尺イワナ@源流24時間戦えますか – 福島県南会津郡
コロナ禍の影響でデジタル関係のプロジェクトの予定が飛んでしまい、「うーん」と悩む私に「源流行きませんか?」と鱒夢・飯島店長からのお声がけ。そんなこともあろうかと、前回から装備を強化して車に積みっぱなしにしておいたので、即答で「OK」で参加することになりました。0時に出発して現地を目指します。
今回の源流
今回は高校生フライフィッシャーの 「葵丸」さんが参加。前回の源流で鱒夢店長ペアが釣っていた方の筋を3人で釣っていくことになりました。現地に到着するとまだ雨が降っていましたが、山の上の方は晴れているのと雷雨ではないのでそのまま入渓。
こんな山間のコースです。前回は片道3kmあるかないかですが、今回はちょっぴり延長して片道4kmの沢です。
ちなみに前回の源流で遠藤さんが使っていたFlux Dipperの軽快なアクションに惚れてしまい、鱒夢で「プレミアム フライフィッシングセット Dipper」を購入して、フライリール以下は友人にあげてしまいました・・・。
フライリールは使い慣れたOrvis Battenkillクリックリールです。繊細な場所のためにTiemco Infante 8’0" 0番とロングドリフトが必要な場所のためにTiemco J-Stream 3番もロッドボックスに入れてザックに縛り付けて行きます。Dipperに入魂したいので使わないと思うけど・・・。
水辺で快適に行動する「EGスタイル」
今回もう一つ試すのは、沢登りの知恵を源流のための服装と融合させる試み「EGスタイル」。フットワークが格段に上がるはずです。
通常の水位だけど・・・
今回は3人で釣り上がっていくので、一箇所を攻めている間にポイントを潰さない限りは、次の人がリードを入れて先行する、というピストン方式で入れ替えていきます。ヤマメやアマゴだと絶対にできない技ですが、しっかりと隠れているイワナだからこそのゲーム!
飯島店長はアント、葵丸さんはエルクヘアカディス、私はフォームフライのバッタくんでスタートです。入渓してすぐにメジロアブの洗礼を受けたので、虫除けスプレーや対抗装備が早く終わった私が先鋒を努めさせていただきましたが・・・出ない!
メインの流れ、出ない!バブルレーンの脇、出ない!巻き返し、出ない!岩のキワ、出ない!
時々そこから浮き上がってフライを見にはきますが、ノーバイト・・・。
しまった・・・読みが外れた・・・
前回よりも水量が平位なせいか、シーズンが進んだためか、魚が散っているようです。しかもここの沢筋にバッタくんはアグレッシブすぎて通用しないようですが、今更フライを変えたくなかったので、バトンチェンジ。
葵丸さんが一匹目を見事にキャッチしました。続けて店長はなんと尺上イワナ!二人でキャッチを重ねますが、バッタくんと私は置いてけぼり・・・涙。
使い分けだよね、バッタくん・・・?
せっかくのタクティクスを変更するのは不本意なれど、パワーアップされた渓流装備の軽快なフットワークとDipperへの入魂が目的です。ここで3シーズン越しプロトの餌フライ「ストラグルパラシュートスパイダー」へチェンジ!
岩の下のイワナだろうが、川底のヤマメだろうが、倒木の影のシートラウトだろうが、なんでも呼び出す餌フライ。とりあえずカーブの流れがぶつかる岩盤のキワを狙って、お約束の2回わざと外して誘いを入れてから3回目で流していくと・・・?
ドジャ〜ン!(Jojo風)
なんと尺イワナ32cm!1匹目からゴール達成!Dipperへも入魂完了です!
後で気づきましたが、私これが初めての尺イワナでした。「イワナ系」の尺以上なら、アメリカ時代のブルックトラウトやレイクトラウト をさんざん釣っていたので有り難みが分からず、後からこみ上げ感動です。
フットワークが良い「沢ウェア」と、テンポ良く狙ったところへビシッと打てる「釣り上がりタックル」の効果てきめん。やっぱりスポーツですから体が動かしやすいって大事ですね。
その後もテンポ良く連発。ありがとう沢ウェアとDipperちゃん。オービスも1回だけ突っ込みファイトで助かりました。
この後は泣き尺以下しか出ませんでしたが、ここの源流の美麗イワナに惚れ惚れ・・・。頭の天辺が青みがかっているので少しサバっぽいです。
今回は痛恨のミスで、モバイルバッテリーは持ってきたのに、ライトニングケーブルを忘れてiPhoneが電力ダウン・・・。4匹目以降や景色は全く写真が撮れませんでした・・・。もったいない。ゴールの滝まで6匹をキャッチ&リリース、2匹ばらしました・・・ん?
