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ハコスチしばいたろか? – 冬季ハコスチ釣り場(神流川C&R区間)、群馬県多野郡上野村

2024/01/24

群馬県が誇るフィッシング専用ニジマス「箱島スチールヘッド」、略してハコスチ。前橋の友人からその噂は耳にしてきましたが、実際に釣るのは今年の夏が初めてでした。頭の中では「対岸から手前までフライを追いかけてくる!」「ヒットしたら止まらんぬー」「ジャンプしたりすごいことになってしまう」などの妄想がありつつも、「どうせマーケティングのために話を盛っているんでしょう」とひねくれた見方で重い腰が上がるまで時間がかかりましたが、野反湖で初「ドスン」を体験し、バラギ湖ではハコスチならではの習性に対応することで猛烈なファイトを見せるハコスチを楽しく連発できました。

利根川の水で釣らなければ・・・ということで

実際のファイトもものすごく力強く、普通のニジマスとは比べ物にならないハコスチの魅力は理解したし、これから「関東道」の重要ターゲットとしてオススメしていくのですが、そもそも友人から言われたのは「利根川本流で釣ってこなくちゃ」・・・。残念ながら今年はシーズン終了でタイムアップ!この目標は来年に取っておきます。

その前にTFFCCのイマニーさんと一緒に「利根川冬季ハコスチ釣り場」を見に行ったら、減水がものすごくてちょっと竿を出す気分にならず撤収。そこで脳裏をよぎったのは、たまに温泉に入りにいく神流川。利根川の支流なので、犀川を釣るときに梓川を釣るようなもんじゃないか、ということで行ってみることにしました。前の晩に入って一泊してから、12時過ぎまでの3−4時間勝負です。

マイクロスカジットonトラウトスペイ

川を覗いてみると・・・おぉ・・・これは渓流を区画に切った常設釣り場ではありませんか。箒川C&R区間というよりもフィッシオン!鹿留という雰囲気です。そして車へ戻り荷室をチェックすると、シングルハンドタックルはソルト用のシングル8番だけ!パワーは充分どころかオーバースペックかつ、ツーハンド6番用に使っているスカジットラインをそのまま使えるので最悪ラインをセットし直せばいいかしれません。

ところが受付で入漁券を買う時に、係の方から「はい、今日17番目です」の一声・・・。やばい、早く釣り場へ入らなくては・・・。結局、今回もスイッチハンド4番をスカジット+フロートティップにセットしたものをそのまんま引っ掴み、製品テストへ参加させていただいているネルエピックの来年2月発売予定の「リードスリングパック・プロ」の大きいポケットへウェット&ストリーマーのLサイズフライボックスを放り込み、別の大きいポケットへはシンクティップを突っ込んでさっさと川へ向かいます。

もはや「ハコスチ専用タックル」と化してきた、スイッチハンド4番・・・

で、この「Tiemco J-Switch N+」の11フィート・スイッチロッドを今シーズン使ってみた感想ですが、ロッドアクションは全くもって「スイッチ」ではありません!近距離をピシッと投げたりオーバーヘッドをすると、下手すると他社の12フィートよりも精度がありません。しかし、飛距離はなかなかのものです(スキルでカバーしてね)ので、正しくは「ショートスペイ」と呼んだ方がいいでしょう。ちなみにMade in JapanじゃなくてMade in Koreaなので、「Kスイッチ」と呼んだ方が正しいでしょう!アメリカ時代から韓国の熱いR&Bシーンを気にしていた私としては、正々堂々とそう呼んでいます。

この番手なら10フィートで作れば良かったのに?相変わらずこの会社のロッドデザインどうなっているのか不思議です。

反面11フィートの長さのロッドパワーは素晴らしく、柔らかさと相まってトラウトを勝手に弱らせてくれます!トラウトスペイとしてはコスパ素晴らしいと思います。

Tiemco J-Switch N+について

エリアトーナメントで長さ制限となっている「11フィート」に対応させるためのトラウトスペイロッドとして開発されたようです。残念ながら廃盤になりました・・・。後継ロッドは出るようですが、グラフェン(BeulahやOPSTで使われている素材)を使ったものになるようです。

