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初秋の犀川 – 長野県長野市

2020/11/25ウェットフライ,スイッチハンド,スカジット,ストリーマー,スペイ,ツーハンド,フライフィッシング,本流,犀川,長野県

突然、木金連続で休みが取れることになったので、車内でリモートワークを少し行いつつ犀川まで行くことにしました。9月末で上流の「漁協エリア」は禁漁に入ったので、セブンイレブンで2日分の入漁券を買って「殖産エリア」に入ります。

知人や仲間たちが行ってくる情報を耳にしながら、自分自身はソルトや湖のフライフィッシングに明け暮れていたので、実に12年ぶりの犀川本流です。前回はG.Loomisの13フィート8番で浅い場所を流す時は杉坂隆久さんデザインのVarivas 3 セクションスペイ 、深い場所を流す時は先端をカットしたスカンジにT-14のシンクティップでしたが、重量もあって常に両手で操作するスタイル。今回は同じポジションにBeulahの12フィート6番とBeulah 13フィート8/9番、どちらもOPSTコマンドヘッドとコマンドティップでキャストの時だけツーハンドで他のロッド操作はシングルハンドで行う「スイッチハンド」なだけでなく、浅い場所は6番、深い場所は8/9番という作戦です。

1日目・午前セッション

キャッチ&リリース区間最上流の大八橋すぐ下のランに入りたかったのですが、すでに先行者が両岸へ入っていたので、道の駅まで戻って右岸を歩いて児玉橋の下流のランに入ることにします。朝は魚の着き場所は岸近くで浅いはずですから、ツーハンド6番で慎重に釣ることにします。

しかし実際に川へ出てみると、7−8月に北海道でたくさん川歩きはしていましたが、犀川の流れの強さへ在宅ワークで体力が落ちた体は完全に鈍っていて、フェルトソールで慎重に足運びをしてもイマイチしっかりと歩けません。

膝下を移動する時は問題ありませんが、腿上の深さの場所も歩かないと目的地へ行けないのですが、足運びがどうもうまく行きません・・・。

ロッド破損・・・ツーハンド6番入院

苦難の結果・・・最悪なことに足のグリップが効かず前のめりに転倒してしまいロッドを持ったまま水中の岩へ激突・・・。これから流そうという矢先にツーハンド6番がボッキリと折れてしまいました・・・。でもロッドが守ってくれたおかげで自分にはかすり傷一つなかったのが不幸中の幸い。

後で改めて確認すると見事なまでにロッドが2カ所で代わりに折れてくれて自分に怪我がなかったので助かりました

一旦駐車場まで引き揚げて、ツーハンド8/9番に取り替えてポイントへ入り直します。S8/9にセットしておいたシンクティップをS2/3に交換します。

流心の手前にちらほら見えている沈み岩や流れが緩くなる境目に魚がついていると判断して十分にリードをとってからスイングさせていきます。なかなか流速が掴み切れず、メンディングをあれこれ変えながら浅目にスイングするように流していくとアタリが出るようになりました。

しかしいつもは6番でウォームアップしてから8番を使う段取りなので、アタリに対する反応がイマイチ遅くてショートバイトがフッキングできません。ふと考えて、ティペットをシーガーのフロロカーボンからサンヨーナイロンAPPLAUD Z06へ交換。ショートバイトの正体はまだパーマークが残る、採捕禁止サイズ(長野県は15cm)ギリギリの稚魚ニジマス。

サイズは小さいといえどニジマスなのですが、酸欠気味なのか8/9番では抵抗もなく上がってきます。同じサイズがもう一匹続き、採捕禁止ギリギリサイズを釣り続けるのはルール違反となるので、S5/6のティップに交換して流心近くの岩側に潜んでいるかもしれない大型を狙いますが全くアタリなし。日が昇ってからは上流からドリフトボートが団体で降りてきたので午前セッションを早めに切り上げます。

愛用のツーハンド6番が折れてしまってブルーな気分ですが、美味しい手打ち信州そばを味わいながら午後セッションまで休憩します。

1日目・午後セッション

気を取り直して朝には入れなかった大八橋から野平トンネルのストレートを見に行きます。橋の左岸には車が停まっていて、両岸にルアーアングラーがすでに入っています。右岸側の山道を車で走りながら地形や様子を見に行きます。樹木の生え方や川への張り出し方を見ても、保水性が高い土壌であるだけでなく、岩盤から地下水が川へ湧き出しているかもしれません。