そう、前回は14連続バラシだったのが、なんと大改善です!
ラスボス戦:滝つぼの大イワナ
そしてラストは滝つぼでのラスボスとの対決。手前の筋からネチネチと攻めて行きますが、無反応・・・。奥まで叩き切ってしまう前に、ふと思ってフライチェンジ。
行け!バッタくん!
滝から落ちる2本の太い流れの流心、出ない
バブルレーン、出ない!巻き返し、出ない!払い出しと岩のぶつかり、出ない!
狙いどころは出ないので、フライロストの心配はありますが、滝壺の奥の木の枝やらゴミが溜まっている場所のギリギリを流れるようにすると・・・「チョボン」と何かがフライをつついて沈んで行きました。
この出方は慎重な大きい魚であることが多いので、スレさせないように一旦回収。恐らく浮いている枝のレイヤーの下に隠れていると読んで、空中でターンオーバーさせて落っことすパラシュート・プレゼンテーションで誘い出すことに。
一発目・・・無反応
二発目・・・無反応
ちょっと嫌な予感がしたので、思い切ってゴミの隙間の水面へ根がかり覚悟でフライを落とすと、「グバッ!」と咥えました!そのまま水中へ突っ込んで行きます。確実に尺イワナどころじゃないサイズの魚にロッドは半月に曲がります。滝壺の流れこみの水流が強いところへ逃げ込んでいくのが定番なので、プレッシャーをかけて浮かせる態勢に入ったその時信じられないことが!
老獪な大イワナ
なんと大イワナは深みへ突っ込むと見せかけて、私の方へ向かって進んできました!たるむとバラすので全速力でラインを手繰り寄せてタイトラインを維持しますが、大イワナはその大きさがはっきり分かる近さまで十分に近づくと、今度は足元の岩の下へ一気に突っ込んだと思ったら動きを停止。ロッドが変な角度になって危ないのでたじろいだ瞬間、ふうっとフライが抜けてしまいました・・・。
「なー!」と言う情けない大声が谷川へ響き渡り、居眠りしていた店長まで心配そうに目を覚ます次第。
ガッカリして膝を落とした私は、何が起こったか信じられずしばし呆然としてしまいました。
大胆な大イワナ
気を取り直してみんなのところへ戻ろうと、大岩から足を水中へ踏み入れた途端、「ブルルン!」と言う生き物の感触!
なんとそいつはそこに隠れて休んでいたのです!全長は確実に40cmを超えて、45cmあるやもしれません。尾びれを踏んづけたのでジタバタしていますが、ネットで掬ってやろうと思ったらスルリと抜けてゆっくりと落とし込みの中へ消えて行ってしまいました・・・。
そして地球は回る
その後は入渓地点へ戻り、お昼寝タイム。起きてから大移動してショップへ戻ったのは出発時間から24時間後!
今回は体力もたっぷりと残っていたので、装備を載せ替えてからそのまま帰路へついたのでした。
まとめ
再び入った源流でしたが、水量に応じて使うフライのアグレッシブさを調整したが良い結果へつながりました。足元のフットワークを最良な状態にすること、使うタックルの精度と手返しを適正化すること。これは釣りへの集中力に大きく影響するので、ちゃんと投資して損はないポイントだと思いました。
しかし、まさか裏をかいて一気に間を詰めてフッキングを外すどころか、大胆不適な行動を取る大イワナには驚きました。良い好敵手を見つけたので、また来シーズン挑戦したいと思います。
源流ツアーの詳細やタックルについての詳細は、鱒夢へお問い合わせください。「バッタくん」のマテリアルも全て揃います!
タックルデータ
シングルハンド3番「釣り上がり」タックル
- ロッド:Flux Dipper 7’6" 3/4番
- リール:Orvis Battenkill II
- フライライン:Scientific Anglers AirCel DT4Fオレンジ
- リーダー:Tiemco LDL 15′ 5Xのティペット部分をカット
- ティペット:シーガーエース0.5号