天空の野反湖でハコスチへフルキャスト・・・群馬県吾妻郡中之条町
ようやく東京の緊急事態宣言も解除となりましたが、今年も中禅寺湖は満了モード・・・。せっかく止水の釣りの改善のためのラインシステムを組んでいるのに実釣しないままではもったいないので、「どこか湖・・・」という想いがふつふつとしていたある日。お世話になっている埼玉県本庄にあるフライショップ「鱒夢」へ遊びに行った際に、店長から「野反湖良いですよ!」とのお言葉をいただき、いつか行ってみたいと思っていたフィールドなので、良い機会に行ってみることにしました。
お知らせ:鱒夢「野反湖大会」2022/7/10😀
前回の管理釣り場大会が好評だったので、今回も豪華景品をご用意して開催します!今回はなんと、当店からの景品以外に國ネット様から素敵なプレゼントがあるそうですよ!皆様の参加、お待ちしています。
2022年7月10日(日曜日)
野反湖展望台案内所 駐車場にて
6時〜7時受付開始
参加費 無料(釣り券代は別途お求めください)
受付後各自釣りをしてください。
時間は13時までとし、13時には展望台案内所の駐車場まで戻ってきていただければと思います。
計測方法ですが、完全自己申告制です。
メジャー等を用意して頂き、魚の写真と一緒にご提示ください。
13時に計測報告を行います。
表彰完了後は自由行動となります。
豪華賞品ご用意しております。(上位から順位取りになります)
事前受付も行っております(当日受付無しで早い時間に釣りスタートしたい方、受付が面倒な方)
ご参加お待ちしております。
田園風景を快走しながら前夜入り
これから2時間少しのドライブを控えているので、まずは都会の毒抜きと汗を洗い流すために大好きな温泉。「かんなの湯」は透き通った湯質に炭酸泉もあって私好みのバスタイムでした。
ここからはずっと下道で群馬県を北上して野反湖方面へ向かいます。途中はずっと田園風景なので窓を全開にして走ると耳に心地の良いカエルの鳴き声とふんわりと土の香り・・・。普段、都会の自粛生活に慣れた神経にはご馳走です!
一気に野反湖まで走ってしまおうかと思ったのですが、山道になるようなので安全のために手前の「道の駅 六合」で停泊していくことにしました。気温は15℃!野反湖のコンディションにも期待が持てます。
とりあえず北端の入江へGO!
朝起きてからどうも頭がスッキリせず、濃いめに入れたコーヒーを飲みつつ、目的地を24時間券売機のある管理事務所へセットして、一気に残りの18kmを走って、野反峠を超え湖の北端であるダムサイトへ到着。ここから眺めてみると、関東であることを忘れてしまいます・・・。水が落ちているとはいえ、貯水湖とは思えない人工物の無い美しさ・・・・。鏡のように静まり返った湖面と景色を眺めつつ、目はどこが良さげなポイントか血眼です!
キャンプ場の管理事務所にある券売機で日券を購入してから、Google Mapをじっと睨みますが、イワナ禁漁河川が流れ込む入江があって、その先は岬が伸びている地形。緩やかな南風が吹いていて、小さいライズも見えるのでそこで釣ることにします。
今回はドライフライのフライボックスを忘れてきてしまったこともありますが、そもそもウェットで勝負したかったので、ライズ取りのための小型ウェットのマッチザハッチ用にOPSTのマイクロスイッチ4番(他社スイッチロッド2番相当)にアトランショートFをセットしたもの(去年の北海道からそのまま放置)と岸から30m圏内を回遊するであろうハコスチを水面下のスローな引っ張りで狙うためのBeulahツーハンド6番に今年新発売のアトランショートF/H(ホバー)をセットしたものを組んで水辺へ降りて行きます。
ところが湖岸が見える場所に来てみると、入江の中にはアングラーだらけ!駐車場から近いこともあって、当然ですが入江の岸では小さいライズが散発していることもあり、風下でもあるので餌が豊富なようです。湖の周囲にある散策路から、笹藪の中にできた枯れた沢筋を降りて湖岸に出てからは、がれ場の岸を転がり落ちないように注意しながら、ゆっくりとストーキング&偏光グラスで水中チェック。
ライズの正体
いるいる!ユスリカを捕食しているのは、5cm - 10cmくらいの稚魚ニジと豆イワナたち。スイッチハンド4番に結んだ14番のユスリカ・ソフトハックルを健気に突きにきますが、とてもフッキングするレベルではありません。透き通った水底を見ていると、時々20-30cmサイズの放流ニジマスが底の方をクルージングしてきますが、一切捕食している様子はありません。18番のユスリカ・ソフトハックルまでサイズダウンしましたが、全く無視。
そんなことをしていると、時々「ポコン!」という音を立てて元気よく水面ライズしている魚もいます。おおよそ想像はついていましたが、プライドを捨てて結んだ22番の豆ソフトハックルにヒットしたのは!!お腹が膨れたウグイさんでした・・・・。ネットに入れる前にオートリリース。
岬で打つ!
