エルクヘアカディス

2025/09/08カディス,スイング,テレストリアル,ドライフライ,フライパターン,フラットスレッド

アメリカ・ペンシルバニア出身でモンタナへ移住したアングラー、アル・トロースが1957年に考案したシンプルにカディス=トビケラのイミテーションとして機能しつつ、カラーやマテリアルの調整でカゲロウや陸生昆虫にも見せられる便利なドライフライです。

日本にも70年代からアメリカンスタイルのフライフィッシングが浸透していく中で紹介され、『FlyFisher』『フライの雑誌』などが創刊期(1987年)以降、繰り返し特集・解説。2025年にも大特集が組まれるほど“今も現役の主役”として扱われているドライフライですが、決してちゃんと巻こうとすると簡単なフライではありません。

いろんなバリエーションがありますが、ここでは筆者がニューヨーク時代に学んだクラシックなレシピを紹介します。

構成と特長

全体のプロフィールはカディスのイミテーションとして機能しつつ、ハックルを巻いたボディが水中の魚へ強くアピールしながら、明るい色のエルクヘアを束ねたウイングの高い浮力と視認性で流れが速い川でも簡単に沈まず魚からのストライクも確認しやすい、ドライフライのお手本みたいなパターンです。

シャーシとなるボディはダビングボディの上にボディハックルを巻きつけて反対方向からワイヤーで巻き留める、イギリスのサーモンフライから東海岸のトラウト向けウェットフライなどで良く使われてきた手法で、その上に西海岸で頻繁に使われるディアヘアを束にしたウイングを載せるという、これも元はアメリカ先住民が毛鉤を巻くスタイルから始まっているもので、アメリカ建国の歴史を象徴するようなフライと言えます。

ステップ解説

スレッドで下巻きしたら、ワイヤーをシャンク下側または手前側に取り付けて固定して、スレッドをシャンク後端へ進めます。

ダビングをスレッドにより付けてダビングヌードルを形成します。この時バイスヘッドを上下反転させると作業しやすいです。

ダビングヌードルを巻きつけて、テーパー状のボディを作ります。

使わない場所をクリーニングしたコックネックのハックルを1本用意します。

ハックルをストーク根元でシャンクへ取り付けたら、ハックルプライヤーで先端を掴んでおきます。

ヘッドの後端部分で一回転ハックルを逆回転で巻きつけてスレッドで固定。

ワイヤーを巻き留めた位置までボディハックルを逆回転で巻きつけます。

ワイヤーを一回転させてハックル先端を固定したら、ワイヤーを斜めに進めながら、揺らしてハックルファイバーの隙間を通して根本を締め付けながらヘッド後ろまでリビングします。

余分なハックル先端部とワイヤーをカット。

ハックルを後方へなでつけながら、スレッドでヘッド部分を綺麗に整えておきます。

エルクヘアのパッチから適量となるゲイプ幅と同じ幅の束を押さえておきます。

ウイングで使う分をパッチから切り離します。このままだとアンダーファーやゴミがついているので、空いている方の指で取り除きます。

おおよそ綺麗にしておけば問題ないです。

ヘアスタッカーにセットしたパイプの中へ先端から入れて、机にトントンと数回叩きつけて毛先を均します。

ヘアスタッカーのパイプを抜くと先端が揃った状態になっているので左手で摘みとります。

右手へ持ち替えてウイング位置を決めます。

再び左手に持ち替えたらば、しっかりとシャンクの上に押し付けるように保持してスレッドを2回転掛けてから、3回目で絞り込みます。

ウイングに問題がなければ、さらに3回転スレッドをタイトに締め込んでから瞬間接着剤を塗ります。

保険であと2回スレッドを締め付けて固定完了。

ウイングを手でつまんでずらしてヘッドでウィップフィニッシュします。

この状態でスレッドの締め込みが甘くてウイングが動くようであれば瞬間接着剤を追加で固定してください。

はみ出た方の束を斜めにカットして完成です。

バリエーション

ブラウンのボディが基本ですが、早春用に巻く18番サイズはクリーム、春に使う14番サイズはオリーブ、夏に使うテレストリアル対策の10番はブラックなどサイズやカラーを使い分けます。

マテリアル

フック:ドヒーク HDD301 #18-10
スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド 12/0 (50D) ブラックまたはスタンダードスレッド8/0 ブラウン
ボディ:ドライフライ向けダビングのブラウン、タン、オリーブ、ブラック
ボディハックル:インドヘンネック ファイヤリーまたはモトルド系
リビング:ドヒーク フラットワイヤー ゴールド 0.1mm(16番以下) または0.2mm (14番以上)
ウイング:エルクヘア

ストレッチ性・滑りづらさ・細さを兼ね備えたスレッド。

最強レベルの強度で切れないスレッド。

ラウンドではなくフラット形状なので滑りづらくしっかりと固定しやすいフラットワイヤー。

ツール

バイス

3種類のバイスヘッドを使い分けて、ミッジからチューブフライまで巻くことができるペデスタル型バイス

ハックルプライヤー

ハックルの芯をしっかりと掴んだ巻き付けに便利。

ヘアスタッカー

エルクヘアの先端を揃えるのに必須です。

シザース

ベーシックで使いやすいタイングシザース。

使い方

魚がテレストリアルやカディスにライズしている場合は、シングルフライでナチュラルドリフトさせて使います。

イブニングで魚が水面でカディスを追う時は、ダウンクロスにキャストしてから、水面をスイングさせて誘います。

戦績

  • ヤマメ
  • ニジマス
  • ブラウントラウト
  • ブルックトラウト、ニッコウイワナ、エゾイワナ
  • スモールマウスバス、ラージマウスバス、ブルーギル

タイヤー

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