大江戸ヤマメ@秋川 – 東京都檜原村
ミシガン州から仕事のために来日していた、アメリカ人のベンさんから「東京のヤマメを釣りたい」とのリクエストで、タイミングも良い解禁後の秋川をガイドすることになりました。スケジュールに余裕があったので、VWキャンパーに2日分の食料を積み込み、一泊二日のプランで早朝の新宿を出発。
日釣り券を購入しがてら簡単に朝食を取りながら、ちらほら降っている雪の様子を見ます。サイトフィッシング、ライズの釣り、ブラインドフィッシングのやり方をそれぞれ説明していると雪もやみ太陽も出てきていい塩梅に。
0番タックルと3番タックルで試して、彼の体格にあった3番タックルでスタート。五大湖でのサーモンのフライフィッシングはアメリカでやっているベンさんですが、狭い川のマッチザハッチの釣りは未体験。これはむしろ好都合で、「トラウトの釣り」と言う先入観が無いので、小型のサーモンであるヤマメ独自の体のサイズに似合わない俊敏な動きや、小さなソフトハックルでも見つける目の良さなどを実物を目の前に説明できるので、いつもは苦労する部分が楽に進みます。さらに鉄道模型もやっていたとのことで、普段使っている8番タックルを3番タックルにスケールダウンする説明も「HOゲージがZゲージになったようなもの」と言う一言だけで理解。
飲み込みが良いベンさんなので、あえてニンフのマッチザハッチをするよりも、その場のハッチに合わせて積極的に同じソフトハックルを使い分ける釣りをやることにしました。魚の次の動きを読んで毛鉤をわざと見せてからユスリカや小型のカワゲラやカゲロウのように流したり、視界の外へ打ち込んで沈めておいてから、小さなトビケラのハッチのように動かす、などなど・・・。
しかし魚はいますが、解禁後のフィッシングプレッシャーと気温が下がった影響で開きには出ずにプールでじっとしています。その中から動きの良い魚を選び、ドリフターを食べているのか、ハッチを追い食いしているのか確認して、一歩一歩近づいていきます。あと少しでUターンしたり、ティペットの送り込みが足りずに少し上のレーンを流れてそっぽを向かれたり・・・そしてついに・・・。
プールの流れ込みのバブルレーンで水面下のミッジを偏食していた一匹を、流しては休ませ、10回近く粘って見事に釣り上げました!こういう時は魚の警戒心もありますが、アングラーの緊張が解けたことでティペットの張りが無くなった時に自然な動きが生まれてパクッといくものです。
文句なしの初めての大江戸ヤマメとなりました。やったね、ベンさん!
ちなみにこの日使っていたのはビーズヘッドの#22のミッジ・ソフトハックルです。流し方で早期のユスリカにもカゲロウにもトビケラにも使い分けることができます。この日はこの魚でおしまい。
翌日はさらに気温が下がり、魚たちはプールから浮いてこなくなりました。もっと上流のポイントへ大移動してフライへ反応する魚を探します。
底の岩の影に隠れながら、底からうきあがる何かを食べているヤマメを見つけたので、ビーズのついていないソフトハックル#18をタングステンパテでボトムまで沈めて、ポイントまで丁寧に流し込んでから、早期の黒い小さいトビケラ(このあたりではヤマトビケラやクロツツトビケラ)をイメージしたイマージャーアクションで誘います。細いですがサビの入った年越しのヤマメです。
小さな沢の流れ込むポイントになら「きっといるだろう」と思ってたら、やっぱり居てくれた大江戸イワナのおまけもつきました。こちらは正真正銘の川育ちです。
Results & Data
- 魚: ヤマメ x 4, ニッコウイワナ x 1
- フライ: ソフトハックル #18-22, ビーズヘッドソフトハックル #22
- リーダーシステム: テーパーリーダー8フィート、フロロカーボンティペット8x(を3〜6フィート
- Fly Line: Scientific Anglers Supra Trout Floating DT3F
- Fly Reel: Oris Battenkill BBS III
- Fly Rod: Tiemco Euflex J-stream 793-4