冬季ニジマス釣り場に行ってみた:黄瀬川(狩野川支流)
さて、あれだけ「ソルト、ソルト」と狂ったようにソルト第一優先で釣っていた私ですが、去年の北海道で本流や渓流のニジマスをフライフィッシングで釣る中でアメリカ時代にニジマスを釣っていた時の楽しさを思い出しつつ、さらに超久しぶりに長野の犀川を釣りに行き、日本独自の美しい景観の中でウェットフライでマスを釣ることの魅力も思い出し、あっさりとリセットされてしまいました。
その釣り味が忘れられず、かといって真冬の北海道や長野の寒さになんか耐えられないので、温暖な静岡県なら良いだろうということでプロガイドの水野さんから「いいよ!」と聞いて行ってみたかった狩野川支流の黄瀬川へ設置されているC&R区間へ遊びに行ってきました。冬季だけ設置されている「冬季ニジマス釣り場」を利用するのは今回初めてです。
久しぶりに有給を取るために前の晩は追い込み仕事と残務を片付けつつ、入漁券をネットで購入したところで寝落ち・・・。ハット目が覚めて東京を出発したのは6時過ぎ。いつもは北方への遠距離運転なのでつい癖で「しまった!」と一瞬パニックになりますが、裾野であることを思い出し途中のSAで朝食を取ってから現場へ
この日の釣り場「黄瀬川冬季限定C&R特区」ですが、狩野川の富士山側の支流である黄瀬川の「五竜の滝」の下流700mくらいの流域に設置されています。滝のそば、橋のそば、最下流部の堰堤そばの3カ所から川へエントリーすることができます。前日が雨だったので水量もちょうど良いくらい。本流的な川幅と渓流的な筋に分かれていて、スイングの釣りもマッチザハッチの釣りも楽しめるフィールドになっています。
やはりやらかす・・・
前回の本流は犀川で二日連続でロッドを折るというやらかしぶり。今度こそは大丈夫なはずです!
まずは川へ入る装備を整えてから、タックルを選ぼうと思って支度していたら、何か足りません・・・。そう、いつもは濡れてしまうウェア類は全部プラバケツの中へ放り込んでいるのですが、漏水修理のためにウェーダーだけ年末に抜いてしまっていたのでした・・・。古いウェーダーは捨ててしまったので控えはなし。仕方なく速乾性ゼロのGUチノパンで気休め程度に厚手の靴下に履き替えて、泣く泣くウェーディングブーツに両足を突っ込みます・・・(涙)。
フライやタックルこそ忘れて来ませんでしたが(それもたまにやるけど)、なんと今回は寒中ウェットウェーディングでのアウェーゲームです。ま、昔は普通にやってたので気にしない気にしない。念のために腹と背中にホッカイロを一つずつ貼ってGO!
今回使うタックル・・・マイクロスカジットとスカンジショート
OPSTマイクロスカジットの10フィート4番に、スカンジショート(SA Atlantic SalmonショートF4/5)、ポリリーダー・インタミという、去年の夏の北海道で使ったまんまのタックルです。必要に応じてスカジットにシステム変更しようと思いましたが・・・北海道で波にウォレットごとさらわれてしまったシンクティップの製作が追いついていないので今回もスカンジのまま放置。
仕方なくいつも積んであるシングルハンド9フィート6番をスカジットで組んであるタックルへ、ツーハンド用のティップを入れたワレットから長ーい12フィートのインタミティップを取り出してセットします・・・。前向きに考えると、とても定速スイングさせやすいはずです。操作性は最悪だと思いますが、なんとかするのが人間じゃ!ちなみに北海道の阿寒川でいい思いをしたタックルです。
とりあえずシングルハンド・スカジット&イントルーダーで始める
できれば体を濡らしたくないのと、大きい魚が潜む場所から狙っていくために、橋の近くへエントリー。12フィートのインタミティップでもOPSTコマンドヘッド(スカジット)は余裕でターンオーバーしますが、さすが富士山の「裾野」を流れる本流、時々突風が吹いてきてシュートを跳ね返してきます。
ウォームアップをかねてアップクロスに投げて逆引きを繰り返しますが、無反応。12フィートもあるティップでは流れにつかまってしまうのでちょっと無理でした。ただのキャス練。
今度はクロスに投げてメンディングしながら沈めますが、12フィートのインタミは流れに押されて狙ったところをうまくスイングできません。これではシングルハンドのコンパクトさが全く生かせないので、8フィートの専用ティップを北海道で全損したのが悔やまれます。3m単位で小刻みにスイングできないと何のためにシングルハンドなのか分かりません。
大きくスイングに切り替え