そもそもドライフライを持っていないのではありますが、とても水面でニジマスが釣れそうな気配がしません。木端フィッシュと戯れるのは程々にして、入江から突き出した岬へ行ってみると、とてもウェーディングしやすい緩やかな傾斜の岸になっています。誰がどう見ても「思いっきりロングキャストしなさい」というポイントですが、水面直下を狙う以上、キャス練すると魚が散るのでグッと我慢して湖面が風で少し乱れるタイミングを待ちます。
ようやく細波が立ち始めたので、キャスト開始。水中へラインが沈んでみると、微弱ながら南から北のダムサイトへ向かって湖流があります。ウェーディングしながら入江側と湖本体側で水温を測ると、入江側が16℃に対して本体が13℃。この2つの流れの交わる場所に魚が回ってくると期待して、タッチ&ゴーで丁寧にキャストしつつ、右から左へ緩やかに流しながら水面下を手前から徐々に飛距離を出しつつカウント10-30くらいで探っていきます。
ブラインドフィッシングが苦手な私の集中力は早くも10投目を過ぎた頃から無くなってきて、馬鹿丁寧にタッチ&ゴーなんてしてられなくなり、ペリーポークで遠投開始!綺麗に30mキャストでターンオーバーしてカウント初めてすぐに「モゾモゾ」としたアタリが出ます。沖目を狙う作戦は間違ってなかったようです。
しかし続けて次のキャストはポリリーダーが水面を強く叩いてしまって、再び沈黙・・・。深く反省しつつ、湖の地形をGoogle Mapで再チェックしながら10分ほどポイントを休ませます。
ようやく念願のヒット!
今度はワイドループ気味に丁寧に着水させられるよう、Dループが大きめにできるように深めのタッチ&ゴーでシュートしてから、フライまで一直線にターンオーバーさせます。ラッキーな事に追い風が吹いてきて、綺麗なループは30m以上先までぶっ飛んで綺麗に着水。ラインの緩み分だけストリッピングで取り除きながらカウント15させてからショートピッチでの引っ張り開始です。
来ない・・・、モゾモゾ・・・、あれ・・・。前アタリは出ますがガツンと来ません。
もういちど同じディスタンスキャストでフライを置きに行ってから、カウント20まで待ってから引っ張り開始。
あれ・・・?反応がありません・・・。どうしよう・・・。
いちど動きを止めて追加カウント10で沈め直してから、大きめのストロークで引っ張っているとあっという間にシューティングヘッドがロッドティップのすぐ前まで・・・ピックアップして投げなおそうと思ったその瞬間です「ガゴン!」という岩でも引っ掛けたような硬い手応えがあって、ロッドが強制的に寝かされ、すごい力でラインが引き込まれます!これは話に聞いている「ハコスチ」こと箱島スチールヘッドに違いありません!!
手元のラインがあまりまくっている状態なので、とりあえずハンドラインで様子を見つつ、念のためにテンションを手でグッとかけて確実にフッキングさせるか、竿を横に寝かせて弾力を使ってフッキングさせるか、さっさと巻き取ってリールファイトするか・・・判断しようとした最中・・・魚はポロッと外れてしまいました・・・涙。
「ンハァ!!!!」思わず大声が出てしまい、水中に膝をついてガックリしてしまいました・・・。入江の対岸のアングラーが心配そうな顔でこちらを見ていますがお構いなし・・・。だって明らかに貴重なヒットだったのです・・・。3分くらい膝立ちで呆然としてしまってから、戒めのために一枚パチリ。
ちなみにフライはこれ。
この後もしつこく回遊してくるハコスチやニジマスを待ち続けましたが、生命反応が無いままキャストを繰り返していると、後発組のフライフィッシャーの方がポイントへ入りたそうなので場所を譲って昼寝しに行くことにしました。
場所を譲る時は情報交換のチャンスでもあるので、お話をお聞きするとかなり通っている方のようで、「こないだまでは良かったんだけどね〜、大雨が降ってから水温が下がって渋くなったみたい。昨日は全く釣れてなかったみたい。」とのことでした。ちなみに私が目立てたポイントはやはり超一級ポイントのようですが、風下だったこともあるので、昼寝の後は正反対の場所をやってみることにします。
昼寝後に楽園の景色の南端へ
この日は朝からどうも頭がスッキリせず、30分だけ昼寝してから起きたら、改善するどころか少し頭痛がしてきました。一瞬「あれ、まさか高山病かな?」という考えが頭をよぎりますが、目の前の天空の湖の美しい景色にそんな心配は吹っ飛んでしまいます。
たくさんの枝沢からの流れは湿地を形成しているので、レンゲツツジや水芭蕉が咲き誇っています。
もちろん、標高1,500m以上の湖ですから美しいヤマユリも目を楽しませてくれます。
湖の南端へ移動してポイントを探している最中にも目に飛び込んでくるのはレンゲツツジが咲き乱れるパラダイス!「天空の湖」とは良くぞ言ったものです。家族も連れてきてあげようと思いました。
駐車場から長い階段を下って湖岸へ出ると、息を飲むような素晴らしい景観!こんな景色の中でウェーディングしながらフライフィッシングできるだけでもハッピーになれます。日が沈む前のイブニングなんて、きっと絶景でしょう!