ラウンド1: イントルーダー&スイングリーチ

美しい川辺!これだけでもしあわせバター味

スカジットで組んであることもあり、久々にアグレッシブなフライで誘ってみたくなり、いきなりミニサイズのイントルーダーを結んでしまう私。去年の阿寒川で70cmニジマスを釣った味が忘れられず対岸へフライを入れたら、メンディングで沈めて速度を落としてゆっくり大きくスイングさせますが・・・。イメージはそれでも現実はどこにラインを置けるというのでしょうか・・・。シングルハンドじゃないと無理なフィールドにオーバースペックなプレゼンテーション、そしてハコスチたちは・・・?イントルーダーの存在感に怯えて、群ごと逃げていきます・・・。

スイングリーチを底へ這わせたら・・・一瞬ラインが止まりましたが、その後は無反応。横に大きく動くものは嫌いみたいなので諦めます。

ラウンド2:ウェット&サーモンフライのスイング&送り込み

たまにトップにライズする魚や元気な稚魚もいるので、イマージングで誘うウェット&サーモンフライをスイングさせて誘ってみることにしました。ヤマメではなくハコスチを狙うので見易いであろう黒いウェットをセット。白馬の川底ベタイワナへ使おうと思い、ワイヤー下巻きで重たくしてあります。

真横のクロス、無反応!緩やかなダウンクロス、無反応!鋭角なダウンクロス、無反応!

焦ってきた私は、ただでさえスイッチロッドで目立つのに上流ぴったりへポジション取りするためにウェーディング!
不安定な岩の上や腰上まで浸かりながら完全ダウンで流していきましたが、ソフトハックルからキールフライまで、ネチネチ流しても全く反応なし!

ピックアップしようと大きい動きになった瞬間にヤマメがアタックしてきましたが、今日はハコスチ狙いなのでお呼びではありません!どうしたんだろう・・・。

ラウンド3:ウェットのナチュラルドリフトで「1ニジ」

いよいよ反応が悪いので、アクション系からどんどんとパッシブ系のプレゼンテーションに切り替わる私・・・。本流ウェットで困った時は手っ取り早く「ソフトハックル&ショット」!ハコスチや湖で困った時は手っ取り早く「スカリグ」!しかし・・・ショットとスイベルを入れたピルケースを自宅へ忘れてきてしまってました・・・。仕方ないので割と反応が良かった黒いノーネームのウイングウェットに結び直してアップクロスにリーチキャストで投げてドリフトさせます。

あ、食った・・・。これでなんとか1匹目。しかし!ハコスチではありませんでした・・・。

ラウンド4: ルースニング

そしてウェットのドリフトにも反応が無くなり、ついにウェイト入りの「なんちゃってソフトハックル」を使ってニンフィングをすることに決めましたが・・・。先日購入しておいた噂のインジケーター「サイドワインダー」がバッグに入っていません!どこを探してもありません・・・涙。

でも「先端のインジケーターが沈んで、残りが浮いている」状態を試してみたかったので、苦心の自作!

命名:「ネンドワインダー」・・・。全くもって繊細な動きも取れないし、魚がネンドを食べてしまいます・・・。
そもそもちゃんとしたニンフのボックスも家に置いてきてしまっていたので、ルースニングは大失敗

本物はこちら。開発者&伝道師の稲村さんはすごい製品とメソッドを作ったものです!早く本物を試したい・・・。

ラウンド5: 「ニョロニョロ」のボトムドリフトで「2ハコ」

とはいえ好きなサイズに作れるネンドなので、こちらも噂の「ニョロニョロ」メソッドを試すことに・・・。
「ニョロニョロ」とはこのマテリアルを7-9cm長にカットしてトラウトガム・フライに巻いた「メガ」サイズのガムです。「メガヌードル」と呼んでもいいでしょう。これを底波へ入れてやってインジケーター先行で流すのですが、なかなかテクが求められます。

「あんた、結局のところは釣りたいだけでしょう?」
「どうせ今回だけ使ってポイ、節操ない男やね?」
「武士は釣れねどウェットフライとか言ってなかったか?」

はい・・・。なんとでもおっしゃってください。こちとら新橋生まれの渋谷育ちの江戸っ子かつアメリカ暮らし12年の帰国子女。世界中の多様な文化を認め合って暮らすシブヤシティーの住人兼ガイドである私の言い分は:

