TFFCCフライスコアリング検証: バンクフィッシング編:シングルラウンド
いろいろな国で行われているフライフィッシングを総括すると「リバーフィッシング」「バンク(岸)フィッシング」「ボートフィッシング」の3つのタイプに分類できます。日本国内ではバンクフィッシングの中でも管理釣り場=エリアに特化された「エリアフィッシング」が幅広く楽しまれていて、ここではフライフィッシング大会も行われています。
今回も「シングル」のフライフィッシャーが自身で検測を行う「セルフ・コントロール」でバンクフィッシング(エリアフィッシング)を朝霞ガーデンで検証してきました。制限時間の中でチェックした魚でスコアが決まるタイムトライアルになります。
- ラウンド方式:ミニFIPS(タイムトライアル)
- セッション方式:シングルセッション、セルフコントロール
- スコア方式:時短メジャー
前回のリバーフィッシング編はこちら:
フィールド:朝霞ガーデン
今回選んだのは都心からのアクセス良好でエリアとしての難易度をコントロールすることに定評のある伝統的なエリアの朝霞ガーデンです。フライ専用池は水深が浅く、透明度が高いのですが、密度も高いため、これが本当に湖水で行われる一般的なバンクフィッシングとして捉えるべきか、エリアフィッシングとして独自のフィールドとして捉えるべきかを確かめるのにもうってつけだともいます。
FIPS-Mouche公式戦のバンクフィッシングでは3時間セッションを1ラウンドとして、1ビートを150-200m区間で戦ったら、次のビートへ時計回りに移動しますが、日本に限らずエリアでこれは不可能。
そこで、1ラウンドを1時間セッションx3に分けて1ビート左右込みで10mもしくはそれ未満で入れる場所において行います。また止水では必要以上に魚が弱るリスクが高いので、時短メジャーのみで行います。
3セッション行ってトータルスコアを申告します。エリアレギュレーションでシングルフライです。
第一セッション:シングルセルフ、制限時間60分・10mビート
今回はエリアレギュレーションの中で「ウォッシングライン」と呼ばれるシステムが成立するか試すために「ブービーフライ」のウキ部分のみをヨリモドシに巻いて、中間にシングルフライをセットした状態でスタートしました。
しかし!
水深が浅く透明度が高いエリアであることが頭から抜けており、ほとんどの魚はブービー・インジケーターへストライク!
開始から15分経過して、諦めて普通のシステムにチェンジしますが、あまり考えが無い状態かつ猛暑の中で意識はクラクラ・・・・。アベレージをコールするためのファーストチェックも怪しい状態になってしまいました。
なんとか頭を回転させて、ファーストチェックは「23cm」。これがアベレージになります。
それにしても暑過ぎで、熱射病になるリスクを避けるために30分で「ストップ、フィッシング!」
セッション結果:23pt
- トータル:1チェック
- アベレージ: 1チェック (ニジマス)
- メジャーイン:なし
- スコア: 23 x 1 = 23pt
真夏はやらなくてもいいのでは・・・。学生時代の「夏練」を思い出して、冷たい麦茶やゲーターレイドが欲しくなりました。
第二セッション:シングルセルフ、制限時間60分・10mビート
しっかりと水分補給をして休んでから、場所を移動して第二セッションです。さっきのセッションがほとんどスコアできていない焦りがあるので、数を稼ぐためにやり慣れているタイトライン・タックルで流水部分を探して移動。暑さのためにアングラーが引き上げて空いていますが、狙いどころは「止水の中の川」!
開始早々に10チェック連発!
喜んでスマホをいじったら、キャスト失敗して水車にフライが巻かれてトラブル&ヒットフライをロスト・・・。慌ててリカバリーをしてから、今回もニンフィングとはほど遠い勝手流で5チェック追加したところでタイムアップ。
セッション結果:345pt
トータル:15チェック
アベレージ: 15チェック (ニジマス)
ハンドメジャー:ニジマス34cm(スコア上関係なし)
スコア: 23 x 15 = 345pt
猛暑で頭が回っていませんでしたが、1時間セッションではとある場所を除くとベスト成績!
