルフックのバーブレスオンリー」になっていたと思いますが、徹底してもらいたいものです。

同行した手塚さんはさすがベテラン。焦らずにシングルハンドで届く距離へ近付くまで待ってからドライフライで取ったライズの正体は、湖で年を重ねて大きくなったヒレピンのワイルドレインボー48cm!素晴らしいヒレの魚体です。レイクもブラウンもコンスタントに釣って行く手際の良さは、世界のトラウト釣り場を行脚しながら磨かれた腕の良さでもあります。

ブラウンのマッチザハッチ

さて私の方は釣行途中でツーハンドロッドのティップを折ってしまう事故が発生。他にシンキングラインをセットできるタックルを持ってきていなかったので、ツーハンドをシングルハンド6番に、シングルハンド6番を3番にメンバーチェンジです。ここで前から試してみたかった、山側の「サイトフィッシング縛り」に挑戦。ファジーなウェットフライは一切使わず、ハッチしている虫に合わせて狙っていきます。

シングルハンド3番・・・スカジットでモンカゲロウの各種パターンをマッチザハッチ

結果は惨敗・・・。様々なポイントや局面で、ハッチしているモンカゲロウとマッチしたドライフライやフローティングニンフを打ちますが、鼻先でUターンやモコるけど食べなかったり、ものすごい速さで出てフッキングが甘くてバラシなどばかりで終わってしまいました。魚は良く出るけど食わせられない・ちゃんとフッキングしない辛さはまるでプールでのマッチザハッチ状態。途中でティペットが太いことに気づいたりしたので、きちんとティペットの影が出ないように処理したりも怠っていたと思います。渓流を飛ばしてソルトでシーズンをスタートすると、こういうところが甘くなりがちです。

ここで普通なら「釣れない」でしょげたり、他の釣り方へ切り替えるのですが、こちらは伊達にプールのトラウトのマッチザハッチをやってきていません。22番や26番のフライでやっている釣りを10番サイズでできるだけ有難いわけです。それに釣れるまでフライタイングで付き合っていくプロセスが面白いので、次回のハッチへ備えてフライパターンとプレゼンテーションを組み直しです。

タックルデータ

ツーハンド6番

  • ティペット:シーガーエース フロロカーボン2号(8lbテスト相当)4フィート
  • ティップ/リーダー:Airflo Polyleader フローティング 10フィート
  • シューティングヘッド1:Rio Scandi (フローティングのスカンジ)
  • シューティングヘッド2: Scientific Anglers Atlantic Salmon 6/7 S2/S3 (シンキングのスカンジ)
  • シューティングライン: Ken Cube EX シューティングライン – ホバー 0.2
  • フライリール: Hardy Ultralite DD6000
  • フライロッド: Beulah Platinum Spey 12'6'' #6:12フィート6インチ 6番

シングルハンド6番

  • ティペット:シーガーエース フロロカーボン1号(8lbテスト相当)4フィート
  • ティップ/リーダー:Airflo Polyleader フローティング 10フィート
  • シューティングヘッド:OPST Commando Head 225グレイン
  • シューティングライン: Ken Cube EX シューティングライン – フローティング0.22(半分でカット)
  • フライリール: Tibor Light Backcountry CL
  • フライロッド: R.L. Winston Boron II-MX 906 - 9フィート6番

シングルハンド3番

  • ティペット:シーガーエース フロロカーボン1号(8lbテスト相当)4フィート
  • ティップ/リーダー:Airflo Polyleader フローティング 10フィート
  • シューティングヘッド:OPST Commando Head 150グレイン
  • シューティングライン: Ken Cube EX シューティングライン – フローティング0.22(半分でカット)
  • フライリール:Bauer Superlite M2
  • フライロッド:R.L. Winston LT 893-5 – 8フィート9インチ3番

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