昔良いニジマスが釣れた野平トンネルのカーブを狙いたかったのですが、ここにも先行者がすでに入っているので諦めて、左岸側で入れるところへ駐車してからまずはドローンで地形偵察。

夏の間に増水したために砂浜状態になっていますが、所々砂利もあるので孵化したニジマス稚魚がたくさん居て、小さなカゲロウのハッチもあり、さらにタヌキの足跡もついているので魚影は悪くなさそうです。

時合になるまで景色を楽しみます。周囲の山を見なければ、エメラルドグリーンの水辺に砂浜がある景観はまるで南国のリーフのようです!岩陰にミーバイが隠れているか、ブラウントラウトが隠れているかの違いだけですね。

岩盤の川底のポイントで、流心と岩盤の隙間でいかにも魚が着きそうな場所があったので、あまり遠くへキャストしないようにランニングラインを巻き取り、フライの沈み具合を逆算してスイングしたら、一瞬根掛かりしたような間があってから、頭をグリングリンふる魚がヒット!35cm強のブラウントラウトです。

でも元気がなく、少し抵抗したら流されていって岩盤の割れ目に入っていこうとします。阿寒川でキャッチ&リリースに慣れてしまった魚のような反応ですが、酸欠状態のような弱い抵抗なので、魚に無理をさせないように岩盤のくぼみに魚を入れて、ラバーネットを暴れ防止に目を隠すように被せてストリーマーを口からさっと外しておきます。

キャッチ&リリースを繰り返されたためか、ボロボロになってしまったブラウン・・・。今シーズン中に手荒な扱いを受けたのか白カビが全身に広がっていて、唇も歪んでしまっています・・・。これ以上辛い思いをさせたくないので、冷やした手でお腹側をアシストしながら、流れ込みで泡立って酸素がたくさんあるところへホールドして元気を取り戻したことを確認して即リリースしました。

キャッチ&リリースの業(ごう・わざ)

でもあれでこの冬を生きていけるのだろうか・・・。本来は釣られて食べられて淘汰されてしまうべき個体じゃないのか。自分の手からリリースしたことで、次の人間へ問題をバトンタッチしただけじゃないのか。でも、弱って浅瀬にいるところをタヌキの餌となれば輪廻の輪に戻せるじゃないか・・・。色んな考えが浮かびます。

改めて自分自身への戒めとして、リリース技術を最大限に向上させておこうと思うと共に、いくら道具が進化したり携帯電話のテクノロジーが進歩しようとも、魚のケア技術も進んでいかなければダメだなと思いました。

実験してみたフライ

ちなみに釣れたフライはこれ。前にシーバス・トレバリー用に作ったトレーラー式クラウザーミノーの配色をヒロミキ氏からのアドバイスを取り入れて変えただけ。ウイングはクラフトファーなので乱れた水流の中でもプロフィールが崩れません。トレーラーフックなのでお尻だけ突くバイトも拾えます。もうちょっと安定して釣果が出るようになったらもっと目立つ配色やヒゲナガ・バージョンとか作ったら面白いかも。

二日目・午前セッション

妙な縁を感じてしまったので、同じ釣り場でもう一日釣ることにします。まだ暗いうちから準備をして、昨日釣らなかった野平トンネル前までのランをしっかりと沈めて釣ってみるプランです。

流心手前は砂が溜まっていて魚が着きづらそうですが、浅瀬にいる稚魚、上流側の砂利底から流されてくる川虫を狙って回遊する確率も高いと見込んで、S8/9のシンクティップに替えて「底タッチ」を狙ってスイングしてみることにします。

300mくらいの流域をまめにメンディングしてシンクティップを沈めてスイングさせて見ましたが、結論から言うと一番下の開きとの境目まではどんなにメンディングしてもボトムを触らないですが、境目に差し掛かって初めてボトムを触りました。流れの強い部分で底を攻める場合は15フィートのT-14を使うか、T-17やT-20から自作する必要があると思いますが、その場合はロッドのパワーもそれなりに必要になります。

