スカジット徹底活用:様々なティップやポリリーダー/バーサリーダーを使い分ける
スカジットと呼ばれるシューティングヘッド・システムのフライフィッシングが、同じくシューティングヘッドのスカンジナビアンやフルラインと大きく異なるのは、アグレッシブなテーパーの短く太いスカジットヘッドに自分の選ぶティップもしくはリーダーを自由に組み合わせて思い通りのキャストやプレゼンテーションを行うことができる点です。パワフルなシステムに組んでフルサイズのスペイタックルを使い大きく重たいストリーマーを本流の対岸へキャストしてターンオーバーさせることもできますし、反対に繊細なシステムに組んでマイクロサイズのスペイタックルを使いドライフライやソフトハックルを丁寧に落とすことも可能です。
基本:ウェット&ストリーマーの立体的な操作を体得する
ウェット&ストリーマーの釣りの場合、立体的なフライの動きを演出するためのプレゼンテーションを行う必要がありますが、水平の動き=スイングと、垂直の動き=ターンをコントロールすることで達成できます。
RIOでスペイ製品のブランドマネージャーを務めるサイモン・ゴーズワース曰く、流水の中でウェットフライやストリーマーを狙った通りに流すためにはフライラインの「MAT」が大事だと言われています。M = Mend (メンディング)、A = Angle(アングル、水流に対するラインの角度)、T = Tension (ラインへかけるテンション)の略ですが、
- メンディング・・・上流へ打ち返すとスローダウン、下流へ打ち返すとスピードアップ
- アングル・・・流れに対して直角に近づくとスイングのスピードアップ、並行に近づくとスイングのスローダウン
- テンション・・・ラインへテンションをかけるとターンのスピードアップ、テンションを抜くとターンをスローダウン
これが基本操作となります。詳しくはこちらをご覧ください。
スカジットはラインの組み合わせの自由度が高いので非常に迷いやすく、まずはウェットフライの基本を理解および体得して、ご自分のシナリオに合ったものが何かをイメージしてからシステムを組みます。フィールドに合わないシステムを使うと計算した動きを演出することになってしまい、むしろ釣果が下がってしまうことになります。
ロッドの長さと求めるキャスト&スイングに合わせてティップの長さを選ぶ
ペリーポークであれスナップTであれ、ロッドの長さに対して短すぎるティップだとアンカーが抜けやすくなり、スイープの際にロッドをより寝かさざるを得なくなります。サステインド・アンカーのキャストなので、これでもキャストすることはできますが、シュートする時のパワーロスが大きくなるのでいざという時に飛距離が足りなくなったり、風に負けてしまいます。
基本的にはロッドの長さと同じか少し短いティップを使いますが、ロングキャストのためにアンカーを強くしたい場合には反対により長めのティップが効果的です。
また、スカジットの場合は流心よりも向こう側のカケアガリだったり障害物に着いた魚を狙うことが多いですが、浅瀬の方が流速が遅くなっていますのでスカジットヘッド(ボディとも呼びます)の部分へメンディングを行い、スイングのスピードを殺しておいてから、テンションを緩めてシンクティップを狙ったレンジへ沈めていって、自分より下流の魚の着き場所まで縦にナチュラルに流して行ってそのままストライクを待ったり、ゆっくりとスイングさせたり、誘い出すために途中からテンションを加えてスピードを上げたスイングを行ったりします。
この際、最も水流を強く受ける場所(ほとんどの場合はテーパーが太くなっているスカジットボディの後半部分)を上流へ打ち返すのですが、ロッドの長さに合ったティップの長さがないとアンカーが抜けてしまいプレゼンテーションが壊れてします。
シングルハンドやマイクロスカジット、トラウトスペイのようにピンポイントを攻めるコンパクトなスイングを行う場合はシンクティップやスカジットボディも太く無いので水の抵抗を受けやすいため5フィートや7フィート台の短いティップでも操作性は大きく落ちませんが、スイッチロッドや12フィートロッドでも最低10フィート、標準的なツーハンドロッドで大きなメンディングを入れたり、川を横断するような大きなスイングを行う場合は、できれば12フィート以上欲しいところで、13フィート以上のロッドであれば15フィートも決して長すぎることは無いと思います。
フライのターンオーバー性能に合わせてティップの質量を選ぶ
使うフライの空気抵抗が大きければ大きいほど、重たければ重たいほど、ティップ自体にも質量が必要となります。質量を増やす場合はグレイン値のより高いティップもしくは長いティップを選びます。
