バショウカジキ(セイルフィッシュ)のフライフィッシング

2023/11/17カジキ,コスタリカ,セールフィッシュ,ティーザー,フライフィッシング,ポッパー,マレーシア,御蔵島

クラブの重鎮、デイヴィッドがハワイへ帰国してしまうこととなり、彼の釣りの足跡を紹介しようと思ってコンテンツを探していたらば、一番思い出に残っていることは、デイヴィッドがマーティンと一緒にマレーシアのロンピンまでバショウカジキのフライフィッシングへ行ったことでした。

私自身もハワイ島でボートからのルアーキャストで1mちょっとくらいの小さい個体を釣ったことがありますが、同じ日に釣ったシイラとパワーは同程度ですが、とにかく口が硬くてルアーを弾いてしまうので、友人と2人で8回ストライクして私たちチームで1匹しかキャッチできませんでした。独特のジャンプは非常にスリリングで重量感があります。

こんな魚をまさかフライフィッシングで釣る人がいると知ったのは、横浜のガイドボート「パラスFGS」の鹿内キャプテンからいろんな釣りの話を聞いている時でした。その後クラブメンバーのための特典を探している時にマレーシアのガイドからオファーがあり、行きたいメンバーの代わりにタックルからプレゼンテーションまで詳細なオリエンテーションを2回も受けてしまったので、この魚についてリサーチしたこともあり、珍しく自分が釣らないのに妙に詳しく知っているという釣りになります。

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バショウカジキの特長

バショウカジキは世界中の温暖な外洋を泳いでいるカジキの仲間ですが、比較的に小さいカジキであるということもあり沿岸の小ぶりな魚の群れを追いかけることが多く、実は東京都の御蔵島や三宅島でも桟橋近くまで回遊してくることがあります。潮がぶつかる沿岸を回遊している魚なので、ルートを知っているガイドがいればスポーツフィッシングが成立します。自然保護が進んでいる海などでは漁船のプレッシャーが存在しないので湾の中までバショウカジキは入ってきます。

ただし餌をとる時に単体で行動することは滅多になく、常に仲間と一緒に行動して餌となる魚やイカの群れを見つけると仲間とのチームワークで狩りを行います。例えば1匹のバショウカジキが長く尖った吻を積極的に活用して魚の群れの中に突撃をかけると、魚の群れの方向を予測した仲間が待ち構えていて泳ぎのバランスを崩した魚を丸呑みしに行きます。これを交代で行う間は怪しいものを追いかけたりしません。

ティザーゲーム

ガイドボートからルアーやフライでカジキを狙わせる釣りは「群れ」としてのバショウカジキから、チームプレイを無視する「単独」で抜け出す個体を引っ張り出すことで成立させます。目的の群れを見つけたらば、注意深くボートから「ティーザー」と呼ばれるオトリをセットして引っ張り、それを浮上しながら追ってくる好奇心の強い単独行動のカジキを追いかけせて興奮状態にさせて、ピークに達した時にティーザーを引き抜くと同時に間髪入れずチューブ・ポッパー(トレーラーフックが誘導式になっている)をキャストしてフライへアタックさせます。

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活性が高い時はティーザーにもフライにも魚が追うのでフライだけをボートから引っ張って誘ってヒットさせるトローリングの段取りもあります。

キャスティングゲーム

自然保護が進んでいて魚影が濃く、岸そばまでバショウカジキがやってくるくらい恵まれているコスタリカでは、ナブラについたカジキを探してキャスティングで狙わせるガイドボートが人気になっています。これが最もゲーム性が高く、「フリースイミング」と呼ばれています。

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ガイドボート

日本からバショウカジキをフライで釣りたい、という場合に一番手っ取り早いのはやはりマレーシアです。TFFCCのメンバーも利用していますが、スポーツフィッシングアジアがフライフィッシングのサポートにも慣れていて一番のオススメです。

フライタックル

バショウカジキのスピードとパワーに対応するために、バットのしっかりしたソルトウォーター仕様のシングルハンド12-14番ロッドがメインとなります。また、初速でティペットに負担をかけないように、滑り出しが良くてドラグの効きが良いフライリールも必要です。群れから引き離された個体は猛スピードで追いつこうともがきながら逃げますので、バッキングラインは最低でも300mは巻けるものが必要です。

オフショアフィッシングとなるので、記録申請できるように「クラスティペット」を使いますが、必要でなければコントロールバットとティペットだけでも大丈夫です。

  • フライロッド :9フィート12-14番
  • フライリール :ドラグ力3kg以上、バッキングラインは30lbテストが最低300m巻けるもの
  • フライライン :WFフローティングライン、傾斜の強いテーパーでターンオーバーさせやすいもの
  • リーダーシステム:コントロールバット80lb(フライラインの直径に合わせる)x 3フィート、クラスティペット(IGFA適合:最短38.1cm、バイトティペット60lb(IGFA適合:30.48cm以内)

フライパターン

マーティンやデイヴィッドと話して更新します。

ターボポッパー

チューブフライで作られた誘導式のポッパーで大きさの割にキャストしやすく、フッキングしづらいカジキに対してベストなフッキングが期待できるフライです。

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