あまり無理して魚がスレると本末転倒なので、ツーハンド持ちして「ショートスイッチロッド」的に使うやり方にチェンジ。ダウンクロス気味に投げてからスタックメンディングで沈めて、12フィートのティップの持ち味を活かした定速スイング。大きなプールを3回目にスイングさせたときに、濁った水の中から赤っぽい体色の魚が浮いてきてUターン。聞いていた通り、いいサイズで目測60cm。
北海道的なスポット攻撃
そのあとは沈黙したので、少し下流へ移動して北海道的なスポット釣り開始。狭いけど泡立つ酸素がたっぷりある場所の底に大きいニジマスが付いているケースを想定して、イントルーダー爆弾攻撃。縄張り意識を刺激してフライをアタックさせるのですが、濁りが入っているせいか反応なし。ひょっとするとそんなにアグレッシブなニジマスではなく、ちゃんと餌を食べさせるフライフィッシングした方がいい場所なのかもしれません。
長いコースじゃないので、釣り下っていたらあっという間に開きへ到着。念のためにイントルーダーを何回か流しましたが、アタックが一切ないので真面目にスイングする「餌ウェット」にチェンジします。
開きでスイング・イマージャー
ラインコントロールしやすいショートスカンジをセットしてあるOPSTスイッチハンド4番へチェンジ。自分的な定番の段取りを打っていきます。使うフライもフェザーウイングのウェット、ソフトハックルでいろいろ流しますが無反応・・・。最後は「謎肉バグ」をアウトリガーで流しこんで行ったら、やっとショートバイトが出ました。
魚の鼻先にフライを流してやっと反応が出るくらいなので、ほとんどハッチが無いようです。このまま流し続けるとせっかくスイングの釣りに来た意味がなくなるし、釣り下りすぎると他のアングラーに追いついてしまうので一回休憩。
じわじわと冷たい水が染みてきてますが、膝下程度のウェーディングであれば思ったよりは寒くありません。少しでも水温が高めでハッチしてそうな場所が空くのを待って、再開。魚が浮きづらいので、シングルハンド・スカジット&インタミティップへ戻します。
綺麗なスイングに苦戦
水温が高い浅瀬側のカケアガリに付いている魚を狙うには、流れの規模に対して長すぎるティップは使いづらく、ストリッピングして調整しないと程度よくスイングしてくれません。何回か流していくうちにこれも頭を切り替えて、対岸の護岸に付いている魚を大きな定速スイングで追わせる作戦にチェンジ。とはいえ、なかなか思い通りにスイングできずイライラが募ります。
シンプルな動きだけにスイングのクオリティが全てなので、着水させた形から全てが狙い通りじゃ無いと十分に追わせてからのX地点で「ガツン!」が出ません。
そんな中で快心のスイングが決まった瞬間、狙い通りにニジマスが「ガツン!」、歴戦のソルト用6番ロッドですからファイトも先手を取れますが、一回だけ意表をつかれてラインを引き出す下流へのラン。放流されたニジマスとしてはなかなか良いファイトです。弱らせてしまわないように流れの中を泳がせてからランディング。40cmサイズのアベレージでした。
1回でもランさせてしまうと酸欠気味になってしまう魚なので、手早く写真だけ撮ってから、流れのある場所まで連れて行ってリリース。
ちなみに定番の明るい時間で使う蛍光イエローのパートリッジ&UVでした。
寒さ限界でうたた寝・・・そして・・・
とりあえず狙い通りに1匹釣れたので、車へ戻ってリモート会議へ出席。それから釣り場へ戻るかどうか考えたら睡魔が襲ってきたので本格的な休憩タイムへ。暖房をつけて一気に車内を暖かくしてから火を消したらすかさず寝袋へ・・・。寝不足だったので爆睡してしまいました。
寝ている間に集中ハッチがあったようですが、渋い釣りに慣れているので朝の1匹で満足です。このあとはガイドの水野さんと合流して沼津のプロショップ「アマノフィッシング」でレアもの発掘タイム。前に欲しかったがまかつのフック「F21」を発見!残念ながら18番はなかったですが、16番をキャッチしてラッキーです。
スリップウイングのドライフライが美しく巻けるフックです。
その後&まとめ
寒中ウェットウェーディングのおかげで足が完全に冷えてしまい、体にストレスがかかったためか帰宅してからシックデーに・・・。丸一日かかって体調を戻しましたが、良い加減に無茶は止めようと思いました。
で、釣りが終わってしまうとシンクティップを触ることさえしないので、いまだに8フィートティップの製作は始めていないのでした・・・。こういう人は買った方が早いですね。
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