ヒラスズキのフライフィッシング

2021/12/12カウントダウン,シーバス,スイング,スズキ科,ストリーマー,トップウォーター,ヒラスズキ,フライフィッシング,リトリーブ

和名:ヒラスズキ
英名:Blackfin Seabass
学名:
Lateolabrax latus

千葉から鹿児島までの太平洋岸に生息するスズキの仲間。発達した筋肉による遊泳力が強く、普段は潮通しの良い磯やテトラ帯、ゴロタ浜に生息していますが、自分たちよりも遊泳力に劣るベイトを捕食するために潮回りの良い漁港や河口へ回遊してきます。

徳島の漁港で釣れたヒラスズキ

ヒラスズキの特徴

平べったい頭と体高のあるボディと尾の付け根の太さが特徴で、さらに英語名で「ブラックフィン」と付くように胸ビレや腹鰭が黒いので見分けられます。また尾びれに切れ込みがありません。

同サイズの魚で比較するとヒラスズキは頭部に対する目のサイズ比率が大きく、口の真上にある「目先口後」であるのに対して

ヒラスズキのセイゴ
ヒラスズキ

マルスズキは頭部に対する口の比率が大きく、目も口の後ろにある「口先目後」になっています。さらに胸びれが黒くなく黄色く、尾びれに切れ込みがあります。

マルスズキ

この体の作りの違いは捕食スタイルの違いとなりますので、フライのプレゼンテーションに影響します。

マルスズキとヒラスズキの両方の特徴を備えた幼魚
伊豆伊東の河口で釣れた豆ヒラスズキ - このサイズは海水温の高い季節には珍しくない

伊豆半島でも岩礁帯が近くて潮あたりの良い湾内にはヒラスズキが回遊してきます。南端の下田を中心に季節によってヒラスズキが北上してきます。

シーバスとヒラスズキの捕食スタイルとフックセットの差

シーバスはエラを大きく開いて口全体を袋のように大きく広げてベイトを包み込むように周りの水と一緒に吸い込みます。餌でないと判断したものは速やかに吐き出そうと再び口全体を大きく広げて振り飛ばします。このためフックが小さかったり、フックのゲイプ(ふところ)が狭い場合、口の中でいつまでも刺さらないまま吐き出されて終わってしまいます。

ヒラスズキはベイトの斜め下から目で確かめてから、下顎のみを袋のように広げてベイトへ吸い付くように捕食します。吸い込む力はシーバスよりも小さく、吸い込めないと判断したベイトは口先で攻撃して弱らそうとすることもあります。大きすぎるフックは吸いつく時に弾いてしまうため、シーバスよりもワンサイズ下のフックを使う必要があります。

プレゼンテーション

ヒラスズキも餌となる小魚や甲殻類、多毛類などを狙って下から上へ、暗がりから明るい方へと捕食する性質はマルスズキと同じですので基本的には同様なタクティクスで釣ることができますが、ヒラスズキの特性に合わせた釣りとなります。

潮通しの良い場所を好む遊泳力の強さと目の良さを活かしたヒット&アウェイの捕食が多く、マルスズキのようにレンジやコースを外れたフライを追いかけることがあまりありません。ストラクチャーそのものに定位して捕食を繰り返すのでは無く、アジのように狙うゾーンを回遊しながら捕食しています。

また同じ条件であればマルスズキよりも深いレンジで捕食したがる事、目が良くて遊泳力の強い回遊魚的な特質で自分が捕らえられると判断した生物は進行方向へ先回りするようにアタックするので、この間合いに合ったリトリーブを釣り場とタックルに応じて見つける必要があります。

また、潮が効いているポイントが中心となるのでレンジをキープしやすいウェイト入りのチャーリー&クラウザータイプのフライを使う方が反応が良くなります。さらに口が大きいマルスズキのように吸い込む力を活かした捕食をしないので、フローティング系や左右へ大きく動くタイプのフライはヒットを拾いづらく、フライのフックサイズもマルよりも一回り小さいものを使う方がいいでしょう。

タックル

シーバスと同じタックルが使えます。上の写真の魚はシングルハンド4番&フローティングラインで釣られたものになります。

目が良い魚なのでフローティングはともかく、シンキングラインでもフライラインや接合部分に反応してしまわないようにフライ先行でポイントを狙うことになります。磯で狙わない場合はバイトティペットを使う必要はありません。

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