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小笠原諸島へ遠征:5日目

2020/11/25ソルトフライ,ネムリブカ,バラハタ,フライフィッシング,ホワイトチップ,小笠原,東京都,母島

アイランドリゾート南風での快適なステイはこの日で終わり、予算の都合でアンナビーチ母島ユースホステルへ移動なので早朝だけ釣りに行きました。この日は母島におけるフライフィッシング環境をリサーチするべく、まとめてみました。

母島の自然環境

母島では集落は人口700人の沖港一箇所に集中しており、島の大部分は人が住まない自然環境が整っています。国連の世界遺産に登録されたこともあり、自然公園法により環境保全のために許可無く活動できる区域が限られていますが、キャッチ&リリースを前提としたフライフィッシング(「捕獲した動物を捕獲後直ちに当該捕獲をした場所で放つこと」について、自然公園法施行規則第13条の規定により、許可を要しない行為)は資源へ影響を与えない限りは規制を受けないので理想的な環境です。特別保護区は一切の活動が禁止で、都道を外れた場所によっては所定のレンジャーの同行が求められるので確認が必要です。

西浦へ

地元の方達がルアー釣りへ行くこともある西浦へ行きましたが、自然保護区だけ意識していて、海岸への道についてはレンジャー同行が必要な森林生態系保護地域(林野庁管轄)を通っていたことは知らず、あとで観光協会の事務所で知って怒られてしまいました・・・。森への入り口にはガラス浮きが飾ってあり、いかにも漁業系の人間がたまに来そうな雰囲気です。

森の中のルートはGPSを頼りに15分くらい海岸へ降りていきます。ガイドの目印が難所をマーキングしてあるので、割と分かりやすい道ですが、途中、旧日本軍が掘ったらしい洞窟が見受けられます。ミリタリー好きな私のアンテナが作動する前に、潮が動いている時間を優先してどんどん先へ足を進めます。

海岸へ出る寸前の場所で急に開けた場所に出ましたが、洞窟を広げてバラックとして使っていたように見られる明らかに戦跡として残されている場所だったので足を止めました。現場を変えたり中へ立ち入らないようにしながら写真だけ撮ってみました。戦中のものと思しき飯盒や空き瓶、船の分解パーツと思われるものが当時のまま散乱しています。

※数年後リサーチしてみたところ、これは「西浦震洋隊基地」の跡地であって、太平洋戦争末期、V型ハルの高速モーターボートに爆薬を詰め込んで特攻する部隊が太平洋岸地域へたくさん編成された中の一つで第3震洋隊の方達の駐屯地だったのです。本土決戦のために小笠原だけでも父島・母島合わせて5つの震洋隊が待機していました。

奥の方を見るとさらにいくつもトンネルが作られていて、迫撃砲まで残されています。昼間でも薄暗い一種の「墓場」の側を歩くと、洞窟の奥から誰かに見られているような気分になってきます・・・。

足を進めて海岸へ出ました。ゴロタと岩礁と珊瑚が混在する母島独特な海岸です。船から捨てていったと思しき漁具や流れ着いた港のゴミなどが散乱していて、景観はイマイチでしたが、深い場所から突然浅い入江になるので潮も効いていて何匹かのバラハタが「ガポン!」とすごい音を立てながら小魚へボイルしています。

フィッシングに夢中になる前に帰りルートを確認しておきましたが、人があまり来ない場所なので小さな沢があっても草がボウボウです。こういう場所はボサ川をいくらも経験しているフライフィッシャーならば問題ないかと思いますが、普通のトレッカーであればガイド必須なのも納得です。

西浦リーフの釣り

貸切状態のリーフは色々な魚の宝庫でした。ベイトフィッシュを狙って風下へ回遊するだろうと睨んで、スイッチロッドにストリーマーをセットして流れへクロスするようにロングキャストします。沖よりでバラハタがボイルしていたので、そのあたりへターンオーバーさせてリトリーブしてくると、60cmはありそうなバラハタがゆっくりとストリーマーの後を間を開けて追ってきます。

何度かトライしましたが、これ以外の数匹もストリーマーの後をゆっくりと追いかけてくるけどアタックはせず。大型のブラックバスのような慎重な動きと、必ずつがいの魚とペアで寄ってくるので、スポーニング中のネストを守る行動かもしれません。スポーニングは狙わないポリシーなので、釣りを中断して観察を続けました。

磯を回り込んで沖よりから入江の奥を眺めてみます。ベイトフィッシュも食われているけど、アオリイカの子供も捕食されているようでした。バラハタ一族の食事ショーに呆気に取られていたら、潮が遅くなりぱたっと静かになりました。

大きな青色のブダイが珊瑚をカジカジやっていましたが、フライには見向きもせず朝のセッションはカンモンハタを1匹だけキャッチ&リリースして終了。荷造りのため引き上げます。

沖港の脇浜を散策

ははじま丸が入港するときに気になっていた白い浜辺。脇浜と呼ばれるそこへ行ってみました。

なんと一面サメだらけ!

母島の浅瀬には「ホワイトチップ」と呼ばれるネムリブカが大量に生息していて、沖港を池のコイのように我が物顔で泳ぎ回っています。試しに10番タックルに60lbリーダーで釣ってみましたが、ひと暴れだけで鋭い歯でリーダー破壊・・・。リーダーキャッチ前にバラしてしまったので釣果にはならず。

本日の釣果

  • バラハタ x 2 ・・・ミスバイト
  • ネムリブカx1・・・リーダーブレイク
  • カンモンハタx1