フィールド的には南端は緩やかな岸が続く、餌を探しにやってくるトラウトの回遊待ちのポイントのようでした。しかし、全くハッチが見当たらない中でアタリが無いままキャス練していると、南から真っ黒な雲が拡がってきたので太陽が残っている間にちゃんと撮影しようという事で、カメラを取りに車へ戻ります。
なんと高山病!
車へ戻ってカメラを探していると、朝からの頭痛がひどくなっていているだけでなく、下を向いていると吐き気までしてきました。あれ・・・これはひょっとして・・・。そう、超・久しぶりの「山酔い」になってしまっています・・・。事前にチェックした野反湖の標高は1,500m少しなので油断していましたが、後で確認したところ、泊まっていた「道の駅・六合」が標高700mほど、野反湖に入る峠が標高1,600mほどなので、30分も経たない間に900mインクラインしていました。
それ自体もありますが、今回は高度慣れのための時間や十分な水分を取っていなかった事、仕事疲れで首肩がコリコリになっていた血行の悪さ、そして何より普段からのマスク生活で呼吸が浅くなっている中で、昼寝なんかしてしまったことが重なって軽い高山病になってしまったようでした。標高1,500mでもなるときにはなるんですね・・・。
山登りの時は念のためにバファリンを携行するのですが、今回はロキソニンがあったので早速飲んで様子を見ますが15分経っても頭痛と吐き気は強くなるばかりで目眩までしてきました。ちゃんと運転して帰らないと予定が狂うので、泣く泣く下山することにしました。
「道の駅 八ツ場ふるさと館」まで降りてきたら標高は550mくらい。最後は下痢までしてきたので、下山して正解でした。念のために水分補給してから横になると、ズキズキする頭も落ち着いてきました。2時間くらい休んで八ッ場ダムを航行?走行?するダックツアーの水陸両用車をボーッと眺めたり、東吾妻の山風景を横目で見つつ帰京となりました。
まとめ
非常に透明度の高い湖でプレッシャーがかかりやすい環境ですが、逆手に取ればちゃんとフライだけが魚が見えている状態で誘えば浮いてくる確率も高いと思いました。よってスピーディーな釣りよりも、一回一回をスローにフライをアピールするプレゼンテーションが大事になるフィールドだと思います。
したがってマッチザハッチ用にマイクロスイッチ4番(他社2番相当)をフローティングライン、引っ張り用にツーハンド6番をホバーのコンビネーションはベストマッチだと思いますが、ツーハンド6番でもラインプレッシャーがかかることが分かったの以上、可能であればライトライン化するために投入準備を進めているスイッチハンド4番に切り替えていこうと思いました。
SAアトランショートのF/Hのインプレですが、まるでボートからフルインタミ(S1.5じゃなくてI)で釣っている感覚に近いスローな引っ張りが出来た実感です。飛距離も素晴らしく、ターンオーバーさせて着水させた時も静か。引っ張り中のアタリ感知に鈍い私でさえ前アタリが取れたので、これで番手を下げてライトラインすれば繊細な釣りも出来ると思います。
高山病対策は体調管理しかありませんが、インクラインが大きい場所への移動時は途中で休憩を入れて進むようにしようと思います。
タックルデータ
マイクロスイッチ4番(他社マイクロスペイ・トラウトスペイ2番相当)
- 総重量:290g
- ロッド:OPST Micro Skagit 10’0" 4番 (125g)
- リール:Nautilus FW5 (165g、最大ドラグ0.75kg)
- ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
- スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short SH 4/5F
- リーダー:AirFlo ポリリーダー Trout 10ft フローティング
- ティペット:シーガーエース 1号
ツーハンド6番
- 総重量:410g
- ロッド:Beulah Platinum Spey 12’6″ 6番 (225g)
- リール:Ross Evolution LTX (190g, 最大ドラグ2kg)
- ランニングライン:Ken Cube EXシューティングラインF
- スカンジヘッド:Scientific Anglers Atlantic Salmon Short 6/7 F/H(ホバー)
- リーダー:AirFlo ポリリーダー Salmon 10ft インターミディエイト
- ティペット:シーガーエース 2号
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