バンコン・キャンピングカー:これはもう陸ヨット?仕事と旅と外あそびに活躍する超便利なクルマ:VWユーロバン
2015年に色々なアウトドアイベントに関わるようになって、運搬車を必要とする事が一気に増えました。最初はニッポンレンタカーでトヨタ、日産、マツダ各社のバンをレンタルしていたのですが、高い頻度で使うこともあり、借りたり返しに行く手間を考えると中古のバンを買ってしまのもアリかも・・・。そう考えてプランし始めたらば、いろんなニーズが浮かんできました。イベントや旅行中の待機時間に食事・休憩・睡眠スペースに困らないこと、現地ですぐにイベント参加や商品デモンストレーションが出来ること。アウトドア活動やフィッシングに必要な機材が積んでおけること・・・などの条件を満たすクルマを探していたら、「そうだ!キャンピングカーって手があるな」という結論になりました。
なんでバンコン?
資金は以前からボートを買おうと思って貯めていたお金がありましたが、イベントなどでお客さま相手に見られても外観に違和感が無い物を探すと、100%キャンピングカーの仕様となっているクルマは軒並み予算オーバー。私の場合は長くても1週間分の荷物(中型スーツケース一個分)で足りるはずなので、国産車ベースのバンコンを探しましたが、減価償却を考慮しても予算オーバー。諦めようと思った矢先に、自分が編集しているPVがフォルクスワーゲンのキャンパーバン「T4カリフォルニア」で旅するフォトグラファーのストーリーだったのですが、「あ、ワーゲンがあったじゃん」と気づいて、年式のもっと新しいものが無いか調べていたらば手ごろな価格と走行距離のものがあったので決めました。
車両:フォルクスワーゲン ユーロバン Winnebago カスタム 1997年式
というわけでめでたく確定したのは、「ヴァナゴン」と呼ばれたり「トランスポーター」とも呼ばれるフォルクスワーゲン「ユーロバン」をベースに、アメリカのWinnebagoがビルドしたキャンパーバンとなります。購入時点でツーオーナーですが、走行距離はたった3万マイル少しでコンディションが良い状態で購入できました。日本ではバンコン(バン・コンバージョンの略)と呼ばれるタイプのキャンピングカーです。
ユーロバン・キャンパーは後部座席がベッドへ変化して車内で寝ることができるだけでなく、ポップトップと呼ばれる屋根が跳ね上がって天井が高くなってロフトベッドになる仕様なので色々とつぶしが効きそうです。
この車が作られた1997年の私はまだニューヨークに住んでいて、大学に通いながらウェブデザイナーや映像編集の仕事をメインにやっていましたので、自分の原点を思い出させてくれる一台です。
「普通」乗用車として
通常時は5人乗りのシティバンとして乗っています。バンコンですのでルーフボックス分の高さ(ボックスありで2.34m)さえ気をつければ駐車場には全く困りません。外してしまえば2.1mとなるので、街乗りが長い時はそうしています。高速料金も普通料金です。
移動オフィス&商用車として
ノートPCごと乗り込めば、携帯の4G通信やWiFiホットスポットを利用することでノマドなオフィススペースとして機能します。出張先に早めについて寝ておくか、途中のSAで休めばスケジュールがフレキシブルに組めるので非常に便利です。
また助手席はスイベル式なのでテーブルを挟んで後部座席と向き合うことができます。3人以下であればコーヒーや冷たい飲み物をお出ししてミーティングもできます。私自身は運転者なので体験できていませんが、走行中の後部座席はフラットな路面だと乗り心地が悪くないようで、お客さんはノートPCでカタカタやってたり、元上司はビールとおつまみで晩酌してたり、息子たちは宿題やってたり・・・。
成田空港でピックアップした取引先のイギリス人たちが後部座席で「4G使わせて!」って言うので使わせてあげていたら、都内へ到着する前に商談を終わらせていたことも!いつの間にか冷蔵庫のビールが2本減っていましたが・・・。
また商品撮影やロケ撮影のように、機材と荷物、機材と人物を乗せる場合には、そのために作られたのかと思うほどぴったりです。とある助っ人で手伝った撮影ではモデルさんとスタイリストさんに後部座席に乗ってもらって、移動式メイクルームにしたこともありました。
運搬車として
カーゴスペースだけでも480L(100x60x80)のキャパシティーがあるので大型テントを余裕で積めるスペースがありますが、バックシートをフラットに倒せば最大1,440L (100x180x80)の積載スペースが後部に作れます。フロアも綺麗に片付けてしまえば、さらに積めるスペースが広がります。イベントへ荷物を運ぶ場合や輸入した製品を通関させて倉庫へ入荷する本格的な場合など幅広く活躍していています。
ポップアップ・ショップやイベントブースとして
オーニングを展開すれば3x3mのイベントテントとして機能するので、運搬車を乗り入れて良いイベント会場では、車のオーニングスペースやバックスペースがそのままポップアップ・ショップになります。製品のデモンストレーション、展示販売ブース、チケット受付として活躍しています。
ルーフハッチを開けばひさしのあるスペースが作れるので、氷水をジャグに作っておいて、ソーダストリームで炭酸を作ればドリンクキッチンとして使えます。キャビンバッテリーやインバーターから電源が取れるので夜でも営業可能。
移動式ロッジ=「陸ヨット」として
本来はこの目的で作られていると思いますが、景色の良いところで休んだり泊まっていけるので、フライフィッシングで遠征する時には大自然の中の小さな家になったり、オートキャンプ場でもテントを張らないので良いので重宝します。
しかし、ちゃんとした大型のキャンピングカーと比較してしまえば中で立っていられるほど屋根が高いわけでもなければ、スペースも限られています。反面なんでもキャプテンチェアーから手を伸ばせば届く状態。これで旅を続ける姿をヨットマンの友人が見ていて言った一言は、「これは陸ヨットだね!」。ボートのために貯金していたことが、巡り巡って陸ヨット?
しかし、たまに乗せて旅行へ連れて行っている母からは「四畳半の飯場みたい」と夢の無いことを言われてしまっています・・・。便利さを求めると生活グッズが増えるのですが、無ければこのクルマの意味がないし・・・。
クルマなのでこんな技も・・・
自らが目的地へ走っていく自走式〇〇として便利なのはご理解いただけたと思いますが、それはまだ序の口!
車だからカーフェリーを利用すれば、離島へ行けるだけで無く、遠距離運転せずに大きく移動できてしまいます。
さらにパスポート片手に国際フェリーへ乗り込んでしまえば・・・そこはユーラシア大陸です!
そんな事は妻からも許されないし、とりあえず今は何かあればすぐに戻ってこられる所でウォームアップ中です。
2019年シーズンは四国、2020年シーズンは北海道で試してみました。よろしければご覧ください。