スカジットマスターのジェリー・フレンチの理論ですが、フライの質量に対して3倍の質量のティップが目安となります。さらにティップの重さですが、一般的に快適に投げられる目安としてはスカジットヘッド重量の1/3までになります。
比較的に小さいウェットフライを使う場合は浮上しやすくするために軽めのティップを使ったり、反対に素早く沈めるためにはティップよりも細くて沈む時の抵抗が少ないポリリーダーやバーサリーダーを使います。
低番手のスカジットヘッドの場合は、ものすごく短いシンクティップよりもポリリーダー/バーサリーダーが現実的な選択肢となります。
スイングのスピードと狙うレンジに合わせてティップのシンクレートを選ぶ
盛期で魚がライズするような活動的な時は魚のレンジが浅くなるだけでなく、速いスイングでないとフライが見切られてしまいます。この場合はわざとメンディングを行わずスイングしたり、下流へメンディングしてスピードを上げることができますが、さらに短いティップを使うことで狙った魚だけにフライが見えるようコンパクトに探っていくこともできます。
濁りが無い時の明るい時間帯や水温が低い時期はレンジが深く、魚のストライク範囲も狭くなるので、遅いスイングでないと魚がフライを食い切れません。この場合は流れに対するスカジットボディの角度をメンディングで並行に近づけることでスイングのスピードを無くす/落とすことも効果的ですが、川の場合は川底と水流の間に粘性摩擦が働くため、表面の流れと比較して川底ほど流れが遅くなっています。ティップのレンジが浅い場合は速くスイング、ティップのレンジが深い場合はゆっくりとスイングさせられます。
そこでより素早く沈むシンクティップを使うことで予めティップだけ狙ったレンジに入れてしまうことも効果的です。短いティップをレンジ確保用にしておいて、さらにポリリーダー/バーサリーダーを接続してより正確なレンジを狙うこともできます。
一般的にインターミディエイトは「ホバー」ではなく、S3との中間であるIPS1.5に設定されています。スローインターがIPS1.25前後となります。元々は湖のボート釣りが発祥のため「スローシンキング」はS3、「ファーストシンキング」はS5、「エキストラファーストシンキング」はS7が目安となります。
川の場合はラインシステムの表層部分へ強いドラグがかかるため、また海水の影響を受ける場所では塩分のために浮力が増すため、S3->S4、S5->S6、S7->S8 (T11やT14など)とアップレートすることもあります。
小型の水生昆虫のイマージャーやニンフ的なプレゼンテーションの場合
ウェットフライで多用される水生昆虫が川底から水面へ泳ぎ登っていく「イマージャー」のアクションを演出する場合は、フローティング・ティップを使いつつフライ自体をヘビーワイヤー・フックで巻いたり、ウェイトを巻き込んだり、ティペットへショットをつけることでフライを水面下へ沈めることもできますが、流れが緩やかなポイントでは、インターミディエイトのティップやポリリーダーのみを使ってスタンダードワイヤー・フックで巻いたノンウェイトのフライをテンションで浮かす方がよりフライの動きが自然でスローなアクションを演出することができます。
流れが速い川の場合はS3程度のシンクティップを使うことで、狙った場所へフライが入ったタイミングにラインへ強くテンションをかけてフライを急浮上させるアクションを加えたり、反対に弱目のテンションをかけ続けることで狙ったレンジをキープしたままウェットフライをニンフのように送り込んでいくこともできます。
ティップとボディが分離しているスカジットでは好みのシステムを組むことができます。メンディングでボディを流れと並行にしてあげることで深く沈めていったり、ニンフ的なナチュラルな流し方を行ってフライをしっかりとアピールしてから、テンションをかけることでフライを浮き上がらせて誘いをかけることができます。
さらに底ギリギリを狙いフライだけが水中で踊っているようなプレゼンテーションを行う場合は、S5以上のファーストシンキング・ティップ(ストリーマーの場合)やポリリーダー(ウェットフライの場合)を使って、フライ先行で送り込んでいくテクニックもあります。
大きいウェットフライやストリーマーのプレゼンテーションの場合
これも一般的には活性が高い時は積極的な横スイングで魚を誘ったり、活性が低い・魚がスレている場合は横方向の動きを減らしてナチュラルに流したり、縦ターンで浮き上がらせることで食べやすい・アタックしやすい獲物であることをアピールするができますが、シーズンを問わず魚の状況やアタックレンジに合わせることでヒット率を高めることができます。