「これは科学的探究とマルチカルチャーの実践です!!」

ええ、旅費さえくれるならば、このリグでイギリスの会員制サーモン釣り場でもやってきましょうぞ!?ガソリン代高騰のおり、ハコスチ釣り場でハコスチ釣らねば、貴重なデータも体験もできません・・・。まぁ、「釣れない」体験もとても大事なんですけど、一つのメソッドが通じない時に他のメソッドのデータも欲しいんです。

そして、ニョロニョロとネンドワインダーとマイクロスカジットの禁断のコンビネーションはとても打ち返しやすく・・・。

ドジャ〜〜〜ン!(ジョジョ風)

はい、1ハコ!計測不可能

ボエ〜〜〜!(ジャイアン風)

はい、2ハコ!目測50cm!

そして今回はフッキングしてからのバラしは

わずか回!

そして時間切れできっちり12:30に納竿してリモートワークへ向かいました。

まとめ&フライデータ

夢のクラシックと現実のニョロニョロのギャップ・・・

今回は前回の反省を踏まえてちゃんと「12針」でストップ・フィッシング!とはいえ、針を触っただけでなく一応フッキングした9匹をバラすというのは・・・。またも反省材料を手に入れてしまいました。

そして「沈めるフライ」の定義や方向性を考え直す機会となりました。そもそも「沈めて使うフライ」全てがウェットフライなのですが、日本ではフライフィッシングが成立していく歴史の中で「クラシックウェット」や「クラシックサーモン」の存在感が大きいために、「それ以外はストリーマーやニンフ」と思われがちです。

フライフィッシングにおける本当の釣りは「プレゼンテーション」の部分になるわけですが、ウェットフライは動きの選択肢が多いので、自分からアクションをつけていくアクティブなプレゼンテーションもできれば、自然の動きを利用するパッシブなプレゼンテーションもできます。例えばウェットフライの極限に挑むソルトフライでは、ボトムに置いておく、ボトムをわざと引っ掻いて存在をアピールする「ボトムクローリング」、水流を利用してボトムのフライを引きずる「ボトムスイング」も多用します。

そこに「ニョロニョロ」を使ったボトムドリフトの登場・・・。以前TFFCCのドウェインさんがヘビーなウーリーバガーをユーロニンフ仕立てで底を流して爆釣してた時に、みんなで試してその効果に驚きましたが、その時は「これはウエスタンスタイルのニンフ」ということでスルーしていました。

ちなみにこれがニョロニョロですニョロー。ちゃんとクラシックパターンやストリーマーやニンフで釣りをしてから使ってみるニョロー。

TFFCCレビュー

「フライフィッシング7つの力」的に見た今回の釣りのレビューです。

  • キャッチ&リリース・・・★★★☆☆ リリースもきちんと行い目的は達成しましたが、オートリリースし過ぎでしょう
  • ファイト&ランディング・・・★★☆☆☆適当なタックルでやったのは仕方ありませんが、ランディング率3/12は普通のニジマスからやり直しレベルでしょう
  • ストライク&フックセット・・・★★☆☆☆集中力が低くフッキングに問題だらけです
  • リーディング&アプローチ・・・★★☆☆☆ ほとんどの釣果が人から教えてもらったメソッドそのままです!
  • フライ・・・★★☆☆☆ もらったフライが当たりました、とても他力本願
  • プレゼンテーション・・・★★★☆☆ ちゃんとタックルを選びましょう
  • キャスティング・・・★★★☆☆ サイズ感があっていないタックルの割にはよくやりましたが、足場が整備された釣り場だからできたのです

49点!

タックル選びと小道具の準備は怠らずに!

タックルデータ

スイッチハンド4番

  • 総重量:295g
  • ロッド:Tiemco J-Switch N+ 11フィート4番 (135g)
  • リール:Waterwork-Lamson Remix 5+ (127g, 最大ドラグ1.5kg)
  • ランニングライン:Tiemco エアロシューター 24lb クリアオリーブ
  • スカジットヘッド:OPST コマンドヘッド 225GR
  • スカジットティップ:自作フロートティップ 10ft
  • リーダー:シーガーエース2号
  • ティペット:シーガーエース1号