アースデイ東京 2016 – TFFCC ブース(E8) フライフィッシングで出展

2023/08/25cabin critters,Fly fishing,アースデイ,イベント,キャビンクリッターズ,センパーフライ,テンカラ,フライタイイング,フライフィッシング,代々木公園,展示,東京,生物多様性

2016年4月23、24日に代々木公園で開催された「アースデイ東京2016」。東京フライフィッシング&カントリークラブも出展いたしました。ブースはケヤキ並木入口近く、「生物多様性」セクションの中に設置され、二日での来店数は200名を超えましたが、その中で何かしらフライフィッシング・テンカラ・ルアーといった疑似餌を使う釣りと触れ合うことがあった方たちが10%、さらにフライフィッシング・テンカラを定期的にたしなまれている方たちが5%でした。

東京という水辺世界 - 生態系ジオラマ

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会場にいらっしゃる大多数の方たちが、ノン・アングラーである事実は大きく、いきなり「釣りです、魚です」という入口で話をはじめる訳にはいきません。そこで、日常あまり知られていない「東京という大きな水辺の世界」を奥多摩の山間部の渓流から小笠原諸島などの島嶼部の沖合までに生息する魚類をCabinCrittersの魚のイミテーションぬいぐるみで表現し、彼らの重要な栄養源である生物たちを、プロタイヤーのMartynがタイングした数々のフライで表現しました。

また、魚のような水棲生物や水辺という場所にあまり興味を持たない人にも親近感をもってもらうため、「みんなの体内にある水は循環しながら存在している」ことをテーマに、山間部、平野部、海洋・島嶼部における水の循環をイラスト化してバックパネルとしてシンプルに展示。「水の世界」というものへの気づきから、「水辺世界」への導入部としました。

この展示は非常に好評で、子供たちのみならず、主婦の方たちや年配の方まで、「この魚は・・・スズキだ!こっちは・・・ニジマス!」と、まるで理科の教室に戻ったかのような場面が広がっていました。

しかし、「水」や「水辺」というもののイメージはそれでもつかみづらく、ぱっと見て通り過ぎる方も多かったのは事実です。これは次回からのテーマとして、どうやったら3秒以内に、水に対する意識を高められるか、今後の課題となりました。

フライタイング・デモンストレーション

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スコットランド出身のプロタイヤー、マーティンのタイングする精巧なフライは、来場者の興味を惹きつけ、タイングデモンストレーションは全回ひとだかりができる状況でした。ジオラマ展示と関係するフライだけでなく、来場者の方からイギリスのタイングブックに乗っている実物の水生昆虫を選んでもらって、即興で巻き上げるという場面も!

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ほとんどの方がマーティンのフライをお土産に買って帰りたがりましたが、残念ながら今回フライは売り物にはしないポリシーでした。タイングに対する興味の喚起は大きかったので、追加のバイスとタイングツールを展示して、「これとこれがあれば始められる」という話をさせていただきました。

フライフィッシング&テンカラ、なんでも相談室

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タイングもろくにしないまま、あちこちへフライロッドを抱えて86魚種をフライで釣ってきた実績だけが頼りのTFFCC代表・エド吉田。「毛鉤の釣りはなんでも釣れる総合デパートだ!」というテーマで、どうやったらこの釣りが始められるのかを、実際の釣りの現場で使われてきた、「レベルライン・テンカラタックル」「渓流用フライタックル」「コイ・バス用フライタックル」「海の大物用フライタックル」を展示しながら、相談室を提供しました。「釣りは十物というけれど、フライフィッシングはたった七物、テンカラにいたってはわずか四物ではじめらるので、簡単にハッピーになれます!」という、論理で「めんどうくさい釣りだ」というイメージを払拭。

経験者の方には、個別に「今のセッティング」をヒアリングして、わかる範囲で「こうすれば確実にもっと釣れます」という解説を提供しました。

TFFCC通信「アースデイ2016特別版」

会場では、楽しい体験だけでなく、今回のメインテーマである、ちょっと硬い話もさせていただきました。近年、日本における魚の減少は、小さな漁業者どころか大企業の一部を圧迫する深刻なレベルまで加速しており、その中に占めるレクリエーションフィッシングの「わずか水揚げ1%」の持つ意味合いも大きく変わってきています。また、特定の区域にただ魚ばかり放流したところで、魚たちのエサとなる昆虫や水棲生物が増えなければ、余計に生態系を疲弊させてしまい魚が育ちづらくなる点も強調。

とはいえ、フライフィッシングも釣りのひとつである以上、自然環境の中に踏み入っていき、そこにいる生物たちに打撃を与える可能性は否定できません。そこを、去年フライフィッシングを始めたばかりなのに、すでに悟りの域に達しているハワイ出身のディビッドの意見を紹介しながら、自然をひっかきつつも、水の現場から情報を発信し続けることの大切さを説明させていただきました。

詳細はこちらのPDF版資料でご覧いただけます:

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今回のアースデイ、TFFCCブースへ来店してくれた200人を超える、いろんな方たちみんなから学んだこと

今回の最大の収穫は、こちらから情報提供するだけじゃなく、私たちも学ばされることが多くてすごくためになりました。

  • 奥多摩や東北の渓流の魚たちと川虫の状況
  • 沖縄県黒島のウミガメの保護活動
  • 北海道知床のシマフクロウの最新状況
  • 福島の残留放射能のローカル情報
    などなど

レンジャーや有志の方たち、が森や海を守ってくれているおかげで、私たちが良い釣りができるということも良くわかりました。

また、毛鉤の釣りを始めたいけど、よくわからなくて困っている人たち、一回体験フライをやってみたけど、後日お店いってもよくわからなくてスタックした人たち、狙った一匹が釣れない理由がどこにあるのか悩む人、フライがつまらなくなって長年やっていなかった先輩などなど・・・。そんなみんなが「フライって面白いなぁ!」と言ってくれたのが、もうひとつの大きな収穫です。

東京フライフィッシング&カントリークラブは、情報が探せなくて困っている英語圏のアングラーを放置せず、サポートするために発足したクラブですが、日本人、それも情報の多い東京のど真ん中でさえ迷っているアングラーが経験の度合いを超えてこんなにいるのは驚きました・・・。「日本のフライフィッシングが衰退」?それは事実じゃありません。「日本のフライフィッシングは参加者やノン・アングラーを置き去りにして、スタート地点でぐるぐる回っている」だけだと思います。

やることは増えますが、クラブの日本語サポートも強化して、機会があればまた出展することに決めました。今後ともにご協力・ご支援よろしくお願いいたします。

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