スカジットやボートからのストリーマーに最適:RIO T-14
年末も迫り、タックルの断捨離を進める中で、今後も使えるものとそうでない物を探していると謎のスプールを発見しました。この謎のスプールに巻かれたフライラインの正体を調べるためには、測りの上のトレイにスプールだけ載せておき0リセット。そして長さをチェックしながらフライラインを巻き取って計測します。
この場合は「6.4m」の長さのライン重量が「19.51g」なので、これをフィートとグレインに換算すると「20.997ft」「302.085grain」となり、1フィートあたり14.339グレイン、すなわち「14 gr/ft」です。カラーリングは「ファーストシンキング」を意味するダークグレイで、触ってみるとうっすらと粉状の塩が付いているので記憶を辿ると「海で大型のストリーマー をボートから深く沈めて釣るために作ったショートヘッド」であったことを思い出し、これは「RIO T-14」であることが判明しました。
T-14とは
RIOが昔から作っているテーパーのついていないファーストシンキングのレベル・フライラインで、Tはタングステン、14は1フィートあたり14グレインを意味します。ノンストレッチのコアにタングステン粒子を混ぜたPVCでコーティングしてフライラインに仕上げてあります。
主にツーハンドロッドで流れの速い川を釣るためのシンクティップとして使われていますが、IGFA記録の「フライライン」部門で認定するためにドリフトラインとしてキャストせずに船から引き出して沈めて釣るためにレベルラインのままで使ったりもします。今は30フィートへカットして両端にループがついた状態で売られていますが、当時はフライショップ向けの500フィート巻きしかなかったので、切り売りしてもらっていました。
ボート専用シューティングヘッドとして
私の場合は後者に近いですがキャストしないとつまらないので、6mのシューティングヘッドとして作りました。確かコノシロベイトにつくランカーサイズのシーバスを狙うためだったと思いますが、シングルハンド8番や10番ロッドでキャストできるギリギリの長さを試したらこの長さまでハサミが入り、結果としてタイプ8の短めのシューティングヘッドになったと言うことになります。テーパーこそついていませんがバックキャスト一回で高速でぶっ飛んでいきます。もし試される場合はコントロールは効きづらいので注意が必要です。
シンキングラインの沈下レート
ちなみにシンキングラインに詳しくない方は、ざっくりと「毎秒5cm沈めたければタイプ2」「毎秒10cm沈めたければタイプ4」と覚えておくと便利です。このT-14は毎秒20cmとなります。着水してカウントダウンしている間だけが沈んでいくわけじゃなく、リトリーブ中も沈んで行きますので根がかりを心配しないで良い深さのある川やボート専用。リトリーブも一回を20cm引くイメージでやらないとレンジをキープできません。
今は「InTouch Level T」なんて名前で呼ばれたりしますが、なんとT-20まで揃っているすごい時代。
シンクティップとして使う場合
この子はこれからチョッキンされて2本のシンクティップとして生まれ変わります。1本はシングルハンド10番に組んだスカジットタックル向けの8フィートシンクティップとしてアカメ などの大物をボートからドリフトで狙う釣りへ。1本は12フィートシンクティップとしてツーハンド用としてスイング・ストリーマーの釣りへ。
しかしそのまま使うとスカジットのボディとターンオーバーでうまく行かないので、RIOがMOWティップで使っている公式を参考に調整することになります。
具体的にはボディがフローティングの場合は接続部分をフローティング、S2の場合は接続部分をS2かS4で用意することになりますが、これも古いフライラインからパーツが取れるといった具合です。
これを自分で毎回DIYしていては時間も手間ももったいない。そんな声に応えてRIO In Touch MOWという初めからティップとして作られた製品がありますのでこれを使うのがベストです。T-14を使った10フィートのものは550グレイン以上のタックルが推奨ですが、ティップからハサミを入れて調整します。
[itemlink post_id="13858″]
Tシリーズの仕様
[table id=19 /]
余談:スナップ Tの「T」ってこれのこと!?
ちなみにスペイキャスターの中では「T系シンクティップを投げるためにラインを引き出しておくからスナップTと呼ばれているんだ!」なんて言う人がいますが・・・残念ながら惜しい間違いです。(RIOの営業マンはネタとして使いますが)
G.Loomisの営業をやっていたトム・ホワイトがシアトルのフィッシングショーでティップからフライまでを観客によく見えるように置くキャストを一日中やっているのを、SAGEのブースにいたジョン・フェラールとデック・ホーガンが目にして何かに使えるかもと思い、後日スチールヘッダーのジョージ・クックとヨラン・アンダーソンがスコーミッシュ川でスクールをやっている所を訪れたジョンがやって見せた所、「これは便利」とジョージが名付けたのがスナップTとなります。と言うわけでトムの「T」なのでした。