トビケラなど大きな動きをする水生昆虫や小魚を模したストリーマーをスイングさせる場合は、水量や狙うレンジ、スイング速度の調整に合わせてフローティングからファーストシンキングまで使い分けます。また、フライを沈めるレンジに合わせてシンクティップを使い分けることで、水中のフライから竿先までをできる限りストレートな線に維持することでラインシステムの緩みを減らして微妙なアタリを取りやすくすることもできます。
魚の活性が高く、イマージングさせて誘う場合はスローシンキングで魚のレンジまで沈めたら、テンションを強めにかけてスピードを高めて浮かせていきます。さらにワカサギやカタクチイワシ、ヒゲナガトビケラなどへ水面でボイルしているような活性の高い時は、無用に沈めて魚のアタックレンジ外へロストしないよう、インターミディエイトやフローティングを使います。
魚の活性が低く、リアクションバイトを誘う必要がある場合はスローシンキングでメンディングを入れながら、またはファーストシンキングで魚の目の前をフライが直撃・通過するようにします。狙うポイントがタイトだったり、大きいスイングをさせると魚へプレッシャーがかかってしまうような状況では、ラインでシンクレートを調整せずに重たいシャンクフライやチューブフライをフローティングやインターミディエイトで使う方がコントロールしやすくなりますが、フライの重さに見あったティップとスカジットボディを使う必要がありますのでロッドを破損しないように番手を上げます。
重たいチューブフライや大きいシャンクフライの場合
シュートに逆らう慣性も強ければ、負荷も空気抵抗も大きいイントルーダーなどのシャンクフライ。わかりやすい公式としてはフライの質量に対して2-3倍の質量のティップを使い、それらの総合重量の3倍のスカジットヘッドおよびそれがキャストできるタックルを使うことになっています。さらにラインシステムのどこかにヘッドやシューティングライン、バッキングラインよりも弱いセクションを作らないと遠く対岸へ引っ掛けたり、岩へまいた時に回収できませんので、ティペットはハリがあるフロロカーボン一択で12-20lb程度をターンオーバー性能を落とさない5フィート未満にしておくのがベストです。
ここで手間を省きたければ、ファーストテーパーでターンオーバー性能を高くしてあるRIOのスカジットリーダーを使う手もあります。チューブフライやシャンクフライは重たく水受けが強くてアンカーが効きますので、短いテーパーはほとんどデメリットになりません。
フリップジギングをする場合
スカルピンやクローフィッシュ(ザリガニやシャコなどを模したフライ)などのヘッドのウェイトを重たくしたストリーマーを使う場合は、一旦フライを沈めておいてから、テンションをかけながらロッドティップを上下にフリップさせてジギング・アクションをつけることができますが、この場合もシンクティップが抜けてしまうと水面へ一気に浮き上がってしまうので、通常よりもシンクレートの速いシンクティップを使うか、長いシンクティップを使って水中の良い形が崩れないようにします。
より流すレンジにこだわるなら・・・マルチデンシティー・質量補正
ソルトウォーターや湖におけるボートからのストリーマーの釣りから生まれた、異なる比重を組み合わせてフライが一定のレンジをキープできるように、ラインの後端から先端までの質量が補正されて作られたユニフォーム・シンキングライン。ボートから釣ることを想定しているので、深い時は3m以上のレンジを狙うのですが、スカジットヘッドにもラインの後端から先端までが異なる比重でできた「マルチデンシティー」と呼ばれるものが作られています。
マルチデンシティーは別名「デンシティー・コンペンセーテッド(質量補正)」とも呼び、フライラインの密度を調整することで、同じシンクレートのラインのテーパーが細い部分(ティップや後端)と太い部分(ベリー)が均等に沈むように設計されています。これを行わない「ただのマルチレート」ライン(SAのAtlantic SalmonやSA Striperラインなど)S2/S3などの場合、ティップがS3でベリーがS2なのに、ベリーの方が太いため質量が大きくなり、カウトダウンが多い深いレンジを沈めていくと、ベリーの方が先に沈んでしまって、水中ではたるんだ形になってしまいます。
このためフライからロッドティップが一直線にならないために、水中の釣りで一番大事なフォーリング中と直後のアタリが取れない・フッキングできない、といったことが起こります。
