HDJジグシュリンプ
ユーロニンフで使われる「ビーズ直径4mm以下のジグニンフ」のシステムをソルトウォーターにおけるサイトフィッシング&マッチザハッチ用のフライに取り入れたパターンになります。競技用ニンフの「すっとレンジに入れて狙って食わせる」機能をベースに、海水・汽水域の魚たちが最も食べ慣れている餌の一つである小さなエビを表現するために必要なシルエットや生命感を表現するようにマテリアルを組んであります。
特長
本来がシングルハンド4番ユーロニンフタックルで使われるジグフライの最大サイズなので、着水が静かであるにも関わらず、マテリアルの水切れの良さでレンジへ馴染みやすく、厳寒期でジッとしている魚さえもアピールするフレキシフロスの効果も大きく、2022年末の西表島ツアーではフラット、リーフ、マングローブどこでも大活躍して「餌フライ」入りしました。浜名湖のフラット・クロダイも絶好調です。
ドレッシングの構成および全体バランスは、オアフ島のボーンフィッシュ向けローカルパターン、浜名湖のクロダイ向けローカルパターンを参考にしてあります。集合知が生んだフライパターンです。
ジグフックとタングステン・オフセットビーズ
競技の限られた時間の中で手返し良く狙ったレンジへ素早く馴染ませるため、またフックのゲイプを広く保つため、タングステン・オフセットビーズをバーブレスのHDJジグフックへセットします。
多少レンジを外してもフッキング良くなるよう、ワイドゲイプで針先が長いバーブレスの専用ジグフックを選びます。
アイ:スタビライザーかつホットスポット
スタビライザー機能およびホットスポット表現のために、モノアイをV字にセットします。時短したい場合はストンフォ「プラスチックVアイ」を使うと秒速で作業が終わります。
自作派の方は、作っておいたモノアイを交差させてV字にセットします。
アンテナ、テール、アンダーボディ
適度な長さのグリッタースレッドを2本切り出して、折り返してアンテナとしてセットします。
リビングとしてマッチしたカラーのフレキシフロスを巻き留めます。
底質に合わせたカラーのEPファイバーを使います。泥混じりの場合はブラウン。砂のみの場合はサンドやベージュ。藻が多い場所や季節ではオリーブが鉄板カラーとなります。長さの目安はベンドからアイまでの長さとなります。
スッと沈ませるためにオーバードレスしないよう、ビーズの後ろで巻き留めます。
折り返したら、リビングして巻き留めます。
ボディ:マッチザハッチ
底質に合わせたカラーのEPファイバーを折り返してセットします。
レッグ:波動とスタビライザー
マテリアル単体でも良い波動が出て釣りが成立してしまうだけでなく、フグや歯の強い魚につつかれても耐久性の高いフレキシフロスを1本切り出して、たすき掛けで固定してセットします。
フォール中やストリッピング中には波動を出し、ボトムへ着いた時には姿勢を安定させる重要なパーツとなります。
マテリアル
フック:ドヒーク HDJ #8または#10
ビーズ:フライキャンパーズ タングステンオフセットビーズ 3.8mmまたは3.3mm
スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド22/0 または16/0ブラック
アイ:ストンフォ プラスチックVアイ、自作モノアイ
アンテナ: テックストリーム グリッタースレッド ピーコック
テール&アンダーボディ:EPファイバー ブラウン
リビング:ドヒーク フレキシフロス ブラウン
オーバーボディ: EPファイバー ブラウン
レッグ: ドヒーク フレキシフロス ブラウン
使い方
本来は「ソルトニンフィング」を想定して開発したフライなので、ドロッパーリグに組んでポイントフライとして使いますが、浜名湖フラット・クロダイや西表島ツアーの結果を鑑みるに単独のフライとしても非常に効果的です。
流れのあるポイントではテンションを保ったまま底波を流していってアタリを待ちます。
サイトフィッシングできる釣り場の場合は、魚が捕食しているレンジへ沈めて、ワンアクションを加えてアピールしてアタリを待ちます。
リーフや岩へ隠れているような魚を狙うときはフォーリングさせてから、ストリッピングして誘います。
フラットでは一旦ボトムまで沈めて安定させてから、大きくクローリングさせてストップ。チヌがフライを持っていくのを待ちます。
戦績
フラット良し!マングローブ良し!リーフ良し!岩場よし!
「フライで100魚種」の達成に大きく貢献してくれただけでなく、サイズアップやリバーGTまで!!
- クロダイ、ナンヨウチヌ
- ロウニンアジ、ギンガメアジ
- コトヒキ
- マトフエフキ
- カンモンハタ
- ゴマフエダイ、オキフエダイ、アミフエダイ、ニセクロホシフエダイ
- ガンテンメギス、オジサン
- ラージマウスバス、スモールマウスバス
タイヤー
Special Thanks
このフライはこちらの方達のおかげで完成&餌フライ入りしました:
- 浜名湖で実践しているサイトフィッシング用フライの極意を教えてくれるTFFCCカルロスさん
- ユーロニンフへ目覚めさせてくれたTFFCC小松澤さん
- ニンフィングの真髄とシステムの詳細を伝授してくれたTFFCC国見さん
- 釣り続ける壊れないフライを作るテクを教えてくれたATFC山本さん
- 西表島タウルスのガイド、サトシさん
- オアフ島トライアングルフラットのレジェンド、テリーさん
- 同じくトライアングルフラット仲間で手持ちフライをお土産にくれた地元フライフィッシャーの皆様
- ドヒーク社のミラン社長と優しいカミールさん