嬉しくて鱒夢・飯島店長に「トラキンだと20分でどれだけチェックするものですか?」と聞いてみたら、「毎分1キャッチ&リリースじゃないと決勝ラインに入れません!」とのこと・・・・汗。
この速度の4倍を想像しただけで気が遠く・・・いや熱射病になりかかっているって!OS-1をがぶ飲みします。
第三セッション:シングルセルフ、制限時間60分・20mビート
いよいよ最終となる第三セッションの前に雨が降ってきてくれて、強制的に休憩。頭をシャワーで冷やして意識を取り戻します。猛暑&雨でフライ専用池もガラガラ状態なので、次はちゃんとキャスティングタックルに戻します。
ちなみに歴戦のシングルハンド6番さんです。北海道から沖縄、サーモンからトレバリー、フローティングラインからS6。野生のサクラマスとエリアのストライプドバスやコロソマまで、一体何種類釣ったか覚えていない(別途記事にします)「鬼の金棒」!
なのですが、そんなことはエリアトラウトたちは一切お構いなし・・・。
国見さんの引き出し、飯島さんの引き出し、自分の引き出しをフル活用しつつ、焦りと疲れでヒットフライを3つもロストした結果は?
セッション結果:161pt
トータル: 7チェック
アベレージ: 7チェック (ニジマス)
メジャーイン:なし
スコア: 23 x 7 = 161pt
やる気がある個体がライズしたところへキャストしたり、流水になっているところへロングキャストしていると手返しはよくありません。
ラウンド結果:529pt
トータル: 23チェック
アベレージ: 23cm x 26チェック (ヤマメ9、ニジマス17)
ベストチェック:ニジマス34cm(スコア外)
スコア: 23 x 23 = 529pt
こんな感じでしたが、いかがだったでしょうか?自分の反省は未熟さがモロに応えたこと。第一セッションは論外だとしても、第二セッションでは裏技で救われ、第三セッションは手返しが出せないことに苦しみましたが、全然ダメだなぁ、という認識でした。
ラウンド換算して比較:エリアとリバー
整備されてビートが取れる区間と釣り上がらないと成立しない区間を比較してみました。フィールド条件が変わるとセッション同士の純粋比較ができないので、後ほど従量平均するために使います。
エリアフィッシング | リバーフィッシング | |
ラウンド・ポイント数 | 529 | 525 |
チェック数 | 23 | 21 |
ニジマス数 | 23 | 12 |
ヤマメ数 | 0 | 9 |
ラウンド距離 | 30m | 900m |
CPM(チェック効率) | 0.8チェック/m | 0.02チェック/m |
フィールド特性 | 整備済み、プール | 最小限の整備、プールなし |
今回ビート区間として使った整備済みセクションのチェック効率はCPM比較で渓流区間のなんと40倍になりました。それにも関わらずスコアの差が1.1倍に留まっているのは、隠れ場所の少ない所のトラウトがフライにスレてしまうことも関係していますが、エリアコンペ未経験の私の未熟さです。
朝霞のラウンドPAR: 525pts
「525pt」に設定します。
平均サイズ25cmであれば21チェックでクリアーできますので、お試しください。
まとめと続き
コンペ経験ゼロの私が検証してみた100%スポーツとしてのフライフィッシングであるフライスコアリング。トータルで3時間セッションやってみた後でも街中の予定をフルにこなせたので、週末としての充実感もUPした実感がありました。
エリアはやはり湖水とは大きく違い、その水質や浅い水深が大きく影響するだけでなく、スレている魚とスレていない魚は全く別種の魚としてフライ選択やプレゼンテーション選別も行う必要があると分かりました。
次回は公式戦経験も豊富なTFFCC小松澤さんにお付き合いいただいて、別のフィールドで「ツイン」と「ダブルス」を検証してきます。プレイブックも準備中ですのでお楽しみに!
ルール
タックル情報
シングルハンド9フィート6番(キャスティング)
- 総重量:g
- フライ:今回はコンペティション・スタイルなので秘密
- ティペット:シーガーエース 1.5号
- リーダー:Varivas テーパードリーダー エキスパート スティルウォーター FHT 4X
- フライライン:Scientific Anglers Saltwater WF6F
- リール:Tibor Light Backcountry WL (195g)
- ロッド:R.L. Winston Boron MX-II 9’0″ 6番 (g)
シングルハンド11フィート3番(ユーロニンフ)
フライリールだけ新調しました。
- 総重量:g
- フライ:今回はコンペティション・スタイルなので秘密
- ティペット:シーガーエース 1.5号
- リーダー:サンヨーナイロン落とし込みチヌ2号
- フライライン:Dohiku Level Racing Line AFTMA L3F
- リール:Hardy Ultralite UDLA 6000 (195g)
- ロッド:Echo Shadow X 11’0″ 3番 (g)