スカジットボディの後端のみがフローティングで先が沈む RIO スカジットMax ゲームチェンジャーは、「F/H/I」、「F/H/I/S3」、「F//I/S3/S5」の3種類のシンクレートが正確にレンジを取れるようにマルチデンシティーになっており、沈めたフライとラインシステムが一直線を保つことで動きを良くしたり、ストライクを明確にすることができます。またボディの先端から4.5フィートが最も速く沈むように設計されているのでシンクティップはその分を差し引いて短めのもの(15フィート使いたい場合は最短10フィートで足りる)が使えます。
Airflo スカジット F.I.ST は「フローティング・インタミ・S3」の3種類マルチデンシティーで設計されています。
マルチデンシティーをスカジットヘッドとシンクティップの両方で使うと、最も深い場所へ送り込むシンクティップから水面に出ている部分までを一直線に保ちやすいので、ショートバイト対策や、深い場所についたナーバスな魚を日中狙うようなケース、例えば大きい川の中央の一番深い場所や対岸が深くえぐれている場所を浅い場所から狙う時などには有効です。
シングルハンドやライトスイッチ(マイクロスカジットやマイクロスペイ)向けのショートティップ(マイクロシンクティップ)
シングルハンドやマイクロスカジット(11フィート未満の低番手)で考慮しないとならないのは、最大のメリットを活かすためにはコントロール性とコンパクトさに特化することです。繊細なロッドを破損しないためにも、ヘッド&ティップもしくはポリリーダーはアンカーが効く限りは短くあるべきです。
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OPSTの5フィートまたは7.5フィートのマイクロシンクティップはシングルハンド・ロッド向けに作られていて、スカジットに慣れていない人にもナローループで投げ易く、コンパクトなスイングで釣ることができます。T-8を使ったシンクティップでは60グレインに揃っているので、スカジットボディが150グレインや200グレインなどの軽いものでもターンオーバーさせることができます。このため、ライトウェイトのトラウトスペイでも使いやすくなっています。
反面ある程度大きい流れでは決してスイングしやすい長さではないこと、水深があるポイントではシンクレートが限定されてしまうことから、シングルハンド6番以上で使う場合は10フィートのシンクティップの方がオススメです。
シングルハンド/スイッチハンド/ショートツーハンド兼用の10フィートティップ
スカジットシステムで最も汎用性があるのが10フィートのティップ。軽量なものから重量のある物までティップが各種揃っているので重たいフライや長いティペット(ドライフライや止水の場合)・インジケーター・リグなどをターンオーバーさせる場合はこちらを使います。また、ロッドの長さとの関係でツーハンドロッドの場合はナローループ気味に投げられ、シングルハンドロッドの場合はターンオーバ性能は落ちますがワイドループ気味に投げられるという特長もあります。
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OPSTのシンクティップでは最も汎用性が広いのが10フィートのティップです。7.5フィートよりもゆっくりとスイングさせられること、9フィートのシングルハンドロッドでの扱いも難しくなく、短めのツーハンドロッドでも使い勝手は悪くありません。
マルチデンシティーの10フィートティップ
ティップ部分も正確なレンジにこだわるならば、RIOの3D MOWティップ。さらに先端をバーサリーダーで調整しつくすことで冬場やハイプレッシャーの時に重要な「点」を狙います。
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ツーハンド用の12フィートティップ
OPSTのシンクティップを選ぶ最大の強みは12フィートの長さがあること。10フィートよりもさらにスイング速度を遅くできるだけでなく、飛距離を出したい場合もしくはウェーディングするスペースが限られている場合は、アンカーの重量を最大化できる12フィートのティップは非常に有用です。
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フル・ツーハンド用の15フィートティップ
RIOからは15フィートのシンクティップが発売されているので、15フィート以上の高番手ロッドで重たいストリーマーを遠投したい場合はこれを使うことになります。
