ワーゲンキャンパーバンの旅・パート2 – 浜名湖のクロダイサイトフィッシング
名古屋での営業と愛知県での販売店訪問が予定より早く終わったため、静岡の友人へ合流してバーベキューする前に時間調整が必要となりました。丁度移動の中間に子供のころ叔父との楽しい釣りの思い出がある浜名湖があるので、近年のフラットでのクロダイのサイトフィッシングの人気も聞いていたので寄ってみることにしました。弁天島の駐車場に到着した時はすでに日が暮れる寸前で、移動式オフィス?自走式ロッジ?の利点を活かして、最高のレイクビューで夕食をとって翌日の朝一の釣りに備えます。
浜名湖について
浜名湖は日本最大の汽水湖で338種もの魚類が生息している一大フィールドです。釣りだけでなく様々なウォータースポーツが盛んであり、モーターボートへのアクセスがあれば奥浜名湖、表浜名湖、さらには外海まで足を延ばして楽しむことができます。昔ボートに乗せてもらって楽しんでいたころは、あちこちに点在する浅瀬を避けて通るたびに「面倒な浅瀬だな」と思っていましたが、フライフィッシングを楽しむ今はサイトフィッシングの釣り場として見るようになるのも不思議な話です。
酒宴のはじまり
旅のつづきに話を戻します。これだけの景色を前に冷たいビールを飲んでいたら、傍に停めていた他のキャンピングカー仲間が珍しげに話しかけてきて、意気投合し、楽しい旅の話が弾み気がついたら・・・酒盛りが始まり・・・夜7時に始まった宴が終了したのは朝4時でした・・・。まぁ、いいや。釣りだけじゃないカントリーライフを楽しむから「フィッシング&カントリークラブ」なのです。
うだるような暑さと観光客のにぎやかさに目を覚ました時は完全に二日酔いで時計の針も10時を回っていました。こんな時に装備のシャワーが早速大活躍。頭から水シャワーを浴びて湖を眺めながら朝支度が終わると、一応活動できる状態になりました。
6番タックルや撮影道具、バナナと冷たいお茶をリュックに放り込み、駐車場近くから渡し舟(往復1,000円)に乗って干潟のあるいかり瀬へ出撃。いつも見かけていた鳥居がある浜へ渡るのは初めてなのでワクワクします。
いかり瀬は周囲3kmくらいの小さな砂州で周囲が干潟=フラットを形成しています。人工物が見える場所がフラットになっている感じはハワイのオアフ島のトライアングルフラットやカネオヘ湾のフラットに似ているかもしれません。渡し舟は鳥居の丁度すぐそばの船着場で私を降ろすと「戻りたい時は旗を立てて降るか携帯で電話してね」と言い残して弁天島へ戻っていきました。
フラットのクロダイ・サイトフィッシング
完全に日が昇っている状態ですが、干潮へ向かう下げのタイミングで入れたので、流れ的にタイミングが合うように時計周りで一周釣ってみることにします。フラットの釣りでも川と同じで魚は流れの上流の方へ頭を向けていますので、後ろから近付いていくことで気づかれずにストーキングすることができます。
やっていることはハワイやフロリダ、沖縄の干潟の釣りとほぼ同じ。たくさんの小魚やエビ、カニが見えますのでそれらと同じようなフライをセットしてゆっくりと魚を探します。クロダイとキビレは横浜のボートや三浦半島の小磯でやったことがあるのですが、足場が低いここでは魚と底の模様の区別がつきません。クロダイかな?と思って間合いをつめてフライを落としても反応が無いので、もう少し近づいたら突然動き出したり・・・、「あ、見えた」と思った時は近づきすぎて警戒させてしまったりをしばらく繰り返していると、干潟と堤防の隙間が水路みたいになっている場所があり、セイゴが群れでうじゃうじゃいるので、小さなフライで少しだけ遊んでから、陸になっているところで一度休憩します。
炎天下に日陰になる場所がないところでは、無理は絶対に禁物。なんせ二日酔いで頭も完全に起きていませんから、水筒のお茶をがぶがぶ飲んでバナナをかじってからふと横になって目を閉じたら30分くらい寝てしまいました・・・。幸いに目を覚ました時は多少日差しも和らいで風も吹くようになっていましたから、これなら警戒をといたクロダイがどこかでテイリングしているかもしれません。
半周して弁天島側の海藻が茂っているところが怪しげなので目をこらしていると、いるいる!尾びれの先だけが水面から出ていますがクロダイのテイリングです。流れの下流側から近づいていくと、ボーンフィッシュほどの警戒心は見せず、あっさり10m以内に近づけました。何を食べているのかは情報がありませんが、海藻の中に頭を突っ込んでせっせと何かをあさっているので、たぶんエビでしょう。6番フックにあまりウェイトを入れずに巻いた静かに着水させるタイプのシュリンプパターンにフライを取り換えて、クロダイよりも1.5mくらい上流にフライを入れて反応をみます。フライが魚の頭の近くにドリフトします・・・どうだ?テイリングを止めてしまいました。静かにしていると魚は逃げずに再びテイリングを始めます。同じプレゼンテーションを何回か繰り返しましたが、フライが通るとテイリングを止めて、しばらくすると再開する繰り返し。気配は感づかれているはずなので、ひょっとすると人に慣れているのだろうか?次の魚を探すことにします。
そんな状態で3匹目にアプローチすると、ヒレの大きさがこれまでに2匹とは違います。体ごと海藻帯に入り込んで、頭だけ砂地になったところに出して何かを漁っていますので今までのエビとは違ってカニの予感がします。フライをマーキンクラブに取り換えてから、魚の頭の位置と太陽の位置を確認して、フライラインの影がかからない位置に静かに移動してから、様子を確認しながら間合いを一歩ずつ詰めていきます。幸いに自分の位置と魚の位置の間に干潟から水路へ水が流れ出す川のような場所があるので、気配は悟られずに7mくらいまで近づけました。魚の頭よりも上流側にある海藻の上にフライを落としてから、魚の目の前で海藻からポロリとフォーリングするように動かします・・・うまく入った・・・魚もフライの動きと一緒に沈んでフライを追います・・・くわえた?まだ早い?ゆっくりとすトリッピングして聞きアワセを狙いますが・・・ググッと重い!よし、くわえた!
そこでついついロッドを持ち上げてしまいました・・・。頭でわかっちゃいるけど、体がやってしまうトラウトセットです・・・。少しだけ魚の重みがロッドに乗って、そのままフッキングはせずに魚は滑り抜けてバシャバシャと逃げていきました・・・。
わずか3回のプレゼンテーションしかできませんでしたが、貴重な1回のヒットがあったので分かったことは、横浜のクロダイと同じで、沈みが遅いシュリンプタイプのフライよりも明らかにしっかり沈むマーキンクラブには一発で反応しました。確認したらフックがねじれたり、つぶれたりしていなかったので、ほとんど刺さらない状態で抜けたのか、サイズが合っていないので口先でつまんだだけの状態だったかもしれません。
釣りは早々に切り上げて道が混みすぎないうちに浜名湖を後にして合流地点へ向かいます。
到着してみて分かったのはなんと昭和の時代を強く感じさせる古民家でのBBQ!
車を受け取ってからここまでの3日間の自炊ではロクなものを食べていなかったので、存分に肉を食べてビールを飲んでその日は爆睡についたのでした。