ヘアーズイア ニンフ改
早春から初夏に入る前まで活躍する、仕上げの調整でカゲロウの幼生っぽくもカワゲラの幼生っぽくも使えるイミテーションです。少ないマテリアルだけで巻けるようになっているだけでなく、プリンスニンフで効果的なV字形のテールにアレンジされています。汎用性も広く、トラウトだけでなくバスやギル、コイやボラ、マングローブの川の魚にも有効な万能ニンフです。
アレンジのきっかけ
ニューヨーク近辺の割りとゆったりした川でブルックとブラウンを釣っていたルーチンから、日本へ帰国して関東・南東北の山岳渓流でイワナとヤマメを釣るルーチンへ変わって明らかに意識したのは、大陸を流れる川と山がちな島を流れる川の栄養量。川虫の体格が洋服で言うところのアメリカンサイズと日本サイズの差があります。
フライを始めた時から使い続けている便利なヘアーズイア・ニンフで比較すると分かりやすいですが、ニューヨークではたっぷりとソラックスを巻いた10/12番サイズしか使わないのに対して、関東ではスリムに巻いた14番サイズしか使わなくなりました(それでもメインは18番のフェザントテイル)。 しかも流れが水面でも垂直方向でも立体的に複雑なのためテールの存在が重要で、アメリカでも流れの速い川で使うことが多いプリンスニンフと同じグースバイオットのV字テールをつけたことでフライの姿勢が安定するため魚の反応が明らかに良くなりました。
ワンポイント
ウェイトを巻き込んで使うニンフですので、重さに応じてヘッドだけスレッドに油性マジックで色を塗って使い分けることで色分け=カラーコーディングすると便利です。私の場合は、6巻程度のベーシックをブラウン、折り返しで10-12巻きにしたヘビーな物をレッドにして使い分けています。
狙う魚によって、テールが長めで細いシルエットのものとテールが短めでソラックスが太いものがあると使い分けられます。ソラックスのダビングの量はダビングブラシで掻き出した時を計算して、ウェイトの厚みに合わせて調整してください。
マテリアル
- フック:がまかつ S11-2L #14
- スレッド:テックストリーム GSPパワースレッド 22/0、16/0 ホワイト(油性マジックで着色)
- ウェイト:レッドフリーワイヤー .020を6〜12回巻き(使う場所に応じてウェイト調整)
- テール:グースバイオット ブラウン
- リビング:ドヒーク ラウンドワイヤー 0.2mm ブラウン
- ボディ&ソラックス:ヘアーライン ヘアズイア ダビング タンまたはクリスタル ダブ ヘアーズイア
- ウィングケース:ドヒーク スイスストロー
ツール
- UVレジン
- UVライト
- ダビングブラシ
使い方
ナチュラルドリフト&スイング
テールが長くスリムなタイプは水流の中で水平姿勢を保つので、浅く定位する魚に対してニンフ兼ウェットフライのように使います。魚が定位している流れ込みよりも奥へ入れてニンフとしてナチュラルに流して反応を見てから、弧を描くように流れを横切らせてスイミングニンフやイマージャーのように見せて誘います。
ナチュラルドリフト&フリーフォール
テールが短く太いタイプは斜めにぶら下がる形となるので、底近くにいる魚へアピールするニンフとして、岩の周りや沈み石の後ろに定位している魚を想定して岩の周りでスローになっている部分や岩の後ろへナチュラルに流し込みます。早春の場合は底に定位している魚へアピールするためにティペットへウエイトを追加するなど、しっかりと沈めて底を流してください。
ボトムフィーダーへの使い方
イレギュラーな使い方だと思いますが、コイやボラ、クロダイやキビレが浅瀬で餌を探しているところへこのフライを入れて底へ沈めてから、ゆっくりとボトムクロールさせて気付くようにさせたり、底から少し浮かせてからフリーフォールさせると吸い込んで捕食させることができます。
戦績
- ヤマメ
- イワナ、ブルックトラウト
- ニジマス
- ブラウントラウト
- スモールマウスバス
- ブルーギル
- コイ
- ボラ
- クロダイ、キビレ
- コトヒキなどマングローブの魚たち
タイヤー
この記事のディスカッションに参加する | Join the Discussion
東京フライフィッシング&カントリークラブのFacebook グループ「Friends Lobby」ではメンバー以外の方とのディスカッションも行っています。気になる情報や質問などはこちらまで!