底に砂が溜まっているのであまり期待していませんでしたが、ここではアタリはゼロでした。

ロッド破損・・・ツーハンド8/9番入院

下まで流し切ってしまったので、入川ポイントから上流側の300mを流そうとしましたが、流れが強く岩盤の切れ目で複雑に分流している場所でペリーポークするのはなかなか難しく、つい無理なロッドワークをしていたためか、気づかない間にロッドにストリーマーのウェイト部分が当たっていたのかもしれません。ペリポークを打ってシュートした時に突然ロッドが中間のところで裂けてしまいました。なんと二日連続でロッド破損・・・。午前セッションは強制終了になってしまいました。

二日目・午後セッション

要のツーハンド6番・8/9番のどちらも病院送りとなってしまい・・・いまさらシングルハンドで手前を釣っていくのも面白味が無いのでブルーな気持ちで腐っていたら、「白馬に乗った王子様」ならぬ「白馬から来たフライフィッシャー」の方からの救いが!長野のフライフィッシング事情や野生生物に関する情報交換など楽しい時間を過ごさせていただき、気分が立ち直り午後セッションをご一緒することに!

イマニーさんは前から興味のあったG.Loomis x ShimanoのAsquith 1408!さらにこれも興味のあったRIOのコネクトコアの10mごとに色分けされているシューティングライン!私はOPSTの10フィート4番(スペイ換算では2/3番相当)にスカンジショートとポリリーダーをセットしてドライフライを使ったショットガンです。足回りもフェルトソールをフェルトスパイクへ履き替えて転倒防止策もバッチリ。

この日のイマニーさんはスイングさせたウェットフライへ1回ショートバイトがあったのみ、私は奥日光でお約束の「イライラ・ドライフライ」釣法で小さいブラウンを岩の影から誘ったり、岩盤の流れの底に隠れるブラウンをライズさせるところまでは持っていけましたが、どれもフライを咥えるところまではいかず終了。

まとめ

ブランクが長かったことやアングラーのプレッシャーに対して焦っていた事もありますが、運動不足&注意不足による痛い目にあう釣行でした。ソール交換可能なウェーディングブーツを使っているのだから、面倒くさがらずに適したソールで川へ入るべきだったし、アウェイ慣れしているとはいえ、焦らないで良いようにもう少しプランを決めておくべきでした。

ロッド2本を犀川の女神へ捧げて得られたものは・・・私的には大きいので満足!12年ぶりに釣った犀川の景観が美しく保たれているだけでなく、釣り券も買いやすくなり、高速道路アクセスだって遥かに改善しています。地元フライフィッシャーのイマニーさんもメンバーに加わったし、自分へのご褒美は・・・長野市内の老舗「浜名屋」の鰻重でホクホクで帰っていきました。

タックル情報

ツーハンド8/9番タックル

  • フライ:フェザントテール&パートリッジ10番、マドラーマラブー、イントルーダー、スイングマラブー
  • ティペット:Seaguar Ace フロロカーボン2号、サンヨーナイロンApplaud Z06 2号(8lb)
  • シンクティップ:OPST コマンドティップ12′ ミディアム S2/3 (132GR)、S5/6 (168GR)、S8/9 (168GR)
  • スカジットヘッド:Commando Head 450GR
  • ランニングライン:OPST レーザーライン 40lb
  • フライリール: Hardy Ultralite MTX-S 7000
  • フライロッド:Beulah G2 Platinum Spey 13’8″ 8/9番

スイッチハンド4番タックル

  • フライ:不沈モンカゲ10番ストラグルユスリカ14番
  • ティペット:サンヨーナイロン Applaud GT-R nanodaX クリスタルハード 1号(4lb)
  • リーダー:Airflo Trout ポリリーダー 10′
  • スカンジナビアンヘッド: Scientific Anglers アトランティックサーモン ショート SH4/5 フローティング
  • ランニングライン: Ken Cube EXシューティンライン フローティング
  • リール: Nautilus FW5
  • ロッド: OPST MicroSkagit 10’0″ 4番