大都会ニューヨークをテンカラで釣る! – シンプルなフライフィッシングの可能性-

2023/08/29

(2014年レポートの日本語版の追記版です)

今回は昔住んでいたニューヨークへの夫婦旅行の合間に、マンハッタンのど真ん中にあるセントラルパーク(実はライセンスがあれば釣りができます)をフライフィッシング&レベルライン・テンカラで釣ってみました。はたしてどのような結果になったでしょうか・・・。

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ニューヨークと東京のフライフィッシング事情を比べるとどう?

証券取引所を持つ経済の中心地でありつつ、大手メディアの本社が並ぶ臨海都市のニューヨークと東京の役割は非常に良く似ていますが、目の前の海にはストライプドバスが泳ぎ、シーバスが泳ぐ東京とその点でも似ています。さらには国際空港が整備されているところまでそっくりなので、ニューヨークはそこからカナダやアラスカ、フロリダやカリブ諸国へ行くことが容易で、東京は北海道や沖縄、ハワイや東南アジアへ行くことが容易です。

それらは旅行予算を組まないと実行できず日常的とはいえませんが、反対に近場はどうでしょう?

ニューヨークの場合は州が管理するプログラムにおいて、都市の公園の池や湖にも対象魚がちゃんとストックされており、このビデオで紹介しているセントラルパークのように、フライショップや自宅、職場から電車やバスで通える釣り場でフライフィッシングやテンカラでラージマウスやブルーギルを釣ることができます。東京の電車やバスで通える公園の池や都市河川にもいつの間にか放流されたブルーギルやラージ&スモールマウスバスがいますが、政府自治体から喜ばれているわけではない有志放流なので栄養状態が良い個体が少なく、またリールを使った釣りが禁止されている公園が多く、管理釣り場へ行くか、テンカラタックルを使う必要があります。

反面トラウトフィッシングにおいては、ニューヨークといえども、まともにトラウトが釣れるフィールドまでは車で2時間以上かかります。30〜60分程度で管理釣り場や放流河川がある東京よりも条件は決して良くありません。東京の場合はチートっぽいですが、「都内」から出ないでも奥多摩地域へ出向いたり、フェリーで伊豆諸島や小笠原諸島へ行くこともできます。

しかしニューヨークの場合、それらのエリア圏にはオービス本社やキャッツキル、アディロンダックといった大きなフィールドが存在したり、文化育成のための様々な団体も存在するので、世代間で引き継がれた文化が残るのはもちろん、現場からの情報発信がニューヨーク市内のオービスショップやフライショップ、またインターネットを通じてダイレクトにフライフィッシャーにも届きます。

チート要素としては、国際連合本部がニューヨークにあること、大西洋側のヨーロッパ諸国からのアクセスが良いことで、あらゆる地域のフライフィッシング愛好家が訪れる機会が多いことも特筆できます。

メディアやメーカー、現場のアングラーたちの情報発信がきちんと機能して、海外も含めたフライフィッシング愛好家たちや新しいフライフィッシャーを育成しながら19世紀から変わらずフライフィッシング文化を育んでいる点は、今の東京に欠けていることであり、今後のフライフィッシング・シーンのために重要な克服点だと思います。

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