マルタウグイのフライフィッシング
和名:マルタ/マルタウグイ
英名:Far Eastern Dace (Pacific Redfin)
学名:Tribolodon brandtii
ウグイと非常に良く似たマルタですが、本州以南ではウグイよりも餌の豊富な汽水域や沿岸域で活動するため、大きいものは50cm以上にも成長します。写真の魚は普通のシーズン(9月ごろ)に多摩川下流で満潮の時に遡上してきたものを釣ったものです。
マルタはシーバスと同じく通常は河口周辺の汽水域に群れていますが、潮に合わせて川を遡上して水生昆虫や甲殻類、小さな稚魚などを捕食しに来ます。春になると産卵のために群れで淡水域まで遡上して、産卵が終わると再び海へ戻っていきます。オスは体側にオレンジ色の婚姻色が一筋現れます(ウグイのオスは3本線)。
フライタックル
シングルハンド6番、ツーハンド6番にフローティングライン、タナ合わせのためにシンクティップやポリリーダーを使うことで充分に狙えますが、都会の川ではバックスペースが取れないことも多々あるので、スカジットキャストできるものがあればベストです。
また流れが強い場所の場合、タイプ2などより素早く沈むラインを使うこともあります。
フライ選択&プレゼンテーション
使うフライは水生昆虫の幼生や甲殻類を似せたもので通用しますが、素早くレンジに入れられるジグニンフやダンベルアイを使ったフライパターンは非常に効果的ですのでオススメです。
ニンフィングの場合。ショートライン・ニンフィングで目の前へジグニンフを送り込むのが最も効果的です。距離が必要な場合はロングライン・ニンフィングとなりますが、同じくレンジを流せるようにテンションをコントロールしながら流していきます。
ウェットフライの場合。ダウンクロスに魚の着き場所よりも上流へキャストしてから、テンションを抜いてメンディングしながら、ウェットフライの釣り方で狙ったタナをゆっくりとスイングさせます。反応が悪い時は横移動のスイングではなく、縦に送り込むスイングで自然に流し込んでください。
同じ道具立てとテクニックで、タナやフライパターンを変えることで他の汽水域の魚もサーモン系の魚も狙うことができますので、練習だと思って試してみてください。
スポーニング中じゃなくても狙えます
私は個人的にスポーニング(産卵行動)中の魚を狙うのは繁殖行動を阻害する可能性が大きいと思っていますので、マルタウグイを狙うのならば、できれば繁殖期を避け、通常シーズンに上潮のタイミングに感潮帯で釣るのがベストだと思います。
ウグイの仲間たち
北海道に生息するエゾウグイはマルタに非常に似ていますが、同じサイズでのパワーは2倍と言っても過言でないレベル。ヤマメやアメマスを狙っている時に外道とされていますが、決してトラウトに引けを取らないファイトが楽しめる(個体差あり)のでぜひお試しください。