小笠原諸島へ遠征:3日目
母島で迎えた初めての朝。南国の日差しがギラギラどころか、どんよりとした雨模様は回復しないので、まずは人間のプレッシャーを受けている徒歩1分の釣り場において、どれだけこの島のポテンシャルが高いのか、魚たちのフライへの反応を「南国のロックフィッシュ=ハタ」をベンチマークにして確かめてみることにしました。がまかつB10-S #2フックに巻いた大きめのチャーリースタイルの実験用フライを用意していたので、これでテストです。魚っぽいような海老っぽいようなシルエットに光物。こんな適当なフライパターンで反応があるんでしょうか?シングルハンド8番にインタミラインで出撃です。
沖港の岩礁
沖港がある入江は大きな船が接岸できるように戦争中から浚渫工事が行われてきたので湾内にはサンゴはなく、岩礁が広がっています。大戦中のトーチカ跡をすり抜けながら、昨夕と同じ場所をフライで打ってみます。
わずか数回のキャストとロックフィッシュ狙いに定番のフォーリング・プレゼンテーションで、この島の魚たちが全くと言っていいほどスレていない事が判明。20cmに届かないくらいのカンモンハタが必死になって#2サイズのフライに食いついて釣れました。
根魚の反応がこれなら、回遊魚なんてさらに楽勝だろう。そう思い岩礁の反対側の防波堤へ移動します。
カウントダウンして狙ったタナをリトリーブするので、必勝の御蔵キャンディー#4にフライをチェンジします。
メアジという魚が連発して釣れてきました。しかも釣れるのは尺オーバーばかり!アジング天国です!
東港と岩礁まじりのサンゴ礁
人のプレッシャーが強い港湾でこんな好反応。そこで母島の北東に位置する東港、現地情報ではナポレオンフィッシュやGTが回遊する事もあるそうなので、民宿でスクーターをレンタルして島の北部まで足を伸ばしてみました。
東港には何百メートルもある長い防波堤が伸びていて、先端は潮通しの良いポイントになっています。
季節の魚を待ち伏せするには最高の場所でしょう。
潮の動きが良くなかったのか、透明度が高すぎるせいか、底の方でブダイやメジナのような魚が見えますが、それ以外は特に良い動きがありません。そこでベンチマーク検証の続きを港に隣接する岩礁で続行する事にしました。
大きめの岩と岩の間へのフォーリングの後、根掛かりしたかと思って様子を見るために20カウントしたら動き出したので釣り上げてみたら・・・。
こんな浅瀬なのにパンパンに太ったイシガキハタの成魚です!恐るべし小笠原・・・。しっかりと水深を取ったボトムバンピングなどした日には、クエみたいなサイズが上がってくるのでは・・・。そう考えてインタミラインで無茶なロングカウントダウンしたところ、危うくフライラインごとロストしそうになりました。フライフィッシングと似たような釣りを深い水深でやる時は、ベイトフィネスを使ったほうがいいですね。
北港
カヤックからのルアー釣りでボーンフィッシュが釣れた実績のある場所へも向かってみました。東港からほど近い、戦時中に村落ごと放棄されてしまった北港という場所です。
到着したタイミングで上げ潮だったので、数時間はこの周辺を偵察することにします。魚らしい動きは全くありませんでしたが、恐ろしい数のアオリイカの集団に囲まれました。試しにフライをアピールしてみたら次々と抱きかかえては、体全体を真っ赤にして怒ってしまいます。何匹か遊んでみたら、あまり面白くなかったので、遊歩道を頼りに奥の方へ進んでみます。
ジャングルの中を通る歩道を三十分ほど進んだ先には、大沢海岸という名前のなんとなく西伊豆にありそうなひなびた小さい海岸へ出ました。色々と目を凝らしましたが、狙えそうな魚のバイタルサインはなかったので少し休んでいきます。
朝から釣り詰め、探索詰めの疲れが一気に出てしまって、起き上がれなくなってしまいました・・・。天候が優れないので、浸かっていた海の水温も暖かく無いので、今回期待していたボーンフィッシュの回遊どころかハマフエフキなども厳しそうです。こんな遠くまで来たというのに、戦略を大きく変更する必要が出てきました・・・。
釣果
- カンモンハタとイシガキハタ x 7
- メアジ x 3
- アオリイカ x1