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自作ティップあれこれ
S7/8以上のエクストラ・ファーストシンキングのティップを自作する際は、RIOのTシリーズのレベルラインを買ってきて加工するのが一般的になっています。シングルハンドやマイクロスカジットの場合はスカジットヘッドが軽量ですから、60グレイン程度にシンクティップを作ろうとすると自作するしかありませんが、驚くほど沈めやすい T-20 x 3フィート(20×3=60グレイン)といったオリジナルのシンクティップを作り出すことができます。
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フロートティップの場合、30lbのシューティングラインからカットして好きな長さのものを作ることもできます。また、古い使わなくなったフライラインやシューティングヘッドの直径や重量を計測しながら自分だけのシンクティップを作ることもできます。
水面直下のスイング/止水の釣りで使うゴーストティップ・・・クリアインター自作
水面直下でライズが起こっていてじっくりと同じレンジをスイングさせたい場合や、止水でスカジットボディにティップをつけて浅瀬を釣る時には、クリアインター(透明カラーのインターミディエイト)のゴーストティップを使うこともできます。スカジットボディが浮くのでクリアティップだけが水面下へ入っていく、いわゆる「ホバー」の状態になりますがこの釣りの場合はクリアカラーであることのメリットが大きいのですが残念ながら市販されていないので、クリアインターとして売られているフルラインやシューティングヘッドを切って自作します。または、ポリリーダーで代用することもできます。
ポリリーダーまたはバーサリーダーでマイクロスカジット
低番手のスペイタックル、いわゆる「マイクロスカジット」を使う場合、ストリーマーや大型のウェットフライを使うシチュエーションが少なく、通常サイズ以下のウェットフライを丁寧に流すことが多くなります。この場合はターンオーバー性能が最強レベルである必要はなく、直径が細くて繊細なコントロールがしやすいポリリーダー(AirFlo)やバーサリーダー(RIO)を使います。
本州のシビアな河川や北海道でも数を釣りたい場合は、半径3m未満を探っていけるので必須の使い分けとなりますが、これもティップと同じく活性が高い場合はフライの動きを良くするためにフローティング・ホバー・インタミを使い、中層を誘う場合はシンキング、ピンポイントにいる個体や流れのヨレの中を探っていく場合はファーストシンキング以上を使います。
気を使う点としては、浮力体であるスカジットヘッドの先端を丁寧に処理して、ストライク感知しやすいようにフライからスカジットヘッドの先端までがテンションを維持しつつ、水面直下〜ボトムまで狙ったレンジへフライが入るようにして微妙な変化をとらえるようにします。
ポリリーダーまたはバーサリーダーでドライフライやイマージャー
OPSTの元社員ベン・ポールから教えてもらった裏技ですが、水深のある静かな水面でライズする魚をスプークしたくない場合は、低番手のシングルハンドまたはマイクロスペイロッド(シングル&スイッチ)を使い、フライのターンオーバーを調整するためにAirFloポリリーダーもしくはRIOバーサリーダーを使い、使うフライに合わせてターンオーバーできるギリギリの長さまでティペットを延長してスカジットヘッドの水面へのインパクトや水中へ落とす影が魚のフィーディングゾーンに影響しないようにします。
例えば湖のような止水やゆったり流れる川などの場合は、スカジットヘッドのラインスピードを活用して10〜14フィートのポリリーダーに6フィートのティペットを継ぎ足した先の大きなドライフライをターンオーバーさせたりできます。ウェットフライを使う場合も、シンクティップ と使い分けるので、フローティングとホバー(止水の場合)またはホバーとインターミディエイト(川の場合)があれば十分でしょう。
まとめと続き
スカジットヘッドと組み合わせて使うフロートティップやシンクティップ 、ポリリーダーやバーサリーダーの組み合わせはシューティングヘッドを使ったスペイキャストの応用性をさらに広げてくれます。スカジットヘッドのアグレッシブさをティップでで最大化してパワフルなキャストを行うことも、テーパーをわざと弱めて繊細に使うこともできる進化するシステム。今後も新しい発見があればアップデートします。
スカジットのシステムでこんな釣りができる!はこちらをご覧ください。